今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー ヴェロシトロンスピーディア500コレクション より、
“TL EXー07 オーバーライド” です。
“トランスフォーマー ギャラクシーフォース” に登場した惑星スピーディアのリーダー、音速司令官 ニトロコンボイこと
“オーバーライド” が、
レガシーのサブライン、ヴェロシトロンスピーディア500コレクションに登場。
日本ではタカラトミーモール限定で発売されました。
今回のVS500コレクションで、唯一正統な出自からラインナップされたキャラクターですね。
サイバトロンユニバースからはメガロコンボイことメトロプレックスに続く2人めの参戦となります。
以前にも軽く触れましたが、ギャラクシーフォースは海外ではトランスフォーマー サイバトロンというタイトルで放送され、内容的には同じものだと思うのですがベースとなる設定が日本版とは大きく異なっています。
キャラクターについてももちろんで、名前が違うなんてことは昔からあったことですが、今回のオーバーライドのように性別まで違うというパターンはさすがに珍しいのではないですかね。
日本ではニトロコンボイという名の男性キャラでしたが、海外では女性となったオーバライド。
ビーストウォーズで、本来女性だったエアラザーが男性になったのと逆ですね。
そのためにビーストウォ-ズではタイガトロンとエアラザーの関係がBL的なものになってしまったわけですが、オーバライドではそういった展開はなかったのかな?
また、以前コスモスのレビューでも触れましたが、このVSでのリメイクにあたり、ハズブロでは当初SS86 ホットロッドの流用での再現を考えていたそうです。
しかしタカトミ開発陣がなるべくコストをかけないかたちで新規造形することを提案。
結果としてコスモス同様完全新規でのリメイクが実現したということのようです。
しかし、VSは店舗限定のサブラインなのに新規造形が2つも含まれるという異例のシリーズになりまたね。
しかも単発ではなくWAVE2へと続くのも珍しい。
日本では一向に音沙汰ないけど・・
それでは、レビューしていきます。
オーバーライド
日本名は音速司令官 ニトロコンボイ。
惑星スピーディア(ヴェロシトロン)のリーダーで、長年にわたってトップの座に君臨し続けていたため、当初は傲慢な性格が目立ったものの、エクシリオン(ホットショット)とのレースを通じて正義に目覚め、サイバトロンに入隊しています。
海外設定では先にも言った通り女性キャラクターになっていますが、これは海外ローカライズの際にもっと女性キャラを増やして欲しいという希望があったそうで、ならば見ために女性としてもさほど違和感がなさそうなニトロコンボイが選ばれたのだとか。
ロボットモード
今回はボイジャークラスになっていますが、サイズ的には少し大きめのデラックスクラスという感じ。
その点では当初流用予定だったSS86 ホットロッドと共通点があります。
しかし密度的には・・そのあたりはまた後ほど。
オリジナルトイははぼ箱型の胸部に細い腕や脚が生えているという、お世辞にも格好いいとはいえない出来映えでしたが、今回は腕部基部をスライドして内側に寄せることで胸部をスリムにするなどして、非常に良好なプロポーションが再現されています。
顔が小さいなぁ・・あと、ベルボトムのようにボリュームのある脚部が目を惹きます。
ただ全体のバランス的にちょっと肩や前腕がごつい気はしますかね。
ちなみに日本版公式ページでは性別に関しては明言されておらず、実際造形的にもとくに女性は意識していない感じです。
あくまでオリジナル・・アニメのデザインですかね、その再現を目指したのかな。
まぁ性別はどちらでもいいよ、ということなのかも。
多様性の時代ですからね。
中央のトサカとそれを挟む左右2本のアンテナ特徴的な頭部。
切れ長の目も凜々しいお顔は、やはり男性にも女性にも見えます。
顎のラインなど、赤色の塗装が若干雑かなぁ・・
なお後頭部はまるっとクリアパーツなのですが、目が水色で塗られているので集光は利かず。
胸部にはビークルモードでコクピットとなる部分が配置。
クリレッドにゴールドの縁取りが美しいです。
内部には若干の空間がありますが、とくになにかを収納できるわけではありません。
背面。
正面のスタイリッシュな雰囲気とは打って変わって、ちょっと残念な後ろ姿ですね。
まず背負子のような真四角の板がダサい。
そして脚部も肉抜きと空間ばかりで裏側感が強い・・というかもはやキツイです。
この中途半端にV字で止まっているパーツはなんなのか?
