今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM 水星の魔女 MS拡張パーツセット1” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、ベネリットグループ御三家がそれぞれに誇る最新鋭機、ダリルバルデ、ガンダム・ファラクト、ミカエリスの2期(シーズン2)での再登場時の姿を再現できる拡張パーツがセットになって、プレミアムバンダイ限定で発売されました。
ダリルバルデにガンダム・ファラクト、ミカエリス。3機とも1期でお役御免かと思いきや、ちゃんと2期でも登場してくれましたね。
しかもそれぞれに新装備でパワーアップ。
というか、1期の決闘ではみんなけっこうボロボロにされたので、よく直したなと思うのですが。それとも2号機とかだろうか?
最後の最後に出てきたグエルのディランザは、さすがに別機体だと思いますけど。
さて、この度アニメ放送終了から半年ほど経ってようやく新装備の発売、しかもプレバン限定ということにはまぁ思うところはあります。
でも、新規パーツだけ3機分セット(実際には+αですが)で発売というのは、けっこう良心的でしたね。
てっきり本体込みでそれぞれ別個に発売するもんだと思ってました。
まぁ、そこは新旧の仕様で並べたい人もいるだろうし、それでもべつによかったかな? と思ったりもしますが、旧仕様が一般販売でもう普通に手に入る状況ですからね。
ミカエリスなんかは一時期投げ売り状態でしたし・・
もうたや落ち着いている感じですが、あのときもう1個買っとけばよかったかな。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。
なお、パッケージはプレバン仕様の二色刷りでしたが、説明書はカラーで各種新武装の簡単な解説も載っていました(画像は撮り忘れました・・)。
アニメでの登場順に紹介していきます。
ガンダム・ファラクト用パーツ
ビームアルケビュースに代わる新装備、ビームカリヴァ2丁と、そのマウントパーツおよびマウントパーツを付けるための脚部付け根のフレームパーツの一部が新規造形でセット。
では、ファラクト本体に装着(組み換え)。
アニメには第14話のランブルリングにこの仕様で出場。
コロニー内での立ち回りを考慮してのことだと思われます。
エラン(5号)が搭乗し、突如現れたルブリス・ウル、ソーンおよびガンヴォルヴァとの戦闘でも上手く立ち回りました。
その後、対クワイエット・ゼロの最終決戦には一応持ち出されていますが、戦闘には投入されていません。
ビームカリヴァ
2丁1組のショットガンタイプのビームライフル。
こちらが右手用で、
左右で形状が違うんですね。てっきり同じだと思ってました。ぼんやり見てるなぁ・・(笑)
それに、思ってたよりでかい。
とくに右手、左手専用ということはないと思うのですが、マウントパーツ用の穴がそれぞれ一方向にしか開いていないので、自然右手用、左手用で固定されます。
で、左手用のほうは後部のマガジンの取り外しが可能。
このマガジンのせいでちょっと持ちにくいんですけどね。
右手のほうは内蔵なのかな?
ビームカリヴァ用のマウントパーツは脚部付け根フレームを穴の開いた新規のものに交換し、その穴に取り付け。
ボールジョイントで可動します。
新規フレームパーツはグレー成型で、本来のファラクトのフレームとは色が違うんですが・・まぁ、あまり目立たない部分だからいいか。
こちらが右手用のマウント状態。
先ほどの全体画像でもわかる通り、けっこう嵩張るんですよね。
ビームマスケット
ビームカリヴァ2丁を連結させた状態。
単体時よりも高威力、長射程の射撃が可能なのだと思われます。
連結するには、まず右手用の銃口部からジョイントを展開し、
そして左手用のグリップを収納します。
左手用の外装を後方にスライド。右手用の後部もスライドさせて完了です。
外装等スライド時に露出するイエロー部分はシールでの再現です。
ダリルバルデ用パーツ
4基に増設され、形状および名称も変わったグスサー・イーシュヴァラとそれをマウントするための大型バックパック。
