BD ミラージュ レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー ビースト覚醒 より、

“BDー06 ミラージュ” です。


 実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” に登場したオートボットの戦士、

“ミラージュ” が、

ビースト覚醒メインライン、デラックスクラスで発売されました。


 やっとこさの発売ですか、ミラージュ。

 まぁ、関連トイのトリを飾るには相応しいのかもしれません。

 といっても、こちらのレビューではまだBV ライノックスが残ってるんですが。

 さて、ビースト覚醒、実店舗でのトイの取り扱いが減ってきて、一般的な認知度も下がってきていたであろうトランスフォーマーの日本展開に久々に活気をもたらしてくれたことが非常にありがたく、それがアーススパークにも繋がったと思っているのですが、関連トイも初動の勢いこそよかったものの、肝心の映画公開前後で急に動きが鈍ったのは残念でしたね。

 このメインライン版のミラージュなんかは、絶対8月に出すべきでしたし、というかもう関連トイは8月で全部出しきってよかったんですよ。

 で、全国の映画館にタカトミが営業の人間を送り込んで、特設売り場を設ければよかったんですよ(暴論)。

 どんな映画でも関連グッズって出しますけど、トランスフォーマーにとってはトイがなにより価値のあるグッズだと思うのに、なんで劇場の売店で売らないのか?

 ジュラシックワールドのときはコラボアニア売ってたよ。

 まぁ、いろいろ事情があるんでしょうけどね。

 なにはともあれ、映画でも大活躍のミラージュのまともに動き、変形するトイが日本でもやっと手に入ることに。

 でもこれ・・誰だ?

 レビューしていきます。


オートボット 戦士 ミラージュ

 ディセプティコンとの戦いの最中、サイバトロン星から脱出し、地球に飛来したオートボットの1人。

 ポルシェに身をやつし、ブルックリンのホテルの地下駐車場に潜伏していたところ、偶然盗みに入ったノア・ディアスを載せたままオプティマスの招集に応じてしまいます。

 そしてトランスワープキーを巡るテラーコンとの争いなかで、いつしかノアとは固い友情で結ばれることになりました。

 これまでバンブルビーが担ってきた主人公の相棒ポジションを務めた、今回のメインキャラの1人ですね。

 日本版CVはオリエンタルラジオの藤森 慎吾氏。

 軽口の絶えないお調子者でも、決めるときにはばっちり決める、そんなミラージュのキャラクターをばっちり演じてくれました。

 というか、ほとんど本人だったんじゃないかな。

 モチーフとなっているのが初代アニメにも登場する同名キャラ(日本名リジェ)ですが、ビークルは別ものですし、ロボットモードもなんとなく顔が似ているくらいです。

 なお、ベイバース版の3作め、ダークサイドムーンに登場するディーノは小説版ではミラージュとなっているのですが、今回の彼と同一人物かどうかは不明です。


ロボットモード

 メインラインシリーズ全般に言えることですが、初期のコンセプトアートを基に造られているため、実際劇中に登場した姿とはまぁまぁ異なります。

 とくにこのミラージュでは、覚醒チェンジ版もそうでしたが頭部がマスクオン状態になっていて、ずっと素顔を晒していた劇中の彼とは随分印象が違っています。

 プロポーションも・・細身であることは共通していますが、劇中ではもっとメリハリがありましたね。

 各部のディティールなんかはある程度共通しているように思うのですが、非常にフラットというか、全体に平面的なんだよなぁ。

 あと色も少ないですね。

 そもそも配色が違うところもちらほら。

 太腿はなんで黒いのか? 逆にタイヤはシルバーだし・・

 パッケージ裏の画像だと太腿がシルバーでタイヤが黒と逆転しています。

 そしてそっちのほうが劇中イメージには近い。

 なんで現物はこうなった?

 なお、その太腿や胸部などはそれぞれビークルのパーツが変形してくるのですが、今回はすべてダミーでの再現です。

 まぁ無理もないけど。


 頭部アップで。

 先の通り、初期のコンセプトアートを再現したマスクを付けたデザインになっています。

 劇中ではずっと素顔のままでしたが、当初はバンブルビーみたく戦闘中はマスクオンするというような設定があったのかもしれません。

 マスク以外の輪郭などのデザインは、一応劇中に近いものにはなっています。

 額とかの形状は、よく見ればちゃんと左右非対称ですし。

 ただやっぱり色が足りないので別物感が強いですね。


 背面。

 けっこう大きめのガワを背負う格好。

 メインライン版ではバンブルビーも格好で買いガワを背負っていましたが、そちらに較べると少しコンパクトにはなってるかな?

