MG ガンダム F90Ⅱ Iタイプ レビュー

  今回のレビューは、1/100スケール マスターグレードモデル より、

“MG ガンダムF90Ⅱ Iタイプ” です。


 “フォーミュラ計画” の全貌を紐解く “A to Z PROJECT” 。

 “機動戦士ガンダム F90” より、

ガンダムF90の2号機の強化改修仕様、

“F90Ⅱ ガンダムF90Ⅱ” が、

迎撃、追撃用のミッションパック、

“I(INTERCEPT :インターセプト)パック” と

セットで発売されました。


 26種のミッションパックのすべてをキット化するという暴挙(?)、“A to Z PROJECT” もこれで本体2つにパック7つ。

 9月発売のO & Uパックセットも含めるとすでにキット化されたパックは9種類となり、スケジュールのおよぞ1/3クリアが目前にまで迫っています。

 ここへ来て若干のペースアップも感じられるので、ひょっとしたら思いのほか早くコンプリートできるかもしれませんね。


 さて、F90Ⅱですが、イメージ的に旧1/100シリーズでもセットで発売されたLタイプの印象が強いですが、今回は同じくF90Ⅱに装着した状態の設定画が描かれながら旧シリーズではキット化されなかったIタイプ仕様での発売となりました。

 このあたり、直近のミッションパックセットの内容も含め、バンスピの本気に正直驚いています。

 いやぁ、まさかこんな日が来るとはなぁ・・(何回か言ってる気がするけど)


 それでは、レビューしていきます。

 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと水転写式デカール(一部)での仕上げです。

 なお、1号機同様プレバン限定キットながら、パッケージと説明書がカラーで機体解説も載っています。


ガンダム F90Ⅱ

 いわゆる素体状態ですね。

 もともとはF90の2号機で、性能および見ためはまったく同じの色違いでしかなかったものですが、オールズモビル(火星独立ジオン軍)に奪取されて大幅な改修を受けます(オールズモビル仕様)。

 これは後に戦闘で大破し、それをサナリィが回収。

 基本設計が終わっていたF91の技術も導入して再改修され、新たにF90Ⅱとして生まれ変わったものが今回の仕様になります。

 見ための変化は頭部、胸部、脚部(脛)。あと肩アーマーにデフォルトでスラスターが追加されています。

 カラーリングは基本のトリコロールを踏襲しつつ、全体に明るめの色に変更。なんとなくヒーローっぽさが増しています。

 キットでは頭部、胸部、脛(胸部と脛はフレームも含む)が新規造形になっています。

 1号機のパーツも余剰扱いでけっこうな数がそのまま付いてきますが、足りないパーツもあるため色違いの1号機(それってロールアウト時の2号機のカラーリングなのかな?)として組むことはできません。

 背面は目立った変更はなし。

 バックパックもそのままです。

 色分けは相変わらず非常に優秀で、新規パーツについても一切手抜きはありません。

 さすがに完全再現には塗装が必要な部分もありますが、ほとんど気にならないレベル。

 腰部サイドアーマーの一部(白い長方形のディティール)もシールで補えるようになっています。


 では、原型機からの変更点をピックアップ。


頭部

 原型機よりも若干大きくなっった印象ですが、これは頭部に内蔵されるコンピューターをF91でも採用されたバイオコンピューターに換装したためかと思われます。

 顔付きもなんとなくF91寄りになった感じ。

 ツインアイおよびトサカの前後カメラ用のシールには画像のイエローのほか、1号機と同じブルーのものも付属し、どちらかを選んで貼る仕様になっています。

 改修前は青かったってことなのかな?

 あと、こめかみのバルカン砲は本来は黄色。パーツ分けされているので塗装は容易ですが、今回はもうそのままにしています。


胸部

 左右だけでなく中央にもとダクト(?)がある外観はF91に酷似しています。

 ジェネレータ効率を上げるため、冷却機能が強化されているようです。

 外装だけでなく内部フレームやコクピット周りも新規造形されており、コクピットのハッチの開閉方法も変わっています。

 やはりF91に近い仕様になってますね。


脚部

 脛は完全に失われていたため、フレームからすべて新造されているということですが、見ために違いがあるのは前面のみで。側面の外装や足(靴)の形状は原型機と変わらず。

 もちろんハードポイントもそのまま継承されています。

 キットでは、脛フレームと前面側面の装甲が新規です。


肩部増加スラスター

 一応、F90Ⅱのデフォルトの装備ですが、固定装備ではなく、肩のハードポイントを利用して取り付けられているオプションなので、特定のミッションパックの装着時には取り外すことも可能になっています。

