今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー109 スカージ” です。
実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” に登場したユニクロンの眷属、テラーコンのリーダー、
“スカージ” が、
スタジオシリーズで発売されました。
トランスフォーマーの悪役のなかでもビッグネームの一人であるスカージが、満を持して実写版のメインヴィランとして登場しましたね。
ユニクロンの眷属という、本家スカージの設定を下敷きに、ビジュアルモチーフはカーロボット(ロボッツインディスガイズ)に登場したブラックコンボイを起源とする悪のコンボイ=黒いオプティマスプライム。
変形するビークルがビータービルトのトレーラートラックで、ベイバース版オプティマスと同じ(ロストエイジまで)ということ、そしてビースト覚醒がベイバースに繋がる物語になるらしいという話もあって、スカージの正体はユニクロンに支配されたベイバースのオプティマスではないか? つまり時空を越えて異なる世界線のオプティマスが対峙するのでは? という予想もされましたが、とくに関係はなかったようです。
どうやらベイバースとは時系列的に普通に繋がるようですね。
しかし、そのためには一旦オプティマスたちは地球を離れる必要があるんですが・・どう辻褄を合わせるのか?
まぁ、そのへんは続編を待つしかないですね。
というか、ビースト覚醒も公開から一月以上が経過して終了している劇場がほとんどですかね。
まだやってても一日一回、吹き替えだけとかになってます。
興行収入は13億に届かないくらいかなぁ。
ちなみに実写第1作がおよそ40億、リベンジが23億、ダークサイドムーンが42億、ロストエイジが29億、最後の騎士王が17億で、前作バンブルビーが8億ほど・・日本だけの数字ですけどね。
とりあえず前作越えはしたけども。どうなんだろうなこの数字は。
実際に見た人の満足度はかなり高いとは思いますけどね。
さてスカージですが、さすがメインヴィランというだけあってトイも複数のカテゴリで発売されてます。
とはいえ、日本ではトイザらス限定になったパパパッとチェンジに、覚醒アーマーセット、10月発売予定の覚醒チェンジ、そして今回紹介するスタジオ版の4種類ですか。
なんでメインラインで出さないの?
スカージに限らす、テラーコンの露出が少な過ぎですよね。
唯一メインラインで発売されているのがナイトバード。バトルトラップとフリーザーはスタジオシリーズのみです。
まぁ、端からスタジオシリーズメインで展開するという状況はある意味テラーコン優遇と思えなくもない。
ただそれも劇中完全再現とはいえないので難しいところですね。
レビューしていきます。
テラーコン スカージ
バトルトラップには偵察者あるいは用心棒、ナイトバードには女忍者とそれぞれ一応の肩書きがあるのに、スカージにはそれらしいものがないんですが・・
ともあれ、もともとユニクロンに滅ぼされた星の戦士だったようですが、眷属となることを条件に生命を救われた過去を持つようです。
バトルトラップやナイトバードもそうなのかもしれません。
おそらくはユニクロンの力を与えられて姿も変貌し、戦闘力も上がったのでしょう。
劇中冒頭ではマクシマルのリーダーだったエイプリンクを一刀の下に斬り捨て、地球降下直後の博物館の戦闘ではオプティマスを圧倒。さらにバンブルビーを戦闘不能に至らしめました。
これまでに倒した者のエンブレムを剥ぎ取って自分の身体に貼り付ける趣味があるようで、ビーの額のエンブレムも剥ぎ取っています。
このとき、2つに分けられたトランスワープキーの片方を奪ったスカージたちは、もう片方も手に入れるためペルーに向かったオートボットたちを追跡。
エアレイザーにユニクロンの因子を打ち込むことで操り、キーのもう片方を入手、ユニクロンを呼び寄せようとするもオートボットとマクシマル、そしてノア、エレーナたちの決死の抵抗で阻止され、彼自身もオプティマス、ミラージュの力を得たノアの連携によって倒されました。
序盤で圧倒的な強さを見せつけておきながら最後は呆気なく倒されるのは、実写版ヴィランの伝統芸なのかな?