大型化されたシールド型ドローン、ダヤ・アンビカー。
複合装備、コンポジットアームズと今回もっともボリュームのある内容。
では、ダリルバルデ本体に装着。
アニメ第17話のスレッタとの3度めの決闘に際して強化改修された状態。
背部のイーシュヴァラが4基に倍増され、両肩のシールドも大型化。
さらに手持ちの射撃武器も追加されて、なんというか、ジェタークがグエルのために持たせられるだけ持たせてくれたみたいな、みんなの愛情を体現したような姿だなぁ・・
グエルのパイロット能力含め、非ガンダムタイプMSでは間違いなく劇中最強の機体でしょう。
決闘では、グエルはプライドを捨てて意志拡張型AIを利用、さらにミオリネとプロスペラの思惑によってエアリアルが機能停止したことでスレッタに勝利しました。
結果、スレッタはホルダーを剥奪されてしまいます。
なかなかしんどい展開でしたが、みんなスレタッと思ってやったこと。
ただみんな言葉が足りなさ過ぎて・・
その後、グエルはシャディクの直接対決でもこの仕様のダリルバルデに搭乗。
相討ち状態で彼の捕縛に成功しています。
なお、その戦闘でダリルバルデは大破。グエルは最終決戦では再び専用カラーのディランザで参加することになりました。
グスサー・イーシュヴラ
改修前に装備していた意志拡張型AIによって機能する無線攻撃ドローン、イーシュヴァラ(Bタイプ)の改良型で、形状とカラーリングが異なっています。
ビーム砲兼サーベルサーベルによる攻撃はそのままに、内蔵する拘束ワイヤーで標的を絡め捕り、自爆することも可能・・ですが、そちらの再現はできません。
バックパックへのマウントは改修前と同じく3㎜軸。
通常の前腕(イーシュヴァラAタイプ)の代わりに腕に取り付けることも可能です。
サーベル刃はグリーンのものが2本のみ付属。
なんで4本付けてくれないのか・・
あと、やっぱりそもそも長過ぎるよね。
ダヤ・アンビカー
改修前に装備していたシールドタイプの防御用ドローン、アンビカーの強化型。
より大型になって防御面積が拡がり、同時に打突武器としての効果も向上しています。
表面の十字状のディティールにはクリアパーツは使われず、シールのみでの再現。
裏面はスラスター部が分割され、ちゃんと色分けされています。
マウント軸は3㎜です。
コンポジットアームズ
ビームショットガンとガンブレイドに分離可能な複合装備。
ビームショットライフルは2門の銃口で通常のビームとビーム散弾を撃ち分け可能な射撃武装。
パーツを差し換えることでビームカタナとしても使用可能。
この状態でもビームガンを撃つことは可能です。
ミカエリス用パーツ
左腕に追加装備される複合増備、ジャベリンブレイサーと有線による射出除隊を再現するためのワイヤー等が付属。
では、本体に装着。
基本的にシンプルな機体なのに、両腕のみが肥大したアンバランスさというのが、乗り手の内面を顕しているようにも思えて、なんかいたたまれないですね・・
アニメでは第20話、学園に戻るグエルを迎え撃つかたちでシャディクが搭乗し出撃。
一方でノレアを開放、暴走させて学園内を地獄に変えました。
これも、ベネリットグループが秩序維持のために同胞をも犠牲にした・・と思わせることで議会連合を介入させるための策だったそうですが、その後にクワイエット・ゼロが出てきたことを思うと、まったく意味がなかった気がしますね。
なんの罪もない学生たちが大勢死んだわけですし、許されません。
結局MSパイロットとしてはグエルに太刀打ちできず(半ば手加減されていたようにも思える)に捕まりましたし、最終的に関係ないワイエット・ゼロの件も全部被って極刑に処されるのだろうと思いますが、いや、なにやりきったふうた爽やかな感じ出してんだよ・・
目的のためには手段を選ばない、自分と直接関わりのない人間・・いや、かかわりのある人間の生死すらなんとも思っていないところは、結局自分が壊そうとしていた存在とやっていることは同じだし、そこは所詮、まだ学生レベルということなのかな。
ここ最近のガンダムシリーズのなかで、個人的にシャディクが一番嫌いですわ。
あと、取り巻きのシャディクガールズも・・とくにメイジーとイリーシャは絶対ヤバイのに、無罪放免にしていいの?
