今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM 14 ザウォート” と、
“HGTWFM 15 ティックバラン” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、ペイル社製の汎用量産型モビルスーツ、
“F/Dー19 ザウォート” と、
同じくペイル社製のモビルスーツ用輸送機、
“ティックバラン” が、
HG水星の魔女シリーズで発売されました。
今回も2種まとめてレビューしたいと思います。
飛行型MSの開発を得意とするペイル社製の量産機ザウォートと、水星版ドダイとでも呼ぶべきサブフライトシステム、ティックバランが同時発売。
ザウォートは、まずエラン(4号)がファラクトの前に乗って、1対3の決闘で苦もなく勝利を収めたときと、地球寮対グラスレー寮の団体戦の計2回、劇中で登場。
2回めのときは地球寮にペイル社から4機が提供され、マルタン以下4人の地球寮生徒が搭乗(キットの説明書でもパイロットとして彼らが紹介されています)、グラスレー寮のベギルペンデにあえなく一蹴されるも、なんとか動ける状態だったこともあり最終的に4機でチュチュのデミトレーナーを支え、ミカエリスへの狙撃を成功させました。
劇中でエアリアル以外に複数の決闘に参加し、かつともに勝利側にいる唯一の機種ですね。
同一機ではないし、そもそも乗り手も違うとはいえ、なかなか希有な存在です。
一方のティックバランは同じペイル社製のザウォートのサポートマシン的な要素が強いですが、そもそも単独飛行能力のあるザウォートを乗せる必要があるのだろうか?
実際劇中ではそんなシーンはなく、今のところアーシアンの暴動を鎮圧するニュース映像(だったか?)でディランザ・ソルを乗せている姿が確認されているだけですね。
他社製のMSとの連携もできるんだな。まぁ当たり前か。
TVシリーズ放送中に発売される(実際に発売されたのは1期の放送終了後ですが)キットシリーズでMS以外のこういったサポートメカがラインナップされるのってかなり珍しい・・というかほとんど初めてかな?
こういうところでも、水星の魔女への力の入れようがわかります。
それでは、まとめてレビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ。
ティックバランはさらに一部塗装に付属シールを貼っています。
F/Dー19 ザウォート
&
MS用輸送機 ティックバラン
ザウォートはペイル社製の汎用量産機。
航空機を参考に本体を軽量化。背部と脚部にトリゴナルスラスターを配置し、単独での飛行能力を獲得しています。
学園での運用に際しては飛行性能と航続距離向上のためのベクタードブースターを標準装備。
それに代えてミサイルランチャーやビームキャノンを装備した軍仕様のザウォート・ヘヴィも存在します。
一方のティックバランは、同じくペイル社が開発したMS用の小型輸送機。
搭乗および懸架というかたちで最大2機を同時に輸送可能。
通常はパイロットが乗り込んで操縦しますが、輸送するMSや外部からの遠隔操作も可能です。
武装として正面に2門のビームキャノンを備えています。
まずザウォートから。
フライトジャケットを着たような、肩や首周りにボリュームのあるボディに細長い腕部と脚部がアンバランスなシルエット。
肩などはフレームが剥き出しで、飛行のための軽量化されているという設定がわかりやすいです。
運動性を向上させて敵の攻撃に当たらないようにという方向性は、ジェターク社のディランザとは真逆ですね。
ファラクトのベースとなったと思われる機体なので、フレームおよび外装の一部に共通の意匠を確認できます。
しかしキットは完全新規。ファラクトからの流用パーツはありません。
色分けはほぼ成型色で再現されており、色が足りないのは一部のスラスターの内部くらい。墨入れペンでフォローできる程度です。
ホイルシールも付属しません。
胴体に半ば埋まったような頭部ですが、普通に可動します。
メインカメラ部はクリアパーツで再現。
内部ディティールも比較的あっさりですが再現されています。
決闘のためのアンテナは標準装備なんですかね。
デミトレーナーのような外した状態の説明はとくにないです。
背面。
シリーズキットでは珍しく、バックパックは胴体と一体化していて取り外し不可能。
バックパックというか背中がちょっと後ろに張り出した形状ではありますが、とくに後ろに倒れやすいと言うことはありません。
足首接続はボールジョイントなので、そのへんは融通が利きますね。
飛行用のトリゴナルスラスターというのは、背中には2つ並んでいるこの逆三角形のことかな。
脚部はアキレス腱部分にありますね。
計4基のスラスターだけで、一応空は飛べるらしいです。すごいな。
標準装備となるベクタードブースターは背部左右に装備。
軸接続なので回転可動します。
付属武器
ビームライフル
短銃身でマニピュレーター保護するような形状が特徴的な専用ライフル。
保持の際にいちいち手甲パーツを外さなければならないのはちょっと面倒ですが。
後部マガジンは取り外し可能。
なぜか銃弾のディティールが造形されていますが、どうやら当初は実弾タイプの武器という設定だったらしいですね。
学園内で実弾を使うのはいかんだろう、ということになったんだろうか?