日本語吹き替え版のキャストは飛田 展男氏。
ビーストウォーズではテラザウラーおよびクイックストライク役で出演されてましたので、その縁もあってのキャスティングだと思われますが、彼らとはまったく違う、重厚な悪役を演じていただきました。
ロボットモード
リーダークラスでボリューム感たっぷりに立体化。
わりと細身なプロポーションで、そのぶんかなり背が高いです。
やはり劇中の最終デザインとは細部が異なり、わかりやすいところでは顔や肩の形状が違っていますね。
あとカラーリング。劇中ではもうちょっと赤みがかっていたような印象です。
全身に巻き付いた鎖は細かい部分ですが全部しっかり塗装されていていい感じ。
しかし、それもユニクロンの支配から逃れられない彼の運命のようなものを感じさせて、少し不憫にも思えます。
でも一方でオートボットやマクシマル、そしてディセプティコンも、数え切れないくらい殺してきたのでしょうから、それは当然許されることではないですね。
その証となる殺した相手から奪ったエンブレムは胸部や肩にディティールとして再現されています。
胸部ではビークルのフロントグリルの奥に造形されています。
外枠のパーツは簡単に外せるので、外して見てみますと、
ここだけで10個ありますね。
各エンブレムはあくまでディティールとして再現なので、取り外すことはできません。
内部パーツはクリアレッド成型で、どことなく燃えているよう見え、情念のようなものを感じられてよいですね。
ちなみにエンブレムはオートボット(赤矢印)やマクシマル(黄矢印)、ディセプティコン(紫矢印)だけでなく、味方のはずのテラーコン(青矢印)、さらにあまり見覚えのない2種類があります。
X(旧Twitter)で訊ねてみたところ、緑矢印はレッカーズ、水色矢印はマーセナリー(傭兵部隊)だろうという回答をいただきました。
なかには名のある強者のものもあるのかもしれません・・
さらに右肩にもマクシマル。
左肩にもレッカーズのエンブレムが。
向きはこれ、ビークルモードで正面を向くようになっているのでロボットモードだとひっくり返っている感じですが、それがまたスカージの無慈悲さを表しているような気もして結果オーライかも。
頭部アップで。
劇中とはけっこうイメージが違います。首が長いからかな。
その首は日本の兜の錣(しころ・・本体から後頭部に垂れている部分)のようなパーツで覆われていて、それが独特の雰囲気になっていますね。
頭部と首はそれぞれボールジョイント接続で、錣の部分も軟質製なのでけっこう自由に動かせます。
ただ首のほうは外れやすいですね。
あと接続分が丸見えなのがちょっとね。まぁ、遠目には暗くて見えないんですけど。
しかしよく見たらなんかミストバーンっぽいな・・
なお、顔面は実は仮面で、テラーコンのエンブレムを模した形状になっています。
劇中ではその奥の醜い素顔も晒されていますが、今回は取り外しできません。
TL ターンもそうだったけど、このスカージの場合は仮面被ってるってこと自体、トイ開発側が教えてもらってなかった可能性が高いかも。
また、頭部には集光ギミックが組み込まれていて目が光るのですが、目自体小さいので、ちょっと効果は低めですね。
右手は人差し指以下の4指が一体で可動。
握り拳にすることができます。
なお指の股部分はC型になっているので、指を開いた状態でも5㎜軸の保持は可能です。
背面。
ビークルのルーフ部をガワとして背負う格好。
ガワはある程度コンパクトにたたまれて、上半身だけにまとめてはありますが、それでもけっこう目立ちますね。
太腿の内側と、4本のエグゾーストパイプに肉抜きがあります。
サイドのウインドウ部がなんとなくスラスターっぽく見えるので、バックパックと思えばそう取って付けた見ためではないかも。
ただその下にエグゾーストパイプの基部裏側が丸見えなのは、もうちょっと気を遣ってほしかったところです。
武装・ギミック
右前腕にはブレードを装備。
劇中でバンブルビーを貫いたブレードですね。
デフォルトで腕に対して水平位置に配置されていて、この状態からたたんだり収納できたりはしません。
後ろ側の刃はたためますが、それはあくまで変形のためのものですからね。
ただ、そのまま垂直に可動させ、手に握らせることができます。
刃の表面のディティールが、なんとなく石器みたいな雰囲気ですね。
先端も丸いので切れ味は悪そう・・
左腕の先端はデフォルトではクローになっています。
4本のクローは軟質製で、それぞれ開閉可能。
微妙に歪んでいるのはそういう形状で、軟質ゆえに変形してしまっているわけではありません。
また、クローは前腕ほと取り外すことができ、
ブラスターに換装できます。
これも劇中のデザインとは違いますね。
ブラスターの銃口は5㎜穴です。
なお、取り外した前腕は背中のガワに取り付けることができます。
本来は腕が変形してそれぞれクローやブラスターになるわけで、トイではその再現ができないから交換するかたちになってるのですが、だからといってこんなふうに使ってないほうのパーツを無理矢理本体にマウントさせる必要ないと思うんだけどなぁ・・
同様にブラスターも腰裏にマウント可能。
こっちはまぁ、まだね・・
ビークルモード
劇中ではなかなかやんちゃな感じにカスタマイズされたピータービルト モデル359 トレーラートラックに変形していましたが、今回はライセンスは所得されていないため、あくまでそれっぽいトラックに変形。
なんというか、世紀末感溢れる厳ついデザイン。
実際にこんな仕様の車は走ってるのかな?
