SS ハイタワー レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-37 ディセプティコン ハイタワー” です。


 実写映画第2作 “トランスフォーマー リベンジ” に登場したコンストラクティコンの1体で、デバステーターの左腕になる
“ハイタワー” が、
スタジオシリーズにて初のスタンダードサイズのトイとして発売されました。


 パッケージ裏でも、「目撃例は非常に少ない」とかネタのような書かれようですが、実際リベンジ劇中でその姿がはっきりと確認できるのはデバステーター合体直前の重機大集合の場面のみで、それもビークルモードがちらっと映るだけでロボットモードの登場はありませんでした。

 当時発売されたトイでも、6体合体する(オーバーロードがハブられていました)シュプリームクラスのデバステーターでは各分離形態はビークルモードのみでロボとモードへの変形はオミットされており、7体合体が可能で単体の変形ギミックも再現されたEZコレクション版でその異形を拝むことができましたが、これもコンセプトアートに描かれていた姿とは微妙に違っていて、今回およそ10年の歳月を経てようやくその真の姿が晒されたことになります。

 ただ、今回のスタジオ版ではスクラップメタルの電撃加入でデバステーターが7体合体から8体合体に仕様変更され、それに伴いハイタワーがデラックスクラスでの発売となったことには一抹の不安もありました。

 劇中の印象だと、ハイタワーのビークルモードはクレーン車ということもあり、おそらく一番でかいであろうスカベンジャーに匹敵するボリュームがあるものと思っていたんですよね。

 スクラップメタルからランページ、ロングハウルとこれまでに発売されたコンストラクティコンのビークルモードでのサイズ感はいい感じで揃ってきているので、ここへきてクレーン車がデラックスクラスというのはどうなんだ? と思っていたんですが、果たして・・

 レビューに移ります。


ロボットモード

 これをロボットモードと呼んでいいのかどうか・・

 まぁ、ビークルモードではもちろんないし、ビーストモードでもなさそうなので、ほかに表現のしようがないですね。

 異形といえばまずランページのロボットモードが思い浮かぶものの、あれも1本脚ということに目を瞑れば人型といえなくもないのに対し、こちらは完全に人型からは逸脱しています。

 クローラーが変形したフレキシブルに動く脚部に小さく短い腕部、長く伸びる首と、そのフォルムは鳥か恐竜か、といった雰囲気。

 さらに、背中から生えるクレーンタワー(ジブ)が加わって一層不気味なシルエットになっています。


ビークルモード

 リベンジ劇中ではコベルコのクローラークレーン CK2500にトランスフォームしますが、ほかのコンストラクティコン同様、今回のスタジオ版ではラインセンスは取得されていないので、あくまでそれっぽいクレーン車に変形します。

 実際の車両ではジブと後部のフレームとがワイヤーで繋がっているんですが、さすがにそこまでは再現されていません。

 しかし、ランページやロングハウルのビークルモードのような目立つ欠点もなく、建設車両のオモチャとしてはそれなりに見栄えのするものになっているかと思います。


合体モード

 デバステーターへの合体時には左上腕を担当。

 形状としてはビークルモードからさほど変化はありませんが、ジブ先端に取り付けていたグラップルクローは首を伸ばしたロボットモードの後頭部へと付け替えています。

 ていうかこれ、ロボットモードの顔が丸見えなんですが・・

 前腕担当のスクラップメタルと合体させてみました。

 発売の順番にこれといった法則性がないため、なかなか全貌が見えにくいデバステーターですが、たぶんこの向きで合ってると思う。

 そもそも、この向きでないとそれぞれのクローラーが干渉して接続できません。

 肘にあたる接続部では一応可動できるようになってはいるんですが、やっぱりクローラーが干渉してあまり動きません。

 まぁ、合体時の可動は最初からあまり期待していないのでいいんですが。


比較画像

 まずはリベンジ公開時に発売されたトイと比較。

 シュプリームクラスのものは持っていないので、EZコレクションのみとになりますが、各形態で。

 今回のスタジオ版とEZコレクション版とではロボットモードからビークルモードへのパーツ配置が前後逆になっているので、実はけっこうプロポーションが違っています。

 とくに、ロボットモードでのクレーンの向きは完全に逆になっていますね。

 また、EZコレクション版ではジブにはグラップルクローだけでなくクフックも備わっていて、ワイヤーでこそないですがジブと後部フレームを繋ぐパーツもあり、以外にビークルモードでの見ためがよく、プレイバリューも高くなっています。