そこはガルパン理論でいい気もするけど。
実際、出力が抑えられているというビーム兵器で普通にMS大破してますしね。
ビームサーベル
標準的な格闘武装。
ビーム刃はいつもの汎用パーツなのでとにかく長いですね。
ミカエリスに付いてたくらいのでいいと思うんだけど。
左右前腕にマウントされます。
本来は基部が前方にスライドしてちょうど手に収まるようなのですが、キットではそこまで再現されず。
ちょっと取り外しにくいです。
続いてティックバラン。
サブフライトの定番でMSを乗せるための上面が扁平な形状になっていますが、後部に突き出すかたちで尾翼があったりと、宇宙世紀のそれと較べて航空機的印象が強めのデザインになっています。
それでもやっぱり前面のレイアウトとか、大小並ぶ主翼の位置関係などはドダイを意識した感じですね。
そしてMSを乗せるだけあってけっこうでかい。
なおキットそのものの出来とは関係ない不満なんですが、なぜか説明書に機体解説が一切ありませんでした。
デミトレーナー用のオプションセットでもでダラスについては解説あったのに・・
人型ではないので単体でのアクション性は低いですが、MS輸送機としての各部の展開、可動ギミックは予想外に充実しています。
まず上面から見ていきます。
MSを搭載する際、MS自身が握るためのハンドルグリップが展開。
左右2箇所あります。
さらに搭載MSのサイズや姿勢に合わせるため後部のフットレストが伸縮可動。
ちなみにMS搭載時はハンドルグリップ以外に固定するための装置などはなく、あくまでパイロットが乗っているMSを乗せる・・姿勢の制御や安定はMS側の責任という代物ですね。
まぁサブフライトシステムはだいたいそういうものですが。
後部のメインスラスターが上下にスイング可動。
側面に2基ずつ、計4基あるサブスラスターもわずかですが可動します。
たぶん、垂直離着陸時に使われるんでしょうね。
では引っ繰り返して底面に。
3箇所に内蔵されたランディングギアはすべて差し換えなしで展開可能。
これまでに発売された宇宙成型のサブフライトシステムのキットではほぼ差し換えだったと思うので、これは画期的でした。
こちらが前部。
前部のほうが若干カバーパーツが開けにくいです。
MSを懸架輸送するためのフックが展開。
これもMS側で落ちないようにしっかり掴まる必要があります。
しかしこの仕様を見るに、ティックバランは重力下での運用前提なんでしょうね。
2期では宇宙仕様とかも出てくるんだろうか?
中央の三角形の部分を前方にスライドさせるとスタンド用の5㎜穴が現れます。
各種アクションベースや汎用のディスプレイスタンドに対応。
比較画像
まずザウォート。
同じペイル社製ガンダムのファラクトと。
ファラクトのほうが一回りほど大型ですが、肩や脚の付け根の剥き出しのフレームや前腕の外装、ハンドパーツ、脚部のデザインなどやはり共通点は多いです。
アップで見るとよりわかりやすいですね。
見ためは全然違うんですが、ガンダムとジムっぽい。
水星系だとガンダムはかなり特殊な機体なので、廉価版のような機体がほぼいないですからね。
続いてティックバラン。
元祖サブフライトシステムである機動戦士ガンダム(1st)に登場したドダイYSと。
画像のドダイのキットは、アニメ放送終了後の1980円頃にベストメカコレクションとして発売されたものの再販ですが、最新のHGキットと並べてもそこまで見劣りするものではないですね。
このドダイやマゼラアタックはスケールモデルを参考に造られたものなのか、むしろメインのMSキットよりもよほど精密で出来がいいです。
とそれはさておき、やはりよく似た雰囲気の両機です。サイズもだいたい同じくらい。
なお、ドダイにはハンドルグリップなどはなく、基本的にMSは立った状態で乗っていました。
ハンドルを握って立て膝や腹這いで乗るスタイルになったのは、Z以降に登場したベースジャバーやゲターからですね。
というか、こんなものになにも掴まらずに乗ってバランスを保てるジオン兵すごくない?
