今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM 08 ガンダムファラクト” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、ペイル社が極秘に開発していたガンダムタイプモビルスーツ、
“FP/Aー77 ガンダム・ファラクト” が、
HG水星の魔女シリーズで発売されました。
当初はダリルバルデと同日、12月3日に発売予定だったのですが、なんらかの事情で延期され、12月17日の発売となりました。
結果としてデミトレナー(一般機)、デミトレナー用拡張パーツセットよりもあとに発売されることになりましたが、ナンバリングは当初のままです。
御三家の一角、ペイル・テクノロジーズは4人の共同CEO(ニューゲン、カル、ネボラ、ゴルネリ)による合議制での経営だったり、そもそもその4人がなかなか異様な風体ということで他の2社よりもクセがありそうだと思っていましたが、そんなレベルの話ではなかったですね。
21年前のヴァナディース事変で解体されたヴァナディース機関出身の魔女(ベルメリア)を囲って秘密裏にGUNDフォーマット・・つまりガンダムの開発を進めているばかりか、貧しい身の上の子供を買い取り、人体に影響があるとされるガンダムの操縦に必要なパーメットリンクに耐えうる強化手術を施して強化人士とし、 ガンダムのテストパイロットとしてなかば使い捨てるなど、非人道的な行いを繰り返してきたようです。
そんな強化人士の4人め、強化人士4号として登場したのが、劇中本編開始時点でエラン・ケレスとされていた少年。
本物のエランの素性はまだよくわかっていませんが、ペイル社でもかなり高い地位にいる人物(おそらくは彼の親が)のようで、要はミオリネの婚約者になるためのホルダー資格を得るために強化人士に成形手術を施して自分の影武者として学園に潜り込ませていたわけですね。
しかし、紆余曲折の末4号はスレッタに敗北。不要と判断され、なんらかのかたちで処分されたようです。
その後、次の準備が整わないという理由で本物が現場に出張ってきたこともあちましたが、またしばらくして5号が登場。
ペイル社のガンダム開発部門はミオリネがぶち上げた株式会社ガンダムに(表向き)吸収され、ベルメリアも出向。追ってエラン(5号9とファラクトもというような状況で、さて今後どうなるか? というところです。
なんにせよ1期最終話では5号もファラクトも出番はなさそうですが。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。
FP/Aー77 ガンダム・ファラクト
ペイル社が極秘に開発していたガンダム。
開発責任者はヴァナディース機関出身のベルメリア・ウィンストン。
ペイル社製MS特有の細身のボディと飛行能力が特徴。
背中から肩を覆うように配置されるブースターユニットとGUNDフォーマットによる三次元機動を得意とするほか、スタン効果を持つ特殊なガンビット、狙撃も可能な長砲身のビームライフルなど、接近戦よりは距離をとった遠距離セインを想定した機体といえます。
ただ、採用されているGUNDフォーマットは旧来型の搭乗者に多大な負荷を強いるものになっており、そのために4号(おそらく3号までも)は長らく苦しめられてきたようです。
漆黒のカラーリングに細長い手脚、赤く光るツインアイと悪魔的な雰囲気を持つ異形のMS。
ガンダムと聞いて思い浮かべるモノからはかなりかけ離れたシルエットです。
とくに脚部などは、宇宙世紀だとグリプス戦役期の可変MSのような雰囲気もありますね。
頭部の輪郭や肩のブースター、バインダーなんかのレイアウトはバイアランっぽいな、とも思ったり。
ダリルバルデもそうでしたが、意外に大型でした。
ボディはそうでもないのですが、とにかく手足が長いです。
プロポーションはヘビーメタルっぽい感じもあるか。
もう見るからに悪役というデザインの頭部。
アンテナの配置がほかのMSと違って外装と一体化しているようなデザインで、これはアンテナと見なされるんだろうか?
なお、下側のアンテナの先端部は白いのですが、そこはさすがに色分けされず、シールも付いていませんでした。
マーカーで塗ろうと思ってたんですが、忘れてそのまま撮影してしまいました・・
そのほかの色分けはほぼ完璧で、バルカンの砲口まで成型色で再現されています。
ツインアイも成型色で、シールはありません。
額のクリアパーツの奥は、エアリアル同様、GUNDフォーマットリンク時に赤く光るようですが、そこも成型色で再現。
非発光状態の再現にはその上にグレーのシールを貼る仕様です。
なお、上部のディティール含めたシールになっているので、今回はその部分だけ切って貼っています。
あと、とくに説明書などでは言及されていないのですがマスク下のチンガードっぽいパーツを外すと、
よりガンダムらしい顔付きになります。
2期はこの顔で出てくるのかな?
