今回のレビューは、1/100スケール マスターグレードモデル より、
“MG ガンダムF90用ミッションパック Wタイプ” と、
同じく“ミッションパック Iタイプ(木星決戦仕様)” です。
フォーミュラ計画のすべてを紐解く“A to Z PROJECT” より、大気圏内飛行を可能にする軍用機仕様の
“W(WARBIRD:ウォーバード)タイプ” と、
コミック作品、“機動戦士クロスボーンガンダム 鋼鉄の七人” に登場するF90の木星決戦仕様を再現できる
“I(INTERCEPT:インターセプト)タイプ(木星決戦仕様)” が、
それぞれ発売されました。
本体を含まないミッションパックのキットとしては初の単体発売となるWタイプとIタイプ(木星決戦仕様)。
リリース順としてはWのほうがあとになるわけですが、今回はそちらメインで紹介していきたいと思います。
というか、Iタイプ(木星決戦仕様)は当初はスルーするつもりだったんですよね。
たぶん、1/100スケールで鋼鉄の七人が揃うことはないだろう(というか、1/144でもたぶんない・・)から。
結局、Wタイプだけ買うのも送料がもったいない気がしたので、おまとめできた再販分を購入してしまったのですが・・
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属の水転写式デカールも一部を貼ったのみです。
過去に発売された関連キットについては以下をご参考に。
W(ウォーバード)タイプ
軍用機て・・MSはほぼほぼ軍用機だろ、と思うんですが、要は大気圏内飛行能力を付与した可変タイプですね。
軍用飛行機という意味でウォーバード、なのかな? けっこう無理矢理な感じはしますが。
見ためもそうですが、性能的にもP(プランジ)タイプと被るんじゃないか? とも思ったんですが、あちらは大気圏突入が主な用途(Uタイプの逆ですね)で、宇宙空間におけるMA的な運用は可能ですが、大気圏内での飛行はあまり得意ではないのかな。
ではまず、恒例の。
今回は単体発売でこれまでのミッションパックセットと同額ということで、当然ボリュームは平均的なほかのパックのほぼ倍となっています。
メインカラーが赤というのも新鮮ですね。
各オプションは一見して飛行タイプとわかる形状になっています。
使用するハードポイントは左右の肩、前腕、腰部フロントアーマー、脛側面。
そしてバックパックは丸ごと換装。ビームサーベルは流用します。
さらに腰部リアアーマーのウエポンハンガーに本パックの要となるウイングユニットを取り付けます。
ガンダムF90 Wタイプ
装着完了。
とりあえず1号機に装着していますが、パックのオプション類がほぼ赤いので、色的な印象が本体のみのときとは大きく異なります。
鋭角な肩アーマーや尾翼の生えた脛アーマーなどはなかなかスタイリッシュ。
しかし、MS形態でより特徴が感じられるのはやはり背面。
折りたたまれた機首ユニットと、ウイングの存在感が強いです。
そしてほぼ赤い。
ウイングは腰に位置しているという珍しいパターン。
こういう可変機の場合、ウイングはだいたい背中から生えているのがセオリーなのですが、ここは少し捻ったデザインで攻めてきましたね。
大河原御大、まだまだ引き出しあるぞ、という感じでしょうか(失礼ww)。
機首ユニットを兼ねるバックパックに装備するビームサーベルは、先にも言ったようにF90本体の固定装備をそのまま使用。
基部は左右に可動します。
腰部のウイングユニットは後方に90度動かせるほか、基部およびジョイントパーツとの接続部で回転します。
なおこのウイング、航空機の翼としてはやけに分厚いのですが、実はこれ、試作型のミノフスキードライブなんですね。
V2ガンダムで初めて実戦投入された技術だと思っていましたが、すでに30年以上前から試作はされていたんですね。もちろん後付け設定でしょうが。
下部がスライド、
さらに専用のエフェクトパーツを取り付けることでいわゆる光の翼の展開状態を再現することが可能です。
ただ、この下部パーツをスライドさせるとき、グレーの外装部分が外れやすいです。
飛行形態
大気圏内飛行が可能な飛行形態へ変形します。
とはいえ、F90本体に変形機構はないので、ミッションパックの機能によって擬似的な変形が行われるのみで、F90本体は基本ただ寝そべっているだけ。
なので、リ・ガズィのBWS(バックウエポンシステム)とまでもいかず、近いのはスーパーガンダムのGフライヤーモードかな。
というわけで、まず変形手順おば。
バックパックに接続され、後ろ向きにたたまれている機首パーツを、カバーを開きつつ起こします。
そして、V字アンテナなどに気をつけながら頭部を収納、機首をまっすぐに伸ばします。
