今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、
“Qpmini スティレット” と、
“Qpmini イノセンティア” です。
FAGをデフォルメした全高80㎜程度のミニサイズキット、Qpminiの第2弾、
“スティレット” と、
第3弾、
“イノセンティア” を、
まとめてレビューしていきます。
かつてコトブキヤが販売していたデフォルメタイプのアクションフィギュアシリーズ、キューポッシュ。
その遺伝子をプラモデルとして再生したのが、Qpminiということでいいと思うのですが、第1弾の轟雷に続き、5月に第2弾のスティレット、8月に第3弾のイノセンティアがそれぞれ発売されました。
順番は、同じくFAGをミニサイズに縮小したハンドスケールに倣った格好ですが、となると次はバーゼ、アーキテクトと続くのかな?
今のところ音沙汰ないですが。
実際のところどうなんでしょうね、Qpmini。
僕個人は、コンセプト自体はよいと思うんですけど、肝心の仕上がりがどうもねぇ・・
ほぼ同じサイズ感で同様にデフォルメされたデザインのシリーズだと、他社製品ですがデスクトップアーミーがすでに確固たる地位を築いていますし、なにかQpならではのウリがあればなぁと思うのですが、本家FAGとの頭部(フェイスパーツ)互換性がそうといえばそうなんですが。
レビューしていきます。
キットはそれぞれパチ組みしたのみ。
タンポ印刷なしののっぺらフェイスが付属しているので、やはり付属のアイデカールを貼って表情は増やしました。
本家FAGやハンドスケールとの互換性や比較については以前Qp 轟雷のレビューでわりとじっくり書いたつもりなので、今回はサクッといきますよ。
パッケージ
こちらがスティレット。
基本デザインは本家FAGのものを踏襲。
今回もそれぞれ可愛くデフォルメされたイラストが描かれていますが、実際に完成するものは・・まぁまぁ別物。
それはまぁ、轟雷ですでに経験済みではあるんですが。
しかし驚いたのは、轟雷からスティレットで一気に1000円も値上がりしたこと。
時期的なこともあったと思うのですが、さすがに2200円から3200円は上昇幅が広過ぎやしませんか?
まぁ、第1弾の轟雷の価格をギリギリまで抑えたという可能性もなくはないですが。
ただ、その値上がり分を納得してしまうくらい、スティレット、イノセンティアともに箱が分厚くなっています。
スティレットの箱は轟雷のそれのおよそ1.5倍ほどの厚み。イノセンティアはそこにわずかにおよびません。
しかし、イノセンティアはスティレットよりさらに100円値上がりして3300円。
実際、完成品のボリュームに箱の厚みほどの差はないんすよね。
スティレットの場合はせいぜいツインテールの分増えたくらい。イノセンティアに至っては武装、オプションの類いは一切付かないのでむしろボリュームは減った留ようにすら感じるんですが・・
なんでこんなに分厚くなってるの?
Qpmini スティレット
FAG第2弾キットで、第1弾の轟雷と並んでシリーズのフラッグシップを務めている(と思う)スティレットのQP版。
ハンドスケールでも2番手でしたし、今回も当然の位置取りですね。
全体がそのまま縮小されたハンドスケールとは違って、頭部、胴体、腕と脚それぞれが異なる比率で縮小、さらにデフォルメされているQpmini。
頭部サイズは本家FAGと共通で、そのまま挿げ替え、およびフェイスパーツの互換性もあり。
胴体、そして腕、脚はデフォルメされてはいますがかなり細身で、パッケージイラストのようなムチッと感には乏しく、結果的にほぼ別人に。
キューポッシュもわりと首から下は細かった印象ですが、そのバランスとも違うし・・
やっぱり頭が大き過ぎるのかな?
頭部の本家との互換性が外せない要素ならば、首から下が小さ過ぎるということでしょう。
頭部以外は総じて非常に小さなパーツが多く、色分けもこのサイズでかなり頑張ってはいますがやはり足りない色が多いです。
今回はもう未塗装でご勘弁を。
なお、本家のほうは轟雷からの流用パーツも多少ありましたが、今回は形状的に同じパーツでも、成型色等の関係もあってか新規造されているものがほとんどで、流用されているのは肌色の間接パーツくらい。
ハンドパーツはハンドスケールと共通です。
例によって持ち手がでかい・・
ツインテールはボールジョイント接続。
あまり自由には動かず、腕の可動などにも干渉しがち。
バックパックのブースターは角度の変更できず、接続部でロール可動できるのみ。
噴射口が3㎜穴になっていてスタンド取り付けに使えます。
フェイスパーツは2種類付属。
通常顔
造形は先の轟雷と一緒で、FAG シルフィーからの流用ですね。
叫び顔のほうは開いた口の左側にちょろっと八重歯が覗いています。
のっぺらフェイスも一つずつ付属(轟雷のときは通常顔のぶんだけでした)するので、付属のアイデカールを貼って表情を増やしました。
3つありますけど、1つは前回轟雷のときに失敗したもののリベンジで星目のデカールを貼りました。
なお、アイデカールのバリエーションについては、イノセンティア含め基本シリーズで共通です。
瞳の色と眉毛の色がそれぞれ違っているのみですね。
付属品
ガトリングガン
メインの手持ち武装。
グリップが可動します。
ハンドミサイル
2連装の小型ミサイル。
前腕(左右どちらでも)にダボで取り付け。
ロッド
説明書に一切記述のない棒状のパーツが付属していました。
余剰ともされていません。
ご覧の通り真っ直ぐの細い棒で、一方の端にはグリップっぽいディティールもあるのですが、付属のハンドパーツで持たせるには細く、画像でもなんとか引っかけている感じです。
白色成型ですが、ビームサーベルっぽい雰囲気ではあるんだけどなぁ・・本家はそんな武器持ってないし。
なんなんだろこれ?
