HG ディランザ(一般機/ラウダ専用機) レビュー

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードより、

“HGTWFM05 ディランザ(一般機/ラウダ機)” です。


 “機動戦士ガンダム水星の魔女” より、ベネリットグループ御三家の一角、ジェターク社製の汎用モビルスーツが、

“MDー0031 ディランザ(一般機)” と、

“MDー0031L ディランザ(ラウダ専用機)” のコンパチ仕様で発売されました。


 徐々に、しかし至るところで不穏な気配が漂い始めている水星の魔女。

 しかし全体にはまだ(それともずっと?)ほんわか明るい感じで進行していくあたり、本当に新しいガンダムだなと思わせてくれます。

 まさか株式会社ガンダム設立の運びになるとか・・

 主人公の一人であるミオリネの存在意義が、個人的に今一つしっくりこないものを感じていたのですが、ここへ来てベネリットグループ総裁の娘して経営戦略科の成績トップらしいカリスマ性、才能を高さが見えてきましたね。

 一方で相変わらずなにもわからないまま振り回されているスレッタ・・

 彼女がもっと彼女自身の意思で決断するとき、さらに物語は動くのでしょう。


 さてディランザですが、第1話で見事な負けっぷりを披露してくれたグエル専用の赤い機体と違って、こちらの青い機体は長らく商品名が一般機/キャラクターA専用機となっており、搭乗者についての情報は伏せられていました。

 同日発売となったチュチュ専用デミトレーナーはそのものズバリですし、ガンダムファラクトにはエランが、ミカエリスにはシャディクがそれぞれ搭乗することも早々に発表されていたのに、なぜこのディランザだけが?

 それはやはりネタバレに繋がるからだろうというのは、まぁ誰しも思っていたことでしょうが。

 僕は、どういう理由かタッグマッチ的な決闘が行われることになり、やむなくミオリネが乗ったりするのではないか? と想像していたのですが、実際はエランとの決闘にグエルが弟の機体を勝手に持ち出す・・というものでした。

 で、そのエピソードが描かれた第5話の放送後に、正式に商品名が発表。

 ディランザ(一般機/ラウダ専用機)。

 ・・うん。まぁ本来その通りなんだけども、ラウダ乗ってないじゃん。少なくとも劇中では。

 今後乗ることもあるのかもだけど。

 そもそもディランザはジェターク社のMSですから、専用にカスタマイズされた機体に誰が乗るのか? となると、グエル以外だとその弟のラウダくらいしか考えられないわけです。

 しかし、後継者候補を2人ともパイロット科に通わせているパパは、息子たちのどちらかをミオリネの婿にすることしか考えてないんだな。

 それはグエルに任せて、ラウダにはちゃんと経営を学ばせろよ・・

 話が逸れました。

 なにが言いたいのかというと、ラウダの専用機ということを伏せておく意味があったのか? ということなんです。

 むしろ最初からラウダ専用機と言っておいたほうが、第5話に至って、おまえが乗るんかいっ!? と突っ込めたじゃないの、と。

 まぁ、放送後にラウダ専用機です、というのも、いや、本人乗ってない! とはなったわけですが(笑)。


 レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。


MDー0031 ディランザ

 一般機です。

 それにしてもこれ、なにをして一般機と呼んでいるんでしょうか?

 学園の外で軍事用などに使われているディランザ・ソルという機体も登場していますが、そちらはそちらで仕様が違いますから、この外見の機体はあくまでアスティカシア高等専門学園で運用されるものに限られると思うんです。

 しかし、実習などでは基本的にデミトレーナーが使われている(チュチュは自分用にカスタムしたものを使ってましたが)ようですし、じゃあこれはいつどんなときに使われるのか?

