MG ガンダムMkーⅤ レビュー

 今回のレビューは、1/100スケール マスターグレードモデル より、

“MG ガンダムMkーⅤ” です。


 今なお刊行されている模型雑誌 “月刊モデルグラフィックス” 誌上にて展開された企画、“ガンダム・センチネル” に登場する、準サイコミュ搭載の試作型モビルスーツ、

“ORXー013 ガンダムMkーⅤ” が、

プレミアムバンダイ限定、完全新規型のマスタグレードモデルとして初のガンプラキット化となりました。


 そもそもは “GーⅤ” という名称で、“機動戦士ガンダムZZ” に登場する連邦系の機体としてデザインされていたらしいガンダムMkーⅤ。

 それが途中からネオジオン側の機体に設定が変更され、頭部デザインなどを描き直した結果生まれたのが “ドーベン・ウルフ” 。

 その後、ガンダム・センチネルにおいてそのドーベン・ウルフの原型ということで日の目を見る機会を得たものの、悪役となったことで頭部のデザインがより凶悪な感じに変更され、今のかたちに。

 ちなみに、当初の頭部デザインはクイン・マンサに流用されたそうです。

 かねてより人気の高い機体で、ガンプラ化を望む声は大きかったはず。

 UC特需でドーベン・ウルフがHGUCでキット化され、その後も系列機がいくつか発売されていたので、てっきりその流用でHGUCで発売されると思っていたところに、まさかの完全新規でのMG化・・

 まぁ、数年前からSガンダムのバージョンアップやディープストライカー、FAZZ Ver.Kaの発売など、足場を固めるような雰囲気はありましたが。

 プレバン限定のMGで完全新規となると、先頃プロジェクトが折り返しに入ったF90以来ですかね。

 今回もパッケージおよび説明書はカラーで機体解説も書かれており、商品仕様としては一般販売品となんら変わりありません。

 しかしながら、もはやガンプラに関してはプレバン限定よりも一般販売品のほうが入手が困難という状況なので、確実に入手したいものについてはむしろプレバン限定にしてもらうほうがありがたいような気さえしてきました(いかんな・・)。

 それでも、最近は1次は瞬殺。翌日、あるいはその日のうちに2次受注が始まるということも増えてきました。

 もはや端から1次は見送って2次、3次が本命という感じです。

 こういう状況、いつまで続くのかな・・


 レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールと水転写式デカールでの仕上げです。


 まずガンダムMkーⅤについてざっくりと整理しておきましょう。

 サイコガンダムの小型化を目指した機体で、MKーⅤとはありますがその設計思想にいわゆる本流のガンダムシリーズとの関連はありません。

 型式のアルファベットが共通しているガンダムMkーⅣは同じオーガスタ研究所で開発されており、MkーⅤも装備するインコムはMkーⅣで導入された技術の発展形・・という後付けの設定があるようです。

 ティターンズの主導で開発されていたところ、完成前にティターンズがエゥーゴに敗北。しかしその後、エゥーゴの下で開発は続けられ、結果3機が完成したとされます。

 そのうち1機はローレン・ナカモト(Zガンダムでゲーツと一緒にバウンド・ドッグに乗ってた科学者。Z劇中ではゲーツと一緒に死亡したような雰囲気でしたが、センチネルでは生存したことになっています)によってアクシズに贈られて先にも言ったようにドーベン・ウルフの原型機に。

 もう1機はティターンズ残党のニューディサイズ(ND)討伐任務に向かうエイノー艦隊に配備されたものの、艦隊がまるごとNDに寝返り、MkーⅤはND首領のブレイブ・コッドの専用機となってしまいます。

 その際、もともとグレーだった外装がNDのカラーであるブルー系に塗り替えられました。

 今回のキットはそのブレイブ機仕様で、一般的(?)にガンダムMkーⅤというとこのカラーの機体を指すと思っていいでしょう。

 あれ? 最後の1機てどうなったの?

 全高25mの大型機なので、1/100スケールでの存在感は圧巻の一言。

 久しぶりにこんなでかいMG組んだなぁ・・

 でかいHGならわりと最近も組みましたが、さすがMG、密度感が全然違う。

 準サイコミュ搭載が前提ということもあり、機体構造はかなり独特で、名前を拝借したガンダムタイプはもちろん、それ以外の連邦系、あるいはジオン系ともほとんど共通点が見られません。

 ちなみに、ここから改良を加えて完成したドーベン・ウルフは第4世代MSに分類されますが、MKーVはどうなるんだろう? 