※訂正
X(旧Twitter)の相互さんからご教授いただきました。
ちゃんと説明書に書いてありました・・
チンガードがあるためそのままでは外しにくいフィエスパーツを裏から押して外すためのパーツでした。
完全に見落としてましたね。如何にちゃんと説明書も見ずに組んでいるかという・・
その他、イノセンティアと共通の付属品についてはあとでまとめて紹介します。
Qpmini イノセンティア
素体系FAGの代表選手、イノセンティアのQPバージョン。
前身のマテリア、上位互換のレティシアともども、モチーフとなる本家FAGが存在しない、完全なるFAGオリジナルキャラですね。
本家やハンドスケールでもそうでしたが、今回も武装パーツの類いは一切付属せず。
イラストの子はどうこに? という感じで、そもそも顔付きも違うんだよなぁ・・轟雷の時点でそうなんだけど。
本家では武装パーツが付属しない代わりに、髪形などがいろいろとアレンジできるパーツが付属していましたが、今回髪形はツインテールのみ。
ハンドスケールも同様でしたが。ネコミミなどのアクセサリも付属しません。
轟雷、スティレットと共通形状のパーツもないので、当然こちらもほとんどのパーツが新規造形。
パチ組みだと轟雷、スティレット以上に色が足りない感じですが、奇しくも履いてる感じになっているので下半身についてはもうこれでいい気がする(笑)
ツインテールは本家同様、球体関節で可動します。
スティレットのようにボールジョイントかと思ってましたが。
おかげで表情付けが捗ります。
ハンドパーツはやはりハンドスケールと共通で、轟雷、スティレットとは違う軸接続タイプ。
とにかく軸が細いので注意してください。
PVC勢なので折れたりはしないと思いますが、曲がったりねじ切れたりはするかもしれませんので。
足首接続はボールジョイントではなく、ハンドスケールと同じ軸接続。
前後スイングしかできないので、ちょっと自立させにくいです。
ちなみに轟頼耶スティレットと違ってスカートを履いていないので、股関節のスライドギミックはなく、太腿はそのまま画像の位置まで上げることが可能です。
バックパックは通常の3㎜穴が空いたもの以外に3㎜穴の開いているものも付属。
スタンドを使う場合はこちらを付けておきましょう。
フェイスパーツは2種類付属。
通常顔
造形はやはり轟雷、スティレットと共通。
ただし泣き顔の口に八重歯はありません。
というか、イノセンにあまり泣き顔のイメージないけどな・・
こちらにものっぺらフェイスが一つずつ付いてくるので、デカールを貼って表情追加。
どっちもデフォルメタイプにしちゃってた・・
ちなみに、Qpminiではフェイスパーツだけでなく、前髪パーツも一応本家FAGのほうと互換性があります。
ただ、轟雷、スティレットについては問題なく交換できるものの、イノセンティアの場合はわずかに隙間が開いてしまいます。
画像はイノセンティアではなくレティシアの前髪パーツですが、同じものだと思うので、まぁこんな感じですね。
この隙間が気にならなければ、このようにネコミミ等本家の頭部アクセサリ類を付けることも可能です。
これはまた可愛らしい。
というか、もう頭部そのものを挿げ換えればいいんですけどね。
付属品
以下はスティレット、イノセンティアに共通する付属品です。
スタンド
シリーズ共通で付属するスタンド。
ベースはミニフライングベースと同じロックタイプ。
支柱は短い曲線を描いたものです。
ほかに、3㎜穴に取り付け可能な汎用グリップ、本体各部の2㎜穴に取り付けて3㎜軸に変換できるジョイントパーツが付属します。
グリップはスティレット、イノセンティアともに2つずつ、変換ジョイントはスティレットは4つ、イノセンティアは2つ付属。
変換ジョイントは轟雷には付属してませんでしたね。
比較画像
まずスティレット。本家FAG版と。
こちらはXFー3の外装を旧バージョンにしたものです。
頭の大きさは同じなにに、身体は1/4くらいになってますね。
しかし各部のディティールもほぼ省略されずしっかり再現されているのはすごいです。
全高はほぼ同じですが、ビジュアル的なアプローチはまったく異なる両者。
タダできることはさほど変わらないという点で、もっとQpならではの要素というのは欲しくなってきますね。
デフォルメデザインだからできるなにかがないものか・・
続いてイノセンティア。本家のイノセンティアは持っていないので、上位互換のレティシアと。
髪形は同じツインテールにしておきました。
こちらももちろん各部のディティールはほぼ再現されています。
ボディがシンプルなだけに頭の大きさが際立つQpイノセン・・
そういえば、ハンドスケール版にはネコミミ付いてたんですよね。
今回もそれくらいは付けてくれても・・
しかし、本家にしろハンスケにしろ、ちょっと前までけっこう頑張って色塗ってたんだな、僕。
最近はサボり気味ですなぁ・・
陸の轟雷、空のスティレット、そして・・イノセンはなんだ?