木材運搬用らしいけど、そのために必要とは思われないカスタムもけっこう施されてますよね?
劇中同様、キャブ部分のみでコンテナ等は付属せず。
とくにほかのアイテムに付属するコンテナを連結できる仕様にもなっていません。
再現度については・・まぁ少なくとも前から見るぶんにはそう悪くないと思います。
ロボットモードでは胸部に来ていたフロントグリルに、装甲版を被せたフロントウインドウ、そして左右側面に2本ずつ、計4本生えたエグゾーストパイプもいかにも身体に悪そうな排煙を吹き出しそうでいいですね(笑)。
もういかにも悪役な面構え。
表面全体にウェザリングっぽい塗装こされています。
ボンネット側面の円筒形のパーツはキャノン砲みたいにも見えますね。
その前方にけっこう大きな隙間が空いてるのですが、クリアパーツが透けていて、また内部が燃えているようにも見えていいかも。
フロントグリルにはロボットモードのときには見られなかったエンブレムが。
オートボットにマクシマル、ディセプティコン、そしてマーセナリーのものと思しきエンブレムが1枚ずつ。
中央上部のテラーコンエンブレムはスカージ自身のものでしょう。
ということで、スカージはこれまでに少なくとも16人のトランスフォーマーを殺害し、そのエンブレムを剥ぎ取っていることになります。
さて、一方の後ろ側ですが・・
あぁ、まあこの感じか。
トレーラーキャブに変形するトランスフォーマーで後ろ側にまで気を遣うもののなんと少ないことか。
ざっくり言うと、ロボットの脚でロボットの腕を挟んでいるだけです。
脚なんてほぼそのまんま。
まぁ、そんなこと言うとオプティマスだってメインライン版、ベイバースのスタジオ版も同様なんですが、彼らの場合はまだ側面の細かいパーツの可動などあったのですが、今回のスカージにはそういったものもありません。
太腿で180度回して踵をたたむ、それだけです。
そもそも脚がけっこう長いので、運転席に対して後部が長過ぎる感じはします。
また、運転席の後ろ側も蓋がされていません。
変形も、正直リーダークラスにしては単純。
かなり端折っていうと。ロボットの腕を根元から背中側にたたんで、脚で挟んで固定し、胸部から前輪とフロントグリルを引き出して、最後に背中のガワを開いて被せるだけ。
なんですが、その単純な変形のなかでもいくつか気になる点が。
まず背中のガワが、ほぼクリアパーツです。
フロントウインドウと、サイドのドアのウインドウ部分だけ裏打ちすることはできなかったのか?
ご覧の通り、クリアパーツに直接ピン打ちされている箇所が5箇所もあります。
しかも全部妙に硬めだし・・
せめて緩めにしといてくれればいいのに。
次に腕部。
肩アーマーを上(画像では前方)に開いた状態で背中側に折り込むのですが、
この通り、しっかり水平にできません。
個体差かもしれませんけどね。ちょっと設計がタイトな気がします。
ゆえに、最終的に力業でガワとジョイントさせる感じになります。
最後にフロントグリル。
ロボットモードで胸部となるパーツは左の前輪の内側と繋がっているのですが、とにかく外れやすいです。
どうも海外版では矢印の位置でピン打ちされていたようですが、日本版ではこの通り、はめ込んであるだけ。
変形時に可動もわりとシビアなことから、クリアパーツ破損の可能性を考慮して、日本版ではあえてピン打ちしなかったのではないか? と言われています。
本当のところはわかりませんが、変形時にはまぁ、ほぼ外れますよね。
それがけっこうストレス。
もう端から外しておいて、ある程度変形させたところであとから付けるようにするのがいいですね。
簡単にはめられますし。
ブラスターはこのように可動させ、
開いた状態で車体後部に取り付けることができます。
しかし、これだけのことにけっこう凝った変形・・もっとほかに力を入れる部分があったんじゃないだろうか?
ともあれ取り付け。
膝にあるジョイントにはめ込むかたちですね。
ロボットモードまんまの腕や脚が多少隠せるのですが、今度はこの積んでる物体はなんだ? という感じではあります。
ちなみに、ブラスターを左腕に付けた状態での変形はできません。
さらに、このブラスターパーツの上にウエポンモードに変形したフリーザーを積むことができます。
フリーザーは、以前のレビューでウエポンモードの第2形態として紹介した形に変形させておきます。
そして、ブラスターパーツのこの穴にフリーザーの腕のジョイント(同じく事前のレビューでなんのためのもの? と書いていたジョイントですね。ちゃんと意味ありました)をはめ込んで固定。
どちらの穴でもジョイントできます。
しかし、こうなるともう魔改造された軍用車輌です。
なお、劇中ではロボットモードの須カーズの背中からフリーザー2体(ひょっとしたら、フリーザーとノヴァケインかもしれません)が出てきたので、どうせならトイでも2体積みたいところ。
それぞれ片手をジョイントすることで一応可能です。
さらに銃口も前に向けました。
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は序盤の戦闘の舞台となる博物館の前庭。
バトルトラップに付属の絵柄と同じですね。
ちなみにこのスカージもバトルトラップ同様、通常とは逆で、このベースと対面する向きで箱に入っており、やはりベースに背景部分には透明テープが貼ってありました。
なんでなのか?
