今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード ガンダムAGE より、
“HG フォーンファルシア” です。
“機動戦士ガンダムAEG” に登場したヴェイガンのXラウンダー専用機、
“xvbーfnc フォーンファルシア” が、
アニメ放送から10年の時を経てHGキット化。
プレミアムバンダイ限定で発売されました。
ガンダムAGE、10周年記念ということでいいんでしょうかね?
とくにそのへんのアナウンスはなかったように思いますが、当時のHGシリーズもけっこう再販されてますし、一応、忘れてはいませんよ、という感じなのかな。
まぁ、AGEの作品としての評価はあまりよくないようですし、そこまで力を入れることはないか、というのが正直なところなのかも。
僕自身、AGEは当時1話で切ってしまったので、なにも言う資格はありません・・
いや・・ね、単純にキャラクターデザインが合わなくて、内容が入ってこなかったんですよ。
とくに主人公の親友(?)のフォルムがダメだった。
やっぱり第一印象って大事ですよね。
実際のストーリーは、キャラデザに反してけっこうシリアスだったという噂はのちに聞くことがありましたが、結局今まで見直してみることはなかったです。
機会がなかったので。
まぁ、積極的に機会を得ようとはしなかったこともありますが。
スパロボBXに参戦(第4部だけ)したのがきっかけで、ちょっとネットで概要を調べたりはしましたが、それだけですね。
でも、登場するMS・・とくにヴェイガン系のMSデザインはけっこう好きで、当時発売されたキットも初期のヴェイガン系を中心にいくつか購入しています。
今回のフォーンファルシアの原型機であるファルシアも持っていたので、せっかくだし買っちゃおうか、と。
このところガンプラの購入頻度も下がってるしねぇ。
それでは、レビューしていきます。
キットはアニメ放送当時に発売されたHGシリーズ、ファルシアの流用で、一部のパーツが省かれた代わりに新規造形パーツとタッチゲート式のスタンドが追加されています。
今回はパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。
xvbーfnc フォーンファルシア
第1部に登場したファルシアの後継機。
AGEにおけるニュータイプ的な存在であるXラウンダー専用機として、ビット兵器を使用したオールレンジ攻撃が可能な特殊機ですね。
ファルシアは、Xラウンダーとしての資質はあるもののパイロットとしての訓練を受けていない民間人(拉致された)であるユリン・ルシェルがパイロット・・というか生体端末とされていたため、機動オプションのファルシアベースに乗った状態での運用がデフォルトでしたが、フォーンファルシアは正規の訓練を受けたフラム・ナラがパイロットを務めたので、ファルシアベースなしで運用されました。
なので、今回のキットでもファルシアベースは省かれています。
本体は基本的に原型機の色違い。
原型機のメインカラーはかなり濃いめのピンクでしたが、こちらは落ち着いた感じの淡いピンクになっています。
ヴェイガン系のMSは、ロボットというよりも怪獣や宇宙人を彷彿とさせるデザインのものが多く、とくにドラゴンっぽい意匠が特徴的でした。
ほぼほぼメカドラゴンのダナジンという機体もありましたね。
そんななか、ほかの機体よりも小柄で比較的普通の人型に近い、しかも女性的なデザインのファルシアは印象的でした。
宇宙世紀史上、もっとも美しいMSとしてキュベレイの名が挙がりますが、ならばこちらはアナザー史上もっとも可憐なMS、といってもよいのではないだろうか? というのが個人的な見解です。
普通に可愛いですよね、このデザイン。
フードのようなバックパックと、そこから生える小さな羽根とか、あと尻尾もね。
ドラゴンというよりは小悪魔的な感じですかね。
花のイメージもあるのかな? だとしたら花の妖精かな。
なお、キットにはポリキャップは使われておらず、間接等可動部のパーツにはABSが使われています。
最近では過去のキットを流用する場合、ABS製のパーツがKPSに素材変更されていることが多いですが、今回のフォーンファルシはABSのままです。なんでかな?
