今回のレビューは、1/35スケール ハイエンドマスターモデル より、
“HMM W002 ファングタイガー” です。
コトブキヤがリリースするゾイドのフルアクションキットシリーズ、ハイエンドマスターモデル(HMM)のワイルドシリーズ第2弾、
“M型 サーベルタイガー種 ファングタイガー” が発売されました。
アニメ、“ゾイドワイルド” では、やがて主人公アラシのフリーダム団と共闘するシュプリーム団を率いる凄腕のゾイドハンター、ベーコンの相棒として登場。
しかし中盤のデスレックスとの戦いで、明確な描写こそなかったもののベーコンは死亡。ファングタイガーも姿を消してしまいます。
そのまま両者退場かと思われましたが、終盤、ファングタイガーは単独で戦線に復帰。そこにはベーコンの幻影が。
そして見事、アラシ & ワイルドライガーとの共闘でギャラガー & デスレックスを撃破することができました。
という・・かなり美味しい役どころだったようです。
アニメちゃんと観てなくてごめんなさい・・
キットとしては、ボーン形態はほぼほぼ先のワイルドライガーからの流用なので、正直あまり新鮮味はありません。
でも、かれこれもう1年近く経つんですね・・
今後もギルラプター、デスレックスとリリースされる予定ですが、もう少し短いスパンで出してくれんかなぁ。
ただでさえ、本家のほうはなんのアナウンスもないまま通常ラインを終了してしまったっぽいので、なんとかこちらで熱を維持していってもらいたいものです。
ワイルドシリーズに限らず、先日発売になったレブラプター、そして11月予定のレイヴェンラプターとパイルバンカーユニット、12月予定のライガーゼロイクス、さらには最後のオプション、ブースターキャノンユニットの開発も示唆されていたりと、旧シリーズ系の勢いも盛り返した感のあるHMMです。
ただ、本家とHMMの勢いは反比例するのかもしれないと思うと複雑な気持ちにもなりますねぇ。
一応、列伝シリーズはありますが・・
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みしたのみです。
ボーン復元
まずは本家に倣ってボーン形態までを復元。
先にも言ったように、大半のパーツは先に発売された “HMM W001 ワイルドライガー” からの流用となります。
基本デザインは本家タカトミ版を踏襲しつつわずかに大型化・・というよりは、電動ユニットを内蔵する関係上、どうしても胴体部分がギュッと詰まった感じになってしまう本家に対し、全体に伸びた姿勢にできるという部分で表面積が広がっているというほうが正しいのかも。
真横から見るとわかりやすいですかね。
より生物的なシルエットを再現したうえでのフル可動化が実現されています。
HMMといえばメカメカしい濃いめのディティールアレンジという印象がありますが、この段階では本家とさほど変わらない感じ。
ただ、もちろん全体にエッジの効いたシャープな造形にはなっています。
一方で、パーツ構成は初期の(旧シリーズ系の)HMMと較べると格段に簡略化されており、非常に組み易くなっています。
それで可動性能、保持力もしっかり確保されているので、HMMも進化していると思わせてくれるのですが、四肢にいくつかあるシリンダーの伸縮までは再現されておらず、そういった面では少し物足りないところも。
新規造形部分はサーベルタイガーの代名詞である一対の長い犬歯(を含む前歯)と、四肢の爪(足)、尻尾の先端部分とゾイドコア周辺のメカユニット。
Zキャップはワイルドライガーのものと造形は一緒ですが成型色が爽やかなクリアグリーンになっています。
では、各部をピックアップ。
頭骨自体は本家同様、ワイルドライガーとまったく同じものですが、大きな犬歯(ボルトシックル)のおかげでこの状態でもけっこう印象が違います。
眼球パーツはクリアブルー。
目線を動かすことが可能になっています。
さらに180度回転させることで3㎜穴が出現し、付属のブラスト発動イメージのエフェクトパーツを取り付けられます。
ただし、クリアランスがかなりキツいので動かしにくい・・
口は上下にここまで大きく開きます。
口内に備わる咆哮砲も単独で上下に可動します。
除電器砲(イオナイザーブローカノン)
首の下に装備されている電気除去装置。
ファングタイガーは自ら電気を発生、さらに体内に溜めこんでおくことが可能なゾイドということなのですが、そのままだと駆動部に塵などが付着してよろしくないため、適度に放出する必要があるそうです。
そのための装置がこれで、高濃度のイオンは放出することで体内に溜まった電気を放電させることができるそうです。
それが一応攻撃にも使える・・のかな?
