今回のレビューは、1/24スケール ヘキサギア より、
“ハイトレーガー” です。
コトブキヤのオリジナルコンテンツとなるキットブロックシリーズ、
“ヘキサギア” より、
全領域対応型の多脚車輌型第2世代ヘキサギア、
“ハイトレーガー” が発売されました。
前回の大型戦闘ヘリ型、スティールレインに続き、またいいところを突いてくるデザインですね。
小さな胴体に複数の細長い脚。虫やカニのような雰囲気もあるポリポッド型の戦闘マシン。
SF作品ではけっこう定番のデザイン・・どちらかというとレトロなデザインという感じなんでしょうかね?
個人的にパッと思いつくのは、パトレイバーに登場し、イングラム初陣の相手となったクラブマンハイレッグとか。あれは3脚でしたか。
脚が短い、より虫っぽいデザインとしては、攻殻機動隊のタチコマなんもありますね。
第3世代型ヘキサギアのアビスクローラーはそっちの系譜かな。
今回のハイトレーガーは、クラブマンハイレッグ寄り。
脚部展開時は、搭乗者(ガバナー)はかなり高い位置にある操縦席から見下ろす格好になります。
とはいえ、そこはヘキサギア。ただの多脚型マシンではなく、脚をたたんで非常に薄く平たい通常(ではないかも)車輌形態に変形可能というギミックを搭載しています。
バルクアームの派生機からこっち、すっかり大判サイズの箱が定番化しつつあるヘキサギア。
ただ、今回も箱のサイズならびにお値段に見合ったボリューム満点のキットとなっています。
では、レビューしていきます。
キットは素組みです。
とその前に、機体の概要を私見も含めて(笑)さらっと。
傑作第2世代ヘキサギアといわれるスケアクロウのパーツを流用し、積載、運搬能力に特化した車輌型の機体として開発されたハイトレーガー。
あくまで兵站などの後方支援を主とする機体のようで、デフォルトでは一切武装されていません。
なので、戦闘用の軍用車両というよりは、どちらかというと重機的な雰囲気が強いのかも知れません。そのへんはやはりスケアクロウと同じですね。
平地走行用のフラットモードから、脚部を展開しての不整地の歩行、走行が可能なポリポッドモードへの変形が可能ですが、これはいわゆるシステムコンバートというほどのものではないようです。
フラットモード
操縦席のある胴体ユニットから、前後左右に計4本の共通フレームからなる脚部を備えているのが、ハイトレーガーの基本構造。
フラットモードは折りたたんだ前脚と後脚を外装を介して連結し、その名の通り地面に対して水平にした状態になり、一応これが基本形態ということのようです。
長いです。そしてその名の通り平たい。
脚部外装の位置は立っている男性型ガバナーの胸辺りになります。
前脚の先端にはタイヤ(2輪1対)後ろにはクローラー(こちらも1対ずつ)が備わっており、それらを使って走行します。
ただ、タイヤは一応回転します(転がりましません)が、クローラーは履帯部分が繋がっている(パーツ自体は4分割)ので、ワイルドクローラーのように実際に動かすことはできません。
それぞれの基部は回転します。
胴体ユニットの前面や後脚先端になるライトなどはオレンジとレッドのクリアパーツで再現されています。
胴体ユニット(コクピットブロック)
操縦席には、前面カバーの裏側に可動式のグリップが1対とモニタを装備。
モニタの画面もクリアオレンジのパーツです。
さらに足下には左右に幅の違う2種のフットペダルが計4つあり、それぞれ角度の変更も可能です。
オープントップタイプなので、ガバナーの搭乗は比較的楽。
ただ、背もたれに固定用の軸などはありません。
前面カバーと背もたれを閉じることで無人モードにもなります。
上面のターレット(円形部分)には後述のアタッチメントを取り付けることでほかのヘキサギアなどを簡単にドッキングさせることができます。
また、背もたれには多数の間接を要するサブアームを1対装備。
先端のマニピュレーターも外側の2本の爪が独立して可動し、バルクアーム用の武装など、大き過ぎないものなら保持も可能。
脚部
4本の脚部はメインとなるフレーム構造は共通ですが、先にも言ったように先端部分の走行装置に違いがあります。
また、フレーム内のスペースの使い方も前後で違っていて、前脚はその部分にサブアームを装備。
先端のマニピュレーターのほか、一部パーツは背もたれのアームと共通ですが、あちらほど柔軟には動かず、リーチもほどほどです。