胸部や
それぞれシールを貼って上からクリアパーツを被せる、もうお馴染みの構造になっています。
非発光時の再現ではシールを貼りません。
背面。
後ろから見るとガンダム感は一切ないですね。
鳥か、あるいは昆虫っぽい雰囲気もある踵が特徴的。
バックパック中央のメインスラスターはボールジョイントで可動します。
武装・ギミック
ビームアルケビュース
ファラクト専用に安定性を重視して開発された長射程のビームライフル。
GUNDフォーマットによる知覚リンクで精度の高い狙撃が可能です。
とくにギミックはありません。
なお、アルケビュースとはいわゆる火縄銃のことですね。
火縄銃・・?
ビームサーベル
一般的な格闘兵器。
ペイル社製MSは前腕装甲内に収納するのがお決まりのようで、ファラクトも同様。
ビーム刃はいつもの汎用パーツ。色はグリーンです。
ビークフット
足先は爪先と踵が可動することで格闘用のクロー兵器にもあるほか、
なおその砲口部は開口されており、なんとビーム刃の取り付けが可能です。
あくまでビーム砲でサーベル兼用ではないと思うんですけど。
説明書にもなにも書かれていませんし・・
ブラストブースター
両肩の上部に装備する複合ブースターユニット。
肩とは直接繋がっておらず、バックパックから伸びるジョイントアームで肩のを覆うように配置されています。
上画像のように、けっこうフレキシブルに可動します。
側面のバインダーも同様に可動。
メインのブースターは展開可動することで逆噴射も可能な構造(バックブースター)。
飛行型MSの雄、ペイル社の真骨頂というところでしょうか。
バックパックおよびブースターユニットを取り外すとこのようなスマートな本体のみの状態に。
手脚の長さがより際立ちますね。
肩には装甲らしい装甲がありません。
そのへん含め、あまり防御力は重視されていないようです。
コラキ
ブースターユニットのバインダー内側に4基ずつ、左右で計8基装備されるガンビット。
バインダーには2基1対で貼り合わせた状態で収納されています。
広いほうを押してやることで手前が浮いて取り外せます。
運用時も2基1対で互いの間に電磁ビームを張り、接触したものを一時的に機能停止させる能力があります。
どういう原理なんだろうか?
直接攻撃能力はありませんが、複数展開で網の目のようにスタンビームを張り巡らせ、機能停止した標的をビームアルケビュースで狙撃するということですね。
なんというか、狡い・・
ちなみにコラキとはワタリガラスの学名だそうです。
例によって展開時を再現するためには1月発売のウエポンディスプレイベースが必須になってきます。
どうやらコラキ専用のジョイントパーツがあるっぽい。
比較画像
エアリアルと。
同じガンダムの名を冠する機体ですが、見ためにはツインアイくらいしか共通点がありません。
水星世界でのガンダムはGUNDフォーマット採用したMSのことなので、見ためは関係ないですからね。
しかし、出所は同じヴァナディース機関のはずなので、実は顔付きが似ているというのはその名残だったりするんだろうか?
なお、決闘時エアリアルはフライトユニットを装備していましたが、そちらのキットはまだ発売されていませんので今回は対決シーンも取っていません。
発売前に1期終わっちゃうけど、もうあのユニット出てこないと思う・・
以下、画像
一見異形ではありますが、可動にクセがあるわけではありません。
強いて言えば踵の構造が特殊ですが、ある意味4点接地のような格好になるので自立性能は高め。
まぁ、ほとんど地上に降りないでしょうけどね、この機体は。
立て膝も綺麗に決まります。
肘は90度ほどしか曲がりませんが、腕が長いのでちゃんとビームサーベルに手が届く。
抜刀シーンも再現できます。
では適当なスタンドを使って空中姿勢。
まずはOPでも印象的な射撃ポーズですね。
左のみですが平手も付属するので、ビームアルケビュースに手を添えての射撃ポーズはばっちり。
しかし、あのOPのように御三家のMSが共闘するような場面はなさそうですね。
あの流れ、ザフトの赤福3人組っぽいと感じた人けっこういるんじゃないかな。
ダリルバルデ=デュエル、ファラクト=バスター、ミカエリス=ブリッツみたいな。
胸部と首の可動である程度前傾姿勢でも前を向けるので飛行シーンがイメージしやすいです。
長い手脚が映えるなぁ。
ただ浮かせておくだけも格好いいの反則でしょう。
足の裏からビーム!
