今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガール より、
“FAG Qpmini 轟雷” です。
フレームアームズ・ガールにハンドスケールとはまた違ったアプローチとなる、デフォルメデザインのミニサイズキットシリーズが登場。
第1弾としてフレームアームズ・ガールのフラッグシップキャラクター、
“轟雷” が、
発売されました。
かつてコトブキヤは、デフォルメ化されたキャラクターの完成品アクションフィギュアシリーズ、 “キューポッシュ” を展開していました。
グッドスマイルカンパニーのねんどろいどよりは等身が高かったのですが、まぁ系統としては似た感じのシリーズだったと思います。
アイドルマスターやガールズ & パンツツァー、まどかマギカほか、主にアニメの版権キャラクター、そしてもちろん自社コンテンツであるフレームアームズ・ガール(FAG)からも多数がラインナップされていましたが、2019年末以降新商品の発売はなく、とくに公式発表はないものの、事実上のシリーズ終了状態にあります。
今回のQpminiは、その系譜に連なる新たなプラモデルシリーズと解釈してよいのかと思います。
しかし、公式ではさほどキューポッシュと深い関わりがあるような言い方はしてないんですよねぇ。
でも名称からして、Qpはキューポッシュの略なんじゃないのかなぁ。
なんか触れられない大人の事情でもあるんでしょうか?
ちなみにキューポッシュの全高はだいたい12ミリ前後。対するQpmini 轟雷の全高が65㎜ほどなので、ほぼ半分くらいのサイズになっています。
まさしくミニ。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みしたのみです。
パッケージ
まずパッケージですが、サイズや仕様はハンドスケールと共通。
表面もやはりオリジナルのFAG版と同様の体裁になっていますが、イラストはデフォルメされたものになっています。
かなりムチッとしたSD轟雷ですね。
ちょっと今までにはない雰囲気ですが、これはこれで可愛らしい。
では現物を。
おや? イラストのムチッと感がない・・
顔(頭部)はイラストのよりも縦に長い感じですし、ボディもデフォルメされているとはいえ、思ったよりも細身です。という可動が長い。
結果、頭部とボディのバランスがやや悪いように思えます。
サイズというか、デフォルメ具合に差がある感じですかねぇ。僕の個人的な感覚ですが。
これは、パッケージイラストの感じを期待するとがっかりしてしまうかも。
まぁ、実際のキットの写真もイラストの足下で確認できますから、詐欺とまでは言えませんが・・
実は、頭部はオリジナルのFAGとまったく同じサイズで、互いに互換性があるんですよね。
向かって左がオリジナルの轟雷(改Ver.2)、右が今回のQp 轟雷。
頭部だけで並べてみると、髪や側面のメカ部分の造形はほぼ一緒。
ただ顔はQpでは瞳がかなり大きくなり、オリジナルよりも幼い雰囲気にはなっています。
フェイスパーツ自体も実は造形が異なっていて、顎の輪郭が丸みを帯びたものになっています。
Qpのフェイスパーツは、FAG シルフィーのフェイスパーツと同じ輪郭です。
後述しますが、デカールを貼る段になって気付きました。
もちろん互換性はあります。
ではあらためて全身像を。
ボディの構造はハンドスケールとほぼ同じで、各接続軸の径もほぼ共通なので互換性もあります(そのへんはまたのちほど)。
ハンドパーツのみハンドスケールからの流用ですが、そのほかのパーツはすべて新規造形となっています。
デフォルメされているぶん、ハンドスケールよりもさらに小さいパーツもちらほらあるのですが、こちとらなんやんかですでにハンドスケールも10体知覚組んでいるので、もう慣れたものですね(強がり)。
色分けも同程度で、インナーやメカ部分に細かく色が足りません。
今回塗装はサボってしまいました。すみません。
背面。
ボディに対して頭部がかなり大きいこともあり、背中(右肩)の固定装備である低反動砲のアームの角度が凄いことになっています(笑)。
ほぼ真横ですね。
アームはバックパックの接続部で可動します。
脛裏に備わっているキャタピラは展開可能。
このキャタピラのおかげでたいていのポーズでスタンド要らずなのが嬉しい。
脛との接続部で回転させることも可能です。
なお、装甲各部にある穴は2㎜径のものがほとんど。
今回は3㎜軸への変換パーツは付属しませんが、ハンドスケールに付属するパーツが代用可能です。
フェイスパーツは2種類
通常顔
先の通り、顔(頭部)のサイズはオリジナルのFAG版と一緒ですが、顔付きはぐっと幼くなりました。
叫び顔は若干アホっぽい感じも。
未塗装のフェイスパーツが1個付属し、さらに多彩な表情を再現可能なデカールが付属します。
フェイスパーツの数が足りない?