これが完全に180度たためれば、せめて足首付近くらいは隠せたんじゃないか?
踵のパーツも、後ろに倒れないようにとりあえず付け足した感じですね。なんで先丸めたんだよ?
これがボイジャークラス・・なんというか肩透かし感というか、そういう感覚はSS アイアンハイドの比じゃないですね。
これを見たあとだと、アイアンハイドのことをあれだけ言ったことを後悔してしまう。
可動面でも、可動性そのものは決して悪くはないんですが、まず腕部の接続軸が思ったより低い位置にあって、ポーズによっては違和感が出ます。
腰部は当然回転できるのですが、背中の板が干渉するため、実際にはほとんど回せません。
こんなのもう誤差の範囲でしょう。
頭部接続もボールジョイントなのですが、首許のクリランスがほとんどないので左右に回せるだけ。
ジョイント自体もキツイようで、妙な負荷がかかって押し戻されたりもします。
全体に造りが安っぽいというか、コストかけられなかったんだなぁという感じ。
まぁ、きっとその条件下で完成させたものなんでしょうから仕方ないとは思うのですが・・
付属武器
マッハショット
二連装タイプの大型銃。
銃口先端は5㎜+3㎜軸になっています。
ギャラクシーフォースのオリジナルトイには共通して武器にフォースチップというキーパーツを挿し込む(イグニッション)ことで各部が展開するギミックが内蔵されており、ニトロコンボイの場合はこのマッハショットの後ろ向きに折りたたまれていた銃身が前に展開したわけですが、今回は手動展開となっています。
ただオリジナル同様、後部にフォースチップを挿し込むことは可能。
画像で挿し込んでいるのはユナイテッド版オプティマスプライマルに付属のフォースチップですが。
まぁ、とりあえず挿し込めるというだけでかっちり固定できるものではありません。
このフォースチップギミックに限ったことではないですが、こういったオリジナルの内蔵式ギミックがリメイクで再現されることなんてもはやほとんどないですね。寂しい限りです。
もし再現するとなると価格が跳ね上がるんだろうか?
そういった複雑なものを組み立てられる人が減っていることもあるのかも・・
なお、マッハショットは銃身を折りたたんだ状態で背中にマウントできます。
ビークルモード
SFスーパーカーにトランスフォーム。
オリジナルのデザインに忠実かつ、よりスタイリッシュに再現されています。
クリアレッドにゴールドのホイールのタイヤが格好いい。
ただマッハショットのウイングがちょっと小さいかな。
車体中央部にロボットの頭部が配置される独特のデザイン。
レガシー エリータワンでも見られたデザインですが、あちらがダミーパーツを使っていたのに対し、こちらは頭部がそのまま残ります。
なので隙間から覗くと顔が。
コクピット部分にはやはり空間があって小さなフィギュア程度なら乗せられそうな雰囲気もありますが、残念ながら開閉はできません。
マッハショットは銃身を折りたたんで後部に取り付けるのがデフォルト。
エンジンっぽい雰囲気ですね。
オリジナルトイではここの状態でもフォースチップをイグニッションすることで銃身が展開しましたが、今回は銃身を展開した状態で取り付けることできません。なんで・・
仕方ないから乗せるだけで。
こうなるとかなり寂しいですね。
比較画像
といってもオリジナルトイは持っていないので、当初流用される予定だったSS86 ホットロッドと。ロボットモードで。
サイズはさほど変わりません。
見ての通り共通点はまったくないので、仮に流用で再現されていたとしたらコレジャナイ感の強いものになっていた可能性があります。
ビークルモードでも。
こちらはまだ似た雰囲気も・・いや、やっぱり難しいよね。
関係ないけど、ホットロッドはどんどん綺麗に変形できなくなってくる(悲)。
SG ギャラクシーアップグレード オプティマスプライムと。ロボットモードで。
ここ最近、にわかに出番が増えてきた、ギャラクシーコンボイっぽいヒトですね。
今年のコマンダークラスがアルマダコンボイということなので、海外設定的にその次の次の姿であるギャラクシーコンボイの正式リメイクもそのうち来るかもしれませんね。
ビークルモードでも。
厳つい書房車と派手なスポーツカー。
