ZW オメガレックス レビュー

 今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、

“ZW38 オメガレックス” です。


 “ZOIDOS ゾイドワイルド” より、

“オメガレックス” が

発売されました。


 てっきり、セカンドシリーズ・・ゾイドワイルドセロのラスボスだと思っていたジェノスピノが実は中ボスで、まさかそのあとが控えていたとは・・

 ゾイド世界における禁忌ともいえる破壊兵器、荷電粒子砲を引っさげての真打ち登場とでもいいましょうか。

 デスザウラー、ジェノザウラー(ジェノブレイカー)、バーサークフューラーと続く破壊竜の伝説に新たな名が連なることになりました・・が、個人的にはいろいろと思うところがあります。

 ワイルドシリーズに関してはこれまでもアンチと思われても仕方のないようなことをいろいろ書いてきましたし、気を悪くされた方もおられたかもしれません。

  今回も、ラスボスを流用で済ますな! とか言おうと思ってたんですが・・

 アニメの新OPを見る限り、どうも彼(パイロット的には彼女というほうがいいのか?)はラスボスではなさそうな感じがしてきました。

 となると、抱くイメージもがらりと違ってきます。

 仮に第2の中ボスであるなら、せいぜい噛ませ犬にならないように・・と逆に心配してしまうくらいです。

 ドライパンサーという前例がありますし・・


 それでは、レビューしていきます。


動力ユニット

 L型以上のキットでは、歩行用のモーターユニットとブラストギミック用のユニットが一体になった大型動力ユニットがおおよそ組み立て済みの状態で入っていますが、今回もその例に漏れず・・というか、成型色が違うだけで形状はデスレックスのものとまったく一緒です。
 つまりはギミックも同じ・・かと思いきや、実はちょっと違うんですね。

 詳しくは後ほど。


ボーン復元

 シルバーのボーンは美しいのですが・・

 それも成型色が変更されただけでデスレックスから一切の変更なし。
 ライガー系ですら牙や爪は新規になるパターンが多いのに、せめて同一ランナーだろう足や、(これは組み立て済みの動力ユニットで使われるパーツですが)背中のフィンパーツの形状くらい新規造形にしてくれもよかったのでは?


復元完了

 外装と武装を取り付けて復元完了。

 外装のブラックはメタリックになっており、さらにグロス加工されているんでしょうか? 艶のある仕上がりになっています。

 全体に鋭角な面構成になっており、ボーン形態時とはかなり印象が違ってきます。

 Z・Oバイザーは、いつものごとく頭部外装と一体成型の塗装再現。

 目が死んでいるのもいつも通りです(悲)。


 荷電粒子砲を除く武装は案外シンプル。

 背中のA-Z3連誘導ミサイルは左右合わせて6発すべて同じもので、取り外し可能。

 パイロンも含めて3㎜軸の2点固定になっているので、デフォルトの取り付けかたでは角度の変更などはできません。

 大腿部の対地対空両用速射砲は外装と一体成型。砲口も開口されていませんので、初見では武器とは気付けませんでした(笑)。

 基本的に接近戦用の格闘武装は持たず、遠距離射撃・・というか荷電粒子砲による拠点攻撃がメインの機体で、そのあたりはどちらかというと格闘戦主体のジェノスピノとは対照的です。

