ZW ソニックバード レビュー

 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、

“ZW39 ソニックバード” です。


 “ZOIDS ゾイドワイルド” より、

共和国の青き翼、

“M型 アーケオプテリクス種 ソニックバード” が

発売されました。


 正式発表よりも前に改造武器セットの改造例の画像で登場してまったソニックバード。

 公式が自らネタバレしてしまった態ですが、ナンバリングからもわかる通り、本来はこのソニックバードの発売後、あるいは同時に改造武器セット投入という段取りだったはずなのに、諸事情により前後してしまったようです。

 決算絡みですかね?

 ファーストシリーズのときも、おそらくクリスマス商戦の絡みでデスレックスの発売がグソックやステゴゼーゲのあとになった。というようなこともありました。

 こういうの、けっこう気になるタチなんですよね。大したことじゃないんですけど・・

 でも、さすがに今回みたいにネタバレしちゃうとかはさぁ。

 まぁ、そんな販売関係のバタつきと実際のモノの出来とは無関係なので、この話はここまでとしておきます。


 というわけで気を取り直して。

 ワイルドシリーズにおける純空戦用ゾイドとしては、スナイプテラに次いでの登場となったソニックバード。

 キットにおける設定としては、スナイプテラから制空権を取り返すために開発された共和国待望の空中戦力ということになっています。

 アニメでも、新OP冒頭の立ち位置からいやがおうにも活躍が期待されます。

 実際のキットはギルラプターの流用ですが、初見のチラ見では完全新規と勘違いした(節穴ww)ほど、大きく外見が変わりました。

 これくらい見ためをがらっと変えてくれるなら、流用も全然オッケーなんだけどなぁ。

 それでは、レビューしていきます。


ボーン復元

 アーケオプテリクス・・つまり始祖鳥のことですが、最近はそう呼ばれることも少なくなってきたのかなぁ?

 僕が子供の頃なんかとは恐竜やそれに類する古生物の定義、解釈も大きく変わってますからね。

 鳥の祖先は恐竜・・というか、恐竜(小型の獣脚類)が進化して鳥になったという話はもはや当たり前になっているので、ギルラプター(モチーフはディノニクス。竜盤類のなかの獣脚類の1種)のボーンパーツを流用してアーケオプテリクスに仕立てるというのは、パキケドス(モチーフはパキケファロサウルス。鳥盤類のなかの周飾頭類のなかの堅頭竜類なので、ディノニクスとの間にはかなり隔たりがある)の場合よりも筋は通っているといえます。

 ちなみに、アーケオプテリクス=始祖鳥は現在の鳥類の直接の祖先ではない、というのが定説ですが。 

 そういったことを踏まえて、ボーン形態をご覧ください。

 基本的に、ギルラプターのボーン形態から腕部(前脚)を省いたものになります。

 後脚の爪パーツは新規。あとは地味に背部の連動用パーツが変わっていたり、尻尾根元のケーブルパーツなくなっていたりしますが、おおよそは腕のないギルラプターです。

 そう腕がない・・つまり翼の骨格が再現されていないのです。これはちょっと問題アリなのでは?

 化石状態のイラストでは、ちゃんと翼(腕)の骨ありますからね。

 スナイプテラのように、そこはちゃんと再現すべきだった(まぁ、あちらも実際に再現されているのは半分ほどですが)と思いますね。それだけが残念。

 頭部はまぁ・・これでもいいと思いますけど。


復元完了

 外装と武装を取り付けて復元完了。

 あら格好いい。メインカラーのメタリックブルーが鮮やかつ爽やか。

 ボーン形態からは見違えるほどのお洒落イケメンになりましたよ。

 頭部は鋭角な外装に覆われ、鳥っぽさとともに航空機的な雰囲気も獲得。

 翼=ソニックウイングは先にも言ったように完全に外装パーツ扱いになってしまっていますが、尾羽も含めて羽毛を模したディティールが機械的かつ有機的で素晴らしいです。

 脚部も、後部に装備するアシストバーニア(シルバーのパーツ)に羽毛っぽいディティールがあり、ボリュームが増したことで猛禽類的な逞しさも加わっています。


 ギルラプターなどでは腕が生えていた位置には2連速射機関銃を装備。

 ワイルドシリーズのモーターの仕様は、少なくともM型では今のところまったくの共通で、主動力軸は前方にある1対のみ(1対のみという点ではL型、XL型も同様)です。

 構造的に前脚の動きに連動させて後脚も動かすもので、これは4脚歩行型でも、後脚のみの2脚歩行型でも一緒。

 まさにギルラプター型は後者になるわけですが、要はその前方の主動力軸になにか付けておかないと後脚を動かすことができないのです。

 ギルラプターの場合は後脚パーツから主動力軸に通す穴が伸びているので、いっそなにも付つずに蓋のようなパーツで隠してしまうという選択もあったかと思うのですが、今回は武装を取り付けると判断がなされました。