 内蔵式メガ粒子砲を装備してないから、でかい第2世代機ということでいいんだろうか?

 どちらかといえば曲線の多いデザインはジオン系の技術が多く採用されているような気がしますが、連邦でもエリート意識が強いはずのティターンズが、なんでMSのデザインに関しては意外なほど寛容なのか?(笑)

 ぶっちゃけ、制作側の都合ですよね。角張ってツインアイは味方、丸っこいモノアイ(一つ目)は敵、みたいなわかりやすさが必要だったんでしょう。

 もともとのデザインがけっこう細かいディティールのあるものだったと思うので、MG化にあたって大きくアレンジが加わったという印象はありません。

 でかいぶん各部の面積が広めなので、むしろあっさりねという気もします。

 色分けはさすがに細かく、腰部アーマーや脛外装、爪先の白までもパーツ分割で再現。

 スラスターの内部もグレーのままっぽいので、部分塗装も必要ない感じです。


 そしてやはりMGなので、おおよその外装を付けない、ほぼフレームだけの状態で組むことも可能です。

 特徴的なドラム状の腹部やポッド型のコクピット、トラス状の脛フレームなどが再現されています。

 腰部サイドアーマーもフレームと外装の2重構造です。

 あ、膝間接の丸型パーツ付け忘れている・・

 いわゆるKPSにポリキャップを合わせた構造ですが、けっこうしっかりしており、少なくとも早急に間接がへたるようなことはなさそう。

 なお、画像は完成後に外装を外したのではなく、説明書の手順を無視してとりあえずフレームだけで組めるところまで組んで繋いでみた状態です。

 僕は、MGの場合はだいたいまずこういう状態にして、あとから外装を組み付けていくという組み方をします(笑)。

 

 それでは再び完成状態で、各部をピックアップ。

頭部

 初期案より悪役面に変更したという頭部。

 前後に長い独特の面構え。

 ツインアイにV字アンテナがあるから辛うじてガンダムっぽく見えますが、シルエットだけならジオン系の顔付きにも思えます。

 アンテナにしても左右が独立しているので、厳密にはV字ではありません。

 で、そのアンテナ、軸接続なので多少の角度変更も可能になっています。

 なお、ランナー都合で予備のアンテナが一組付いてきますので、万が一破損してもとりあえずは安心。

 こめかみのダクトもパーツで色分け。

 ツインアイやトサカ前後野上らが無色クリアパーツの上からシールを貼る仕様です。


上半身

 真正面に大型のダクト(?)が複数レイアウトされている、かなり特徴的な部分です。

 コクピットハッチは開閉。内部にはもちろんパイロットのフィギュアも。


 可動は前後・・とくに前向きにはかなり深く曲げることができます。

 一方で左右に捻ることはほぼできません。

 バックパックは胸の後ろではなく腹部の後ろ(脊髄?)に接続されてるんですね。これも珍しいと思う。


 肩間接は引き出し可能。

 肩アーマーはダクト部分が開くことで後述のミサイルポッド取り付け用のジョイントが露出します。

 腰部フロントアーマーは1対のアームで接続されており、大きく可動させることができます。

 本体側のアームの接続部はボールジョイントなので、多少捻ることも可能です。


背面

 バックパックから伸びるスカート状のスラスターも跳ね上げることが可能。

 お尻にはアクションベース用のジョイントパーツが取り付けられます。

 かなりキツめで一度付けると外すのが少々厄介・・


脚部

 脚部脛側面のスラスターは基部ごと上下にスイング可能。

 また、スラスター自体が若干ですが外向きに開くようになっています。

 間の円形スラスターもボールジョイントでわずかに可動します。


 左前面のDの文字は水転写式デカールで再現。

 今回貼った唯一のデカールです。


武装類

ビームライフル

 専用に開発されたビームライフルですが、エイノー艦艇への配備には間に合わず、実際にはゼク・アインのライフルを使用したそうです。

 銃持ち手で保持。持ち手側のダボをグリップの穴にはめ込んで固定する方式でしっかり保持できます。

 デザインこそ特徴がありますが、とくにギミックはなし。

 各所のセンサー部分はやはり無色クリアパーツの上からシールを貼る仕様です。


ビームカノン(ビームサーベル)

