SS サウンドウェーブ レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、

“SS-42 サウンドウェーブ With レーザービーク” です。


 実写映画 “トランスフォーマー ダークサイドムーン” より、

ディセプティコンの “情報参謀 サウンドウェーブ” と、

その部下の “尋問兵 レーザービーク” が

セットになってスタジオシリーズで発売されました。


 実写第2作、リベンジでは人工衛星を乗っ取って宇宙から海底に遺棄されたメガトロンの位置を特定。その復活に貢献したものの、自らは地球に降下せずに宇宙に居残ったサウンドウェーブ。

 しかし、再び敗北したリーダーを見てこれはイカンと思ったのかその後に降下し、ダークサイドムーン開始時点ではすでにけっこうな時間潜伏していたようで、各地に情報網を張り巡らせ、人間の協力者も得て月面探査計画を中止させたり、いよいよとなるとサムの恋人(諸事情により前作からチェンジ)に近付いて人質にするなど暗躍。

 ただ、最終局面では調子に乗ってしまったのか、人質にしていたオートボットたちを処刑しようとしたところにトラブル発生で反撃を許し、最終的にバンブルビーに腹部と頭を撃ち抜かれて死亡。

 まぁ、その3作めでメガトロン、スタースクリーム、ショックウェーブと名だたるディセプティコン幹部は全員死亡し、軍団そのものもほぼ壊滅してしまったので彼だけが不甲斐ないというわけではないんですが、なんとも最期がらしくないというか・・あぁでも、G1でもけっこう調子に乗る場面もあったかな?

 というか、実写映画はあの3作めでとりあえず終わっておけばよかったのに、といまだに思う。

 続けるにしても、トランスフォーマーキャラは2010とか、ヘッドマスターから登板させれば、また雰囲気も変わったかもしれないのに・・


 さて、今回のスタジオシリーズ(SS)版は、そんなふうに大活躍したダークサイドムーン登場時の姿でのリメイクとなります。

 映画の公開時に発売された通常ライントイ(オートボットはAA、ディセプティコンはADのナンバリング)ではビークルモードに採用された車のメーカー、メルセデス・ベンツのライセンス取得に時間がかかり、発売時期が随分と遅れた・・なんて話もありましたが。


 では、レビューしていきます。

 

サウンドウェーブ

ロボットモード

 まずはメインのサウンドウェーブから。

 なんか、やたらずんぐりしたのがのっそり出てきたな・・というダークサイドムーンでの初登場シーン。初見でこれをサウンドウェーブと認識することは、僕にはできませんでした(笑)。

 G1のイメージ一切ないもんね。せめて胸部にカセットホルダーっぽい意匠を入れるとか、そういう案もなかったんだろうか?

 でも、あらためて見ると熊っぽいというか、けっこう可愛らしいんですよね。そんな体型を、今回のSS版は忠実に再現してきています。

 ご覧の通りスマートではないですが、異形の多い実写版ディセプティコンのなかにあって、比較的スタンダードな人型体型は珍しいです。

 ビークルモードでガワになる部分のシルバーはほぼ全面塗装されており、そうでない部分も落ち着いた成型色になっていて高級感があります。

 頭部の造形はさすがのスタジオシリーズクオリティではありますが、変形時にわずかに干渉するためかまるまる軟質素材でできており、若干ディティールに甘さがあります。

 経年による劣化も心配ですし、ここはもう少し考えて欲しかったかなぁ。



ビークルモード

 メルセデス・ベンツ SLS・AMG にトランスフォーム。

 今回も当然ライセンスは取得されており、実写の形状を忠実に再現。そしてシルバーの塗装が美しいです。

 ただ、正面の目立つ部分(ロボットモードの頭部の基部パーツ)にがっつりパーティングラインが入ったまま塗装されているのはちょっと残念。

 ウインドウもクリアパーツになっていますが、無色透明のため内部構造がモロ見えなのがどうも・・ここはスモーク入れるとか、いっそ塗装再現でもよかったかも。

 ライトは前後ともに塗装です。

 変形はリア部が若干浮いた感じになってしまいますが、それ以外はかっちり決まります。小さいのでタイトな箇所はいくつかありますが、変形そのものはスタジオシシーズにしては易しいと思います。