ゾイドコアの内臓ユニットも兼ねており、ごっそりと本体から取り外すことが可能。
ゾイドコアは旧シリ-ズ系のキットと同じ、突起のある赤いサッカーボールのようなデザインですが、スケール換算するとかなり小さいです。
レッグクロー
四肢の爪は前後で長さ(先端部分の鋭さ)が違います。
画像は(左)前脚の爪。
4本の爪はそれぞれが独立して可動します。
一番外側の爪はかなり大きく拡げることができますね。
尻尾
尻尾は各節ごとに関節が仕込まれており、かなりフレキシブルに可動します。
デザインとしてはワイルドライガーと同じで長さも変わりませんが、先端部分のみ、外装装着のための3㎜軸が生えたパーツに置き換わっています。
また、その先のクロー状のパーツも、ライガーでは固定でしたが少し可動するようになっています。
復元完了
外装とブラストユニットを装着して復元完了。
うん。格好いい。
本家も十分格好よかったですが、HMM版では外装パーツのサイズやバランスも調整され、より生物的かつスタイリッシュになりました。
外装パーツのディティールは適度に追加されています。
なお、ライダーであるベーコンのフィギュアを乗せた状態の画像になっていますが、彼についてはまたのちほど紹介しますので少々お待ちを。
横から見るとブラストユニットのボリュームがよくわかります。
背中に乗っているユニットですが、肩が盛り上がっているようなマッシブな印象も受けます。
複数の突起が後ろに向かって伸びていくデザイン。
疾走感が感じられます。
では、また各部をピックアップ。
頭部外装は、本家で若干長く感じられた鼻面を短かく調整することでタイガー感が向上、さらに精悍な顔付きになってます。
ちょっと外れやすいのが玉に瑕。
耳は前後にスイング可能です。
なお、本家では肩部分の装甲が首まで伸びていましたが、HMM版では可動も考慮してのことか、首部分の装甲はオミットされています。
ライダーが騎乗するための鞍は頭部や首とは独立して可動。
鞍自体は基本的にはワイルドライガーのものと同じですが、前部のパーツはゾイドキー挿し込み部の形状とその周囲のディティールが変更された新規造形となっています。
四肢付け根部分の外装には、HMM独自解釈の可動ギミックが追加されています。
前脚装甲では、後ろ向きに伸びる3本の突起のうち真ん中の1本が可動。
まぁ、正直これはとくに必要がなかった気はしますが・・
後脚装甲は後部が展開し、内部冷却フィンが露出するようになっています。
こちらはちゃんと機体解説でもフォローされている、意味のある可動ですね。
ただ、ここはメインの装甲パーツをフィンとカバーの各パーツで挟み込んでいるだけの構造で、それぞれの固定も緩いため、かなりバラけやすいです。
今回、外装パーツがちょいちょいポロリしますね・・
腹部装甲は内側にも裏打ちパーツでしっかりディティールが再現されています。
ここも、ガバッと開くくらいのギミックがあってもよかったかも。
腰部放熱ユニット
ゾイドコアから発生する膨大な熱を放出する、起動骨と直結したユニット。
放熱だけでなく走行時の姿勢制御などにも高い効果があるようです。
左右のフィンと中央のクロー状のパーツがそれぞれ可動します。
サンダーテイル
尻尾の先端に装備した武装。
先端からは放電もでき、電気ムチとしての使用が可能。
キットとしてはとくにギミックはありませんが、本家のものよりかなり大型化されて、ちゃんと武装として認識できるサイズになりました。
ブラストユニット
巨大な2本のブレード、ツインドファングと1000万ボルトの電気を発生させる器官、エレキジェネレーター、それらを保護するパンテラアーマーからなるユニット。
通常は画像のような収納状態になっており、本能開放することでパンテラアーマーが左右に開き、ツインドファングが前方に展開します。
本家同様、ワイルドライガーのタテガミクローを含むユニットとほぼ同じものですが、パンテラアーマーのおかげもあり、全体のボリュームは勝るものになっています。
HMM化でさらに目を惹く存在感に。
というわけで、
本能開放(ワイルドブラスト)形態
本家では電動歩行ギミックに連動して自動的にこの形態に移行しますが、HMMではもちろん手動で各部を展開させることになります。
左目に炎をイメージしたエフェクトパーツも取り付け、ベーコンのフィギュアも頭部を専用のものに交換しています。
やはり、本家よりも断然大型化したツインドファングのインパクトが強烈です。
一気にど派手な姿になりましたね。
なお、エフェクトパーツは先に言ったように眼球を180度回転させて取り付けるのですが、頭部外装を付けたまま眼球パーツを回すことはまず不可能なので、一旦外装を外す必要があります。
ここ、もう少し簡単にできないものかなぁ・・
また、HMM独自解釈のギミックとして、ブラストユニット自体が可動式のアームで本体に接続されており、そのおかげでユニット自体を大きく動かせるようになっています。
前後へのスイングのほか、回転させることも可能。