次に左右の肩アーマーの外装部分を上に跳ね上げ、機首側面とジョイント。
腕部自体はそのまま、まっすぐに伸ばしておきます。
バックパック中央からパーツを展開し、腰部のウイングユニットにジョイントして固定。
ウイングは間のジョイントパーツのみ180度回転させることで、全体に少し後方に位置をずらします。
脚部はそのまま。とくに固定はしないのですが、今のところ股関節の保持力には問題ないので、へたることはありません。
足首は伸ばした状態にして変形完了。
アナザー系作品ではけっこうポピュラーな寝そべり変形ですが、UC作品ではわりと新鮮かも。
まぁ、Pタイプもほぼ一緒ですけども。
ただ、ウイングが背中ではなく腰にあることでバランスがよい感じになっていると思います。
しかしこれ、色味的に某究極総司令官のビークルモードっぽいな(笑)。
機首に内蔵されているビームキャノンは展開可能。
ただし、一旦変形してしまうと構造的に展開することが難しいです。
説明書でも、機首を起こす段階で画像矢印部分にあるクランクパーツを押し込むように指示されています。
スタンドディスプレイには本体用のジョイントパーツに加え、新規の飛行形態用のジョイントパーツを使用します。
画像では分かり易いように左脚を外しています。
着陸形態
なんというか爬虫類っぽいというかドラゴンっぽいというか・・妙に可愛らしい着陸形態。
前腕および腰部フロントアーマーに収納されているランディングギアを展開して再現します。
前腕にクロー状のランディングギアがあるデザインはやはり大河原氏によるウイングガンダムを彷彿とさせますが、装備位置と向きが違いますね。
もちろんMS形態時でも展開することはできますが、格闘武器にはなりそうにないな。
I(インターセプト)タイプ(木星決戦仕様)
鋼鉄の七人において、サナリィのMS訓練教官で、かつて連邦の青い閃光と呼ばれたベテランパイロット、ミノル・スズキが搭乗した仕様。
本体はF90なのですが、1号機そのものであるかは不明のようです。
基本的に、先にF90ⅡIタイプとしてF90Ⅱ本体とセットで発売されたものから本体を除いたミッションパックのみの単品版ですが、付随する武器がビームランサーからショットランサーに、青いパーツがF90Ⅱのボディカラーである水色からF90で使用されている濃い青に変更されています。
使用するハードポイントは両肩と両脛のみ。
メインオプションとなるフライトシールドは、通常のシールドと同様にグリップ保持と前腕ハードポイント(カバーは付けたまま)への取り付けとなります。
なお、肩に取り付ける増加スラスターは本来Iパックに含まれるものではなく、F90Ⅱの基本装備となりますが、木星決戦ではそれも装備しているので、今回のキットにも含まれています(外装部分は地味に新規造形のようです)。
ガンダムF90 Iタイプ(木星決戦仕様)
装着完了。
巨大な盾と槍を装備した、一見すると格闘戦主体とも思える姿ですが、実際には簡易的なサブフライトシステムを用いた高機動迎撃戦を想定した仕様。
本体に装着するオプションはほとんどなく、手持ち武装(兼乗り物)がメインという意味ではかなり特殊なミッションパックともいえます。
ショットランサー
クロスボーンバンガードの代名詞ともいえる格闘武器。
その名の通り、実体型の槍を射出する銃タイプの武器です。
槍はパイルバンカーのように何度も出し入れできたり、完全に発射してしまうこともできるのかな?
とりあえずキットでは完全に抜いてしまうこともできます。
今回のものはビームライフル内蔵型で、さらに小型の核ミサイル5発をマウントしています。
ミサイルは5発一体成型なので1発ずつ取り外すことは不可能。
弾頭先端は本来黄色で、キットにはカラー再現用にシールが付属しますが、今回は貼りませんでした。
なお、同じく木星決戦仕様のビギナ・ギナⅡも同じショットランサーを装備。
やはりプレバン限定で発売されたRE版キットに付属するショットランサーにはこのキットのものが流用されています。成型色は違うようです。
フライトシールド
通常のIタイプのものと形状は一緒。青いパーツの成型色とデカールが違うだけです。
先にも言いましたが、裏面にある可動式のグリップを拳で保持、さらに前腕のハードポイントにジョイントを取り付けることが可能です。
グリップの基部は一見回せそうですが回りません。
前腕ハードポイントへの取り付けだけでも一応固定はできます。
また、ディスプレイ用の専用スタンドが付属しますが、
まぁ、素立のときくらいしか使えませんね。
表面中央のマーキングは、F99 レコードブレイカーの頭文字をモチーフにしたもの。
どういう経緯でこのマーキングが描かれることになったのはよくわかりません・・
レコードブレイカーというのもそのうちキット化しそうかな?