いやいや、どこのご家庭にもFAGの未塗装フェイスパーツの2個や3個は転がっているはず(笑)。
しかしここで問題になってくるのが頬の輪郭問題。
先の通り、QpminiはFAG シルフィーと同じ型なので一般的なFAGフェイスを付けると違和感が出てしまいます。
幸い(?)、FAG シルフィーにも未塗装フェイスパーツが1個付属しており、僕はそれをそのまま保存(というか放置)していたので、ストライカーと合わせて2個、今回付属のものを加えて計3個使って表情を追加しました。
前回、創彩のあおで少しフェイスデカールにも自信が持てたのでね。
・・で、はい。左、失敗しました(泣)。
こともあろうに一番欲しかった表情で失敗してる。
いや、上手く貼れたと思ったんですよ。少なくとも貼ったその日は右目もちゃんといい位置にあったんです。
いつズレたんだ・・?
しかもこんなときに限っていつになくしっかり定着して修正が利きませんでした。
まぁ、たぶん次のスティレットにも同じような表情デカールあるだろうし、それ使って直します。
あと、一般的なFAGの未塗装フェイスも3個あったので、ついでにそちらにもデカール貼ってみました。
今後の新製品、新キャラでも採用されそうにない表情を選んだつもりです。
付属品
フリースタイルバズーカ
もともとはM.S.Gですが、ハンドスケール 轟雷にもスケールダウンしたものが付属したこともあり、すっかり轟雷のメインウエポンとして定着しましたね。
まぁ、組み換えできないのでもはやフリースタイルではないんですが。
今回はスケールダウンだけでなく、本体同様にデフォルメされたものが付属します。
色分けは一際されていませんが。
あと、グリップもただの丸軸になっています。3ミリよりはわずかに細い・・
ナイフ
初期FAG共通の近接武装ですね。
ハンドスケールに付属したものとほぼ同じサイズ、デザインで、これはとくにデフォルメされた感はありません。
専用のアタッチメントを使って脚部側面などにマウントできます。
3㎜軸付きグリップパーツ
ハンドスケールにも付属したオプションですね。
これでM.S.G等を持たせることも可能に。
2つ付属します。
ヘキサグラムコネクタ
これもハンドスケールと共通仕様の、3㎜軸接続用パーツ。
背部(バックパック)に挟み込むかたちで固定します。
保持力はそこそこ。
スタンド
支柱が短い曲線を描いたものになっている、Qpminiシリーズ専用のものだそうです。
接続軸はもちろん3㎜。ベースはフライングベースミニと共通です。
Qp轟雷をディスプレイするとこんな感じ。
比較画像
オリジナルのFAG 轟雷(改 Ver.)と。
オリジナルのほうの右太腿装甲はまだ行方不明です。
というか、比較で出すなら通常轟雷の外装に戻せよ・・
ともあれ、Qpの全高はオリジナルの1/3強。
頭の大きさは変わらないのにボディがかなり縮小しちゃってるので、FAGの幼少期とするにもは無理があるかな。
まぁ、FAGが成長するのか? という疑問はあるのですが。
それにしても、これだけのサイズ差があるのに可動箇所はほとんどは減っていませんし、色分け精度も極端に落ちたわけではないのがすごい。
ハンドスケール 轟雷と。
あらためて、まったくアプローチの違うシリーズであることがわかります。
全高はわずかにハンドスケールのほうが高いので、あらためてこのQpminiシリーズの小ささがわかろうというもの。
頭部のサイズはさておいて、Qpでは腕部や脚部がハンドスケールの2/3くらいに縮んでいます。
一方で胴体のサイズはさほど変わっておらず、ボディでもデフォルメ具合に差がある感じです。
頭部以外は基本的に接続軸径が共通なので、腕部や脚部は交換することが可能。
で、腕部と太腿から下をハンドスケールのものと交換したものがこちら。
ボディがこのくらいのサイズなら、頭がこれだけ大きくてもわりといいバランスになる気がする。
まぁ、やはりあくまで僕個人の間隔ですが。
なお、頭部だけ交換すると・・
どちらも微妙・・
ともに頭部は乗っけてるだけです。
全体にバランスよくデフォルメされているDTAとQpminiとではかなり印象が違います。
まぁ、同じようなことを二番煎じでやっても仕方ないしね。
以下、画像
可動箇所は本体だけでも実に22箇所(公式ページでは21箇所となっていますが、22箇所動くと思うんだけど・・)。
低反動砲やキャタピラの可動も含めると25箇所で可動します。
各可動軸はおそらく1.5㎜くらいだと思うのですが、案外頑丈なのでそうそう破損はしそうにありません。
ハンドスケールもそうでしたが。
強いて言うなら、低反動砲の接続軸がちょっと怖いかな。
腕部付け根は軸接続。
上腕にロール軸があり、肘も90度ほど曲げられます。
胸部と腹部はボールジョイントで繋がっており、上体の捻り、反りが可能。
脚部の付け根もボールジョイント接続。
スカートは固定ですが股関節が下方にスライドできるのである程度腿は上げられます。
太腿でロール可動。膝は90度曲がり、足首接続もボールジョイントです。先にも言った通り、キャタピラがスタンド代わりになるので自立は安定します。
立て膝はなんとかできている感じかな?
