今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM 24 ガンヴォルヴァ” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、平穏な学園内を2度も地獄に代えた無人モビルスーツ型ガンビット、
“EDMーGB ガンヴォルヴァ” が、
HG水星の魔女シリーズで発売されました。
わりと早い時期からビジュアルは公開されていたガンヴォルヴァ(劇中登場前は新商品A(仮)という表記でした)。
おそらくは量産型のガンダムだろう。ルブリス・ウルとの共通点もあるけど、どこ製なんだろうか? とかいろいろ注目されていましたが、まさか令和のガンビットだったとは・・
まぁ、敵方だろうとは思ってましたが。
しかし、14話のランブルリングの最中に突如現れたときには恐怖を感じましたね。
主機ともいえるルブリス・ウルの沈黙=ソフィの死で機能停止し、ひょっとしてこれ一回きりかと思っていたら20話で再登場。
そのときは14話以上の被害をもたらしましたが、またもルブリス・ソーン=ノレアの死で機能停止。
一連のテロの首謀者であるシャディクが捕らえられたこともあり、残存機もすべて回収されたっぽいです。
というか、14話以降ウルとソーン含めよくあれだけの数をMSを隠し通せたな。
それ以前に持ち込めたのも不思議です。
いくら御三家直轄の寮内とはいえ、フロント管理者のセキュリティザル過ぎない?
そして、14話では親父の身柄確保、20話ではほぼやけくそでテロったシャディクは本当に許されない。
22話ではなんかさっぱりした顔してたけど、僕は許しませんよ。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。
EDMーGB ガンヴォルヴァ
オックスアース社が開発したMS.型ガンビット。
ウルやソーンによって遠隔操作される無人機で、本来コクピットが配置される胸部にはGUNDフォーマットリンク受信に特化した機器が収納されているようです。
射撃、格闘、防御に必要な基本的な武装を備え、実際にパイロットが操縦するMSとほぼ同様の動作が可能。
そして当然、GUNDフォーマットリンクによる高い連携運用が可能となっています。
ルブリスに起源を持つ水星系ガンダムの特徴を残しつつ、余計なものを削ぎ落としてシンプルな戦闘機能のみに特化したような外観です。
グレーメインのカラーリングも、もともとも資材の色のままというか、装飾など一切考えていない感じですね。
見ためはMSですが、あくまで一武装でしかないというところなのか。
一方でちゃんとガンダムっぽい顔付き、プロポーションを採り入れているのは、ガンダムといういわば恐怖の対象を見せつける、威圧的効果を狙ったものではあるんだろう・・とかなんとか理由付けを考えてはみるのですが、まぁぶっちゃけアニメ的なインパクトですよね。
どう考えたってコストに見合う代物じゃないし。
主機の命令で動く無人随伴機は一つの浪漫です。
そんなわけで主機であるルブリス・ウルとの外見上の共通点もちらほら。
腰部サイドアーマーなんかはほぼ同じですし、脛即面の外装も似た雰囲気になっています。
ソーンと似たところは・・とくにないかな。
キットとしてはシリーズでも後発、かつ特殊なギミックもないシンプルな機体ということもあってコスト的に余裕があったのか、色分け精度が非常に高くなっています。
頬の白いラインまで成型色とか、ちょっとびっくり。
可動面でも、
腰部サイドアーマーはウルと共通の仕様で接続基部が開くように動くことで脚部付け根部分の可動域を確保。
脚部自体も膝を曲げることで膝の外装が連動して動くなど、メイン機体よりもむしろ丁寧な造りになっています。
バストアップで。
通常のガンダム系と同じく、起動時には額と胸部がパーメットスコアに応じて赤く光るのですが、キットでは発光の有無を選択可能。
それぞれクリアパーツの内側で、額のほうはグレーのシールを貼り、胸部のほうはシールなしで起動前の状態を再現できます。先の全体画像がそうですね。
で、額、胸部共に赤い発光表現のシールを貼って機動状態を再現したものがこちら。
うん。わかりやすく起きた感じ。
以降は基本的にこちらの状態で撮っています。
ちなみにツインアイから額のカメラまでは黄色いパーツで分割されていますが、基本的に全面にシールを貼る仕様です。
背面。
バックパックも小型ですっきりとした後ろ姿。
ウルと同型のサイドアーマーにもスラスターが備わっているので、機動性も高いようです。