 バックパック左右に1門ずつを装備。

 使用の際は基部ユニットごと(左右独立して)可動し、脇に砲身を抱えるようなかたちで射撃します。

 いや、動かすにしても、普通に肩の肩越しでいいんじゃ・・

 キットでももちろん一連の動作を再現できますが、

一旦砲身を横向きに開いたりと、わりと手順が面倒です。


 なお、砲身は取り外すことでビームサベルとしても使用可能。

 ZZガンダムのハイパービームサーベル並の太さがあり、専用の持ち手で保持します。

 ライフル同様ダボでしっかり固定可能。

 サーベル刃はMG ZZやHGUC デンドロビウムに付属したものと同じかな?

 ちなみにハンドパーツは、可動式する親指以外の4指を先述のライフル持ち手、サーベル持ち手、平手の3種に交換可能なものと握り手固定の2種類が左右それぞれ付属します。


シールド

 これまた特徴的な形状のシールド。

 通常は左前腕に装備しますが、ブースターが内臓されており、バックパックにマウントすることも可能と、TRシリーズのシールドブースターにも通じるものがあります。

 前腕、バックパックともに共通のスライド式のジョイントでしっかり固定できます。


インコム

 準サイコミュによって制御される有線式のビーム砲。

 ビームカノン基部に1基ずつ装備。

 ラッチがスライド可動し、インコムを取り外すことができます。

 ワイヤーはリード線で再現。

 ジオングやハンマ・ハンマの有線ビーム砲は曲線的な動きができましたが、インコムはワイヤーが直線的に伸び、途中でリール状の装置(リレーインコム?)で角度を変えることでカクカクしながら伸びていく・・というイメージですね。

 キットでもリール状パーツが2つずつ、計4つ付属します。

 スタンドなどは付属せず、リード線の保持力のみで支えることになりますが、切らずにそのままの長さで取り付けるとへたります。


ミサイルポッド

 インコムのシステムに障害が出たために、急遽増設された補助装備・・のはずですが、先のように肩アーマーすでにこれを装着するための機構があるというのは・・?

