SS ミックスマスター レビュー

  今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SS-43 ディセプティコン ミックスマスター” です。


 実写映画第2作、“トランスフォーマー リベンジ” に
登場したコンストラクティコンのメンバー、

“ミックスマスター” が

新規にデバステーターへの合体ギミックを搭載してスタジオシリーズで登場しました。


 デバステーターへの合体を再現したSS版コンストラクティコンでは、頭部に変形するミックスマスターのリメイクが最難関じゃないか・・と個人的には思っていたんですが、まぁ、スクラップメタルとランページの段階で彼らの方向性はおおむね判明したので、思ったほど難しくはなさそう、というか、けっこう簡略化してきそうだという予感はありました。

 で、製品画像の公開と同時にある種の諦めが・・(笑)

 いや、最初に出してきたあの棒立ちの画像は酷かったですね。まともなポージングの画像に差し替えられてからは、そう悪くはないかな? と思えるようにはなりましたが。

 なんといっても、リベンジ公開時に発売されたRAおよびRDシリーズのアイテム群は個人的に衝撃でしたからね。

 とくにボイジャークラスで発売されたコンストラクティコン3体、とりわけミックスマスターはいまだにムービートイの中では3本の指に入るお気に入りです。

 ゆえに、今回のSS版ミックスマスターについては、もう最初からハードルが高いわけです。

 はてさて。その出来映えやいかに・・

 レビューしていきます。


ロボットモード

 華奢なボディに不自然なほどに細く長い腕、そしてその腕にシールドのように計4枚配置されたミキサードラムのガワが特徴的。

 劇中でこの姿を見せたのはメガトロンのサルベージシーンや最後の乱戦シーンくらいなので、その全容をあまりはっきりと確認することはできないのですが、まぁこんな感じなのかな。

 造形はともかく、構造はこれまでに発売されたほかのコンストラクティコン同様、スタジオシリーズというよりはシージなどのG1系トイに近い、1つ1つのパーツが大きめのかっちりとした印象です。

 デバステーターへの合体が前提なので、強度確保などの面でそうなってしまうのはある程度仕方のないことだとは思いますが、単体で見るとやはりかつてのRD版に較べて見劣りしてしまう部分はありますね。

 長い腕は、RD版ではウネウネと柔軟に動いてくれましたが、今回のものは可動部がかなり減ってしまいました。クローも一体成型になり、根元で動かせはしますが開閉はできなくなっています。

 ドラムのガワ4枚のうち、肩に付いているものは最初は取り付けられておらず、開封後にジョイントにはめ込んで完成となります。同様にボンネットカバーも外した状態で箱に入っています。

 当然、元の状態で箱にしまうためにはガワを外さなければならないのですが、ジョイントがかなり硬いため、一旦付けたあとにまた外すのは至難の業・・というか破損の恐れがあるため怖くてできません。そもそも付けるのもけっこう力が要りましたしね。

 なので、このレビュー用の画像撮影が終わったあとは箱の中のPET製梱包材を抜いて、直でしまうことにしました。

 パッケージサイズを合わせなきゃいけないのはわかるけれども、ハイタワーのクレーンみたく取り外しが容易なものならともかく、それが難しいものはもう少し考えて欲しいなぁ。

 容積的には十分入るんだし、姿勢と梱包材のかたちでなんとでもなりそうなもんだけど・・


ビークルモード

 マックトラック社製のミキサー車にトランスフォーム。

 変形は、腕部の処理がとにかく複雑だったRD版を経験している身からすると、拍子抜けするくらい簡略化されています。

 ダークサイドムーンでメガトロンが変形するタンクローリーもマックトラック社製で、SS版の開発にあたりライセンスを取得していました。

 このミックスマスターもライセンスを取得していますが、これはコンストラクティコンでは初でしょうか。マックとディセプティコンの間になんらかの癒着関係があるのかもしれない・・(笑)

