今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-51 ディセプティコン スクラッパー” です。
実写映画第2作、“トランスフォーマー リベンジ” に登場したディセプティコン コンストラクティコンの1体、
“スクラッパー” が
デバステーターへの合体ギミックを搭載してスタジオシリーズに登場しました。
SS版コンストラクティコンの7体め、スクラッパーです。
リベンジ公開時には、シュプリームクラス デバステーター(オーバーロード、スクラップメタルを除く6体合体のセット)として、単体ではロボットモードへの変形がオミットされた、ビークルモードのみの状態で発売。
同じく映画公開時に発売されたEZコレクション版では、小サイズながら当初設定通りとされた7体(スクラップメタル以外)によるデバステーターへの合体を実現し、かつ7体全員が単体でもロボット~ビークルへの変形が可能でしたが、スタンダードサイズでの変形を再現したトイは今回が初となります。
おそらくそのへんの事情が関係しているのでしょう。シリーズ開始直後に較べると、それほど入手が困難ということもなくなってきたスタジオシリーズですが、このスクラッパーは久々に予約段階でけっこう品薄になっていた印象で、僕も危うく買い逃してしまうところでした。
幸い、最寄りのヨドバシカメラに直接問い合わせたころ、少し時間はかかりましたが取り寄せてもらえ、無事に購入することができました。
店員さんの親切丁寧な対応に感謝です。
それでは、レビューしていきます。
ロボットモード
劇中ではデバステーターに合体する個体とはべつに複数の同型が登場(コンストラクティコン・・というかディセプティコンでは一般的)。
ロボットモードはエジプトでのサム追跡シーンで登場していますが、あまり目立った活躍はせず、その後のNESTの攻撃により殲滅されています。
続くダークサイドムーンでも同型が登場していますが、本気モードのオプティマスに軽く蹴散らされて終わり。
なので、まともにその全身像を確認できるシーンはほとんどありませんでした・・
でも、そのわずかな登場シーンをじっくり見てみましたが、これかなりの再現度じゃないですかね。
というか、普通に格好いいじゃん、こいつ(笑)。
これまでは、先にも言ったEZコレクション版以外にまともな立体物がなかったこともあり、そのイメージが強かったので余計にそう思う。
なるほど、ほかの連中に較べるとまだまともな人型体型ではありますが、異様に細長い腕に猫背、昆虫のようなエイリアンのような独特の顔付きと、やはり実写版コンストラクティコンらしい姿です。
そして、思いのほかでかい・・まぁ、それはいつかのホビーショーだったかで8体全員が並べられた画像ですでにわかってたことですが。
頭部のアップ。
相変わらずの細かい造形、塗り分け。
若干扁平な形状は爬虫類や両生類っぽい雰囲気もあります。
首の生え方、頭部の付き方などはランページとも似た感じ。
ただこれ、目の位置間違ってますよね? 赤い塗装は、本来その上のスリット内部にすべきだったはず。
たまたま間違いに当たったということではなく、全部間違ってるようです。惜しいなぁ・・
左腕は右腕に較べて長く、先は大型の金属用カッターのような形状になっています。
刃は左右独立して可動します。
右腕の先端は解体用のハンマーのような形状になっています。
劇中では前腕から鎖で繋がっており、サム追跡にこれを振り下ろすシーンが、ほぼ唯一の見せ場だった気が・・
しかし、今回は収納状態(?)での立体化。
クリアランス的に伸縮ギミックは無理でも、第1作版メガトロンのようにオプションで鎖パーツを付けてほしかった。
ビークルモード
劇中では、キャタピラー社製の大型ホイールローダー 992Gに変形するのですが・・
スタジオシリーズではビークルモードにおいて、実際にモデルとなった車や飛行機などの正規ライセンスを取得し、細部の形状再現までこだわったものも少なくないですが、コンストラクティコンでライセンス所得がされているのは、今のところミックスマスターのみ(とはいえ、トリを飾るオーバーロードも、たぶんライセンス取得はないでしょう)。
前提として、デバステーターへの合体ギミックが最優先というところでビークルモードの再現度はそこまで重視されていない印象です。
そんななかで今回のスクラッパーですが・・これまでのコンストラクティコンのビークルモードのなかでも、とくにトランスフォーマー感が強いです。
とりあえホイールローダーとしてのシルエットが再現できればいい、としたものなのか、モデルとなった車両の形状とはまるで違います。
というか、もう明らかに見た感じ変形しそうですからね。
バケットの中央部なんか、端から隠す気ありません(笑)。
上から見た画もこの通り。
しかし、デザインとしては非常にまとまりがよいので、おおよそ実車の雰囲気を再現しながら、車体後部で急にクローが飛び出しているランページやミックスマスター、荷台にロボットモードの腕が丸出しのロングハウルなどと較べると、トランスフォーマーのビークルモードとしての完成度ははるかに高いと思います。
なんか、ある意味開き直った感がある。
そういう意味では、合体ギミックはなく、単体で完成していたリベンジ公開時に発売されたRD版のコンストラクティコンたちに近い感じです。
変形は脛部分のパーツ移動、足首と右腕のカッターを合わせてバケットにする部分など、なかなか面白みがあります。それでも難易度はほどほどで1、2回通して変形させれば、なんとなく覚えられる感じです。
各部の歪み、不具合も今のところなさそう。非常にかっちりと、気持ちよく変形してくれます。