 まぁ、牙や爪、尻尾のによる単純な格闘戦でも十分強いとは思いますが。


マシンブラスト(兵器開放)形態

 兵器開放すると、体側に折りたたまれていた収束シールドが前方に展開。口が上下に大きく開き、口内の荷電粒子粒子砲が露出します。

 さらに背中の荷電粒子強制吸入ファン(というかそれが内蔵されたフィン)が開き、荷電粒子砲発射形態への変形は完了です

 まぁ、ドリルが荷電粒子砲に代わっただけで、一連の流れはデスレックスのそれと変わりありません。

 やはり電動歩行に連動して自動的に変形します。

 ライトギミックも搭載されていますが、発光色は赤から緑に変更されています。

 兵器開放技は、ズバリ “荷電粒子砲” 。

 でもそれ技じゃなくて武器の名前だし・・


 そのままだと口周りの状況がわかりにくいので、一方の収束シールドを外してアップで横から。

 どうでもいいけど、オメガの武装類の名前、いつになくシンプルだなぁ・・

 正面からも。

 発光ギミックとの兼ね合いもあり、荷電粒子砲の砲口はクリアパーツ。

 パッと見ガトリング砲のようにも見えますが、あくまで砲口は中央のもののだけ・・だと思う。


 さて、荷電粒子砲といえば、背中で回転する荷電粒子吸入ファン・・のイメージが強いんですが、今回はディティール処理。


 ここはギミックユニットを改良してフィン開閉ではなくファン回転にできなかったのか?
 アニメではしっかり回ってたのに・・


改造計画書

 上段は完全に砲台としての運用に特化した感じ。

 下段はデスバードへのオマージュですね。懐かしい。


 同時発売された改造武器セットの新アイテムですが、以前発売されたものの成型色を変更して組み合わせを変え、新規パーツを追加したものになります。

 ただその新規パーツというのが、現在および過去にキャンペーンで配布されたパーツの、これまた成型色を変更したもので、とりあえず急いで在庫を詰め合わせた感が強いです・・

 まぁ、前回のセットに+100円でまたけっこうな量のパーツが追加されているのでお得感はあるんですが、現在進行形のキャンペーンアイテムを普通に売るというのはどうなのか・・

 しかもそのパーツ、同じものが2つずつ入っているのはいいんですが、3㎜軸、穴の位置が対象でないものも多く、正直使いにくいです。

 これとか、

 これとか・・

 キャンペーンのオマケだし、これくらいでいいだろ、みたいな考えが透けて見えるような・・で、それを普通に売っちゃうんだからなぁ。

 詰めが甘いというか、もう少し考えればわかるでしょ? というツッコミどころが多い気がするんだよなぁ、ワイルドシリーズは。


 とまぁそんなことも踏まえつつ、オメガレックスに新規パーツのみ全盛りしてみました。

 もちろんブラスト形態にも変形可能という態で。

 荷電粒子砲の同軸線上に砲を追加してもあまり意味がない気もします(オーバーキルだろうし)が、派手さ重視で。

 腕部の追加武装はブラスト形態時にアンカー機能も兼ねるという位置付けですが、この状態で電動歩行させると変形時に武装が干渉して収束シールドが引っかかってしまいます・・


電動アクション

 スイッチ(起動骨)を押し込むと、口を開閉、前脚を上下に、尻尾を左右に振りながら2本の後脚でゆっくりと前進していきます。

 しばらくすると立ち止まり、口内が緑色に発光し、荷電粒子砲が回転を開始。続いて体側の収束シールドと背中の荷電粒子強制吸入ファンが展開します。さらに口が上下に大きく開き、2度開閉。三回目に開いたあたとしばらくそのままの状態で停止(口内発光と荷電粒子砲の回転はそのまま)。発光、回転終了と同時に口が閉じ、シールドとファンも収納状態に戻り、歩行を再開。以降、繰り返しです。

 展開、回転、さらに発光が組み合わされた複合アクションはさすがXL型というところですが、如何せん肝心のアクションの全容がシールドがが邪魔で見えにくい・・という、基型からの欠点もそのまま踏襲しております。

 つまり、機構としてはデスレックスのアクションと同じなんですが、デスレックスがブラスト形態への変形後、口の開閉に連動して体側のデスジョーズと背中のフィンも開閉を繰り返したのに対し、オメガレックスのシールドとファンは一度展開するとブラスト終了後まで動きません。

 一方で、デスレックスは3回口を開閉したのちすぐ通常形態に戻りますが、オメガレックスは3回目に口を大きく開いたあと、しばらくそのままの状態で停止します。まさにそのとき、荷電粒子砲を発射しているイメージということでしょう。

 要するに、地味にブラストギミックに手を加えてあるのですよ。

 いやまぁ確かに、そこにこだわるのはわかるんだけども・・


比較画像

 流用基のデスレックスと、まずはボーン形態で。

 最初に言ったように、ボーン形態は成型色以外まったく同じです。

 両者の間になにか明確な繋がりはあったりするんだろうか?