後脚の同じ部分はそのまま収納スペースになっており、
デフォルトでは開閉可能なカバーの裏に専用のマウントパーツを介して付属のアンチマテリアルライフルの分解収納が可能です。
こちらが左後脚のカバー裏。
グリップとストックを収納。
で、こちらが右のカバー裏です。
内部はこのようにまだ少しスペースがあるので、小物の収納も可能です。
外装および走行装置を外した脚部メインフレームは、下のような構造です。
ここから、
後述のポリポッドモードではここまでフレームが展開します。
このフレームの一部や、サブアームの先端マニピュレーターなどがスケアクロウからの流用パーツになります。
また、いろいろ組み換えをしていたときに気が付いた(最初から気付けww)のですが、H11とG13(どちらか一方でも可)を組み込まないことでH7の可動部(青丸)が活きるようになる・・
説明書通りに組み立てても、接続を外して可動させることは不可能ではないですが、外すことはできてもまたはめて固定するのは難しく、そもそも破損の危険があるのでやめたほうがいいと思います。
まぁ、どのみちパーツ同士が干渉するのであまりやらないほうがいいのかも・・
組み立て式アンチマテリアルライフル
今回付属する唯一の武装ですが、ハイトレーガーの固定武装ではなく、あくまでガバナー用の携行火器となります。
非使用時は先にも言ったように分解し、ハイトレーガーの左右後脚のスペースに分けて収納が可能。
収納時は4分割にしますが、
組み立てた全長は、男性型ガバナーの身長の2倍近いです。
なお、使用に際しては背もたれのサブアームで保持し、搭乗するガバナーがグリップを握って射撃することになるのでしょうが・・
イマイチ位置取りが決まりません。
サブアーム先端のマニピュレーター、回転はするのですが、いわゆる手首部分が6角軸での固定なので、微調整ができない感じ。
パーツの形状もあって角度の変更もできませんしね。
ポリポッドモード
前後の脚部の連結を解除し、さらにそれぞれのフレームを展開して胴体ユニットを高く持ち上げた4脚モード。
脚部先端はアウトリガー(という呼びかたでいいのかな?)を展開することで、しっかりと接地が可能です。
おそらくはこの状態で歩行も可能なのだと思います。
変形は、それぞれの脚部を展開するだけの非常にシンプルなものなのですが、付け根の関節が、胴体ユニット側の接続4角、さらに関節自体の接続が6角軸になっているため、
それぞれ回転させることができず、このポリポッドモードでは一旦関節部分で取りを外し、角度を変えて再接続する必要があります。
普通に10㎜の丸軸での接続にすれば完全変形も可能だったろうに、ポリポッドモードでの保持力確保のためなのかなぁ。
まぁ、姿勢を維持できてナンボの機体という感じですし、今回の判断はよかったのではないかと思います。
なお、脚部メインフレームの各可動部もかなりキツめになっています。
前後の脚の先端はこのように。
基部が回転することもあり、しっかり接地できています。
微妙な高さの調節も、フレームが3箇所で可動するので問題ありません。
ポリポッドクローラーモード
前後の脚部先端基部を180度回転させ、アウトリガーに代えてタイヤとクローラーを接地させた状態。
歩行ではなく走行するためのモードですね。
フラットモードでは走行困難な不整地でも、ある程度の高速移動が可能と思われます。
もちろん、タイヤ、クローラーともにしっかり接地できます。
先に言った、無人モードにした胴体ユニットの上部ターレットに取り付けてほかのヘキサギアなどを簡単にドッキングさせるための拡張パーツです。
これが意外な優れもので、角度の違う6角穴同士を正中線を揃えて接続でき、かつ回転させることもできるのです。
今まで断念していた、あるいは複数のジョイントを組み合わせてやっていたことがかなり手軽にできるようになる画期的なジョイントなのですが、生憎と1組しか付いてこない・・
これ、もっと欲しいんですが・・
気を取り直して、説明書や公式画像で紹介されている組み合わせ例柄をば。
+スティールレイン
もうそのまま、ハイトレーガーにスティールレインを乗せただけですな。
ハイトレーガーはこのままポリポッドモードにすることもできますが、スティールレインのほうは当然ヒューマノイドモードへの変形はできません。
+バルクアーム
