今回のレビューは、1\144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、
“HGUC233 メッサー F01型” です。
劇場用アニメとして、3部作での公開が決定した “機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ” より、
主人公マフティー・ナビーユ・エリンことハサウェイ・ノアが率いる半地球蓮舫政府組織 “マフティー” が運用する量産型重モビルツース、
“Me02R-F01 メッサー F01型” が
ハイグレードユニバーサルセンチュリーで発売されました。
なんやかんやで公開が延び延びになっているような閃ハサ。
僕は原作小説は読んでいませんし、ストーリーもざっくりとしたものをGジェネを通して知っているくらいなので、そこまで強い思い入れはないのですが、すでにファンの間では賛否分かれている感じですね。
まぁ、声優交代の時点で僕もおいおい・・とは思いましたが。
ハサウェイの声は佐々木望さんで完全に固定されてるからなぁ。
そりゃあ、逆シャアのころの少年の声はもう難しいにしても、青年になった役なんだから十分演じられるはず。
むしろ佐々木さんがマフティーとなったハサウェイをどう解釈するのか興味があったのに・・
今回新たに演じることになった声優さんも、大変だろうなぁ。
原作小説はベルトーチかチルドレンの続編なのに対し、今回の劇場版はやはり逆襲のシャアの続編となるということだし、だったらなおさら・・とも思うんですがね。
まぁ、そんな感じでストーリーの改変もあるでしょうし、登場するMSも同様のようです。
すでにHGUCで発売されたペーネロペーは、十中八九、3作めでアルゴスユニット背負って出てくると思います。
そして今回紹介するメッサー。
パッと見は、先にも言ったGジェネ以降に浸透しているデザインそのままですが、型式の末尾にF01と追加されています。
つまるところ、このほかにF02やF03などの仕様変更機が出てくる、ということでしょう。
マフティーの幹部クラスのパイロットが、それぞれ専用にカスタマイズした機体に乗ってくるのかもしれません。
まぁ、閃ハサに登場する新機体は、サブフライトシステム含めて6種類くらいしかいませんし、なにかしら隠し球や水増し(言い方・・)があることは容易に想像できたわけですが・・
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。
主人公サイドの主力MSですが、かなりジオン色の強いのデザインになっています。
アナハイムが開発し、マフティーに供与した機体ですが、関連を隠すためにあえてジオン系の意匠を取り入れた・・ということのようです。
同じパターンだとガーベラ・テトラが思い出されますが、あちらは中身がガンダム4号機ながら外装が完全にジオン系列のデザインだったのに対し、このメッサーは基本はギラ・ドーガをベースにしつつ、なんでかあちこちに連邦系の特徴が出てしまっています。
胸のダクトの配置とか、肩や靴は直線主体のデザインですし、わかる人に即バレしそうな感じ。本気で隠す気があるのか疑問です。
もっとも、そのおかげでジオン系と連邦系の特徴が絡み合ったけっこう独特なデザインになっているかと思います。
頭頂高23mという大型機で横幅もあり、ボリュームだけだとZZ時代の第4世代MS並ですが、構造は第2世代。
武装もこのF01型はごく基本的なものしか持たない、非常にシンプルな機体になっています。
片方の肩にスパイク付きのアーマーを装備する、というのはジオン系量産機の伝統ですが、たいていのスパイクが円錐形なのに対し、メッサーのスパイクは四角錐とこれまた珍しいデザイン。
顔付きはギラ・ドーガというよりもヤクト・ドーガっぽいです。
キットとしてはその巨体ゆえに箱の厚みが凄いことになっていますが、大振りなパーツも多く、そこまで組み立てに時間はかかりませんでした。
ポリキャップレスで、可動部はすべてKPS製のパーツになっていますが、肩や腰、股関節といった負荷のかかりそうな場所は総じて5㎜軸になっており、保持力、強度が確保されています。
色分けもおおむね再現されていますが、頬と肩の動力パイプ根元のイエローのみ、シールでの補完となっています。
巨体であるぶんクリアランスに余裕があるため、胴体部分にはMG並の可動構造が仕込まれています。
まず、肩は装甲ごと前方に引き出せるようになっています。
ただ、腕部の接続は単純な軸接続なので、肩の撥ね上げはできません。
そして首は基部ごと、胸部から腹部にかけても2箇所で大胆に前方に曲げることができます。
しかし一方で、後ろ向きにはまったく反れません。
バックパックなどの干渉物が多いという事情もあるんでしょうが、むしろ向きに反れるガンプラって最近(というか昔もさほど記憶にないけど)ほとんどないですよね。
個人的には、それってけっこう重要なポイントだと思うんですけど、あのビヨンダムですら反れなかったし・・
あまり需要ないのかな?