 ただ、腰裏にあるスタンド対応穴は完全に隠れてしまうので、使用の際は少し開く必要があります。

 肩にガワと一緒に付いているタイヤも、本来は肩胛骨辺りに配置されるものですね。

 ほかにも前腕や脛の裏側などにビークルの名残が。

 それらも劇中デザインではない部分。


付属武器

ブラスター

 腕部が変形するタイプのブラスターですが、いつも通り手持ち武器のかたちで付属。

 ただ、前腕が少し湾曲したような造形であるのに対し、ブラスター自体は直線的な形状なので一体感がなく、

普通に手持ちの銃を持っているような見ためになっています。

 本来は右手専用なのだと思いますが、左手でも保持可能。

 どのみちちょっと違和感があるのでどちらの手で持っても一緒ですね。

 銃口は5㎜穴になっています。

 上部にある3㎜軸はビークルモードでリアバンパーにマウントするためのものですが、

ロボットモードでも腰裏のスタンド対応穴に取り付けることもできます。


ビークルモード

 劇中ではシルバーの車体に青いストライプのはいったポルシェ・911(964型)にトランスフォーム。

 このメインライン版ではライセンス所得はされていないので、あくまでそれっぽいスポーツカーに変形します。

 ロボットモードで表面に来る部分はほぼ隠れてしまう、いわゆるガワ変形になりますが、ゆえにかなり綺麗にまとまっています。

 かなりかっちり、しっかり変形できますね。

 ただ、シルバーの成型色はかなりグレーに近く、クリアパーツ製のルーフおよびドアの表面塗装なんかは完全にグレーなので、劇中ようなの高級感があまりないかなぁ。

 あと、やっぱりなんでタイヤがそのシルバー成型なのか?

 ホイールと逆にできなかったのかな?


 ブラスターは先の通りリアバンパーにマウント可能。

 穴は2つ並んでいて、どちらにでも取り付け可能。

 どちらでもさほど変わりません。

 しかしおざなりな感じですね。裏側丸見えだし。


比較画像

 覚醒チェンジ版と。ロボットモードで。

 ともに初期コンセプトアートを基にしているので同じマスク顔ですね。

 覚醒チェンジ版はわりとビークルのパーツを利用した変形になっていますが、その結果ロボットの見ためは劇中とはかけ離れてしまいました。

 差し色のブルーもほとんどないので、本当、誰? という感じ。

 そちらと較べると、メインライン版は随分劇中の雰囲気に近付いているとは思うのですが・・


 ビークルモードでも。

 こちらの見ためはほとんど一緒です。

 大きさも、覚醒チェンジ版のほうがごくわずかに小さいのですが、ほとんど一緒ですね。

 さすがにウインドウ等にクリアパーツ使用したり、塗装が増えていたりとメインライン版のほうが豪華です。

 BD バンブルビーと。ロボットモードで。

 劇中ではバンブルビーのほうが少し大柄でしたが、メインライン版ではミラージュのほうが長身。

 さすがにバンブルビーはこれまでの実績があるので、劇中再現度という意味ではわずかに勝っているかな?


 ビークルモードでも。

 俯瞰で見るとどちらもそれなりに整っています。

 ただバンブルビーは後部の底からロボットの足がはみ出してますので、トータルの完成度ではミラージュが優勢かな?

 未来の姿かもしれないディーノ(SS版)と。ロボットモードで。

 まぁ、別人ですよね。

 しかし映画の最後のシーン、復活したミラージュは以前青かった部分が赤くなったりしていました。

 実際にはパーツの継ぎ接ぎでいろんな色になってただけだと思うのですが、ちょっとはディーノを意識したのかもしれませんね。


 ビークルモードでも。

 ディーノが変形するのは真っ赤なフェラーリ。

 SS版ではライセンスが取得されておらず、それっぽいスポーツカーでしかありませんが、ビースト覚醒でもミラージュがいろいろな車種に変形する際、台詞ではフェラーリと言っていましたがその姿は映りませんでした。

 フェラーリとなんかあったの?