バックパック左右の縦型スラスターはボールジョイントで可動します。
足首の接続はルブリスやエアリアルと同じ、C型ジョイントでの前後スイングにつま先がボールジョイント、踵が軸接続でそれぞれ個別に動くという、個人的に嫌いな仕様(笑)。
面倒臭いんですよこれ。ロールもできないし。
加えて、今回注意しておかなければならないのが、踵のパーツの取り付けがかなりキツめということ。
さらになんでか軸に小さな穴が開いているので、キツいところをなんとかはめ込んだけれど、動かそうとしたら軸がねじ切れた・・という報告が挙がっています。
つま先のほうはまぁ大丈夫そうですが。
対策としては、踵パーツの穴の内側を棒ヤスリなどで擦って少し緩めに調整してやることですね。
僕は組む前にTwitterで注意喚起されているのを知れて幸いでしたが、知らずに組んでいたらたぶんやってしまっていたでしょう。
そもそもあの軸のあの穴はなんだろう? 肉抜き? コスト削減だとしてもどれほどの効果があるのか・・というかさっき色分け褒めたところなのに。
付属武装
ビームカービン
取り回しのよさと威力の両立に成功した小型のビーム射撃武装。
マガジンは取り外し可能ですが、これも肉抜きが気になります。
非使用時には脚部側面にマウント可能。
左右どちらにでも、なんなら内側にマウントすることもできます。邪魔だろうけど。
ビームサーベル
標準的な格闘武装。
シールドの裏面に2本がマウントされています。
ビーム刃はいつもの汎用パーツです。
シールド
こちらも標準的な防御装備。
けっこう細身で防御面積はあまり広くないですが。これも地味に色分けが優秀ですね。
裏面、上側にはビームカービン用の予備マガジン、下側にはビームサーベルをそれぞれマウント。
予備マガジンは2本が一体成型です。
カービンに装填しているマガジンを代わりにマウントすることもできます。
また、前腕側面い取り付けるためのジョイント部は上下にスライドします。
比較画像
おそらく基本構造を参考にしているだろうルブリスと。
あらためて並べてみると、顔付き以外はあんまり似てないです。
ガンヴォルヴァは、少なくともヴァナディース機関が目指していたガンダムの姿ではないですね。
GUNDフォーマットが組み込まれているので、ガンヴォルヴァも一応ガンダムでいいんですよね?
しかし無人機という意味では、この機体が直接人の生死に関わることはないんだよなぁ。でもそのぶん主機のパイロットに負担がかかるから一緒か・・
先にも言った通り、ウルとは一部共通の意匠があり、プロポーションこそ違いますが、おおまかにはガンヴォルヴァはウルをベースにしたんじゃないかと思えますね。
しかしそう思うと、なおさらソーンはなんでこんな見ためになったんだろうか?
変形するとか、ウルとソーンの2体で合体するとか、いろいろ予想されていましたが、結局なにもなかったですね。
いや、まだ残り2話、なにが出てくるかわからないぞ・・
繰り返しになりますが、腰部サイドアーマー基部の可動や脚部外装の連動可動など、構造的に面白い部分もありますし、そもそも高い可動性でアクションシーンの再現が可能です。
足首だけだな。普通にボールジョイント接続にしてくれればいいのに・・
なんで水星HGはわざわざクセのある接続、可動にするのか?
とはいえ、シンプルな機体なのでとくに干渉部位もなくよく動きますし、自立も比較的安定するのでさほどストレスなく弄れます。
立て膝も綺麗も綺麗。
なお、この画像でビームカービンに添えている左の平手はウル(ソーンでも可)に付属の平手を拝借しています。
手甲部分含めマニピュレーター(ハンドパーツ)のデザインは共通なので、そのまま流用できる・・と思いきや、手甲パーツの形状が微妙に違っていて、ウル(ソーン)の平手にガンヴォルヴァの手甲パーツを付けるとわずかに浮いてしまいます。
なんで形状を合わせないのか・・
さらに正座も。
僕たちはただ命令に従っただけなんです。
自我を持つことさえ許されず・・
そう思うと哀れな存在ではある。ガンドノートもね。
スタンドを使って。
そういえばこいつもウルもソーンも、エアリアル改もわりと普通に空飛んでましたね。
ペイル社の優位性とは・・?
フルアームドガンヴォルヴァ!
ウルとソーンの武器を取り付けてみました。
しかし、劇中でフェーズドアレイキャノンが発射されることはありませんでしたね。
キットの説明では高出力ビームを発射できるとありましたが、劇中ではスコア3以上で展開するパーメット発振器のような描写しかなかったし・・
設定変わったのかな?