あくまでビーム砲です。
ダリルバルデといい、足になんか仕込むの好きですね。
コラキ展開!
我ながら酷い・・(笑)
ウエポンディスプレイベース、別売なのはまぁいいですよ。
でも、せめて同時発売してください。彼らを遊び尽くすためには必須のアイテムなんだから。ルブリスの時点でね。
ファラクトMAモード!
違和感なし(笑)。
そういえば、まだ可変機出てきませんね。
2期になればさすがに1機くらいは出てくるんじゃないかとは思うんですけど・・
そしてペイル社が作りそう。
グ「やめてくれぇぇっ・・!
あそこであの台詞はちょっと残念な感はありましたね。
グエル先輩3連敗の巻・・
もうちょっと慎重に立ち回ってれば勝てた可能性もある。
しかしまぁ、掻っ払ってきた弟のディランザであそこまでできた、グエルのパイロット能力の高さをあらためて見せつけてくれたシーンでした。
一方でファラクトはその武装の陰湿さが際立ってはいましたが、機体性能、エラン(4号)のパイロットとしての能力ともにそれほど高いようには思えなかったというか・・よくも悪くも実験体(機体もパイロットも)という感じでしたね。
以上、“HG ガンダムファラクト” でした。
本編ではエアリアルに続いて登場したガンダム。
まぁ、デザイン公開時から名前にはガンダムと付いていて、劇中でも早々にそれを認めるなど、いろいろと歪んだ思想や感情を内包した機体という印象です。パイロット含めて。
やはり悪魔的な、異形とも思えるデザイン、カラーリングにもそういった狙いがあるんじゃないかなぁ。
この機体の登場・・エラン(4号)の本性が顕れてから一気に物語が不穏になりましたからね。
まぁ、そのまま真っ逆さまかと思いきや驚きの会社設立なんかでまた急に浮上したり、緩急がすごいですわ。翻弄されっぱなし(笑)。
はたして今後のファラクトとエラン(本物と5号)、というかペイル社がどう動くのか・・
そして4号は、本当はどうなったのか・・興味は尽きませんね。
さてキットですが、ダリルバルデ同様に完全新規型の敵方エース機というだけですでに評価点は高いです(笑)。
異形に近いプロポーション、フレキシブルに可動するブースターユニット、ビームサーベルの収納展開ギミックといったもとより紹介されていた要素に加え、隠されていたガンダムフェイス、足の裏へのビーム刃取り付けなど、買って組んでみて初めて知るオマケ要素(?)もあって、予想以上に楽しめるキットになっていると思います。
もちろん、造形、可動性も文句のないレベル。
ただやはり、肝心要のガンビット(コラキ)の展開再現に別売のディスプレイベースが必須なのに、その発売を一月待たねばならないというのがネックですね。
もう最初からセットにしといてほしかったなぁ。
そこだけです。不満は。
さてさて、今回が2022年最後のレビューとなります。
なんやかんやあって当初の予定とは違うネタになってしまったんですけどね。
全部で102本。去年から3本減りましたが、まぁだいたい100本ちょい。同じくらいのペースですね。
来年も、たぶんこのまま変わらずダラダラ続けていくと思いますので、お付き合いいただける方はまたよろしくお願いします。
といったところで、今回・・もとい、今年はここまで。
皆さまよいお年を。
なお、新年1本めのレビューは、クラウドファンディング商品、トランスフォーマー レガシー ビクトリーセイバーを予定しております。
ただ、すでに掲載画像数が過去最高を更新しており、相対的に文章量も多くなってしまうと思われるので、アップには数日かかりそうです。
気長にお待ちください(笑)。
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