 ともあれ、3連装のポッドを左右それぞれ2基ずつ装備。

 ハッチは開閉可能で、ポッド自体の角度変更も可能です。

 ミサイル弾頭ももちろん色分けされていますが、取り外しはできません。


比較画像

 ライバル機となるExーSガンダムと。

 ExーSのほうは2003年に発売された初期型MG(?)ですが、そうか、もう18年も前のキットなのか・・

 引っ張り出してきたのも10年以上ぶりだと思います。

 間接とかヘロヘロになってるんじゃないかと少し不安だったんですが、フレームはABS製で要所要所はビス留めされており、むしろ動かすのが怖いくらいにギッチギチでした。

 なお、変形時に使うジョイントを一つ折ってしまいました・・

 自立はほぼ不可能なので、付属の専用スタンドを使用しています。

 MkーⅤのほうもアクションベースを使っておおよそ高さを合わせてみましたが、全高は同程度ですね。

 ExーSがプロペラントタンクのぶんボリュームがあるように見えますが、どちらもでかいです。

 ちなみに価格は同じ。

 まぁ、今Ex-Sを同じ仕様で出したら1万超えそうですけどね。


 インコム比較。

 Ex-Sは頭部に小型のものを1機、膝アーマーに大型の円筒形のものを左右に1基ずつ、計3基装備しています。ワイヤーは付属しませんでした。

 形状的にはExーSの頭部インコムと今回のMkーVのインコムは同じ円形ベースですが、大きさがかなり違います。

 なお、インコムシステムを示す同じデザインのデカールがMkーVにも付属しているのですが、貼り忘れました・・


 大きさ比較。

 標準的な第2世代機代表としてガンダムNTー1 アレックス(向かって左)と、第5世代機代表、ガンダムF90(右)と。

 全部スケール違うんじゃない? ってくらいサイズが違う・・

 MSの進化の縮図という感じです。


以下、画像

 独特のデザインではありますが、可動はとくにクセがあるということでもなく、先にも言った胸部から腹部の可動を除くと、あとは案外標準的。

 足首もよく動くので接地性はそれなりで、重心バランスも意外とよいので、自立も比較的安定します。

かなり妙な体勢ですが、辛うじて立て膝も可能。

 また、肘は前腕との接続部でわずかに左右スイング可能。手首も白いパーツが前後に若干スイングできるようになっています。


 サーベル2刀流で。

 我ながらポージングの選択肢が少ない・・

 しかし、巨大なビーム刃のおかげで迫力満点です。


 インコム射出。

 画像ではリード線を半分に切っています。

 リード線だけの保持力で鋭角な軌道を維持するのはこれが限界・・

 せっかくリールも2個ずつ付いてるのに、活かしにくいのは残念です。

 せめて汎用スタンドが使えるようにインコム自体に3㎜穴があればなぁ。

 なおこのインコム、いわゆるオールレンジ攻撃が可能な武器ですが、1射ごとに回収して再チャージが必要らしいので、決して効率のよい武器ではないですね。


 ブースターを背負って加速。

 ちょっとした改造で簡易可変機にもなりそう。

 ブースター好きだよなぁ、ティターンズ(笑)。


 前方に一斉射撃!!

 ビームカノンの砲身は先の通り、上下左右にフレキシブルに可動します。

 砲口がそのままビームサーベルのビーム刃発振口でもあるので、ビーム刃を射撃エフェクトに見立てることもできますね。


 最後に武装前盛りで。

ブレイブ「宇宙人どもめ! ひねり潰してくれるわぁっ!!」

 センチネルのストーリーをざっくり知ったのは、GジェネFだったかな? 

 ガンダムMkーVの存在もそのとき始めて知ったんだったか・・

 しかしそれよりも妙に印象に残ったのがパイロットのブレイブ・コッド。

 見ためけっこうなおっさんで、、声も玄田哲章さんだし、正直ガンダムタイプに乗るライバル(ボス?)キャラとしては異色だったなぁ・・と。

 で、その後随分経ってから彼の年齢が39歳だということを知りました。

 今となってはもはや年下・・


以上、“MG ガンダムMk-Ⅴ” でした。


  ガンダム・センチネルの存在はもちろんキットシリーズで知ってしましたし、確か小学生のときにZプラスかなにかを組んだ記憶があります。

 しかし、ストーリーやキャラクターについて知ったのは先にも言ったGジェネFをプレイしてからのことで、今回のガンダムMkーVやゼク・アインといったMSもそのときに初めて知ったくらいで、ガンダムシリーズにはまだまだこんなにもわけのわからん(笑)MSがいるのか、と驚いたものです。

 というか、GジェネFはすごかったよね、あれ。

 たしかその発売後すぐくらいでしたよね、HGUCでSガンダムやゼク・アインが発売されたの。

 まぁ、その後は続かなかったわけですが・・

 今回のガンダムMkーⅤもね、まさかいきなりMG化されるとは思いませんでしたね。

 てっきり出すならHGUCかと思ってましたが、でもよくよく見ると外装に共通するところほとんどないですし、逆にHGUCだと大変だったのかもしれませんね。

 その点、フレーム構造が基本のMGなら流用もしやすいし・・

 というわけで、完全新規の大型MGキットとなったガンダムMkーⅤ。

 フレームからしてかなり特徴的で目新しい部分も多く、それいてさくさくと組みやすい構成はさすがのバンダイクオリティをあらためて感じるものがありました。

 正直、KPS素材での大型キットはREハンマ・ハンマやヤクト・ドーガの例があるので不安もあったのですが、杞憂だったようです。

 間接保持力は申し分なし。スタンドなしでもしっかり自立してくれました。

 ポロリするようなところもほぼなく、各武装の保持も安定。少し残念に思ったのは、インコム展開時のサポートがないくらい。

 成型色での色分けもほぼ完璧ですし、普通に新作MGとして非常によい出来のキットになっていました。

 これが限定かぁ・・

 ていうか、一般でも絶対売れるでしょ、これは。むしろ今の状況ならなおのこと(皮肉ww)。


 さて、今後は先にも言ったフレームの流用でMG ドーベン・ウルフ、MG シルヴァ・バレトも当然予定されていることでしょう。

 HGUCと同じ流れならウルフが2種、バレトがサプレッサーも加えて4種ですか? 

 うん、さすがにちょっと付き合えませんね(笑)。

 ノーマルのド-ベン・ウルフだけは欲しいけど、あとは出てもスルーだなぁ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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