 やっぱり決闘のときにだけ使われるんでしょうね。

 グエルとラウダ以外のジェターク寮の生徒が、決闘に関わったときに乗る機体ということなんでしょう。

 ジェターク寮のパイロット科学生だとフェルシーがいますが、彼女がこの仕様に乗る機会が来るのかな。

 というか、来ないと彼女がパイロット科という設定に意味がない・・

 本体は基本的にグエル機と変わりません。

 しかし、型式がこの一般機とラウダ専用機は “0031” なのに対し、グエル機は “0032” ですから、中身はけっこう違うのかもしれません。

 とはいえキットはただのリカラーなので、構造や可動に関する部分はグエル機とまったく同じ。

 なので、今回は割愛します。

 そのあたりのことはグエル機のレビューをご覧ください。

 メインカラーは青みがかったグリーン。

 シールドが左肩のみになっていることも相まって、ザクみが感じられる見ためになっています。

 随分と太ましいですけどね。

 一年戦争期では目立つでしょうが、第1次ネオジオン戦争期だと紛れてても違和感ないかも。


 頭部のブレードアンテナはシンプルな1本角になっています。

 シールドもさほど大きくはない角張った形状のものを左肩にのみ装備。

 右肩には3㎜穴を隠すボルト状の蓋パーツをはめ込みます。

 バックパックにもウイング状の突起はなし。

 バックパック形状自体はグエル機と同じものです。

 リアスカート左右のフィンパーツもグエル機より小さなものになっています。

 リアスカートは全体を跳ね上げることができ、フィンパーツもそれぞれスイングします。


武装類

ビームライフル

ビームトーチ

 これらはディランザの基本武装。

 ライフルはマガジンを取り外し、トーチはそのまま(もちろんビーム刃は外して)シールド裏面のウエポンラックにマウントできます。

 ただ、一般機の場合はシールドを一つしか装備していないので、当然どちらか一方しかマウントできません。


シールド

 そのシールド。

 先にも言った通り、一般機は左肩にのみ装備。

 ボリュームのある本体に対して防御面がかなり狭いので、さほど効果があるようには見えませんけどね。

 なお、ウエポンラックを兼ねる基部パーツはグエル機含めて共通です。

 左右の別もないので右肩に付け換えることも可能です。


MDー0031L ディランザ ラウダ・ニール専用機

 先の一般機をベースにした、ラウダの専用機。

 カラーリングも一般機と変わらないのはラウダの性格的なものなんでしょうか?