 もっとも、やはり劇中でこの形態をじっくり確認できるシーンは少ないため、どれほど実際のフォルムが再現できているのかはよくわかりません。ただ、劇中で印象的なアップカットがあったボンネット状のオブジェは、小さいながら一応造形されています。

 しかし、やはり同じくイン所為的だったミキサードラムのディセプティコンマークはなし。

 ひょっとしたら、ライセンス所得の条件としてマークを描くのはNGとか、そんなことはないと思いますが・・

 それよりもNG出すべき部分があるだろう、と。

 これこれ。まただよ・・

 なんですかね? SS版のコンストラクティコンのボイジャークラスでは、ビークルモードでツメを露出させなければならないという縛りでもあるんですかね?


 なお、下がこれまでの事例。

 まぁ、この2体に較べたらまだマシという気はしますが。

 どうにか内側に折り込むことはできなかったんだろうか? 足も出てるし・・


バトルモード

 いわゆる砲台モード。

 RD版では一応変形可能で、結果としてトリプルチェンジャーになっていたのですが、今回のSS版ではオミットされています。
 それでもなんとか近付けられないかと頑張った末の姿が、こちら。

 デバステーターの下顎パーツを砲身に見立てたものの、どうにも砲台には見えません・・

 タイヤが目に見えてなんか間抜けな怪獣みたいな感じになってしまいました。


合体モード

 デバステーターでは頭部を担当。

 先日のワンフェスを見る限り、ここにさらにオーバーロードに付属のパーツを取り付けるようです。

 頭部に変形するからといって、べつにミックスマスターがリーダ格というわけではないようです。そもそも同型の個体が複数いますしね。コンストラクティコンはみんなそうですが。

 劇中では8体(ひょっとしたらそれ以上?)のコンストラクティコンがそれぞれ分解融合されるようなかたちで合体したデバステ-ター。ミックスマスターの場合はボンネットを突き破り、ミキサードラムの中から現れた東部をどう再現するのか? 非常に気になっていたんですが、なんのことはない、ボンネットの内側にすっぽり隠されていました。

 まぁ、それしかないわな・・

 そんなわけで、ボンネットのカバーのみ取り外し、後部に付け替える仕様になります。

 ほぼそのままの状態で収納されている頭部の造形はさすがに細かく、眼窩の奥に複数並んだ瞳など、塗り分けも丁寧です。

 口の開閉はできますが、劇中のように下顎が左右に割れたりはしません。

 首に相当する部分も完全に固定なので、顔を左右に振ったりもできません。

 まぁ、スカベンジャーとの合体の仕様がどのようになるのかまだよくわかりませんし、ひょっとしたらミックスマスター全体を左右に振れたりするのかもしれません。


比較画像

 RD版と。まずはロボットモードで。

 シルエットはさほど変わらず、全体のボリュームもほぼ同等です。

 SS版のほうが肩幅が広い(?)こともあり、横幅はSS版のほうがある感じ。カラーリングの再現度もSS版のほうが高いですね。

 一方で、単体アクショントイとしての面白みはRD版に軍配が上がります。RD版の腕部可動の変態性は変形の複雑さも含めて秀逸です。

 ボンネットの向きが上下逆だったので、今回はバックショットもついでに。


 ビークルモードで。

 こちらも基本的なシルエット変わりませんが、見える部分に変なモノが出てない、ミキサードラム後部のレイアウト、ギミックも凝っているぶん、ミキサー車のトイとしてはこれまたRD版のほうがよいように思います。ディセプティコンマークも、ドラムだけでなくボンネットにも描かれてますしね。

