HG デミトレーナー レビュー

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードより、

“HGTWFM 09 デミトレーナー” です。


 “機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、アスティカシア高等専門学園の実習用機体としても広く普及しているブリオン社製の汎用量産型モビルスーツ、

“MSJー121 デミトレーナー” が、

HG水星の魔女シリーズで発売されました。

 今回は同時発売された

 “HGTWFM 10 デミトレーナー用拡張パーツセット” も、

併せて見ていきたいと思います。


 先行してカスタマイズ機であるチュチュ専用機が発売されているデミトレーナー。

 専用機発売の翌月に量産機が発売されるというのは、ディランザと同じ(あちらはラウダ機とのコンパチでしたが)パターンですね。

 どちらもただの色違いということではなく、武装はもちろんのこと本体の見ためもちょこちょこ違っています。

 先日予約解禁となった各社の軍用量産機含め、単純な色違い(カラバリ)のキットが今のところはないあたりも、力が入っているなと感じます。

 水星の魔女が初めてのガンダムという人も少なくないと思いますが、そういった人たちだけでなく、世間の反響の大きさはSEEDのとき以上なんじゃないかという感覚です。

 まぁ、SONが発達した今とあの頃とでは環境が違いますし、僕自身そういったものに触れてまだ間がないので、よりダイレクトに感じているのかもしれませんが。

 しかし、第1期のあのラストを新規参入組がどう咀嚼するのか・・

 ようやくガンダムらしくなってきた、なんて意見もありますが、べつに人死にやグロ描写が付きものというわけでもないと思うけどなぁ。

 まぁエランのエピソード付近から不穏な空気は徐々に漏れていましたし、しかしそんな気配を見せながらもそれほどヤバい展開にはならないんじゃないか? と思っていたらのあれでしたからね。

 起こった事態もそうですが、自分がなにをしたのかおそらくちゃんと理解していないスレッタがねぇ。

 でもあれは頭がおかしいのではなく、ただ幼いだけだと信じてる。

 まぁ、11~12話はちょっと駆け足だったかなぁ。

 シャディクの真意もいまいちよくわからない。

 あれだけのことがあって、メインキャラで確実に亡くなったのがグエルパパだけというのも、ある意味ご都合主義が過ぎる感もあります。

 というかグエルパパ退場かぁ・・しかも息子の手で。

 父殺しとなってしまったグエルくんもこの先どうなるか。

 仮面付けてあの黒いガンダムに乗ってくるのかな?

 と、また大いに脱線してしまいました(笑)。

 今回の主役はデミトレーナーですよ。

 レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。


MSJー121 デミトレーナー

 ブリオン社製の汎用量産型MS。余分な機能をそぎ落とした結果、操作性と整備性に優れ、同時に高い拡張性も有した優秀な教材として、アスティカシア高等専門学園でも採用されているMSです。

 なお、現在学園で運用されているのは121型。

 本編開始時が、A.S.(アドステラ)122年なので、その1年前に生産された最新型なのだと思います。

 ちなみにチュチュ機の型番は115なので、たぶん7年前に生産された型。

 学園外では主に警備用などに使われるデミギャリソンという仕様変更機があります。

 そちらのキット化も今後あるかな?

ドーム状の頭部が印象的ですが、それ以外には特徴らしい特徴がない、シンプルなデザインです。

 デザートイエローがなんとなく実戦的に見えたチュチュ機と違って、ある意味清潔感もあるライトグリーンをメインとしたカラーリングが、いかにも学生の実数用機体らしい。

 ディランザが水星版のザクなら、デミトレーナーはジムという感じでしょうか。

 腕部の構造はチュチュ機と変わりありませんが、こちらは両肩にアーマーを装備しています。

 おそらくはこれが基本で、チュチュ機は片方破損したけど修理できてないとか、そういうことなんじゃないかな。


 頭部アップ。

 チュチュ機ではセンサーを強化した結果、メインカメラがモノアイっぽい見ためになっていましたが、通常型はこのようなモニタタイプ。

 バルカン砲も内蔵されていません。

 なので、外装は基本形状こそ同じですが新規パーツになっています。

 決闘用のスタッフアンテナも付属。そのまま取り付けられます。

 ブレード(刃)じゃなくて、スタッフ(杖)なんだな。

 短いからむしろ有利かも?