ザウォートとティックバランで。
まぁこれくらいのサイズ感にはなりますよね。
ちょっと詰めたら、なんとか上に2機並んで乗れなくもないかな。
以下、画像
まずザウォート単体で。
可動性は良好。
細身の体型に加えてとくに各々干渉する装備もないため、ほぼストレスなくポージングできます。
腰部もサイドアーマーがないので、脚部をかなり高い位置まで上げることができ、立て膝もこの通り。
ただここで唯一残念なのが、あまり脚を上げ過ぎると太腿の外装がフロントアーマーと干渉するため、脚を外側に開くことができなくなること。
そのせいで肝心のティックバラン搭乗時にバランスをとりづらいです。
サーベルの二刀流で。
基本運用は空中を飛行しながらのライフルによる中距離戦だと思いますが、腕に自信のあるパイロットなら積極的にビームサーベルを使った格闘戦もしかけていけるだけのポテンシャルはあるようです。
実際に劇中でエラン(4号)は地上にいる敵機のアンテナをサーベルで斬りましたからね。
ベクタードブースターはそのまま前に向けることも可能。
パッと見キャノン砲のようにも見えますが、これはあくまで記そう装備。
というわけで、ファラクトのバックブースターと同じような使い方もできるはず。
もちろんパイロットの腕次第ですが。
それではティックバランと一緒に。
なかなかパッケージイラストのような格好いい立て膝姿勢で乗せるのは難しいんですよね・・
先に言ったように、脚を上げ過ぎると外側に開けないどころか内側に入ってしまうので、どうしても全体が斜めに傾いてしまうんです。
反対側の脚も、正直フットレストには合いません。
腹這い姿勢でも。
こうなるともう完全に脚がはみ出しちゃいます。
ただ安定はしますね。
なおメーヴェ感・・(笑)
これはもはや罰ゲームですね・・
握力保つんだろうか?
こうなってくると境界戦機のハウンド系とストークキャリーのほうが現実味があるんだよなぁ。
あと、ビームライフルが本体のどこにもマウントできないので、この輸送方法だとザウォートはビームサーベルしか持っていけない・・
以上、“HG ザウォート” & “HG ティックバラン” でした。
学生同士の決闘がMS戦のメインとなる水星の魔女(まぁ2期はどうなるかわかりませんが)でベギルペンデと並んで量産機らしい活躍(?)を見せた数少ないMSですね、ザウォートは。
一応飛行型という特徴はあるものの、見ためにわかりやすいウイングが生えていたりとか、変形したりするわけでもありませんし、まぁ地味なMSですけどね。
対グラスレー寮の団体戦で登場したのは意外でしたが、立場だったり能力的にも弱い者たちが機転とチームワークで強敵を倒すという王道展開の演出には最適なMSだったのかも。
とはいえその前にエランの搭乗でパイロット次第では十分な戦果を残せる機体という印象付けはされていますし、けっこう優遇されてる印象もあります。
ペイル社自体の立ち位置が株式会社ガンダムとの関係で2期以降どうなってくのか、もう言ってる間に放送再開しますね。楽しみです。
キットは、特徴的なデザインに加え成型色のみでほぼ完璧な色分けを再現。構造はシンプルですがゆえに組み易く、可動性も高い良作だと思います。
ただ欲を言えば、対グラスレー稜線で装備した武装類も一式付けてほしかったかなぁ。もう200円ほど高くなってもよかったから。
あとでデミトレーナーみたくザウォート用オプションセット発売してくれるのかな?
あの武器類がなかったら対グラスレー寮戦が再現できないよ・・
いやまぁ、ザウォートをあと3つとベギルペンデも2つ追加までする気はないけど。
そしてティックバラン。
いまだ劇中で大した活躍はないですし、たぶん今後もないのだと思いますが、こういったMS以外のサポートマシンもしっかりHG化してくれることはありがたいです。
しかも思った以上にあちこち動くし。ランディングギアが差し換えなしだったのには感動すらした・・
2期ではキット宇宙用が出てくるはず(?)。
あとはトレーラーみたいなものも欲しいですね。
水星版サムソン。複数台で繋げられればいいな。
境界戦機でほぼ同じことやってるんですけどね・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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