まぁ、個人的にはKPS嫌いなのでいいんですけど。
メインスラスター(?)の色分けはシールです。
フェイスの目に当たる部分は細いスリットになっています。
一応シールを貼っているのですが、かなり近付かないとわからないですね。
胸部中央にあるのは拡散ビーム砲。
シルバーのシールを貼った上からオレンジ色のクリアパーツを被せる構造です。
バックパックは上下左右に若干可動。
頭部可動の妨げにはなりません。
唯一、原型機から形状が変更されている踵は新規造形で再現。
ハイヒールのようになったのは、ファルシアベースの使用が前提ではなくなったからですかね。
しかし、ヒールの裏側には穴が空いており、あれ? これひょっとしてベースに乗せられる(固定できる)んじゃない? と思ったのですが、
ただの肉抜きだったのか・・
武装および付属品
ビームバルカン
手の平に装備されているビーム砲。
平手パーツで再現されており、砲身はボールジョイントである程度可動するようになっています。
ビームサーベルと兼用のようですが、キットにビーム刃は付属しません。
なお、ハンドパーツはこの平手のほかに握り手(ともに左右分)と新規造形の持ち手(一つだけ)が付属します。
フォーンファルシアソード
通常はお尻に尻尾のようなかたちでマウントされている実体剣。
ビームバルカンの砲身を挿し込むかたちで保持します。
フォーンファルシアビット
5枚の花弁を持つ花を模した形状の無線誘導式ビーム砲。5基を装備します。
花弁の内側は本体の一部と同色のコーラルピンクですが、シールは付属せず。手持ちの塗料でもちょっと再現できなかったので今回はそのままにしています。
軟質スチロール棒が付属し、スタンドと併せて展開状態でディスプレイすることができます。
その画はのちほど。
しかしこのビット、普段はどこにしまってるあるんだろう?
フォーンファルシアバトン
原型機にはなかった新装備。
格闘戦用にはリボン状のビームを、射撃戦用には散弾状のビーム弾を出し(撃ち)分けることのできる遠近両用武装。
さらにビットとの連携で強力なビームを放つことも可能です。
やはりリボン状のビームエフェクトは付属しません。
先に言ったように持ち手も新規造形ですが、手甲パーツは平手から拝借する必要があります。
なお、ヴェイガン系MSのハンドパーツは基本的に左右の区別がないので、結果としてバトンは左右どちらの手でも持たせることができます。
先端のパーツはビットと同じ形状ですが、
裏側の接続径が違うので、ビットをバトンの柄に取り付けることも、バトンの先端パーツにスチロール棒を挿して飛ばすこともできません。
まぁ、できたとしてとくに意味はないですが。
スタンド
ファルシアベースが省かれた代わりにクリアピンク成型のタッチゲートスタンドと、そのスタンドに取り付けるビットディスプレイ用のスチロール棒を挿すための基部パーツが付属。
で、実際にビットを飛ばしている状態がこちら。
なお、スチロール棒は長さ15㎝ほどのものが3本付属し、任意の長さにカットして使うかたち。
画像ではファルシアに付属したものも併せて使っていますのでご了承を。
ちなみにスタンド本体は非常に軽く、さほど安定感のあるものではないので、フォーンファルシア本体やビットの位置関係によっては前向きに倒れやすいので気をつけてください。
比較画像
原型機のファルシアと。
カラーリング、そしてむしろそっちが本体なのでは? とも思えるファルシアベースのおかげでより女の子らしい(?)のは原型機のほうですね。
フォーンファルシアのほうはなんか量産機感がある。
原型機から35年ほど経ってるんですけど、基本性能いくらか差があるんでしょうかね?