完全に丸腰なんだけど、一番高いんだよなぁ・・
可動性は、構造が共通のQp轟雷と基本変わりませんが、ツインテールに背部のブースター、肩アーマーに付いているウイングなど、干渉物がけっこう多いのでわりと不自由感があります。
飛行タイプなのでやっぱり飛行ポーズをとらせたいわけですが、ウイングもブースターも小さくてほとんど目立たないので、あんまり飛んでるように見えないなぁ・・
ということで着陸。
ツインテールがいい感じにスタンド代わりになるので、けっこう自立は安定します。
立て膝もとりあえず。
轟雷同様、股関節が左右別個に下方にスライドできるので、太腿は約90度まで挙げることが可能。
膝も曲がるのは90度ですね。
これは、最新型の飛行ドローンをプレゼントされて喜ぶすち子。
そして、そのあまりのスピードに悲鳴すらあげられないすち子。
本当、彼女はどんな姿になっても期待を裏切らない。
いや、こっちの匙加減だし・・(笑)
続いてイノセンティア。
彼女は素立ちでギリ自立できる程度なので、スタンドは必須。
武装、アーマー類の装備が一切なく、感情物がほとんどないので可動自体はスムーズです。
轟雷、スティレットとの構造の違いは股関節のみ。
先にも言いましたが、股関節はスライドできませんが、そのまま腿を90度まで上げられます。
クワガター!
ツインテールが本家同様の球体関節接続なので、唯一の武器としても機能させやすいですね(笑)。
ちなみにこの姿勢で自立させるのに数分かかりました・・
射撃の反動で吹っ飛ぶイノセン。
慣れないことはするもんじゃないですね。
これは、FAG幼稚園の登園風景でしょうか。
活発なスチ子、マイペースな轟雷。
甘えん坊のイノセンはお母さんと離れるのが嫌で毎朝泣いています。
性格は全然違うけど、仲良しの3人はいつも一緒。
イノセンを虐める男の子を、轟雷とスチ子が懲らしめることもしばしばです。
でも、幼稚園に武器持ってきちゃいけません!
以上、“Qpmini スティレット” 、“Qpmini イノセンティア” でした。
う~ん・・デフォルメって難しいな、というのが率直な感想ですね。
可愛くないわけではないんですが、どうしてもパッケージイラストと較べてしまいますからね。
そのデザインでちゃんと立体化されていて、かつそれなりに動くものになっていたらなぁと思うと、まぁ惜しいという言葉に尽きます。
ハンドスケールもそうですが、このサイズで本家FAGのディティールをほぼトレースして再現できている造形技術はすごいと思うんですよ。
ただ当然各パーツが極小サイズになっていますので、組み立ても一苦労ですし、塗装してみようなんて思った日には・・(笑)
価格とボリュームがちょっと釣り合ってないとも感じますし、まぁそのへんはハンドスケールでも同じことですが、あちらはヘキサギア等との絡み含めて汎用性が高いですからね。
いや、汎用性ならば本家FAGと頭部挿げ替えできるQPminiだって・・という声もあるでしょうが、どうしたってネタ枠になるしなぁ。
それはそれで楽しいですけどね。
さて、キューポッシュにプラモではDスタイルなど、コトブキヤもかつてはデフォルメ系アイテムといろいろ出していましたが、次々に事実上終了。
そんななかで新たに登場したQPminiはけっこう貴重な存在だと思うのですが、なんだろうな、ちょっと中途半端なものになってしまっている気がしますね。
まぁ、いろいろポージングして遊んでいるとバランスの悪さはそこまで気にならなくはなってくるんですが、やっぱりQpminiならではと思えるような、なにかもう一捻り欲しいところです。
いっそ、簡単ヘキサギアのサナちゃんくらいのものにしてしまったほうが、マスコット感もあってよかったんじゃないかとか思ったり。
ハンドスケールはわりとコンスタントに継続していますが、QPminiにはまだ次の展開が見えてきません。
ハンスケ轟雷はコラボ含めカラバリ補正もポツポツあったけど、QP轟雷はとくにない。
やっぱり優先順位は少し低くなるのかなぁ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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