 この機関銃、当然ですが電動歩行に連動して(正確にはこの銃の動きに連動して歩行するのですが)動きます。

 ただ、まさに腕のように上下に振るような動きではなく、あくまで後脚の動きに追従するような動きになっているのでとくに違和感はありません。

 実際に動画を見たもらえばよくわかってもらえると思いますが、そこはさすがだと思います。


飛行形態

 翼を拡げて飛行形態に変形。

 体側にたたまれていた基部を起こし、さらに翼を水平に開きます。

 翼の変形についてはスナイプテラとほぼ同じですが、脚部はそのままです。

 翼の接続部にはクリック機構があるので、任意の角度で固定することができます。


エヴォブラスト(進化解放)形態

 飛行形態からさらに、翼下のA-Zウイングソード、尾羽側面のラダーソードを展開したエヴォブラスト形態。

 この形態ですれ違いざまに敵を斬り裂く “スカイスラッシュ” が進化解放技となります。

 地上歩行形態から飛行形態、さらにブラスト形態という3段変形は同じ空戦ゾイドのスナイプテラと同様です。

 歩行形態から飛行形態でアクションが変化する一方、ブラスト形態でアクションの追加はない・・というところまで同じと見せかけて、実はソニックバードは3形態でアクションの変化、追加が一切ありません。そういう意味ではM型以上では初の仕様になります。

詳しくは電動アクションの項にて。


 通常時は翼の裏に収納されているA-Zウイングソード。

 翼の先端部分に3㎜軸で接続。回転させることで展開します。


 尾翼のラダーソード。

 こちらも普段は尾羽の裏側に収納されています。

 接続はゾイドでは珍しくボールジョイントになっており、グリグリと自由に動かせます。


電動アクション


 まずは歩行形態で。

 口の開閉に目と翼基部の前後動、そして背部ツインジェットエンジンと尻尾の上下動と、歩行に連動して動く箇所が実はワイルドシリーズでも屈指の数だったりするギルラプター型の本領発揮といった感じです。

 ただ如何せん基型ではブラストギミックがショボかったせいで、後発のイロモノ連中の影に隠れてしまったのは不憫と言わざるをえません。

 それを教訓としたのか、今回のソニックバードはギルラプターではブラスト形態の追加ギミックだった部分まで通常形態で連動されるという手段に。そのせいでブラス形態におけるギミック追加がなくなってしまったわけですが、そこはあえての選択だったのだと思うことにします。

 なんにせよ、この翼を閉じた状態でよちよち歩く様は雛鳥のようで可愛いです。

 先にも言ったように、歩行脚が主動力軸に直接繋がっているわけではないので、そうしても歩行速度が遅くなってしまいますが、それがまたこの形態では巧く作用しているような気もします。


 飛行形態を飛び越してブラスト形態で。まぁ、見ためはほぼ一緒ですから。

 拡げた翼を前後に振りながら歩行します。何度も言いますが、動作そのものに変化はなく、追加の動作もありません。

 どう見ても空を飛ぶための動きではないですが、ウイングソードなどで敵に斬りつける動作と解釈するならば、ブラスト形態においてはあながち間違った動きではないのかも。

 つまり、飛行形態としては違和感があります(笑)。


改造計画書

 上段は帝国が鹵獲し、Z・Oバイザーの装着および主に射撃兵装 を増設したタイプ。下段は機関銃も外してブレード系の装備をさらに増やした接近戦特化型ですね。

 下段のほうは既存のパーツ画おかき集めればおおよそ再現可能なのかな?


高速戦闘強化仕様

 改造武器セット ダッシュブレイカーユニットにて紹介されている公式改造例です。

 ネタバレ画像となってしまった曰く付き(笑)の仕様ですね。

 ボーンブレードをハイパワーブースターを取り付けるためのアタッチメントにしてしまうと言うのは是オタクながらも面白いアイデアだと思います。


 これをベースに、さらに近接格闘戦用に特化させてみます。

 レドームは余計だったかな、と思います(笑)。


 ギルラプターとのミキシングでお手軽にドラゴンモチーフの機体にも。

 これだと、翼を前後に動かしながらの歩行もあんまり違和感ないかもです。


 実際に動かすとこの通り。

 なかなかいい感じです。

 あ、追加した武器パーツはリバースセンチュリーのエクスグランチュラに付属のパーツです。

 接続は基本3㎜でワイルドシリーズとも互換性があり、改造武器セットにはないタイプの武器もあるのでなかなか有用です。

 今さらのように思い出して発掘してきました。今後もいろいろ使っていきたいと思います。



比較画像

 まずは旧シリーズとの比較。同じ始祖鳥モチーフのシュトルヒと。

 このシュトルヒは第2期版となります。本体パーツはすべてあったのでなんとか復元できましたが、武器がまったくなかった・・また探さないとな。

 さて、シュトルヒは構造的には最初期の帝国製小型ゾイド、マーダとほぼ共通なので、そういう意味でも今回のソニックバードに通じるものがあります。

 おそらくはリスペクトがあったのでしょう。姿勢もだいたい一緒ですし。

 ただ、シュトルヒの翼はちゃんと上下に羽ばたかれますが。

 第1期におけるシュトルヒ、そして同時発売のツインホーンはそれまでの帝国製小型ゾイド共通コクピットを持たず、カラーも鮮やかな赤と黒のツートンで異質感があり、さらなる戦いの激化を予感させるような不気味さがありました。