造形の違いは踵のみ。
なお、本キットにも原型機の踵パーツは余剰扱いですが付いてくるので、完全な色違いのファルシアを組むこともできます。
ランナーにはスイッチが入っているので、ベース同様省くことはできたんですけどね。
しかし端からスイッチが入っているということは、当時フォーンファルシアへの流用は決まっていたけど、なんらかの理由で発売は見送られた、ということなのかなぁ。
以下、画像
ポリキャップレスですが主な可動部はABS製となっており、とりあえず保持力は十分。
可動性はそれなり。
腕部付け根はボールジョイントでの接続なのでそれなりに柔軟に動きます。
肘の可動は90度ほど。
腹部で多少の捻りが可能です。
開脚はあまり得意ではない(まぁそこは女の子だから、恥じらいもあるのでしょう)のと、足首もさほど動かないので自立はちょっと厳しめ。
でもまぁ、あまり地に足を付けているイメージもないのでよいかな。
その一方、立て膝はけっこう綺麗に決まります。
ビームバルカン斉射。
細かい部分ですが、このビームバルカンの可動(と色分け)は効果的ですね。
ソードで。
レイピアのように突くタイプの剣ですね。
どちらかというと距離をとった戦いがメインのような気がするので、これは緊急避難的な装備かな? 自切行為でもあるし。
バトンとソードの二刀流で。
原型機はその悲劇的な最後を含め、ファーストのエルメスへのオマージュが強いようです。
こっちはどうなんだっけ?
マジカルペンタゴンアタック!(違う)
もう完全に魔法少女。
付属のスチロール棒を使って五芒星を作っている作例も見ましたが、そのときにはも我がほうのスチロール棒は適当に切って曲げたあと・・
ということで、ちょっとインチキしました。
チェンジ! ドラゴンモード!
いや、バックパックが顔っぽいな、と思って。
ドラゴンというよりはカエルっぽいけど。
お祖母ちゃん、うちもそのお立ち台、欲しい!
誰がお祖母ちゃんや!
やっぱり踵が細くなったのはベースに乗る必要がなくなったからだと思いますが、キットでも律儀に乗れない(固定できない)ようにしなくっても・・
ドラゴン召喚!
これがMSか? という意見もあるかとは思いますが、それまでになかった個性的なデザインという意味で、ヴェイガン系のMSの印象は非常に強いです。
一方の連邦系MSは量産型はジムっぽいデザイン、主役のガンダムは第1世代がファースト、第2世代がZ、そして第3世代がZZをオマージュした王道に近いデザインで、その対比でまたヴェイガンの異質さ、気味の悪さが際立ったように思います。
そう、MSのデザインはいいんだよ。
なんか既視感のある要素を寄せ集めたような最新作のそれと較べてもむしろ・・いや、これ以上はよそう。
あと、実際劇中戦ったり共闘したりしてる機体のキットはなにも持ってなかった。
とくに関連したレビューもないし、リンクも貼れない・・から、
最近ご無沙汰になってるチトセの双子にコスプレさせてみました。
バックパックを背負わせているだけ(固定はできない)ですけどね。
似合うやん。
そして無理矢理リンクを貼る(笑)。
以上、“HG フォーンファルシア” でした。
10周年ということで、実際に10年振りのAGEキット。
確かに、可動部にボールジョイントが多用されていたりするところは一昔前のキットだなぁ、という気はしますが、独特のデザインが高いレベルで立体化されていると思います。
アニメとしての評価はさておき、キットの出来は最新のものと較べても決して見劣りするものではないですね。
なんか、境界戦機とダブるなぁ・・(笑)
ともあれ、AGEキット、というかヴェイガン系MSキットの存在を思い出させてくれた今回のフォーンファルシアには素直に感謝したい。
こういう異形のMSのキット、最近はめっきり少なくなってきましたしねぇ。
そういう意味でも、今度の新作のデザインには期待していたんですけど・・
まぁ、実際に動いてるとこ見たら変わるかな?
そうであってほしい。
そしてそう思ったときに、気軽に買える状況であって欲しい。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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