 胸部コクピットハッチのカラーはシールでの再現。

 なお、シールはこの通り5色用意されているのでお好みのものを貼ってください。

 紫じゃなくて緑だったら戦隊ものの定番だったのにな・・


 ここでちょっと構造的な問題というか・・

 肘を動かしていると、いつの間にか上腕の外装がズレてくることが多い気がします。

 エアリアルの肩とかもそうですけど、接続部がだんだん緩んでくる場面がけっこうありますね。

 肘や膝に多用されているC型ジョイントにしても、そのうちプラプラになりそう。

 パーツ数が減ったことで組み易くはなっていますけども、強度面とか、まだいろいろと課題はありそうです。


 背面。

 こちらもすっきりとシンプル。

 バックパックはさほど大型でもないスラスターを2基備えた標準的なもの。

 左右側面には3㎜穴があり、それなりに拡張性があります。


 脚部は膝にアーマーを装備。

 膝間接とは独立して可動します。

 チュチュ機のようなスラスターは装備されません。

 また足首のアーマーもなく、チュチュ機よりわずかに脚が短いです。

 接続方法は変わりなく、やはり足首は水平方向にロール可動しかできません。

 爪先が動くとはいえ、やはり接地させにくい印象ですね。

 ウィルダッシュ機構のためのローラーは足裏に一つずつあるだけで踵にはロールバーが設置されています。

付属武装

ビームガン

 短砲身のシンプルな射撃武装。

 威力も実習用として抑えられているようですが、それでも普通にダメージは与えられるんだから、とても安全とは言えませんよね。

 そのへんはガルパン理論かな?

 ハンドパーツでの保持に加え、後部にあるコネクタ(3㎜軸)を前腕外装にはめ込むことでしっかり固定できます。

 センサー部はシールです。


サーベルスティック

 格闘用の武装。シンプルな警棒のようなものですね。

 専用のマウントパーツが付属。

 マウントパーツは3㎜軸で腰部やバックパック、前腕外装などに取り付けられます。


シールド

 標準的な耐衝撃、耐ビーム性能を持つシールド。

 裏面のジョイントで前腕外装に取り付け、さらに可動式のグリップをハンドパーツで保持できます。


 以下は拡張パーツセットに付属の武装となります。


コンバットナイフ

 切断作業にも使われる大型のナイフ。

 これもとくに刀身が赤熱化したりしない、普通のナイフのようです。

 専用マウントパーツも付属します。


デダラス

 先端のアタッチメントを交換することで様々な用途に使用できるマルチツール。

 アタッチメントはサーキュラーソー(丸鋸)、

ハンマードリル、

4連装ミサイルランチャー、

ガトリング砲が付属。

 ガトリング砲はパーツを追加することで長砲身化することが可能。

 なお、追加パーツの3㎜穴が緩くて砲身がちょっとへたってしまいがち・・

 ミサイルランチャーはジョイントの交換でマニピュレーターの代わりに直接腕部に取り付けることもできます。

 劇中でも換装シーンがありましたね。

 しかし、このサイズに収まるミサイルって・・


 なお、拡張パーツセットは2枚のランナーからなるのですが、うち1枚はチュチュ専用デミトレーナーに付属したものと同じもので、つまるところチュチュ着に付属の武器もほぼそのまま組むことが可能です。

大型ビームライフル

 チュチュ機のメイン武装ですね。

 成型色以外はまったく同じもので、メイン、サブの両グリップが可動。

 マウントアームでフロントアーマーに取り付けられますが、取り回しはあまりよくありません。

 なお、エネルギーケーブル用のリード線や大型バックパック、コネクタパーツは付属しません。

 それをどう解釈するか・・


 またガトリング砲のパーツを組み合わせることも可能です。

 この状態で取り付けられる給弾ベルトパーツも付属。

 平手パーツも付属します。

 手甲パーツはやはりグレーですが。


比較画像

 チュチュ機と。

 以前チュチュ機のレビューに載せた画像と同じものですがあらためて。

 カラーだけでなく本体各部の形状もあちこち違っていて面白いですね。

 足首にパーツが追加されてるので頭頂高にもけっこうな差があります。

 なお、先ほど少し触れましたが、一般機とチュチュ機ではフレームや武装に使われているパーツの成型色が微妙に違っています。

 実際、アニメの色指定がそうなっているのでそれが再現されているわけですが、なんかねぇ、武装とか共用しにくいんだよなぁ。

 でも、一般機と較べてチュチュ機の砲がくすんだ色になっているというのは、それだけ年季が入っているという感じでリアルではあるんですけどね。


 頭部比較。

 チュチュ機はアンテナまで専用のモノになってます。

 純正品が手に入らなかっただけかもしれないけど・・


 足裏比較。

 一般機は足裏にローラーが1つだけ。

 その代わりにスラスターらしきものがありますね。どっちが有効なんだろう?