 もちろん、前にも後にもメルセデス・ベンツのマークがばっちり。SLS、AMGのロゴは浮き彫りのディティールになっています。


レーザービーク

 お供の雉・・もとい、レーザービークが付属。

 ダークサイドムーン版のメガトロンに付属したイゴールと同じような非変形のミニフィギュアになっています。

 すべて軟質素材でできていますが造形は細かく、鋭利な刃物が連なったような翼や、劇中で印象的だった蛇のようにウネウネと動く首や尻尾も躍動感のあるポーズで再現されています。

 可動部は脚の付け根部分のみ。せめて翼がたためれば・・という気もしますが。

 脚のくぼみをサウンドウェーブの前腕のジョイントにはめ込むことで、腕に停まらせることができますが、けっこう緩め。

 広げた翼がサウンドウェーブの肩に干渉しやすいこともあって、しょっちゅう落ちてます。

 ビークルモードでは屋根の後部に取り付けられます。

 膝の凸部を屋根のスリットにはめ込むことで固定。こちらはぴったりフィットします。


比較画像

 映画公開時に発売されたAD版と。

 クラスは同じデラックスクラスです。

 ビークルモードのライセンス取得に手間取って発売が遅れたAD版サウンドウェーブですが、一方のロボットモードは、え? これ誰? ってくらい劇中とは別人です。

 もちろん要点は押さえてあるのですが、体型も顔も全然違う。

 パッケージには比較的劇中に似せたバストアップのイラストが描かれてるのに、現物は頭部の輪郭こそ似ていますが目が左右繋がったバイザータイプになっており、そこにはかすかにG1の面影もあるんですが、それは実写版の顔ではないわけで・・

 カラーリングも本来はシルバー一色なのに、AD版はG1のメインカラーである濃いブルーが入っていたりと、どうも映画制作とトイ開発の意思疎通ができていないというよくあるパターン。

 当然、劇中再現度という意味ではSS版に軍配が上がるわけですが、どちらがサウンドウェーブっぽいかと問われると、AD版のほうがそれっぽい気はするんですよね。


 ビークルモードでも。

 どちらもライセンスを得ているので、そのぶんメルセデスからの監修がばっちり入っているのでしょうから、パッと見あまり差はないように思います。

 でも全体のバランスとかは、やっぱり新作であるSS版のほうがより実車に近いんじゃないかなぁ。車には詳しくないのでわかりませんが。

 とりあえずボディのシルバーがAD版は成型色、SS版は全面塗装と、質感は断然SS版のほうがよいです。

 ただ、AD版はライトもクリアパーツなんだなぁ。


 やはり映画公開時に発売されたヒューマンアライアンス(HA)版と。

 ヒューマンアライアンスとは、ビークルモードの車内に人間キャラのフィギュアを乗せることのできるビッグスケールのシリーズで、リベンジ公開時にバンブルビーとスキッズ、マッドフラップ、バリケードになぜかジャズ、ダークサイドムーン公開時にはロードバスター、レッドフット(トップスピンはハブ)、そしてこのサウンドウェーブが発売されました。

 ほかにもトイオリジナルの小サイズのシリーズも発売されましたね。

 基本的に同一スケールで展開されていたシリーズなんですが、最後に発売されたサウンドウェーブだけが本体のみならず同梱のフィギュア(劇中で協力関係にあったディラン・グールド)までも一回り小さいサイズになっていました。

 無理に価格を合わせた結果なのか、理由はわかりませんが・・

 とまぁ、そんな話はどうでもよくなるくらい、これまた誰だ?(笑)

 もはやAD版とも別人ですがな。

 やはり頭部の基本輪郭や鎖骨辺りに乗るタイヤ、前腕のスピーカ状のパーツなど、押さえるべきところは押さえてあるのですが、長く太い腕にそれとは正反対と短くて細い脚と、むしろ実写版ディセプティコンらしい異形になっており、AD版以上に劇中の姿からはかけ離れています。