比較画像
覚醒チェンジアーマーセットと。ロボットモードで。
サイズ差はさておいても、さすがに比較するのは可哀想になります。
アーマーセット版もスタジオ版と同じデザインを基に作られているようで、首周りのディティールなどに共通点があり、チーターのようにまったくの別物にはなっていません。
色味的には、この両者を足して2で割れば近かったかも。
ビークルモードでも。
さすがにアーマーセットのデフォルメ感が目立ちますが、後部に腕がほぼ露出しているという点ではさほど変わりなし・・
いやまぁもちろん、フォルムのそれっぽさはスタジオ版が圧倒的ではありますが。
本家スカージ(SS版)と。ロボットモードで。
ユニクロンによって力を得たという点は同じですが、見ための共通点は一切なし。
ただ、劇中で2010のときのスカージのエピソードがモチーフと思しきシーンもあったり、案外このスカージの要素もビジュアル以外では採り入れられているんですよね。
一応ビークルモードでも。
覚醒版のスカージも、地球に来る前はこんなUFOに変形してたかもしれません。
元祖スカージ(TL EX版)と。
いわゆるブラックコンボイで、彼の海外名がスカージとなったことから黒いコンボイ(オプティマス)の名称としてスカージが定番化していきました。
今回の覚醒版スカージのロボットモードには実写オプティマスに似た部分はほとんどないですが。
ビークルモードでも。TL EX スカージはキャブのみで。
そもそもこのG2オプティマス型のビークルがピータービルトに近いので、カラー含めてけっこう似ています。
サイズもあまり変わりませんね。
ちなみに、TL EX スカージのコンテナは高さが合いませんでした。
サイズ感はいいんですけどね。
デザイン的にもそんなに違和感ないです。
メインライン(BV)版のオプティマスと。ロボットモードで。
かなり身長差があります。BV版はちょっと小振りですからね。
スタジオ版ならば、もう少し差が縮まるかと思うんですが・・さて、日本で発売されるかな?
ビークルモードでも。
こちらでもけっこうなサイズ差。
オプティマスのビークルがすごく大人しく見えます。
ベイバース版のオプティマス(SS リベンジ版)と。ロボットモードで。
こちらもまぁまぁの身長差。
スタジオシリーズは前提としてロボットモードのサイズ感が合わせていあるはずなので、いやぁ、スカージはでかいんだなぁ。
やっぱりまったく関係のない別人でしたね。
ビークルモードでも。
同じピータービルトのトレーラートラックなんですが、各部のバランスも違いますし、そもそもスカージのほうが一回り以上でかい・・
まぁ、ビークルのサイズ感を合わせるとは言ってませんからね。
テラーコンの部下(同僚?)であるバトルトラップ(SS版)、ナイトバード(BD版)と。ロボットモードで。
劇中の印象ではスカージとバトルトラップは同じくらいの身長だったんですが・・まぁリーダーとボイジャーですから、こうなりますよね。
ナイトバードも小柄ではあるけど、ここまで差があったかな?
つまるところ、スカージがでか過ぎる?
ビークルモードでも。
こちらは、それほどおかしなサイズ感という気はしませんね。
実際にはやっぱりスカージがでかいんでしょうけど、厳ついカスタムのせいでこんなものかな? とも思っちゃう。
しかし、彼らはいったいどのタイミングでこれらの地球の車をスキャンしたんでしょうね。
というか、これから滅ぼそうという星で、わざわざ擬態する意味が・・とか言いだすとトランスフォーマーの根本を否定することになっちゃうな。
以下、画像
可動性はおおむね良好。
ただクローは劇中高速回転していたので、やはり手首位置でロールできてほしかったですね。
右手も、ブレード保持の関係か回りませんし、そこだけが残念かな。
一方、足首の内側へのスイング幅は非常に広く、抜群の接地性で自立は・・基本的に安定します。
基本的にと言ったのは、おそらく個体差だと思うのですが、うちに来たものは右脚の付け根がかなり緩く、姿勢を維持するのがけっこう大変だったため。
もちろん調整すれば済む話です。
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