 アンテナありとなしで。

 アンテナありのほうは武装も強力にしてみました。

 今回は本体、オプションともに2つずつ買えましたのでね。せっかくなのでコクピットハッチの色も変えました。

 デミレッドとデミブルーですね。

 コクピットハッチの色とともに武装もいろいろ変えてみると、チーム内での役割分担など感じられてよいですね。


 ディランザ(一般機)と。

 ブリオン社という会社の立ち位置とか規模とか、劇中ではとくに語られていないので御三家の一角であるジェターク社との間の技術力、資金力の差がどれほどあるのかわかりませんが、少なくとも主力MSの方向性は真逆っぽいかな。

 足し算のディランザに対して、引き算のデミトレーナーという感じですね。

以下、画像

 まずデミレッド、基本装備で。

 チュチュ機では苦戦したけど、さすがに3機も組むとポージングにも慣れてきますね。

 クセのある足首可動もある程度わかって、自立もこの通り。


 立て膝は腰部可動も手伝って非常に綺麗に決まります。

 基本的にはよく動くんですよね、デミトレーナー。

 余計な装飾が一切ないシンプルなデザインだし。


 続いてアンテナ付きのデミブルー、オプションをいろいろ持たせて。

 まぁ、この大型ライフルの扱いにくさは変わりませんね。まったく同じものなんだから当たり前ですが。

 でもこんなふうにバレルやそのたオプションをいろいろ変更できる武器というのは、ビルドシリーズ以外だとあまりないので面白いです。

 2期でさらにパターンが増えるかもしれませんね。


 スタンドを使って。

 平手のあるなしで表現の幅が大きく変わってくる。

 こんなポーズでも、左が握り手(持ち手)のままだったらいまいち緊張感がないですからね。

 やっぱりそのへん大事。


 パイロット科実習訓練イメージで何枚か。

 MSでの工作作業は、宇宙空間や極地での大規模建設作業などに従事するために必須のスキルですね。

 パイロット科=軍人というわけでもないと思うのよね。

 あとデミトレーナーというと劇中第3話、嫌がらせに遭って何度も試験を受け直すスレッタが思い出されます。

 あのとき、あぁ、この子は精神的にまだかなり幼いんだな、と思ったのですが、それがあのラストの伏線だったのだろか・・


チ「遅っせえな、なにやってんだマルタン!

 シャディク戦に向けての特訓シーンとかあったら見たかったかも。

 実際には乗ったのはザウォーとでしたが。

 しかしパイロット科でなくてもみんな一応操縦はできるんですね。操縦の基礎は必須科目なのかな?

 それにしても寮長への口の利き方・・(笑)


 これは、両対抗MS運動会で騎馬戦に臨もうとする地球寮チームの姿ですね。

 え? そんなエピソードはなかった?


 ディランザに対しては1対1では勝てそうにないですね。

 集団戦が基本になりそう。

 第2期ではこういうシーンも増えてくる・・?


 ちょこっと組み換えでデミタンク。

 手に直接付けた4連装ミサイルランチャーがガンタンクのボッブミサイルっぽいなと思ったので、30MMのエグザビークルなど使って組み換えてみました。

 もうちょっと大きめの履帯ユニットが欲しいかな。


 以上、“HG デミトレーナー” でした。


 唯一足首の構造のみ不満ですが、それ以外はシンプルなデザインが可能とする高い可動性、組みやすさと低価格、拡張パーツセットと組み合わせることで広がる遊びの幅と、まさに理想的な量産機キットだと思います。

 コクピットハッチのカラー再現がシールになっていることに関しては、おいおいシールかよ? というツッコミを、5色のパターンを用意することで手軽なバリエーション再現を可能とすることで華麗に回避(?)。

 こんなん、5機買いたくなるやないか・・

 まぁ、状況的には買いたくてもなかなか買えなかったりするので、僕も2つでやめておきましたが、ブリオン戦隊デミレンジャーを揃える人はそれなりにいると思います(笑)。

 2期への橋渡し的な期間で御三家の軍用量産機がキット化されますが、おそらくはデミトレーナーの軍用機、デミギャリソンもいずれはキット化されるはず。

 それに合わせて拡張パーツセットその2もあったりしそうですね。

 アニメ本編も3ヶ月のインターバルがもどかしいですが、始まったら始まったで一気に暗く不穏な展開になっていきそうで、それはまた怖い・・

 あの頃の楽しかった学園の雰囲気に、少しでも浸っていたいという気持ちもまだありますね。

 そんなときにこそ、デミトレーナー。

 エアリアルも一緒に、実習シーンイメージのブンドドなどしてほっこりするのもいいものですよ(笑)。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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