モノアイの可動はヘルメット部分を外して中のパーツ(今回はこのパーツのみ艶消しブラックで塗装しています)を回す仕組み。
モノアイ自体はシールでの再現です。
なおヘルメット、内部パーツともにそのままだとけっこうはめ込みがキツイので、少し調整したほうがよいと思います。
内部のクリアランスもけっこうギリなので、ヘルメットを外すたびモノアイのシールがこすれてしまいがち。
そういう理由もあるのか、シールは予備が2枚付いています。
背部メインスラスターは、上下のカバーとスラスターがそれぞれ独立して上下に可動。
腰部リアアーマーは複数の可動軸を持つアームで接続されており、展開することで内部のバーニアが露出するギミックがあります。
でも、これってそもそもの仕様なんでしょうか?
にしては露出するバーニアもとくに大型というわけでもなし、さほど意味があるようには思えないんですが・・
付属武装
ロングビームライフル
専用のビームライフル。
機体サイズに合わせてそこそこ大型ではありますが、ロングと付けるほど銃身が長いわけでもありません。
ギミックもとくになし。側面のセンサー(?)裏面は肉抜きされています。
本来はジャケット部分がグリーン系のカラーなのですが、キットではグレー単色成型。とくに気にならないのでそのままです。
保持には右銃持ち手を使用。
こんなでかい拳のMS、久しぶりです。
ビームサーベル
説明書にはジェガンとA型と同じものを使っている・・とありましたが、同じくジェガンと同じものを使ってるという設定のグスタフ・カール付属のものと較べるとご覧の通り、
かたちも太さも長さも全然違う(笑)!
これは、内部デバイスには同じものを使ってるけど、外見は偽装ということなんでしょうか? いや、サーベルだけにわざわざそんなことするか?
サーベル刃はいつもの汎用パーツですが、カラーはイエロー。
シールドの裏面に2本、右スパイクアーマー内側に1本をマウントできます。
専用のシールド。
こちらもとくにギミックのない、普通にでかいだけのシールドです。
L字ジョイントで左肘(肘アーマー)に取り付けます。手持ち用のグリップはありません。
なお、右肘にはジョイント用のダボ穴はありませんが、アーマーの形状は共通なので組む段階でどちらか選ぶことは可能です。
シールド自体が大きく、ジョイントも軸接続なので肩のスラスターなどと干渉しやすく、取り回しは悪いです。
裏面には、先にも行ったようにサーベルを2本マウントできます。
ただ隙間にはめ込むだけで、固定用のダボなどはありません。
比較画像
ライバル機となるグスタフ・カールと。
このグスタフはUCVer.として発売された先行配備型です。
当然、閃ハサVer.も発売されるとは思いますが、どの程度変更点があるのかなぁ?
すでにこのUCVer.の機体解説で軽装型について言及されているので、ひょっとしたらそちらを一般販売、そしてこのUCVer.の仕様変更となるだろう重装型をプレバンで、というパターンかも。
とりあえずUCVer.との比較です。
同じ大型機ではあるものの、あくまで既存のジム系(ジェガン系というほうがいいのか)のフレームを流用(マニピュレーターや頭部ユニットの規格は一緒だと思われる)して、外装の着膨れ状態で大型化・・というか太っている感じのグスタフに対し、メッサーはフレーム構造からして一回り大きく、体型も太ましいながらバランスのとれたものになっています。
このへん、連邦とマフティーの軍備的な事情の違いがよく出ている感じですね。
ほぼモビルアーマーのペーネロペーと並ぶと、さすがにメッサーも小さく見える・・というほどでもないですね。
本当、でかいなこいつ(笑)。
互いに敵対勢力の機体なんですが、見ための雰囲気はわりと仲間感あります。
こうなると、むしろメッサーとクスィーの並びのほうが違和感ある気がする。
メッサー & ペーネロペー、グスタフ & クスィーのほうがデザイン的にそれぞれ味方っぽいような・・
本当ならギラ・ドーガやヤクト・ドーガと並べてみるべきだと思うんですが、近場にいなかったもので・・
しかし、サザビーと並んでもなんら遜色ない・・というか、本体のボリュームでは勝ってすらいます。
ということは、ギラやヤクトよりも一回り以上でかいとうことです。
なんで量産型でここまででかくする必要があったんだろう?