ジャベリンブレイサー
有線射出可能なドリルジャベリン、同じく有線式でビームマシンガンとビームサーベルを内蔵したシールド、ストライクブレイズ、展開式ダガーナイフを備えた複合装備。
ビームブレイサーと違って手持ちオプション装備となり、左手で逆手にグリップを握り、後方のフックパーツを肘に引っかけ、
さらにストライクブレイズ基部パーツで手首にジョインすることでしっかり固定できます。
ドリルジャベリン、ストライクブレイズのワイヤーはリード線で再現。
それぞれ射出時再現用のアタッチメントパーツを取り付ける仕様です。
リード線は例によってクセ付けしにくいので、格好よくディスプレイするのは難しいですね。
ドリルジャベリンはろくにドリル感はないですね。
ストライクブレイズは初期仕様で左手に装備していたショートシールドに機能が追加された感じです。
サーベル刃はダリルバルデのグスサー・イーシュヴァラに使うものと共用です。
つまるところ、サーベル刃は3本足りない・・
左右のウイング状のパーツはスライド展開。
このピン状の造形はビームマシンガンの銃口らしいです。
わかりにくいなぁ。
ブレイサー本体下部に備わるダガーは90度のみ展開。
リーチも短いので、あくまで緊急用装備という感じですね。
ボーナスパーツ
グエル専用ディランザのビームパルチザンおよびビームトーチ用のクリアピンク成型のビーム刃パーツが付属。
ビーム刃の色は学園での決闘用にリミッターを設けたものがグリーンで、実戦用がピンクという風に色が変わるようで、最終決戦でグエルが再び搭乗した専用カラーのディランザのパルチザンやトーチはピンク色のビーム刃を出力していました。
その最終決戦シーンが再現可能なボーナスパーツとなっています。
でも、グリーンのサーベルでも普通にMSの手脚切り落とせる位なんだからそれで十分じゃない?
加えて、一般販売もされた水星の魔女ウエポンディスプレイベースが1セット(ランナー1枚)付属。
ダリルバルデのグスサー・イーシュヴァラやダヤ・アンビカー、ミカエリスのドリルジャベリン、ストライクブレイズの攻撃シーンを再現可能です。
ただし、付属のベースだけではダリルバルデ、ミカエリス2機の各種武装をすべて同時にディスプレイできません。
そもそも、今回の拡張パーツセットを購入するような人は、だいたいディスプレイベースも複数持ってるんじゃないでしょうかね。
まぁ、単価を上げるいつものやり口・・というのはさすがに言い過ぎかな。
僕もディスプレイベースは単体で3セット購入しているので、これで4セットめ。
まぁ、3セット分はすでに可動部が摩耗しきって保持力がほぼなくなっていたので、新調できたと思えばいいかな。
比較画像
それぞれの新旧武装比較をば。
まずファラクトのビームアルケビュースとビームカリヴァ。
ビームカリヴァはビームマスケット状態にして。
火縄銃からマスケット銃に進化したわけですが・・なんだろうな、デザイン的にはまったく共通性はないですね。
続いてダリルバルデ。
イーシュヴァラBとグスサー・イーシュヴァラ。バックパックと一緒に。
グスサー・イーシュヴァラはよりビット的な形状になってますね。
バックパックも大型化され、イーシュヴァラのマウント部だけでなく、スラスターも4基に倍増されています。
アンビカーとダヤ・アンビカー。
長さは一緒ですが、ダヤ・アンビカーのほうが幅が増し、防御面積が増えています。
手持ち武装比較。
改修前にはなかった射撃武装が追加。
近接武装としてはビームアンカーに較べビームカタナではリーチが劣りますが、そもそもイーシュバラによる遠隔斬撃も可能と考えれば手持ち武装はこれくらいで十分いう気がしますね。
最後にミカエリス。
ビームブレイサーとジャベリンブレイサー、ショートシールドも一緒に。
ミカエリスの場合は先の2機と違って純粋に武装追加だけ、という感じですね。
まぁ、厳密にはショートシールドに代わってジャベリンブレイサーを装備しているわけですが、ショートシールドの機能はそのまま引き継いでいますしね。
高機動射撃メイン。機能停止特殊装備持ちのファラクト。
武装盛り盛り。AI補助のドローンで全方位死角なしのダリルバルデ。
基本近接メイン。だけといざとなれば全部有線制御で遠隔攻撃もできるミカエリス。
ミカエリスが一番操縦ムズイかも・・
そう思うと、AI補助ありのグエルとの純粋な技量差というのもわからなくなるなぁ。
以下、画像
まずファラクト。
ビームカリヴァはマウントした状態でも射撃可能ということです。