 一方、合体モードではともに左腕を担当しますが、スタジオ版がスクラップメタルとの共同作業であるのに対し、EXコレクション版は単独。しかし、見ための違いはさほどありません。


 同じスタジオ版から、スクラップメタルと。

 同じデラックスクラスですが、明らかにハイタワーのほうがボリュームがあります。

 そもそもスクラップメタルがスタジオシリーズのデラックスクラスとしては大柄だったのですが、ハイタワーはそれ以上に大きく、特殊なプロポーションも相まって、印象としては倍近いサイズ感です。

 こうなるとクラスごとの定額システムは、開発側にとってはけっこう大変なんだろうな、という気もします。

 ビークルモードでもジブの高さもあって一回りほど大きく感じます。

 デラックスクラスということで不安に思っていた要素を見事に粉砕してくれました。

 同じくランページ、ロングハウルと。

 1クラス上の2体と並んでもほとんど遜色ありません。

 もちろん、骨組み状態のジブやフレーム状の脚部など、空洞部分が多いので密度感は較べものにならないんですが、見ためのインパクトを含めたロボットモードでの存在感はまったく引けを取らないと思います。

 さすがビークルモードだと少し小さく感じてしまいますが。

以下、画像

 人型ではないので可動にはかなりクセがありますが、多数の間接を持つフレーム状の脚部や折りたたみ式で伸縮する首、そしてクレーンの可動と、とにかく動かしていて楽しいアイテムです。

 ただ、頭部の接続はボールジョイントなんですが、かなり固いうえに遊びがほとんどなく、パッケージ裏の画像のように顔を横に向けたりは難しいです。

 背面(合体用ジョイント)には3㎜穴があり、実際にこんな挙動ができるかどうかはべつにして空中ディスプレイも可能。

 また、パッケージ封入時には背部のパーツ(ウインチユニット?)が折りたたまれずそのまま伸びた状態になっているんですが、それをそのままにして、本来の脚部を腕部に見立てたりしても、画像のようにわりと成立する感じで面白いです。

 ビークルモードではジブが基部で可動、グラップルクローも接続部で可動するので、建設車両のオモチャとして最低限のギミックは確保されているといってよいでしょう。

 でも、さすがにウインチ機構の再現は無理にしても、せめてクローの開閉くらいは実装してほしかったなぁ。

 中台紙の簡易ベースの背景はもはやお馴染みのエジプトピラミッド前。

 このカットだと、ハイタワーの大きさがよくわかるかと思います。


 以上、“SS ハイタワー” でした。


 デラックスクラスということで心配されたボリュームも十分でしたし、ロボット、ビークル両モードでのプロポーションも申し分なし。

 正規のモード以外にもパーツ移動でいろいろな形態を楽しめる、なかなかに自由度も高い良アイテムになっていたかと思います。

 なにはともあれ、スタジオシリーズのコンストラクティコンマラソンもこれで折り返し。

 このあとは少し期間を空けて、来年1月にスカベンジャー(デモリッシャー名義でしたか?)とミックスマスターの発売が予定されています

 まぁ、それはあくまで海外での予定なので、日本国内販売はもう少し遅れるかもしれませんが。

 でもこの調子だと、来年夏頃までには全員揃えることができるかもしれませんね。

 スタジオシリーズも以前ほど入手がに苦労することもなくなりましたし、いろいろと順調です。

 しかし、てっきりミックスマスターの発売が最後になると思っていたので、この順番は以外でしたが、残りがスクラッパーとオーバーロードということになると、唯一、EZコレクションでしか発売されていないオーバーロードがアンカーの最有力かな。

 一日も早く全員揃えてデバステーターに合体させてやりたいという欲求はありますが、焦って中途半端なものを作ってほしくないという気持ちもあります

 今のところデラックスクラス2体の出来には満足していますが、ボイジャークラス2体はビークルモードの出来にかなり不満があります。

 残りはボイジャークラス2体にリーダークラス2体ということになりますが、期待半分、不安半分といったところですね。

 現在公開されている宣材画像を見る限りですと、スカベンジャーは比較的よいように思います。クローラーからホイールへの変形含め、注目していますが、ミックスマスターがなぁ・・ロボットモードの画像が少々気になる。

 リベンジ版のミックスマスターが個人的にかなりのお気に入りなだけに、がっかりさせてくれるなよ、という思いが強いです。

 あと、どれかにオマケでスカルペル(ドクター)を付けてください!

 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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