 外装(+武装)を装着して。

 こうなるとやはり随分印象が違ってきます。

 カラーももちろんですが、曲面が多用された有機的なデザインのデスレックスに対し、オメガレックスは直線で構成され、機械=兵器感が強いです。

 戦闘スタイルも、デスレックスは格闘戦主体で遠距離武装・・というかそもそも武器を装備していませんし、真逆といえます。


 ブラスト形態でも。

 まさに野性と兵器というツーショット。

 左側の野生種を捕まえてきて、改造した結果右側のようになった、ビフォーアフターという感じもします。

 続いて歴代の荷電粒子砲搭載機と3番勝負(?)。

 1番手は元祖荷電粒子砲、 “破滅の魔獣” ことデスザウラーです。

 デスザウラーでかっ!!

 ちなみにこちらは、第2期版にいくつかオプションパーツを追加したものです。

 この勇姿が当時住んでいた部屋の机の上にあったのも、もう15年以上前か・・

 個人的には、いまだにこのデスザウラーが最強ゾイドというイメージが強いです。

 メイン武装の荷電粒子砲(2期では大口径荷電粒子ビーム砲)以外とくに目立つ武装のない機体で、その荷電粒子砲にしても口内に内蔵されているので、実のところ見ためは非常にシンプルなゾイドなんですけどね。

 そう思うと、オメガレックスが意外と軽装なのもこの始祖に倣ったことなのかもしれない。

 なお、いわゆる怪獣スタイルのデスザウラーですが、一応はティラノサウルス型の亜種ということになっているので、オメガレックスとモチーフは同じだったりします。


 さて、2番手は第2期シリーズの象徴的機体の1つでもあると思います、ジェノザウラーと。

 現在放送中のゾイドワイルド ZEROでも、数々のオマージュが散りばめられている、記念すべきアニメ第1作のライバル機ですね。

 のちにジェノブレイカーにパワーアップしますが、今回は色味の似ているこちらで。

 やはり同じティラノサウルスがモチーフ。

 第2期シリーズ以降、2脚歩行型の恐竜モチーフの機体も現在主流の前傾姿勢になっていきますが、まだプロポーションには差がありますね。

 ボディのサイズはジェノザウラーがオメガレックスよりも一回り小さいくらいなんですが、頭部は後者が3倍近く大きいです。

 まぁ、オメガレックス(デスレックス)はけっこう極端なデザインですけどね。

 なお、ジェノザウラーの荷電粒子砲は収束荷電粒子砲が正式名称。


 最後、3番手は鎧龍輝。

 鎧龍輝は、第2期シリーズの中盤に発売されたゾイドで、アニメには第3作、“ゾイドフューザーズ” に“鎧龍輝・真” として登場。

 アニメ第2作に登場したライバル機、バーサークフューラーの素体を流用し、ブロックスに変形可能な外装を身に着けた機体で、バトルストーリーにおける所属は共和国です。

 プロポーション、外装デザイン含めて今回の3機のなかでは一番オメガレックスに似ているように思います。

 なお、鎧龍輝の荷電粒子砲の正式名称は集光荷電粒子砲です。


 ほかにも荷電粒子砲搭載ゾイドにはガンギャラド、デススティンガー、セイスモサウルスなどがいますが、基本的に帝国側の大型ゾイド(ラスボスクラス)ばかりです。やはり鎧龍輝は異例の存在といえます。


 同じワイルドシリーズから、ライジングライガーと。

 アニメではそれぞれのゾイドのサイズがイメージに合わせて大きく変更されており、オメガレックスはかなりの巨大ゾイドとして登場しますが、キットではこの通り。

 十分でかいですけどね。

以下、画像


 デスレックスよりもシャープさが増したので、個人的にはこちらのほうが好みのデザインですね。

 対オメガレックス戦はいかに近付くか、というのがポイントというか、そこしかない気がしますね。

 一発撃つだけで機体もパイロットも相当なダメージを負う感じですし、もちろん連射なんてできない。

 最初の一撃をどうにかやり過ごし、インターバルの隙を狙って懐に飛び込めれば勝てる・・!