以下、画像

 可動は標準的。

 足首が固定なのでポーズによってはしっかり接地できず、あまり力強さが感じられませんが、自立はさほど問題ありません。

 腕部は変形都合もあって付け根から上下にも可動。

 肩のガワパーツは回転できるので、状況に応じて動かせば腕部の可動を妨げることもありません。

 立て膝はちょっと不安定かな。

 そもそも膝が接地できてませんし・・


 スタンドを使って。

 先の通り、スタンド対応穴は腰裏にありすが、若干背中のガワが被ります。

 ビースト覚醒のオートボットは二丁拳銃スタイルで戦うことが多かったので、トイでもブラスターは左右分付けてほしかったですね。


 ビークルモードでも。

 ブラスターマウント用の穴を使ってスタンドディスプレイ。

 自動車型でこういうことができるのも珍しいですね。


ミ「ミラージュさまのお通りだ!

 ホログラムを使った分身能力もミラージュの得意技。

 初代アニメだと姿を消す能力を持っていましたが、それはできないのかな?

 ホログラムはアニメだとハウンドの能力でしたが。


オ「人間を連れてきたのかミラージュ!

メ「あぁ。でも問題薙いだろ?

オ「大ありだ!

 ビースト覚醒のオプティマスは7年も地球で足止めを余儀なくされているという焦りから、かなり視野狭窄になっていて、人間をまったく信用していませんでした、ものに当たったりということもしばしばでした。

 プライマルも初対面では失望したほど。

 そんなオプティマスを軽くいなすミラージュは、なにも考えていないように見えてちゃんと彼の心情を理解してるあたり、案外次期リーダーくらいの器はあるのかも。


 なにはともあれ、ようやくメインラインで集結できたオートボット部隊。

 アーシーは覚醒チェンジセット版ですし、ストラトスフィアはいませんが。


 ビークルモードでも。

 スタジオシリーズでも、半年後くらいには揃うかな?

 ミラージュも、心配しなくてもちゃんと来るよ。

 海外ではバズワージー送りにされたオプティマスも、随分待たされたけど一般で来たんだから。


 クライマックス、ノアとエレーナをキーの下に行かせるため、単身スカージに挑むミラージュ。

 得意のホログラムでの攪乱戦法で圧倒的な強者に立ち向かう姿は熱かったですね。

 覚醒チェンジミラージュ、もう一個買っとけばよかった・・

ミ「こっちだこっち!

ミ「どかーん!

 まぁ、結果としてはミラージュ1人でスカージを倒せるはずもなく、このあと彼はノアを庇い、瀕死の重要を追ってしまうのですが、そこからの起死回生、逆転劇が素晴らしかった・・

 まさかのエクセルスーツに、ビーの復活。

 本音というと、最後にももうちょっとスカージの強さを見せて欲しかったですけどね。

 序盤あんなに強かったのに、最後呆気なさ過ぎない? という・・

 よくあるパターンなんですけど。


 以上、“BD ミラージュ” でした。


 つい4日前にビースト覚醒のBDが届きまして、復習としてとりあえず2回見ましたよ。

 やっぱり見やすい。緩急がいいですよね。

 戦闘シーンも比較的わかりやすくて、目がチカチカすることもないし、見てて疲れません。というか、時間が経つのが早い。

 個人的には実写シリーズで一番好きです。

 ビーストウォーズが好きというのもありますけど。


 さてそんなわけで、焦らしに焦らされましたが、ようやくまともに動く、変形するミラージュのトイが手許に届きました。

 ただ・・うん。正直、そこそこのコレジャナイ感はありますよね。

 せめて顔が劇中通りに素顔を晒したものだったら、全体ののっぺり感もまぁいいか、と思えたかもしれませんが・・

 残念ながらこの顔からはあの軽妙なトークは聞こえてこないなぁ。

 ただ、一個の変形トイとしては、決して出来は悪くないです。

 スマートな人型から、手頃なステップでやはりスマートなスポーツカーに変形できるのは見事。

 バンブルビーのように底からなにかがはみ出しているということもありませんし。

 一方で可動性は平凡。

 足首のスイングができなので、どうしても一昔前の水準という感じです。

 ポージングにもちょっとぎこちなさが見えてしまいます。

 まぁ、このメインライン版で感じた歯痒さは、後発のスタジオ版がしっかり解消してくれる・・のかな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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