 専用機の存在自体、実はちょっと恥ずかしいとか思ってそう(笑)。

 二叉に分かれた大型のアンテナ、両肩に円形シールドを装備してより重厚な雰囲気になっています。

 バックパックに追加された1枚のフィンも案外目立ちますね。

 攻撃主体の兄のカスタムに対し、どちらかというと防御主体のカスタムという感じ。

 控えめな雰囲気のラウダらしいです。

 ただそれも本人のオーダーなのか、その性格を見越したパパのオーダーなのか・・


 アンテナはグエル機ほどではありませんが大型で二叉に分かれたものに。

 やっぱりカブトムシっぽい。

 さすがに羽根飾りは付けていません。


 バックパックは中央にフィンが1枚だけ追加されています。

 目立ちますけど、とくに意味があるようには思えないなぁ・・

 リアスカートは一般機とまったく同じです。


武装類

 ビームライフルとビームトーチは一般機、グエル機と同じものを装備しています。


大型ヒートアックス

 ラウダ機専用装備・・というわけではなく、ディランザ用のオプションの一つのようです。

 でかい両刃の斧ですね。

 ブレード部を赤熱化することで対象を溶断することができ留、ガンダムシリーズにおける敵方伝統の格闘武器です。

 広く分厚い側面部はシールドとしても使用可能で、劇中でもファラクトのビットによる攻撃を跳ね返していましたね。

 本キットでは全体がグレー成型でブレードの赤熱化については各自塗装などで再現するしかありません。

 また、本体にはマウントできず、手で保持するしかないのはグエル機のパルチザンと一緒。


ラウンドシールド

 両肩に装備する円形の大型シールド。

 防御面は広くフラット。

 グエル機のスパイクシールドのように打突用の突起や補助スラスターは内蔵されていないようで、あくまで防御用の装備になっています。

 表面に斜めに走るディティールはシールでカラー再現されています。ほぼ同じ色なのに・・

 ちなみにシールドは左右まったく同じ形状なので、このディティールの向きは左右で逆になります。

 裏面のウエポンラックには当然ライフルとトーチをマウント可能。

 両肩に装備しているので、当然両方マウントできます。


 付属パーツ一覧。

 本体より向かって右側に並べたのが一般機用のパーツ。左側がラウダ機用のパーツ。中央のライ仏とトーチが共用パーツです。

 あ、シールドの基部も一つは共用でしたね・・


比較画像

 グエル専用機と一般機とで。

 ジェターク社はMSの開発において足し算しかしないようですが、まさに実例がここに。

 まぁ、グエル機の場合は要らないものまで足してそうですけどね。

 本当、派手だなぁグエル機は・・(笑)

 しかしそれも、劇中の役割をしっかり把握したデザインという感じもします。

 見かけ倒しというか・・いや実際には不運だっただけとも言えますが。


 後ろ姿も。

 やはりバックパックのウイングとリアスカートの大型化に機能的な意味がない気がする。


 同じく、ラウダ機と。

 まさに兄弟機。

 攻撃主体の兄に対し、防御主体の弟がフォローする。

 実際の兄弟関係そのままの仕様という感じです。

 しかし、攻撃と防御のコンビMSとなると、ヴァイエイトとメリクリウスを思い出します。

 今回とは色味が逆ですね。


 後ろ姿も。

 おまえも背中に羽根付けろよ! と、兄に押し切られた弟の姿が目に浮かぶ(笑)。

以下、画像

 まず一般機で。

 安定感ばっちりのアンコ体型。

 このテの重MS系のキットは案外接地性に難があったりするのですが、ディランザはまったく問題ないですね。

 一般機が活躍するシーンはあるんだろうか? 

 フェルシーに乗ってきてほしいけれど・・彼女がスレッタと戦う理由はとくにないしなぁ。


 ラウダ機で。

 ヒートアックスを両手で振り被るポーズ・・は、実はちょっと窮屈。

 もう少しアックスの柄が長ければよかったんですけども、あんまり長くすると阿本体とのバランスも悪くなるしなぁ。

 そのへんの塩梅も難しいんでしょうね。


 ライフルとトーチで。

 劇中での活躍だけだと、むしろこっちのほうがグエル専用機っぽいけど・・

 あのファラクトのビット攻撃をアックス1本で捌ききる技量。

 純粋なパイロットとしての能力だけなら、間違いなくグエルが最強だと思うんですけどね。

 もう少し冷静になっていけば。

 とりあえず、早くダリルバルデかえしてあげて。


 もうこんな共闘シーンは見られないんだろうけれど・・

 ラウダ機はともかく、あそこまでバラバラにされたグエル機が以前の姿に修復されることはないでしょう。

 1話限りはもったいないですけどね。

  

 以上、“HG ディランザ(一般機/ラウダ専用機)” でした。


 水星の魔女におけるザク枠の量産機ですが、ある意味もっともMSとしてイメージしやすい存在ですね。

 デミトレーナーはジム枠というには作業機械的過ぎるし、御三家のほかの2社の量産機はわりと新しい雰囲気というか、ちょっと尖ったデザインですし。

 やっぱりディランザには安心感がある。

 キットも安定の出来ですしね。

 こんなに動けてちゃんと立てる重MS系のキットがこれまであっただろうか・・

 どうせなら2つ買って一般機とラウダ機で並べたかったんですが・・どこも売り切れちゃってたよ(悲)。

 そりゃあ、負けたとはいえ、あの活躍を見れば欲しくなるよね。

 そもそも一般機とのコンパチというこで複数買いされる可能性も高かったですし(まさに僕がそう)。

 まぁ、コンスタントに再販はしてくれるようなので、いずれは手に入るでしょう。

 ただ、その頃はもう欲しい気持ちが薄れてるかもしれないけど(笑)。

 だって展開早いし、全然予想もつかないんだもの・・


 といったところで今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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