説明書最後の画像では下半身も載せていましたが、とりあえず上半身だけで、ハイトレーガーはポリポッドモードにしています。
いとも簡単に多脚バルクの完成です。
比較画像
まずは車輌比較ということで、フォレストバギー、クロスレイダー(フォレストカラー)と。
ハイトレーガーの存在感・・隣のバギーも大概でかいですが、やはりそのフォルムの特殊さもあって威圧感があります。
攻撃能力はないのにね。
一方で、クロスレイダー含め、搭乗者の目線はだいたい同じ高さで揃ってる感じですね。
いいツーショットです。
ただ並べてるだけなのに、いろいろな想像ができますね。
ハイトレーガーをポリポッドモードにして。
ハイトレーガーの膨張率が凄まじいので、バルクがすごく小さく見えます。
全長は似たようなものです。先ほどのドッキング時のバランス感もよかったですし、端から組み合わせることが前提でデザインされてるんでしょうね。
それぞれ変形させて。
さすがにスティールレインの巨体には敵わない感じか・・
でも、さっきのドッキング状態から上下に分離し、さらにそれぞれこんな形に変形したら、初見の敵は間違いなく腰を抜かすでしょうね。
といってもこの形態ではせいぜい走行装置が可動するくらいなので、ちょっと武装してみました。
公式ショップで購入すると外装と同じダークグリーン成型のM.S.G.グレイブアームズが特典として付属したのですが、僕は量販店で購入したので、単品のグレイブアームズを別途購入して取り付けました。
2個付けましたよ。
遠距離砲撃支援仕様、ですね。射撃時はアウトリガーを接地させ、車体を固定します。
積載運搬に特化といいながら、本体には積載スペースがほぼないので、ブロックベースのパネルを使って荷台を繋げてみました。
バギーで通りかかった女性ガバナーを冷やかす男性ガバナー。
アンチマテリアルライフルをギターにでも見立ててるんでしょうね。
たぶん無視されますね(笑)。
ポリポッドモードで。
このスタイル、これまでのコトブキヤキットではありがちだった脚部のへたれが心配されましたが、先にも言ったように付け根の関節は半固定ですし、メインフレームの各可動もかなりキツめなので、保持力は抜群。
画像のように、脚1本を振り上げたとしても、残りの3本の脚でしっかり安定して自立してくれます。
脚部を真っ直ぐ伸ばすことで、さらに操縦席を高くすることも。
これをベースにキリン型ヘキサギアとか作るのも面白そうだな。
クローラーモードにして。
走行しながらアンチマテリアルライフルを取り出し、組み立て、射撃・・というイメージ。
まぁ、サブアームを使ってパーツを取り出すまではできそうだけど、さすがに組み立てるのは無理かな?
さて、それではお待ちかね(?)の組み換えタイム。
前回、スティールレインではあっさり1パターンだけだったので、今回はいろいろやってみました。
無人小型戦車
小型といってもバギーくらいのボリュームはあります。
とくに無人にするつもりはなかったんですが、砲塔を載っけたら必然的に搭乗スペースがなくなってしまいました・・
前脚は外し、後脚を位置はそのまま、180向きを変えることで全長を縮めたのがポイントですね。
M.S.G.リボルビングバスターキャノンを使った砲塔は旋回はできませんが、仰角変更は可能です。
ちょうと砲身が通せるサイズの穴が空いていたマルチポッドの外壁パーツをシールドにしたら、顔みたいで可愛いという反応も(笑)。
無人迎撃機
図らずもまた無人機になりましたが・・
脚部の先にガンプラMG ポリポッドボールの脚部を付け足して延長してみました。
取り付けはポリポッドボール側の基部の穴に六角軸を通すというかたちで、さすがに爪先立ちで安定しての自立はできませんでした。
頭部と武装はスティールレインから拝借。
イメージとしては、放棄された軍事基地をいまだに守っている旧式のガードロボ。その細い脚が弱点です。
一応、後方および下方へも機銃で攻撃可能です。
三段変形機
バルクアーム、スティールレイン、ハイトレーガーが揃ったらやってみたかった、ロボットから車、ジェット機へと変形する三段変形機、なんですが・・
ロボットモード
うん、スティールレイン味が強い。
まぁまぁ、綺麗にまとまってはいると思うんですけどね。
一応、それぞれの後ろ姿にもそれなりにこだわりがあります。
ブースターパック005が出たら再挑戦かな?