デカール失敗したキラキラ顔。
パーツ単体で見ると完全にズレてるけど、頭部に付けてしまえば髪の毛もあるしなんとか誤魔化せるかなと思ったんですが・・
やっぱズレてるな。
まぁ、興奮し過ぎて、顔のパースが狂ったということで・・
ほかのシリーズと組み合わせて。
同じデフォルメデザインのエヴォロイドとはなかなか親和性があると思います。
オプションパーツとして装着するもよし。
ところでエヴォロイドの新作が一向に発表されないんですが・・
ヘキサギアとは・・やはり大きな頭がネックになって、密閉型コクピットには乗り込めません。
ハンドスケールでさえ、ディフィニッションアーマー(ウッドペッカーなど)はオープンタイプでしか乗れませんでしたからね。
ただ跨がるだけの第3世代やクロスレイダーならば・・
おう・・足が届かない。
でも轟雷ならば大丈夫! キャタピラを伸ばせばペダルやフットレストに足が(足じゃない)届くぜ。
ということで、ちょっと危なっかしいですが一応乗れました。
あら、お母さんは童顔なのに、お子さん顔はもうできあがってるわねぇ。
互換性があるからと、安易にそのまま交換したらおかしなことになるという、よい例ですね(笑)
せっかくなのでオリジナル轟雷のほうにデカールを貼って作った新表情を取り付けてみます。
これは、どこでもすぐ寝てしまう子供を前にオロオロする轟雷ですね。
泣き顔はやっぱりすち子のほうが似合うな。
ザ・挿げ替え。
FAGと頭部互換性があるということは、当然こういうこともできるわけです。
これは、QpminiはFAGのスピンオフだけには留まらない可能性も・・?
全部オリジナルコンテンツなんだから、いくらでもやりようはあるはずだ!
あるときは愛玩用ぬいぐるみ。
果たしてその実体は・・
以上、“QPmini 轟雷” でした。
ますます広がるFAGワールド。
デフォルメされたFAGのミニサイズフルアクションキット。
ボディはデフォルメされているぶんハンドスケールよりさらに小さく、しかし頭部はオリジナルのFAGと同サイズにして互換性を持たせることで、ハンドスケールとはまた違った楽しみ方が提案されているシリーズになるのかと思います。
初見こそパッケージイラストとの違い・・つまりは全体のバランスが気になりましたが、あれこれ弄っているうちにさほど気にならなくなりましたね。
ただ、現状では頭部以外はほぼハンドスケールと共通の仕様で、とくにQpmini独自のギミックなどは盛り込まれていないのが、ちょっと気にはなるかなぁ。
ラインナップにしても、すでに予約受付中の第2弾スティレットに、先日コトコレで発表された第3弾のイノセンティアと、完全にハンドスケールと同じレールに沿っています。
おそらくそのあとはアーキテクト、バーゼラルドと続くのでしょう。
ミクはわかりませんが。
違ったアプローチというならば、ラインナップも追随せずに独自の路線でいってほしいかなぁ。グライフェンとか、フレズヴェルクとか・・
いや、このサイズであの2つは無理(ハンドスケールでも)か。
とはいえ、ヘキサギアなどメカと絡めるならハンドスケール、ガルプラと絡めるならQpminiと棲み分けはされそうかな。
そう思うと、ラインナップが被るのもそれはそれでよい、ということになるかも。
まぁ、とりあえず言っておきたいのは、表情は増やすべき。
表情が増えれば一気に楽しくなります。
デカール苦手でも用船するだけの価値はあります。
というか、やっぱりフェイスパーツ足りないや。
M.S.Gとして、10個セットくらいで発売しませんか?
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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