 ボンネットのオブジェはSS版でしか再現されていませんが。

 ビークルモードでもドラム後部のホッパ、シュートなどの形状、レイアウトの違いを確認してもらうためにバックショットも貼っておきます。

 RD版はシュート部分が折りたためたり、手動で遊べる部分がけっこうあります。あ・・梯子の位置間違えてますね。


 バトルモードでも。
 SS版はなんちゃってですが・・

 というか、RD版もこれでちゃんと合ってるのかどうか自信がない(笑)。


 EZコレクション版と、各モードで。

 ロボットモードは大目に見てあげましょう(笑)。ビークルモードもいいとして、合体モードはボンネット内部にでバステータの頭部が隠れているのは共通ですが、EZコレクションでは頭部が張りついているボンネット上面をくるんと引っ繰り返す仕様なので、ビークルモードの向きがSS版とは反対になります。

 実際の向きは、SSが正解。 


 これまでに発売された仲間たちと。

 撮影ブースのサイズの都合で2体(ミックスマスターを併せて3体)ずついきます。

 まずはデラックスクラスの2体と、ロボットモードで。

 左のハイタワーは劇中でロボットモードが登場していないのでなんとも言えません。

 右のスクラップメタルとのサイズ感は、メガトロンサルベージの際にタンカーから順番に飛び込んでいくシーンを見る限りはこんなものかと思います。身長はほとんど変わらないように見えました。

 ミックスマスターは横幅・・というか、腕に付けてたドラムのガワの分だけスクラップメタルよりボリュームがあっただけで、「1番小さいやつを殺せ!」というドクター(スカルペル)の指示はけっこう紙一重だったような・・


ビークルモードでも。

 ・・あ、ロボットモードの画像と左右の位置を逆にしてしまった。すみません。左がスクラップメタル、右がハイタワーです。

 スクラップメタル、ハイタワーともにスタジオシリーズのデラックスクラスとしては大型なので、ビークルモードでは極端なボリューム差は感じません。

 実際の重機たちもけっこう色々なサイズがあるので、こうして並べてもとくに違和感は感じませんね。

 ボイジャークラスの2体と。ロボットモードで。

 同じくタンカーから飛び込むシーンの印象では、ミックスマスター基準で右のランページは身長はこのままいいとしてもで横幅は2/3ほどにスリムだった気がします。左のロングハウルは、縦も横も1.5~2倍ほど大きかったはず。

 少なくともコンストラクティコンにおいてはスタジオシリーズのウリだったはずのロボットモードでのサイズ統一はなかったことにされているようです。

 そういえば、いつの間にかパッケージ裏にも書かれなくなってたような・・


 ビークルモードでも。

 ツメを隠し忘れた仲間たちですが・・

 まぁ、ミックスマスターとランページはまだ我慢できるけれども、ロングハウルはなぁ・・

 あと、ロングハウルに関しては不具合と言われているボディの歪みがだんだんとキツくなってきた気がします。最初はそこまで気にならなかったんですが。

 変形そのものは大味なのに、なんでピンポイントでタイトな設計にしたのか?

以下、画像

 基本的な可動はこなすものの腕も脚も短いせいで如何せん派手なポーズが苦手なロングハウルや、可動が独特過ぎるランページと較べると、比較的素直な可動に長い腕のおかげもあって、ケレンミのあるポージングが可能なミックスマスター。

 しかし、RD版の変態的な腕部可動を経験済みだと、どうしてももの足りなく感じてしまいます。

 ボーンクラッシャーのときと同じような感覚だなぁ。

 胸部の煙突パーツを下ろすことで胴体と肩を繋ぐ関節パーツの可動域が広がるので、腕をめいっぱい前に伸ばしたりはできますが、やっぱりもう2箇所くらいは可動軸、回転軸が欲しかった。

 腕に付いているミキサードラムのガワもあまり動かせないため、4枚すべてを前方に回しての防御姿勢もこの程度が限界・・

 腰裏にスタンド対応3㎜穴があるので、それを使って・・と思ったらユルユルで使い物にならなかったので、ブースのバックボードにもたせかける感じで。

 なかなかスタイリッシュなポーズになりました。

 各可動部の強度は十分ですし、スクラップメタルの肘やそれこそロングハウルのような不具合に相当する問題もありませんし、ガシガシ動かして遊ぶぶんにはストレスもなくていいんですけどねぇ・・

