今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、
“HGUC サイコ・ドーガ” です。
“機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカチルドレン” より、ネオ・ジオン軍のニュータイプ専用試作型モビルスーツ、
“MSNー03ー2 サイコ・ドーガ” が、
GUNDAM SIDEーFおよびプレミアムバンダイ限定のHGUCで発売されました。
当初は福岡にできたGUNDAM SIDEーFの限定販売キットとして登場したHGUC サイコ・ドーガ。
後にプレミアムバンダイでも取り扱われるようになり、今回僕はそちらでなんとか確保できた次第であります。
一部店舗限定とかはやめてほしいですなぁ。
クリア成型とか限定カラーとかいうだけならいいけど、普通に一般販売の新作で出せるレベルのものはねぇ・・ま
ぁ、今回はあとからプレバンでも買えるようになったからよかったですけどね。
なんかでかいファンネル背負ったνガンダムとかサザビーのRG版キットもそのパターンなのかな?
よく知らないけど(笑)。
あの二つはなんというか・・酷い。
そう思うと、今回のサイコ・ドーガは変なアレンジはされていないようで安心しました。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。
まずパッケージですが、新規イラストが描かれたフルカラー仕様です。
そしてご覧の通り、めちゃくちゃ分厚いです。
背景にはαアジールなんかも登場していますね。
HGUC ナイチンゲールでも登場してた(このサイコ・ドーガも)し、これは、HGUC αアジール来るな・・(来ないよ)
なお、説明書のほうはいつものプレバン仕様で、機体解説のないモノクロ刷りでした。
MSNー03ー2 サイコ・ドーガ
ネオ・ジオンの汎用量産型MS、AMSー119 ギラ・ドーガをベースにニュータイプ専用機として強化改修されたMS。
アニメ版のヤクト・ドーガに相当する機体ですね。
主なパイロットはグラーブ・ガスで、こちらもアニメ版のギュネイ・ガスに相当するキャラクターです。
ベルトーチカチルドレンは劇場版アニメ 逆襲のシャアの初期稿を元に執筆された小説作品で、正史となるアニメ版とはけっこう違った物語になっているので、このサイコ・ドーガの扱いもちょっとややこしいですね。
というのも、逆襲のシャア版のMSVであるCCAーMSVにαアジールの雛形となった(完成する前に仕様変更された結果αアジールになったようです)NZー222 サイコ・ドーガという機体があって、僕なんかはサイコ・ドーガというとまずそっちのほうを思い浮かべてしまうんです。
順番としては今回のMSNー03ー2のほうが先に世に出ているはずなのですが、ビジュアルのインパクトもあってかNZー222のほうがまだ認知度が高い気がします。
そのせいか、一時期MSNー03ー2はサイコ・ギラ・ドーガと呼称されることもあったようですが、最近はサイコ・ドーガで落ち着いているようです。
でもそうなると結局2種類のサイコ・ドーガが入ることになってややこしいんだけどな・・
ほぼ真っ白なボディがいかにも試作機という感じ。
一見してギラ・ドーガがベースとわかるデザインで、そういう意味では設定的にもヤクト・ドーガより説得力があります。
キットはHGUC ギラ・ドーガの流用で、下半身はほぼそのままですね。
さすがに14年ほど前のキットがベースなので構造には多少古さを感じますが、可動部のほぼすべてにポリパーツが使われているので保持力、安定性に不安はありません。
バストアップで。
上半身は腕部以外、おおよそ新規造形。
ギラ・ドーガでは一体だった胸部と腹部が分割されて前後可動が追加されるなど、最新キットに準じたアップデートがなされています。
こちらが普通の状態。
肩アーマーは上腕とのジョイント部が独立して可動するため、
肩アーマー前後や側面にあるバーニアの内側など、新規造形部分については色分けもかなり細かく再現されていますね。
特徴的な頭部形状。
いわゆるザク系の顔ではなく、その点はヤクト・ドーガに通じる部分です。
額の中央にあるネオ・ジオンのエンブレムは成型色で色分け。
モノアイの可動はその額を含む頭部前面パーツを外すことで行えます。
モノアイの発光部はシールです。