量産型のMS型ガンビットということでやはり複数あったほうができることが多いので、今回はとりあえず2つ買いました。
初登場時、地下から浮き上がるように現れたときはなかなか怖かったですね。
学園祭から一気に戦場へ・・
サリウスの身柄確保のためだけにあれをやったのかシャディクは。
もちろん、アーシアンのテロリストの仕業に見せかける意味もあったんだろうけど、彼の目的としてそのやり方がベターだったのか、正直よくわかりません。
誰か賢いひと教えて。
ソ「暴れろ! ガンヴォルヴァ!
率先して周囲に攻撃したソフィだけど、基本的に標的はスレッタ一人だったからほかの生徒を殺しまではしてないんですよね、彼女。
そういう意味でより罪深いのはノレア。あそこで無関係の生徒を殺す必要はまったくない。ただの逆恨みでしかない。
まぁ、ひょっとしたら一人くらい殺せとシャディクが命じていたのかもしれませんが。
ただ当たり前を臨んだだけのソフィ。
しかしその当たり前を利用されて・・
エアリアル・・エリクトによるパーメットスコア6の影響でガンヴォルヴァの制御を奪われ、さらに高濃度のパーメットの流入によってソフィは死亡・・したんだと思われます。
エリーもそこまですることないんじゃない? とは思うけれど・・
その後、撤退したノレアはニカと一緒にグラスレー寮内で軟禁状態となります。
そこにエラン五号も加わって、しばらくは嫌な同室生活を続けてましたが、閉塞した空気のなかどんどん追い込まれていくノレア。
悠木 碧氏を起用した理由がよぅくわかりました。
闇の深い女・・(笑)
クインハーバー事件を知って限界寸前のノレアを開放すればあぁなることはわかりきってる。本当にシャディクはクソだな・・
結局アーシアンのことを思ってるわけじゃないんだよな。自分と自分が認めた人間のことしか見てない。
しかしそんなシャディクがなんでミオリネには惹かれたんだろうか?
5「僕と共に来い!
いやぁ、ぶっちゃけエラン五号があんなふうに炭冶郎化するとが思いませんでした。
ノレアも浄化された・・と思ったところのコクピット直撃ですよ。
まぁね、キツい展開だけど、同情はできません。
同じことやってるからね、ノレアは完全に自分の意思でね。
で、それを目の当たりにした5号速水オチするかと思いきや、むしろすっきりして最終決戦パーティに参加してきましたね。
そっちは意外だった。
まぁ、これ以上脇で敵対するキャラが出てきてもややこしいか。
空気読まないのはラウダだけでいい・・
以上、“HG ガンヴォルヴァ” でした。
後半ほぼアニメ本編の感想みたいになっちゃいましたが(笑)。
残り2話、まだまだこちらの予想を裏切る展開をやってくれる気がしますが、どうかこれ以上の悲劇は起きませんように。
とりあえずラウダはグエルにシュバルゼッテ譲ってペトラのところに行け!
さてmビットMSというとやはりガンダムXに登場したGービットなどを思い出しますが、なんだろうな・・そのときにはさほど感じなかった無人機ゆえの怖さというものを、今回のガンヴォルヴァでは強く感じましたね。
それまでぼんやりと平和な雰囲気に甘んじてきた学生たちと、我々視聴者もほぼ同じような感覚でいきなり無慈悲な現実を叩きつけられたような感じ。
まぁ、視聴者はすでに12話で一回やられていたので、多少の耐性は付いていたとは思うのですが、それでもねぇ。
ソフィがあんなに早く退場するとは思わなかったし。
それから再登場までわりと間が開きましたが、二度目ではまたノレアが退場したし・・
まぁ不吉な存在ですよね。
災厄の象徴というか・・とりあえずシャディクは許さん。
一方キットの出来は非常によく、そのギャップがまたこちらの情緒を揺さぶってきます。
もともと色数の少ない機体ではありますがいつもならシールで済まされるような細かい部分まで成型色で色分けされていたり、HGにもかかわらず外装の連動可動が採用されていたり、むしろ主役機(だった)のエアリアルよりも手が込んでいる。
いったいどこに力入れてんだ? と思ってしまいますが。
踵の接続軸という爆弾は抱えていますが、事前に知っていれば簡単に対処できるものですし、致命的というほどではないかなぁ。
オリジナルガンダムの改造素体としてもいいキットなんじゃないでしょうか。
ただ発売時期は、せめて先月だろう、と。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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