以下、画像
胴体部分の可動については先に少し詳しく書きましたので、そのほかの部分について。
といっても、特筆すべき点はないですね。
肩間接が引き出せない(先に言った通り、装甲ごと少し前には引き出せますが)、股関節にもスライド機構がないというのは、大型機ゆえの保持力、強度確保のためかと思われます。
なので、総合的な可動性能はまぁ至って普通。
足首も前後左右スイング可能ですが、接地性はほどほどです。
ただ、そもそもあまり開脚もできないので自立には問題なし。
スタンドディスプレイ用には専用のアッタチメントが付属します。
股下(お尻に近い部分)に取り付けるタイプですね。3㎜軸タイプのスタンドが使用可能です。
膝は二重関節になっていて90度以上曲げることができるので、腰部フロントアーマー、リアアーマーを動かすことで立て膝も可能です。
一応、ギャルセゾンの搭乗姿勢はとらせられるということですな。
でもギャルセゾン・・出るかなぁ? 出るとしても3000円超えそうな気がする。
パッケージイラストだと2機乗ってますしね。
肘も二重関節で深く曲げられます。
シュツルム・ガルスを参考にポージング。
格闘戦も強そう。
VSグスタフ・カール。
現状のイメージだと完全にメッサーのほうが高性能っぽいけど、グスタフのほうも軽装型が出てくることを前提とすれば、当然この重装型と役割分担をしてくるだろうし、メッサーのほうもバリエーションがあるようなので、そのへんの描かれかたも気になるところですね。
映画、公開されたら観に行こうかな?
劇場版のガンダムシリーズをちゃんと映画館で観たのって、実はF91だけなんだよなぁ・・
以上、“HGUC メッサー F01型” でした。
当初は6月発売予定でしたが、1月延期(実質は2週間くらいだったのかも)されて7月発売となりました。
まぁ、コロナの影響でしょうが、映画公開自体も延期になりましたし、このタイミングでの発売はメッサーにとってよかったのかどうか・・
ちょっとガンダム知ってる! くらいの人は絶対知らない機体ですし、量産機ながらでかいぶんお値段的もそれなりにしますからねぇ。
もちろん、ファンにとっては待ち望んだ初キット化でありますし、ジオン系の重MSということもあり、好きな人にとっては堪らないはず。
ただ、そういう人が今どれくらい生き残っているのか・・(笑)
また大量に売れ残ってワゴン行きになりそうな気がしないでもない。
キットそのものの出来は、さすが最新なだけあって申し分ないんですけどね。
肩や股関節の仕様は、大型機ならばやむを得ないところでしょう。ペーネロペー(オデゥッセウスガンダム)の肩も上がりませんでしたし。
胴体が後ろに反れないのは、今に始まったことではないので・・
ただ気になったのは、最新の新規型キットであるにもかかわらず、豪快に余剰が出てしまうランナー構成。
前腕外装と肩アーマーの一部という3パーツだけのために、同一のランナーが2枚入っているため、頭部や胸部、腰部リアアーマーなど、けっこう大振りなパーツが相当量余る事態となっています。
同色のパーツでも、靴などはちゃんとスイッチによる分割で必要な分だけが入っているのに、なんでこんなことになったのかと考えると、まぁ今後出るのだろうF02とかF03とかのバリエーションの、片方の前腕と肩アーマーの形状が違うんだろうな、という予想に行き着きます。
でも、それにしたって先の3パーツを靴と同じランナーの中に入れ込んでしまえば、ぐっと余剰を減らせるはずなのに・・
なにかしら深い事情があるのかもしれませんが。
というか、後付けで型式表記の追加とか、端から金型流用します! って宣言してる感じで、正直萎えた部分はあります。
たとえばMS-06 ザクⅡみたいに、最初から型式の末尾にいろいろ付いて多数のバリエーションがあった機体なら、あとから1つ2つ増えたところで、まぁアリかな、とも思えるんですが、今回のメッサー F01型の場合は完全に付け足しですからねぇ。
バリエーションを出すのはいいんです。試作機ならともかく量産機なので、そのへんの自由度はあっていいと思うんです。
でも、仮に主要キャラがカスタマイズした機体に乗ってくるのだとしたら、型式にはとくに追加せず、ガウマン機とか、エメラルダ機とかでいいんじゃないかなぁ。
で、映画公開までとくに露出もしない。そのほうがサプライズ感もあって喜ばれる気がするんだけど。
それからしばらく経ってから、プレバン受注開始でいいんじゃないですかね。
なんというか、急な型式表記の追加と雑なランナー配置に露骨さを感じて複雑な気持ちになった・・というお話です(笑)。
キットそのものはよいものですよ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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