 なんでこんなことになったのか・・でも、このデザイン自体は僕はけっこう気に入っています。

 劇中再現を度外視すれば、これはこれで十分格好いいです。


 ビークルモードでも。

 こちらもライセンスは得ているはず。ちょっとボンネット部分が長い気もしますが。

 HA版も表面のシルバーは成型色ですが、AD版よりも深みのある色でや安っぽさは感じません。なにより大きいので存在感があります。
 さらにもウインドウ、ライトともにクリアパーツ。ウインドウは濃いブルーのクリアパーツで、内部はほとんど見えなくなっています。


 続いてレーザービーク。

 左からトイオリジナルの変形ギミックを取り入れてデラックスクラスで発売されたAD版、真ん中がHA版に付属していたもの、そして今回のSS版です。

 大きさに比例してギミックが減っていくのは致し方なしですが、そのぶん造形、プロポーションともにSS版が1番劇中の姿に近いと思います。

 小さ過ぎてよくわかりませんかね?


 メガトロン、スタースクリーム(ほか)と。

 ここまで身長差あったっけ?

 下は第1作に登場したバージョンですが・・

以下、画像

 可動はシージなんかと較べるとさすがに見劣りしますが、スタジオシリーズとしては標準的。

 腰は回らず。肘、膝はそれぞれ90度ほど曲げられるのみ。足首のスイング機構もありませんが、接地面積は広いので自立にはとくに影響はありません。

 各可動部の渋みも十分で、ポージングは安定します。

 スタンド対応の3㎜穴は腰裏にあります。使用の際には背中のガワを少し開いてやる必要がありますが。

 今回はとくに緩いということもありませんでした。

 でも、武器もないので単体でのディスプレイはやっぱりちょっと地味ですね。

 レーザービークと一緒に。

 どうせなら同スケールのラヴィッジも欲しくなります(揃っての共演はしていませんが)。

 とはいえ、劇中で変形してないリベンジ版サウンドウェーブの発売はなさそうだし、そうなるとオマケで付けられるキャラが思いつかない。

 リベンジ版のバンブルビーって出てましたっけ? まだなら彼とセットのチャンスはあるかな? 脊髄引き抜かれてる除隊のも付けて(グロい・・)。

 中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、メガトロンが潜伏していたナミビアのキャンプです。

 このシーンでは、潜伏方法の人間臭さについ笑ってしまいました。タープとかどこで調達したんだろう?

 そんなキャンプ前で、リーダーのお昼寝中にペットの小鳥と憩いのひとときを過ごしている・・そんなイメージで撮りました(笑)。

 そうこうするうちにスタースクリームが合流。破壊大帝の下に2参謀が揃い、さてこれから反撃に移ろうかという決起集会の図。

 簡易ベースはメガトロンのものに代えています。


 以上、“SS サウンドウェーブ With レーザービーク” でした。


 映画公開時に発売されたアイテムはAD版、HA版、その他もろもろ、ロボットモードの姿は劇中のものからは遠いものばかりだったので、今回のスタジオシリーズでようやく劇中デザインに忠実なものが発売されたことになります。

 僕は、トランスフォーマーの歴代キャラクターのなかでもサウンドウェーブが1番好きなので、ダークサイドムーンでやっとまともに登場したその姿を見て正直がっかりしたクチです。

 そういう意味では、劇中デザインを無視(というかおそらくはよく知らないままに作らざるを得なかった)したAD版やHA版の若干G1寄りのデザインのほうが好みではあるのですが、それはそれ。

 高いレベルでの劇中再現を目指すのはスタジオシリーズとしては当然のことですし、結果として今回のサウンドウェーブはその試みに成功していると思います。

 実際に触ってみると、この熊みたいなずんぐり体型もけっこう可愛く見えてきます。

 変形も、同シリーズの同クラスのなかでは比較的易しくかっちり決まるので、遊びやすさも含めてお薦めのアイテムです。

 決してキャラで贔屓しているわけではありませんよ(笑)。


 さて、今月末にはショックウェーブも発売され、G時に続き、スタジオシリーズでもディセプティコンの最高幹部が揃います。

 ほか、まだ日本での発売日は未定ですが、センチネルプライムやロードバスターも控えており、ダークサイドムーン絡みのアイテムはさらに増えていきそうです。

 新たな実写映画の企画が進行中という話もありますし、まだまだシリーズは継続していくことになりそうです。

 実写はなぁ・・とにかく人間よりももっとトランスフォーマーが活躍するストーリーにしてくれればいいけど。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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