実際、アニメでも初撃はこの状態でした。
ビームアルケビュースとの同時運用も考慮してのことだそうですが、その機会はありませんでしたね。
ビームアルケビュースじゃなくこちらを選んだのは、5号の性格とかにもよるのかなぁ。
ビームマスケット状態にして。
3機のなかではもっとも変化が少ないので、やや物足りない感じはしますね、ファラクト。
ブースター追加とかしても似合ったと思うんだけど、まぁ、脚本上活躍の機会はなかったかな。
VS ガンヴォルヴァ。
結局、5号のパイロットとしての活躍が見られたのはここだけでしたね。
わりと適当にあしらってる感じだったので、本気を出せばそれなりの実力があったんだろうけど・・
続いてダリルバルデ。
シールド、バックパックの大型化でよりゴツイ印象になったダリルバルデ。
武装の選択肢が多過ぎて、AIなしじゃそりゃ無理だろ・・と。
ビームショットライフルはサブグリップが可動し、両手持ちも可能です。
手数の多さではさすがにエアリアルには負けますけど、とにかく思いつくもの全部載せました感が強いです。
パッと見、こんなにいろんなことができる機体に見えないですけどね。
VS エアリアル改修型。
仲間の思い出トラウマを克服し、ボロボロになりながらなんとか勝利したグエル・・
しかし、それもエアリアルが機能停止したからで、あのままだとやっぱり負けてたのかな。
実力で勝ってほしかったけど、これがあったからこのあとのシャディク戦の結末がより感慨深いものになった・・のかも。
最後にミカエリス。
いやまぁ、ミカエリス自体は格好いいんだけどなぁ。
ジャベリンブレイサーの追加でより騎士らしい印象になっています。
有線制御武器好きだよなぁ、グラスレー社は。
GUNDフォーマット嫌いな会社ですからね。
ジェタークの意志拡張型AIもダリルバルデ以外ではまだ実装されていないところを見るとかなり特殊な技術のようだし、ヴァナディース事変の時点で実用化されてた有線制御技術がある意味信頼できる技術ということなんですかね。
だとしても、これは操るのが大変そうだ。
VS ダリルバルデ。
わりと躊躇いがちだ他グエルに対し、シャディクはけっこう容赦なく攻撃してましたね。
実際ダリルバルデは大破していますが、サビーネも使って止めを刺そうとしたところを返り討ちにされ、ミカエリスもグスサー・イーシュヴァラで手脚を落とされダルマに。
グエルのダルマ返しとなりましたね。
叶わなかった共闘・・
最後は御三家全員仲間になって、子供と大人の戦いになる・・という予想は完全に外れてしまいました。
でも、2人は仲間になったか。
この3機は最終決戦には不参加でしたけど。
今後スパロボに参戦するようなことがあれば、やっぱりみんな仲間になって、この3機も自軍ユニットで使えるんだろうな。
だとしてもシャディクを使う気にはなれんが・・
以上、“HG 水星の魔女 MS拡張パーツセット1” でした。
本編が2クールと過去のTVシリーズ寄りもコンパクトだった水星の魔女。
しかし登場するMSの種類はけっこう多くて、結果、1、2回しか出番がないという機体もけっこういました。
一応ライバル機ともいえるダリルバルデ、ファラクト、ミカエリスも同様で、それぞれ決闘の末にけっこうな尊攘を被ってもいたので、1期でお役御免かと思っていました。
しかし3機とも2期でも再登場し、しかもそれぞれ新装備追加でパワーアップしてという、なかなかに熱い展開。
まぁ、パワーアップ後の活躍もやっぱり1、2話程度でしたが。
タイトなスケジュールのなか、新バージョンのキット発売の余裕もなかったのかなぁ。
・・いや、十分あったと思う。1期から2期の間にインターバルもあったわけだし、できればアニメ放送と同じタイミングで、一般販売してほしかったですね。
ヴァナディースハートのような外伝に登場する機体ならばともかく、御三家の新バージョンは一般販売しなきゃ。
水星から入ったご新規さんにプレバンはまだ敷居が高いよ。
そもそも存在を知る術がないかもだし。
ともあれ、限定とはいえちゃんとフォローしてくれてよかった。
各種ギミックの再現は当然として、成型色での色分けも高精度で内容としては満足感のあるセットでした。
さて、MS拡張セット 1というからには、2もきっとある・・よね?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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