合体モード
デバステーターへの合体時には単独で右腕を担当。
変形はかなり単純で、バケットアームを含めた車体側面(ロボットモードの脚部に当たる部分)を外側に少し開いて固定し直す程度。
このまま寝かせると、バトルビークルモードみたいな雰囲気もあります。
スカベンジャーとの連結には車体後部の太い四角形のジョイントを使用。
このジョイントはハイタワーのものと共通なので、左右の腕の入れ替えも可能です。
ついにここまで・・
この段階でかなりのボリュームになっていますが、不安的中で、腕の重さで肩の関節がへたります。これ、腕を伸ばすようなポージングはできないな。
劇中通りにほぼ四つん這いで置いておくくらいしかできなかも。
はたして脚の保持力のほうはどうなのか・・
比較画像
リベンジ公開時に発売されたEZコレクション版と、各形態で。
ロボットモード、ビークルモードは見ためがかなり違いますが、変形パターンというか、変形時のパーツ移動はおおよそ共通。
一方で合体モードの形状はほぼ一緒です。
それにしても、EZコレクション版は名作だと思う。もちろん細部までは再現しきれてはいないけど、このサイズで3段変形、7体合体を再現してるんだからなぁ・・
同じSS版コンストラクティコンから、腕担当の3人(?)。まずロボットモードで。
カラーも共通で仲間感があります。
最初にリベンジを見たとき、メガトロンのサルベージに向かったコンストラクティコン4体のうち、1番小柄だったことでメガトロン復活のためのパーツとして解体されてしまった哀れな黄色いヒトがスクラッパーだと思っていたのですが、のちにそれはスクラップメタルという別キャラだということになり、このたびスタジオシリーズでもデバステーターの合体要員として正式に認可(?)され、メンバーの先陣を切って発売されています。
しかし今回、このレビューを書くにあたって、またあらためてBDでリベンジを見返し、コマ送りなどしながらじっくり確認したところ、タンカーから海に飛び込んで、海底でバラされたのは、やっぱスクラッパーだったよ。
まぁ、知ってたけどね(笑)。再確認しておきました。
要は編集ミスというか、直前にディセプティコンマークの付いたVOLVOのショベルカーが動くシーンを挟んじゃったからそんな事態になってしまったようですね。
でもそれも、作画ミスなんてしょっちゅうだった初代アニメへのオマージュだったりするのかも。
まぁ、そんなスクラップメタル、ロボットモードはスクラッパーによく似ている・・なんてことにもなっているので、シルエットというか、姿勢は寄せてきている感じです。ともにコンストラクティコンのなかでは普通の人型に近い体型ですね。
サイズとしては、今回はボイジャーとデラックスに分かれているので、おおよそ一回りスクラッパーのほうが大きくなっています。
一方のハイタワーもデラックスクラスではありますが、スカベンジャーに並ぶ異形ということもあってそれほどサイズ差は感じません。
首の生え方や顔の雰囲気はちょっと似てますね。
ビークルモードでも。
こうなるとさすがにスクラッパーの大きさが際立ちます。
そしてディティールの細かさには若干の違和感も・・
合体モードでも。
右腕はスクラッパー1体、左腕はスクラップメタルとハイタワーの2体で構成されることもあり、左腕のほうが少し長く、重機要素も多めです。
同じボイジャークラスの仲間たちと。ロボットモードで。
スペースの関係上、ミックスマスターはハブられてます。すまん・・
おおよそのボリュームは同程度ですが、プロポーションのせいでロングハウルが1番小柄に見えます。背の低い太っちょですね。
まぁ、ロングハウルは先のサルベージのシーンに登場したものと後半のサム追跡シーンに登場したものとではどう見ても大きさが違うように思うのでなんともいえませんが・・
ビークルモードでも。
この2体で挟むと、今回のスクラッパーのビークルモードがいかに割り切ったデザインになっているかがわかります。
サイズはいい感じなのかな?
なお、ロングハウルの歪みがさらに酷くなってきました。ランページも肩の回転軸がゆっるゆるになってますね。けっこう遊び倒してるからなぁ・・
ついでにミックスマスターへのリンクも貼っておきます。
スカベンジャーとも、各形態で。
スカベンジャーは大きさの割りにディティールもあっさりめで、とくにビークルモードだとのっぺりしてる感は否めませんが、合体時の強度を考えると、そうせざるをえなかったのかな。
以下、画像
コンストラクティコンのなかでももっともまともな人型に近い体型ということもあり、可動性能はなかなかのもの。
首は多少ですが上下に可動。顔は左右に、こちらはわりと広く動かすことができます。
腕部は水平にほぼ真っ直ぐまで上げることができ、肩と上腕の間に回転軸、肘は二重関節で深く曲げられ、手首のスイングも可能。
肩基部のジョイントも外すことで前方向に少し引き出すこともできるなど、長い腕を存分に活かしたポージングが可能です。
腰は回転不可。
股関節はわずかにひらくことができ、自然ながに股にできます。
膝は90度曲がった状態から伸ばすことができませんが、さらに曲げることはできるので、立て膝は可能。
爪先(バケット部分)も開いて伸ばすことができるので、接地性も十分です。
腰裏(ビークルモードの運転席天面)に3㎜穴があるのでそれを使って。
ポージング、プロポーション含めてコンストラクティコン随一のイケメンです。
ツルハシを肩に担いで出勤する建設作業員のイメージ(笑)。
ポイントは爪先の可動ですね。本当に歩いてる感じが出せる。
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