あと襟の左側にある記章のようなマークもシールです。
背面。
背中には上向きに2基、下向きに1基と、計3機の大型スラスターを装備。
形状は3基ほぼ同じで、下向きのもののほうがわずかに大きいです。
上向きの2基は本体から直接生えているような構造で、わずかですが左右と上下にスイング。
下向きのものはバックパックから繋がっており、上下スイングのみ可能です。
3基揃って後方に伸びるかたちなので、まぁまぁ後ろが重くなるのですが、下半身がわりとどっしりしていて足の接地面積も広いため、自立はとくに問題なし。
ただし、腹部が重さに負けて若干反るような格好になりがちですね。
下半身は先にも言ったようにほぼギラ・ドーガのままで、新規パーツに置き換えられているのは腰部フロントアーマー(左右)のみ。
脛パーツは流用でくるぶし位置のスラスターは外装と一体成型のため、色分けされていません。
付属武装
ビームアサルトライフル
メインの射撃武装。新規造形で色分けも再現。
というか、なんで急に武器だけ鮮やかなグリーンなのか・・
なおギミックはとくになし。
一見分割されてそうなマガジンも取り外しできません。
保持には右銃持ち手を使用。
グリップにあるダボをはめ込むことでしっかり固定できます。
左の銃持ち手は付属せず。ここは新規で付けてくれてもよかったのに・・
ビームソードアックス
ソード、アックス、ピックの3種類のビーム刃を生成できる近接武装。
縮めた状態と伸ばした状態の2種類が付属し、ソードのエフェクトは縮めた状態、
アックスとピックは伸ばした状態でのみ取り付け可能。
ギラ・ドーガからの流用なので、本来ライフルと同じグリーンなのですが今回は白色成型。
非使用時は縮めた状態で腰部リアアーマーにマウントされます。
まぁ、伸ばした状態のものもマウントできますけどね。
シールド
大きくネオ・ジオンのエンブレムがあしらわれた専用のシールド。
こちらのエンブレムも成型色で色分けされています。
裏面にはミサイルを3機(一体成型)とスモークディスチャージャーを装備。
スモークディスチャージャーのパーツはギラ・ドーガからの流用です。
前腕に取り付けるためのジョイントパーツも流用ですね。
ファンネル
ヤクト・ドーガやサザビーのものに似た円筒形のファンネルを左右の肩アーマーに3基ずつ、計6基装備。
もちろんすべて個別に取り外し可能。
ただし、展開状態再現用のスタンドなどは今回付属していません。
でも後端のスラスター部が3㎜穴になっているので、どこのご家庭でも余っている適当なスタンドが使えるのでご心配なく。
収納状態のものも同様にスタンドが使えます。
なお、キットにはギラ・ドーガのパーツはすべて入っているので真っ白いギラ・ドーガとして組むこともできます。
まぁ、わざわざそんなことする人もいないでしょうが。
内部パーツやポリキャップが足りりないのでサイコ・ドーガとギラ・ドーガの胴体や上腕を同時に組むことはできませんが、頭部や肩アーマー、バックアックなどはまるっと組むことができます。
武装も2種類のビームマシンガン、シールド、4本のシュツルムファウストまで組むことが可能。
なかなかお得な・・いや、騙されてはいけない。
普通にギラ・ドーガ+新規パーツ分の値段払ってるんだから(笑)。
比較画像
元となったギラ・ドーガ(HGUC 一般機)と。
上半身と武装がほぼ一新されている一方で下半身の変更はフロントアーマーのみ。
頭部とバックパックの形状がガラリと変わっているので随分変わっている印象ですが、肩アーマーや胸部の形状には共通点があり、改修機として不自然なものにはなっていません。
HGUC ヤクト・ドーガと。
小説版とアニメ版でほぼ同等の役割を担う両機なのですが・・やはりギラ・ドーガを改修したものという説得力はサイコ・ドーガがほうがありますよね。
個人的にヤクト・ドーガは好きなMSベスト3には入っているので、肩を持ちたいところではあるんですが(笑)。
あと、てっきりファンネルは同じものだと思ってたんですが、サイコ・ドーガのもののほうが一回りほど大きいですね。
実際に大型なのか、それともバランスをとるために今回大きくデザインしただけなのか・・
HGUC ナイチンゲールと。
アニメ版のサザビーに相当するナイチンゲール。
あらためて、その巨大さが際立ちます。
サイコ・ドーガも十分大型機の部類なんですけどね。
というか、シャアがあえてこんなMA的な機体に乗るかなぁ?