 もちろん、1号機に取り付けることも可能です。


付属武装

 標準装備はすべて1号機と共通になっています。


ビームライフル

 標準的なエネルーパック方式のビームライフル。

 サブグリップが可動するほか、後部エネルギーパックの取り外しが可能です。

 エネルギーパックは予備も含めて4つ付属し、うち2つはシールドの裏面にマウント可能。

 ライフル自体も、非使用時は腰リアアーマーのウエポンラッチにマウントできます。

 保持には銃持ち手を使用します。グリップのスリットに指パーツ側のダボを差し込むことで一応固定が可能。

 ハンドパーツは可動式の親指以外の4指を交換するタイプですが、交換する指パーツが若干外れやすいです。


ビームサーベル

 バックパックに2本をマウント。

 ビーム刃はいつもの形状ですが、成型色はちょっと珍しいクリアブルー。

 保持には汎用持ち手を使用。

 ライフルと違ってとくに固定はできませんが、程よいテンションで持たせられます。


シールド

 実体型のシールドで、とくに伸縮等のギミックはなし。

 裏面中央のジョイントを前腕側面のハードポイントカバーのダボ穴に差し込んで取り付けます。

 可動式のグリップを汎用持ち手に握らせることで2点固定すれば、けっこう安定しまが、一方でグリップのみでの保持はほぼ不可能。

 バックパックのハードポイントカバーを外すことで、そこにマウントすることも可能です。


I(インターセプト)パック

 まずは恒例の、ハードポイントカバーを外した状態の素体とミッションパック一式を並べて。

 今回は手持ちの大型武装がメインの内容になっており、本体に直接装着するパーツは脚部の増加スラスターのみ。

 なので、外すハードポイントカバーも左右の脛側面の2つだけです。


ガンダム F90Ⅱ Iタイプ

 装着完了。

 両手に持った攻守の大型武装に加え、脛のボリュームがアップしたことで、いわゆる素体状態からシルエットがかなり変わりました。

 一方でカラーリングは本体とパックで基本共通なので、1号機と一部のパックの組み合わせのような取って付けた感はなく、非常にマッチしています。

 これは、F90Ⅱ本体とIパックの開発(本体については正確には改修)が同時期に行われたためだと思われますが、もちろん専用装備というわけではなく、1号機にも普通に装着できます。

 実際、漫画 “機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の七人” では、1号機にIパックを装備させた(変更点はいくつかあるようですが)、“F90I 木星決戦仕様” なる機体が登場しているようです。

 なお、脚部増加スラスター側面のマーキングは説明書では左脚にだけ貼り、もう1つはフライトシールドのウイング(こちらは正面右側)に貼り付けるよう指示がありますが、無視して両脚に貼っています。


武装・ギミック

ビームランサー

 CV製MSの特徴的な武装であるショットランサーに似た、ライフル状の近接ビーム兵器。

 穂先部分はIフィールドで個体された大型のビームサーベルになっており、キットではもちろん着脱可能。

 設定ではこの穂先状態で固定したビームを撃ち出したり、拡散ビーム砲としての使用も可能だそうです。

 グリップ上部のフィン(?)が可動。

 グリップも左右にスイングするものの、後部が長めのデザインなので若干取り回しが悪いです。

 色分けは後部の赤がシール再現。センサー周りは本来白いようですが、そちらのシールはありません。

 側面のシールド状のパーツは左右どちらにでも取り付け可能。ロゴはデカールです。

 保持には銃持ち手を使用します。


フライトシールド

 Iパックのメインユニットともいえる、ブースター内蔵の大型シールド。

 そのままでも本体に匹敵するサイズですが、ブースター部がスライドして全長が伸び、さらにウイングが展開することで単独飛行が可能なサブフライトシステムとしての運用も可能な多機能装備になっています。

 宇宙はもちろん、大気圏内の飛行、水上のホバー走行も可能だそうです。

 機首部分にはマシンキャノンを2門装備。

 保持は通常のシールドと同じ要領ですが、さすがのサイズ、重量のため腕がへたってしまうため、専用の補助スタンドが付属します。

 中央のバーニアに直接差し込む仕様ですね。

 さすがのメイン装備ということもあってしっかり作り込まれており、多数のバーニアはほとんどが本体同様、内部までパーツで色分けされています。

 マシンキャノン周りの赤まで色分けされている丁寧さ・・

 表面のマーキングとロゴはデカールです。


ウエイブライダー形態

 正式にそう呼ばれているのかはわかりませんが、Wikipediaにはそう書いてあったし・・(笑)

 展開状態のフライトシールドに本体が俯せ状態で乗り、シールド後部のブースターと脚部増加スラスターを接続、推力を後方に集中させることで完成する高速飛行形態。

 この状態で大気圏突入も可能だそうです。

 各バーニアはボールジョイントでグリグリ可動します・・ので、もうちょっと向きを揃えるべきでしたね。

 キットでは、シールド裏面のジョイントを脚部増加スラスターの前面装甲のダボ穴にはめ込むことで固定。さらに左手でシールドのサブグリップを握ることである程度安定します。