シールド本体がスライド伸長、さらに側面のウイングが展開することでF90本体を載せられるサブフライトシステム的な運用が可能になります。
脛アーマーに裏面のジョイントをはめ込むことで搭乗姿勢を再現可能。
意外と安定します。
スタンドディスプレイには専用のジョイントパーツを使用。
比較画像
Wタイプはとくに比較対象がないので、Iタイプだけ。F90ⅡIタイプと並べて。
そもそも本体がけっこう細かく変わってるんですが、シールドのインパクトが強過ぎて本体の違いなんかほとんど気になりませんね。
ちょっと明るい色になったな、くらい。
しかし、なんでメイン武器がショットランサーに変更されたんだろうか?
核ミサイル積んでるから、そもそものショットランサーの用途とはある意味真逆なんですけどね。
やっぱりクロスボーンバンガードだからか?
以下、画像
まずWタイプ、MS形態で。
ミッションパックに付随する武装は飛行形態時に使えるビームキャノンのみなので、MS形態ではビームサーベルでの格闘戦が基本という感じですね。
飛行形態で上空から高速で接近し、敵の目の前で変形、サーベルで斬りつける! みたいな、スパロボかよ(笑)。
ランディングギアを展開して。
クローとしては曲がっている向きが逆なのでちょっと変な感じですが・・アッパーカットだとそれなり効果があるかもしれない。
ウイング(ミノフスキードライブ)は真後ろにも向けることができます。
そうしたほうがそれっぽかな?
ヴェスバー(違う)!
さらに前に回して、脇に抱えるような位置に向けることもできます。
飛行形態で。
なんとうか、あまり見ないタイプのデザインですよね。
航空機的というとエアマスターとかが少し近いような気もするけど・・
光の翼展開状態だと鳥のようにも見えて面白いです。
サブフライトシステムとしても運用できるのかどうかわかりませんが、とりあえずキットとしては同サイズのMSを載せる余裕は十分にあります。
続いてIタイプ(木星決戦仕様)で。
ショットランサー、フライトシールド共にかなり大型で重量もありますが、とりあえず腕部もへたることなく保持可能。
フライトシールドのジョイントは通常のシールドと同規格なので、バックパックへのマウントも可能です。
さらにショットランサーから槍だけを抜いて。
こういう運用もありだろうな。
フライトシールドへ搭乗。
脚部アーマーへのジョイントと、機首部分にある可動式グリップの保持で姿勢はわりと安定。
ほぼ垂直にしても本体が落下するということは・・そうそうないと思います。
F90Ⅱ Iタイプのものと合わせてダブルシールドで。
このまま宇宙に打ち上げられそうな感もある。
Uタイプ要らんかも(笑)。
WタイプとIタイプの複合装備形態。
Wタイプを基本に、脚部アーマーをIタイプのものに換装してショットランサーとフライトシールドを追加しました。
ミノフスキードライブに加え複数の大推力スラスターで音速に近い加速を発揮できる・・みたいな。
ショットランサーは右手で保持。
フライトシールドは脚部へジョイントのみです。
もちろんMS形態へも変形できますが、そのときはシールドの扱いにっちょっと難儀する(前腕他にジョイントできない)ので、基本的には飛行形態専用の仕様という考え方で。
以上、“MG ガンダムF90用ミッションパック Wタイプ & Iタイプ(木星決戦仕様)” でした。
Wタイプ、構造的にはプランジと被る部分も多いのですが、飛行形態でのより航空機然としたフォルムや、ミノフスキードライブの試作型を搭載という、ある意味反則的な設定を盛り込んで新規デザインのパックのなかでもかなりの存在感を出してきたんじゃないでしょうか。
個人的には着陸形態の妙な可愛らしさが気に入りました(笑)。
Iタイプの木星決戦仕様については、通常のIタイプから当然大きな変化はないのですが、1/100スケールでショットランサーが立体化されたことだけでも意味は大きいのかな?
ともあれ、そんなこんなでミッションパックも14種類(+1種類)がキット化され、A To Z PROJECTも復路に突入しました。
次の情報はまだないですが、そう遠くないうちにアナウンスがあるものと考えます。
プロジェクト開始から2年と2ヶ月。
ペースとしては、まぁこんなものかな。
すでにデザインが確定しているぶんでまだ発売されていないミッションパックはA、H、L、Pの4種のみ。残りの8種はすべて新規でデザインされます。
今回のWタイプのように、のちに登場するMSに正式採用される新技術や武装の試作型を装備したパックも、まだ出てくるかもしれませんね。
そもそもの名称から機能が想像できないものもありますし、ビジュアル含め、まだまだ楽しませてくれそうです。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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