ビーストウォーズからカーロボットを経てのマイクロン3部作のデザインはそれ以前のトランスフォーマーとはかなり雰囲気が変わりましたよね。
元祖ウーマンサイバトロンのリーダー、エリータ。出てくるたびにかなりイメチェンするお洒落サンでもあります(笑)。
こうして並べると、オーバーライドはべつに女性には見えないなぁ。
ビークルモードでも。
先にも言いましたが、なんとなく似た雰囲気のビークルです。
手首ロールもできますし、可動性そのものは悪くないんですが、構造的に活かせていない感じはあります。
やはり腰がほとんど回らないので常に体勢がぎこちないというか、身体硬いのかな? という、ね。
足首のスイング幅は狭いのですが、爪先も踵も長めなので自立は問題なし。
背負いものもとくにないので、バランスをとるのも容易です。
膝は深く曲げられるので、立て膝は綺麗に決まります。
スタンドを使って。
スタンド対応穴は腰裏にあるのですが、背中の板が微妙に干渉します。
板は跳ね上げることもできないので、スタンドの軸によっては無理矢理ねじ込むようなかたちになり増ますね。
なんでこんなでかい板背負わせたんだ・・
怒りの跳び蹴り。
全然腰が入ってない・・
走る、オーバーライド。
ブラーと並んで優勝候補だろう彼(彼女か?)なら、ロボットモードでもかなり速く走れそうです。
ビークルモードでも。
しかし、やはりこの姿でこそ本領発揮。
マッハショットの銃口部にエフェクトを付ければ、エンジン全開でぶっ飛ばしてる感じに。
ギャラクシーコンボイと。
女性キャラとして見た場合、この構図はG1のオプティマスとエリータワンを彷彿とさせます。
そういう意図もあったのかな?
ではそのエリータワンと。
真のウーマンサイバトロンのリーダーは誰だ?
いや、どちらかはっきりしないひとはちょっと・・
すべてのコンボイよ!俺たちに続け!
とりあえずギャラクシーフォースだとフレイムコンボイとライブコンボイですか。
ギャラクシーコンボイもちゃんとリメイクしてほしいですけどね。
以上、“TL EX オーバーライド” でした。
マイクロン三部作を知らない僕にとっては、メトロプレックス同様ほぼ新キャラ扱いのオーバーライド。
レガシーで共に初リメイク、共に新規造形されたわけですが、明暗刷くっきり分かれた感じはありますね。
まぁ、端から相応の予算を組んであるだろう年に一度のタイタンクラスと、現場の頑張りでどうにか新規造形を勝ち取ったボイジャークラスとを較べるのも酷というものか・・
いや、このオーバーライドも当時のオリジナルトイから劇的に格好良くなって、その姿は当時アニメを見ていたファンにとっては非常に喜ばれるものになっっているのだろうと思います。
86 ホットロッドの流用で済まされていたらどうなっていたことか・・まぁ、今となってはそっちも見てみたかった気もするのですが。
しかし単体のボイジャークラストイして見ると、お世辞にも出来がいいとは言えません。
フォースチップなどのオリジナルギミックが再現されていないことは、すでにメトロプレックスで経験済みなので置くとしても、ロボットモードでの背面、とくに脚部裏側の雑な感じとか、胸部の固定もわりと力業だったり、ビークルモードでもマッハショットの銃身展開ができなかったり、いろいろと削って削ってなんとかかたちにした・・という印象です。
これ、86 ホットロッドの流用で考えられていたときと同じコストで完全新規を一つ造ったのだとしたら、無理もないだろうと思うのですが、そのへんどうなのかな。
少なくとも、通常新規造形されるときよりもかけられているコストは少ないのだろうと思います。
ただ同じ境遇のコスモスが期待以上の出来だったので、ハードルが上がってしあった感はありますね。
あと同月発売のボイジャーが強力過ぎて、これで同じ価格?(オーバーライドはモール限定だから、むしろ実売価格は高い)と思うとね・・
これまた惜しい一品になってしまったなぁ。
コストをフルに使って造られていたなら、傑作になっていたかもしれないですね。
・・まぁ、全部想像で考えてるだけですが。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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