ただ、アーム自体は短いので、とくに前方にはツインドファングを振り下ろすまでの動きはできません。
しかもライダーが成人男性のベーコンということもあり、彼が干渉して実際の可動範囲はさらに少し狭まります。
ここはもういっそのことアームが伸びるくらいやってしまってもよかった気がします。
ちなみに、アームの接続軸の先端にダボがついており、本体およびユニット側の接続穴に開いている切り欠きに合わせてはめ込み、回転させることで固定する仕様になっています。
ユニットだけを持って持ち上げたりした場合にすっぽ抜けるといった事故を防ぐためのものだと思いますが、そのためいざ外すときは少々面倒。
ツインドファング自体は刃先部分でスライド伸長します。
しかし、ライガーのタテガミクローもそうでしたが、正直言われないと気付けないくらいの微妙な差でしかありません。
ここももっと派手に伸ばしていいのに。
可動としては上下だけでなく、根元から左右に大きく開くこともできます。
エレキジェネレーターも前後スイングし、パンテラアーマー も2箇所で伸縮。
パンテラアーマーの伸縮は、前方に伸ばしたツインドファングのせいで変化した機体の重心バランスを調整するため、というHMM独自解釈。
ベーコン
ライダーであるベーコンの塗装済みフィギュアが付属。
今回も騎乗姿勢で固定なので自立はできませんが、再現度は素晴らしいものになっています。
頭部は通常状態と
ブラスト発動時の左目に炎が浮かび上がった状態とが付属し、差し替え可能。
どちらもよい表情ですね。
この頭部交換ギミックのおかげで、頭部のみ回転させることができます。
鞍への騎乗はやはりとくに固定できるものではなく、本当にただ乗せるだけ。
ただ、アラシよりも大柄で、長く伸びる上着の裾のおかげもあってわりと安定します。
ゾイドキー
ナイフのような形状のゾイドキー。
通常時をイメージした黄色成型のものと、ブラスト発動時をイメージしたクリアグリーン成型のものの2種が付属します。
例によって非常に小さいので紛失には注意が必要。
鞍前方の基部へも、やはりただ挿し込むだけでとくに固定はされません。
紛失や破損が怖いので、基本的にほかの画像では挿し込んでいませんので悪しからず。
ジョイントパーツ
本家では脚部に3㎜軸が生えていた部分がHMMでは3㎜穴になっており、代わりに両端が3㎜軸になっているジョイントパーツが付属しています(全部で4つ)。
これを使えば、本家の改造武器セットやM.S.Gを取り付けてのカスタマイズも可能です。
比較画像
本家タカトミ版と。まずはボーン形態で。
HMM版では眼球パーツは組み込み式なので、本家のほうも取り付けた状態にしています。
成型色は黒からグレーになり、アニメのイメージに近いものになっています。
やはり一回りほど大きくなっている印象ですが、頭部はむしろわずかに小さく、胴体、四肢、尻尾などは延長されています。
若干固く縮こまっている姿勢から、いい感じに力が抜けて全身が伸びた、という感じですかね。
外装を付けて。
ボーン形態は雰囲気的にはそれほど変わらない印象でしたが、さすがに外装、武装類を装着すると、HMM版はやはりHMMだと感じさせるスタイリッシュな姿になっています。
装甲は全体にシャープな造形になり、サイズやバランスにもかなりアレンジが加えられていますね。
とくに目を惹くのが、大型化されたツインドファングと鼻面が短く調整されたお顔。
本家も格好いいと思ってたけど、HMM版では精悍さが一段と増しました。
ブラスト形態でも。
これはもう、迫力が雲泥の差です。
ただ、地味にエレキジェネレーターは本家のほうが大きいんですね。
HMM ワイルドライガーと。ボーン形態で。
変更点は前歯、肩の装甲パーツ(なぜかここだけはボーン形態で先に付けるんですね、HMM)、四肢の爪(足)と尻尾先端、ゾイドコアユニット。
もうちょっと細かい部分でHMM的アレンジを加えて新規パーツを組み込んできたりするかも? とも思いましたが、なかった・・
外装を付けて。
主にブラストユニットのボリューム差のためにタイガーのほうがかなり大柄に見えます。
本家ではそこまで両者のボリューム差というものは感じなかった(というか、本家はライガーの頭のでかさばかりが気になったww)んですが、それだけ今回のHMM ファングタイガーのブラストユニット・・というかツインドファングが大型化しているということでしょう。
ライオンモチーフとトラモチーフとでは、むしろ逆のパターンのほうが多い気がするので、わりと珍しい感覚。
ブラスト形態でも。
得物のサイズ差が・・
3本だけど2本に勝てる気しないな。
ちなみにブラストユニットだけで並べて見ると、
まぁ、ブレード部分の長さはほぼ一緒なんですが、どう見てもタイガーのほうが攻撃力高いよね。
本家では同価格だったのに、HMMではタイガーのほうが500円もアップしているのはなんでか? とも思いましたが、このユニットのボリューム差を見れば納得。
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