 なにはともあれ、これでようやくスクラップメタルをスクラップにするシーンが再現できます。

 でも、撮影後にリベンジを見返してみたら、立ち位置が間違ってました。それにメンツも足りないし・・

 ただラヴィッジはともかく、ドクターはこのサイズに合わせたら本当にアリんこくらいの大きさになっちゃいますね。

 簡易ディスプレイベースの背景は、コンストラクティコンで共通のエジプトの砂漠に落ちるデバステーターの影。

 これも、上のシーンに登場の4体については海底という選択肢はなかったんだろうか?

 まさかこの歳になって、これだけの数の建設車輌トイを手許に置くことになるとは・・(笑)

 UWデバスターもいるし。


 とりあえず、現状揃っている5体を合体モードに変形させておおよその位置関係を押さえてみました。

 先日のワンフェスで、残るスクラッパー、オーバーロードの単体モードとともに8体すべて製品版を使った(と思う)合体モードが世界初公開されました。

 あれはほぼ直立に近い姿勢だったので、劇中のゴリラっぽい前傾姿勢だと頭の位置はだいたいこのくらいじゃないかと。

 まぁ、実際あの姿勢がとれるのかはわかりませんが・・


 以上、“SS ミックスマスター” でした。


 ロボットモードでの腕の可動がかなり簡略化されている、砲台モードがオミット、変形難度の劇的な低下(これは改善点とされる場合もあるでしょうが)、そしてまたビークルモードでツメが露出している・・などなど、個人的に不満点はいろいろあるものの、SS版コンストラクティコンはこういうものだと割り切ってしまうと、目立つ不具合や強度不足もなく、遊びやすいのでお薦めはできます。

 これまでに発売されたコンストラクティコンの個人的ランキングは、

第5位・・ロングハウル

 ロボットモードのフォルムは申し分ないのですが、派手なポージングができないこと、そしておそらくは設計ミスなのかビークルモードが歪んでしまうことと、荷台にロボットモードの腕が丸出しなのが大きなマイナス。あと、やっぱり小さいよね。

第4位・・ランページ

 独特のシルエットを見事に再現したものの、劇中のイメージより明らかに太ましいのがちょっと・・そしてビークルモードの後ろにツメが丸出し。

第3位・・スクラップメタル

 プロポーションに可動、変形、ビークルモードでのブーム、バケット部の可動などポテンシャルは十分。ただし、肘関節が軟質素材なうえギチギチなので動かす際にねじ切れそうなのでマイナス1。シリコンアスプレーなど吹いてやるのがいいかと。

第2位・・ミックスマスター

 RD版を知らなければ、十分満足できる出来かと。ただ、やはり腕部とドラムのガワはもう少し動かせるようにしてほしかった。

第1位・・ハイタワー

 まともな変形トイとしては初ということもありますが、動かしていて非常に楽しいアイテム。デラックスクラスとは思えないボリュームもよいです。グラップルアームが開閉できれば言うことはなかった。

・・といった感じでしょうか。

 まぁミックスマスターに関しては第1印象があまりよくなかったので、思ったよりはマシだった・・という感じです。


 さて、次は3月にスカベンジャーですね。

 確かミックスマスターと同時に画像が公開されたものを見て、これは期待できそうだ・・と思ったんですが、おおよその変形パターンがわかってきたり、ワンフェスでの集合展示でサイズも判明したところでその期待も若干萎んでしまいました。

 クローラーからホイールへの変形は再挑戦してほしかったなぁ。

 スクラッパーとオーバーロードは、今のところオーバロードのビークルモード以外は好印象です。

 全部揃うのは夏かぁ・・

 4×歳の誕生日までには拝めるのかな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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