 スタンドディスプレイ用に専用アタッチメントが付属。シールド表面中央のグレーのダクトパーツと交換するかたちで取り付けます。

 ただ、このアタッチメントのスタンドへの取り付け面がメス型(穴)なのに対し、本体用のアタッチメントはオス型(軸)・・

 同じスタンド使えないじゃん。

 なんでそこは統一しないのか・・


比較画像

 1号機と。

 先にも言いましたが、色以外の変更点は頭部、胸部と脛前面、そして肩に追加されたスラスター。

 もともとは2号機も1号機とまったく同じ形状の色違いだったわけですが、2度の改修を経て今の姿に。

 シルエット的に1番目立つのはやはり肩の増加スラスターですが、それよりも地味に気になるのが明らかに大きくなったように見える頭部・・というか顔。

 実はそこまで大きく違うわけではなく、マスク部分の面積が広くなって、要は少し面長になったことと、ひさしが少し上がってツインアイが大きく見える(実際ツインアイ自体少し大きくなったかな?)ようになったことでそう感じるようです。

 F91の技術を導入したということで、そのへんはやはりF91に近い雰囲気になっていますね。


 そのF91と。

 顔付きについてはすでに言った通り。

 さらに胸部や膝のダクトのレイアウトなどに共通点があります。

 肩のスラスターも内蔵か外付けかの違いだけで、配置はほぼ一緒。

 もちろん完成はF91のほうがあとなので、F90Ⅱはそのテストベッド的な意味合いもあったようですね。


以下、画像

 まず本体のみで。

 基本的な仕様は1号機と変わらないので、肩周りが若干窮屈なことを除けば非常に優秀な可動を楽しめます。

 立て膝でライフル、シールドをマウントした状態のバックショット。

 特徴的な腰部の可動については1号機のレビューにてちょっと詳しく書いていますので、そちらをご参考に。


 Iパック装備で。

 ビームランサー、フライトシールドともに大型武装のため取り扱いにはけっこう気を遣います。

 とくにシールドはその重さに腕が完全に負けてしまうので、なにかしら補助がないとダイナミックなポージングは難しいかと・・

 本来こういう使い方はできないのかもしれませんが、通常のシールドとジョイントが共通なので、フライトシールドをバックパックにマウントすることもできます。

 これ、けっこうアリじゃない?


 ウェイブライダー形態で。

 お上品に乗るだけでなく、片脚を外してみたり、

 さらに立て膝状態で乗ってみたり・・

 まぁ、さすがにジョイント1つだけの固定だとかなり不安定なので落下に注意です。

 というか、ドダイやベースジャバーのような生粋の(?)サブフライトシステムほどの表面積がないので、基本こういう乗り方は想定されていないようですね。


 1号機と共闘。

 Ⅱが迎撃、追撃仕様のI(インターセプト)タイプということで、なんとなく防衛戦をイメージして、1号機の装備は長距離支援しようのS(サポート)タイプにしてみました。

 もちろんミッションパックの交換も可能なので、役割の変更も思いのまま。

 以下、これまでに発売されたミッションパックのレビューもご参考に。


 以上、“MG ガンダム F90Ⅱ Iタイプ” でした。


 本体のF90Ⅱの出来については言うまでもなし。

 Iパックのクオリティも、なんだろうな・・これまでのパック2種のセット売りよりも色分け、ギミックともに若干豪華になっている気がします。

 もちろん、そもそものボリュームが違うこともあるのですが、やはり本体とのセット売りというアドバンテージもあるような・・単品だとここまで色分けされていたか疑問です。

 なんにしても、シリーズ開始からおよそ1年で本体追加というのはいいタイミングなんじゃないかなぁ。

 まぁ、個人的には対決シーンが演出できるオールズモビル仕様の2号機のほうが先に来てほしかったけども・・

 Ⅱが来るのは当然という部分はあるしなぁ。

 ただ、それでもLパックじゃなくIパック装備にしてきたあたりに最初にも言いましたがバンスピの本気を感じることができたので満足です(笑)。

 オールズモビル仕様も、そして奪取前の2号機もそのうち来るはず。

 あと、意外にも本体とミッションパックのセット売りは今回が初めてになったわけですが、そうなると、今後V、P、LといったIパックと同程度のボリュームがありそうなミッションパックの販売方法がどうなるのか気になりますね。

とりあえず残りが奇数になってしまったので、どういう組み合わせになるかはわかりませんが、また本体とセットというパターンはあるでしょう。

 幻の3号機とYパックのセットというのが、インパクトとしては1番アリかな?

 1年後が楽しみです(笑)。


 しかし、この “A to Z PROJECT” や、同じくプレバン限定で展開している “A.O.Z” 、そして30MMと、最近のバンダイは組み換え遊びにかなり力を注いでいるように感じますね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 


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