 基型のギルラプターと。まずはボーン形態で。

 パッと見は腕のある、なしくらいの違いでしかないですが、背部の連動用パーツの細部が変更されており、内部のギアも大型化しています。

 ギミックの動作自体はほぼ共通なんですが、ウインドショーテルからソニックウイングへと、動かす対象が大きく、それなりに重くもなったための措置かと思われます

 尻尾付け根のチューブがオミットされたのはどういうことだろうか? 飛行の際に邪魔になるだろう、という考えですかね。


 外装を取り付けて。

 M型のなかでもわりと貧相なギルラプターに対し、ソニックバードが大きな翼が追加されたぶんボリュームアップしたので、ほかのM型にも引けを取らない存在感を手に入れました。

 こうなるとギルラプターになにか武装を追加してやらないと可哀想ですね。まぁ、それでもZEROでは量産型のやられメカ扱いになってますが・・

 色的には赤と青で対照的なので、それぞれ陸戦特化、空戦特化の兄弟機のような雰囲気もあります。


 同じ空戦タイプのスナイプテラと。まずは歩行、飛行の両形態で。

 キットは完全新規で、アニメでの扱いもやたら気合いの入っているスナイプテラは思いのほかでかいことでもお馴染みですね。

 始祖鳥と翼竜ではそもそも身体の構造も違うのでシルエットの違いは納得なのですが、それを差し引いてもソニックバードにはどことなく旧シリーズの臭いもあって懐かしさを感じずにはいられません。普通に歩いてるのに、飛行形態だと言い張るところとか、ね(笑)。

 帝国製のスナイプテラが高空からの狙撃、爆撃を主体とした、どちらかというと対地攻撃用の機体であるのに対し、ソニックバードはそんなスナイプテラを始めとした航空戦力を迎撃するための空間格闘戦特化機と、その機体特性は真逆。
 そしてまた色も真逆

 要はソニックバードは接近さえすればスナイプテラに勝てるんだと思います。

 実際の始祖鳥が飛行能力でプテラノドンに迫るのは無理そうですけどね。

以下、画像

 地上から大空へと飛び立つイメージで3枚。

 ソニックウイング、そして各部ソードの展開と、手動で動かせる部分が多く、ゾイドにしてはまだポージングが楽しめる部類かと。

 羽毛的ディティールが映えるバックショットも格好イイ。


 VS スナイプテラ。

 アニメではソニックバード登場時点で共闘モードだったので、今後対決シーンはないのかもしれない。

 まぁ、量産機相手にソニックバードが無双するパターンはまだあるでしょう。

 アニメにおいては第1作のデスザウラー並みに巨大化しているオメガレックスの背部荷電粒子吸入ファンを狙うため、一瞬ライジングライガーを背に乗せたソニックバード。

 ちなみに、キット設定ではライジングライガーが53.5t。ソニックバードが39.8t。いきなり乗られたら、普通堕ちる(笑)。

 親鳥が餌を持ってくるのを待っている雛鳥たちの図。

 こうなると、サラマンダークラスの大型飛行ゾイドが欲しくなります。

 あの神々しいほどの翼の動き、ワイルドシリーズにも取り入れてほしいなぁ。


 以上、“ZW ソニックバード” でした。


 スナイプテラに続く空戦用ゾイド。

 2足歩行恐竜型の流用という意味では、同じく始祖鳥をモチーフにしたシュトルヒを彷彿とさせ、さらにその先頭スタイルはストームソーダーにも通じるものがあるなど、過去の飛行型ゾイドへのリスペクトあり、一方で翼の動作を羽ばたきではなくあくまで攻撃動作というかたちで再現する(と解釈する)という新しい試みもあり、面白いキットになったと思います。

 もちろん、デザインとして普通に格好いいというのも大きなアドバンテージですけどね。

 翼の骨格がオミットされたことだけが残念・・


 セカンドシリーズに突入し、アニメにおいてはギルラプター、さらにパキケドスと完全に噛ませ扱いに成り下がってしまうなか、同型の雄として活躍してくれることでしょう。

 キットのギミックとしては、すでに何度も言っていますがギルラプターの完全流用ですが、ただ一点、連動するパーツ自体に手動による可動部を設ける・・ソニックバードの場合は翼の基部ですね。これだけで動作そのものは同じなのに全体の動きの印象をガラッと変えることに成功しているわけです。

 これは、今後の流用パターンでもポイントになってきそうですね。

 同じギルラプター型でもパキケドスはブラスギミックが変更されているので、そこに関連するパーツがごっそり変更されています。ガブリゲーター型の3種などはより顕著ですね。

 一方でライガー型は本体はほぼそのままで、独立したブラストユニットが毎度微妙に変わっているパターンです。

 外装を変えただけというのは、スティレイザー、ガトリングフォックス、そしてオメガレックス・・

 セカンドシリーズも、すでに5月発売がアナウンスされているキルサイスを含めてラスト3つくらいの感じなので、その後サードシリーズへと続くことを信じての予想ではありますが。


 といたっところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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