双腕重機
脚部メインフレームの可動を活かしたいというのと、ワイルドクローラーの履帯を使いたいということで、必然的にできたかたち。
後部のパイルバンカーもポイントですね。
移動時は双腕を収納し、パイルバンカーも上部に移動させます。
四腕多機能重機
双腕重機の発展型。
腕を倍に増やし、操縦席もバルクのコクピットブロックに換装しました。
前方の腕はグラップルアームのまま、オプションとしてサブアームの一方は溶断カッターに交換しています。
操縦席を180度旋回して後方のアーム展開。
後方のアーム先端には大型ドリルとチェーンソーを装備。
破砕、解体に力を発揮し、生じた瓦礫は下部に取り付けたドーザーブレードで押しやることもできます。
もちろんそれぞれのアームは収納、ドーザーブレードも起こすことでコンパクトな駐機形態にも。
外装はないほうが重機っぽい気がしたので、ほぼ全部外してみましたが・・やっぱ少しはあったほうがよかったかな?
以上、“ヘキサギア ハイトレーガー” でした。
空、陸と来て・・今度は海かな?
旧日本軍の内火艇みたいな水陸両用のヘキサギアとか、いいよね。
とまぁ、そんな妄想も膨らむ今日この頃であります。
僕自身はどちらかというと第3世代派だと思っていたんですが、今回のハイトレーガーやそのベース機でもあるスケアクロウ、そして前回スティールレインと一緒に紹介したアーミーコンテナセットなど、戦場の向こう側が見えるアイテムのリリースが充実してくると、やっぱ第2世代もいいな・・とあらためて思いますね。
さてそんな(どんな?)ハイトレーガー、キットとしては前回のスティールレインと較べてパーツ数も多く、作り応えがありました。
ただ、同じ構造のユニットを複数組む作業が多いので、それほど大変ということはなかったです。
やっぱり、最初の頃と較べると明らかに作り易くなってるよなぁ。
フラットモードからポリポッドモードへの変形、バルクやスティールレインなどと簡単にドッキングできる拡張性など、説明書の通り組んでも十分楽しめるキットですが、多数の間接を持つメインフレームにタイヤ、クローラーなど、ユニット単位はもちろん、1個1個バラした状態でも組み換えに有用と思われるパーツが多く、素材としても非常に優秀なキットになっています。
さすがはスケアクロウの系譜。
もっとも、そのポテンシャルのすべてを引き出すことは、僕にはまだできていません・・というか、たぶんできない(笑)。
さて、バルクアームαの密林戦仕様以降、フォレストバギー(ブースターパック003)、クロスレイダーのフォレストカラー、スティールレインに、そして今回のハイトレーガー、さらに今後発売されるスケアクロウのフォレストカラーに、ブースターパック005・・今やヘキサギアの一大勢力となったダークグリーン外装の機体群。
一方のデザートカラーもバルクアームの最新バリエーション、ラウドゲイルに採用されているようですし、ブースターパック005はバギーと同じく2色同時発売なので、こちらも順調に数が揃っていく様子です。
しかしこうなると、最初に発売されたダークブルーのバルク一般機の立つ瀬がないですが・・
なんにせよ、同色で揃えてくれるのは塗装までは滅多にしないほぼ組み換えオンリーの人間にとってはありがたいことです。
メガミはカラバリは買わないと心に決めてるけど、ヘキサギアはなんだかんだで全種全色買ってますからねぇ・・
裸のおっさん以外ですが(笑)。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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