 と見せかけて、実は余力を残してるんですよパターン。


 デスレックスのボーン形態にオメガレックスの外装を取り付けて、黒みアップ。

 いいなこれ。キャップの紫もいいアクセントになってる。

 足パーツはオメガのものに変えればよかったかな?


 そのまま武器セットの、今度は既存セットからの流用パーツだけ付けてみる。

  流用パーツのほうは成型色がシルバーからガンメタになっているので。トータルコーディネイトもばっちりです。

 これなら荷電粒子砲がなくても十分な火力が期待できます。


 以上、“ZW オメガレックス” でした。

 

 当初ラスボスだと思っていたジェノスピノが中ボスで、ラスボスはほかにいた。

 しかし、それが前シリーズのラスボスのほぼほぼ流用だと知ったとき、僕は非常に落胆しました。

 そもそもジェノスピノもデスレックスの流用じゃないかと思っていたら、実は完全新規だったので、なんだよ、やっぱりボスクラスはちゃんと新規で出すんじゃないか! と見直したところでそれが実は前座で、真打ちはほかにいた。でもその真打ちこそが流用・・となったので余計にがっかり感が強かったです。

 そして同時発売の改造武器セットもゴリゴリの流用。それをまた決算を見越してか、ナンバリングを飛び越えての発売。そして正式な発表前にバレてしまうソニックバード・・

 なんかもう、一連の流れが雑なんだよなぁ。もうわざとかしらと思う(笑)。

 ただラスボスの話に戻すと、最初にも言いましたがアニメの新OP、かなりいろいろな想像が膨らむものになってましたね。

 まず冒頭のシルエットを舐めていく演出。格好いいです。

 ジェネシスのOP? と似てるんですかね? 生憎と僕はジェネシスは見たことがないのですが・・

 ともかくもその冒頭。一見右側共和国、左側帝国のVS構図のようにも見えますが。右側後ろにジェノスピノがいますし、その対面にはオメガレックスがいます。この時点で、オメガレックスはラスボスの立ち位置ではないという気がします。

 そして、シルエットにはセカンドシリーズとして発売されながらバズートル、スティレイザーはハブられています。一方でキット化されていないディアス中佐の改造ワイルドライガーはいるのに、同じく改造機であるアルドリッジのファングタイガーはいません。

 そのへんも総合して考えると、冒頭にシルエットで登場する12体のゾイドは、最終決戦に仲間として参戦するメンバーではないかと思うのです。

 そしてOP中盤、やはりシルエットで一瞬映るマンモスと恐竜(?)がモチーフと思われる新型ゾイド。その、腕と脚しか映ってない恐竜型のほうが真のラスボスなんでしょう、きっと。

 つまりはOPはもう一回、歌は変わらずとも少なくとも途中で絵は変わるはず。

 そんなふうに思っていると、まだまだワイルドシリーズに期待が持てます。

 と同時に、オメガレックスには気の毒だったなぁ、と思います。こちらの勝手な思い込みで第一印象がよくなかったので・・

 確かに外装以外はほぼデスレックスからの流用です。しかし、地味にブラストギミックには手が加えられており、荷電粒子砲発射のイメージを再現できるものはなっていました。
 デザインもどこか旧シリーズの歴代荷電粒子砲搭載機に近い印象で、懐かしくもあり、新鮮でもあり。

 デザインだけなら、僕はデスレックスよりオメガレックスのほうが好きです。

 これで許してくれる・・かな?(誰が?)


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を

 

 

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