ジオングに乗ったのは例外だったでしょうしねぇ・・
以下、画像
ネオ・ジオン製の、どちらかというと重MSに近いボリュームのある機体なので、正直さほどよく動くものではありません。
それでも、ほぼ新造されている上半身のほうは腕部の引き出しや腹部可動など、まだ動くほうですかね。
下半身はギラ・ドーガのままなので、股関節の前後スイングは可能ですが一体成型なので右脚を前に出せば左脚が後ろに下がるという感じです。
付け根の接続もボールジョイントで、太腿ロールもできないのでかなり表現は制限されますね。
どうせなから股関節周りも新造してほしかったかな。
立て膝はまぁなんとか、という感じです。
左のみ平手が付属していますので、ライフルに手を添えるポーズも。
スタンドを使って。
スタンド対応穴は股下にあります。
やはり空間姿勢のほうが翼のようなスラスターが映えますが、頭部はほとんど横に振るくらいしかできないので目線が合わせにくいです。
首パーツ自体はけっこう後ろに反れる構造にはなっているんですが、頭部が後ろに長い形状なので結果的にほぼ上を向けないんですよね。
二刀流で。
本来は1本しか装備してないんですけどね。せっかく2本あるし。
でも、なんでソードとアックスないしピックのエフェクトを同時に付けられるようにしなかったのか・・
グ「行け! ファンネル!
ファンネル用のスタンドは付属しませんが、3㎜軸の汎用スタンドが使えるので問題なし。
肩アーマーの基部にも3㎜軸が挿せる(ちょっと緩めかな)なので、工夫すれば射出状態の再現も可能です。
HGUCナイチンゲールのパッケージイラストで登場してたポーズで。
パッケージの背景に描かれてたら近いうちにその機体もキット化される・・みたいな言い伝えもありましたね。
ならばやはりαアジールも・・まぁ無理だろうけど。
仮に1/144スケールでキット化されるとしたら、いくらくらいになるんでしょうね。¥50,000くらい?
VSリ・ガズィ。
小説のストーリーでは、このときの戦闘でサイコ・ドーガ1号機は大破。
しかしネオ・ジオン・・というかシャアはその機体をあえてロンドベルに回収させています。
そしてロンドベルはサイコ・ドーガからサイコフレームを取り出し、それをνガンダム・・小説版だからHiーνガンダムですね・・に組み込んで完成させることに。
サイコフレームはシャアが秘密裏に技術提供したものという大枠はアニメ版と共通していますが、その流れが違っているわけですね。
メ「前方、ネオ・ジオンのMS部隊が展開中。ニュータイプ専用機と思しき機体も確認できました。
そういえば一向に第2部が公開されい閃光のハサウェイは、本来ベルトーチカチルドレンの続編なんですよね。
アニメ版は逆襲のシャアから繋がるように一部・・というか大分か? 設定が変わっているようですが。
3部作らしいけど、一気に見ないと理解できないよ。
一気に見ても理解できないかもしれない・・
以上、“HGUC サイコ・ドーガ” でした。
ネオ・ジオン系MS.のキット組むのはかなり久しぶりな気がする。
まぁ半分はギラ・ドーガなんで、懐かしさもありますけどね。
最近は水星系キットの小柄で華奢な感じになれてしまっているところもあるので、同じ1/144スケールとは思えない大きさにもちょっとびっくりしたり。
まぁその何倍もでかいナイチンゲールも久々に出してきてさらにびっくりしたんですが(笑)。
およそ14年前のキットの流用なので、可動性などは最新のキットには及ばないものですが、造形的に見劣りするところもなく、新規造形部分については可動点の追加、色分けなどしっかり最新フォーマットに準拠していて、既存キットのアップデート版としてもよくできたものになっていると思います。
ギラ・ドーガのパーツはすべてそのまま付属しているので大量の武器類がそのまま組めるのもお得感があってよかったです。
シュツルムファウストなんて、何本あってもいいですからね(笑)。
なによりこんなマイナーMSがキット化されるなんて・・
気になるのは売り方だけですが、今回は結果的にプレバンでも買えるようになったのでまぁいいか、と。
逆シャア関連だと、リ・ガズィカスタムとかもそのうち限定で出したりしそうですね。
MGでできたし、HGUCでもたぶんできるだろうから。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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