今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、
“ZW 43 ゼロファントス” です。
“ZOIDS ゾイドワイルド” より、
謎の第三勢力ゾイド、
“M型 ゾウ種 ゼロファントス” が登場しました。
これまでのゾイドとは雰囲気が違う!? というような煽り文句でいきなり登場したゼロファントス。
発表直後は僕もいろいろと妄想してしまいましたが、結局のところはこれまでのワイルドシリーズゾイドのようなボーンフレームを持たない、言ってしまえば第2期までのゾイド(バイオゾイドを除く)に近い構造になっているというだけのことでした。
ちょっと期待し過ぎたかな。
ゾイドシリーズとほぼ同い年で、幼少期からずっと付き合いのある身としては、もちろん新鮮味はないですし、一方のワイルドシリーズで初めてゾイドを知った今の子供たちにしても、ボーン復元からの外装武装装着という一連の流がなくなったことに物足りなさを感じたりはしないかと心配になります。
僕はあまり設定を深掘りするほうではないのですが、アニメでも旧シリーズとの繋がりを臭わせている部分もあり、その流れで構造的にも旧シリーズに似たゾイドを登場せてきた、ということなのでしょうが・・すべてはアニメの中でおいおい語られていくのだと思います。
少なくともこのゼロファントスのキットの解説文には、“人類未到の地下神殿から突如出現した謎のゾイド” ということしか書かれていません。
人類未到の場所から現れたのに、普通にライダー乗ってるしね。
そのライダーは、古代ゾイド人の生き残りの地底人かなにかですかね?
それにしても、今さらワイルドシリーズと第2期までの旧シリーズを繋げる必要があるのかなぁ?
もはや僕は、旧シリーズとワイルドシリーズの関係を、ガンダムでいうところの宇宙世紀とアナザーみたいなものだと思っている部分もあったので、旧シリーズへのオマージュは大歓迎ですが、直接結びつけるのはなぁ・・
そもそもキットのスケールが旧シリーズは1/72、ワイルドシリーズが1/35なので同じ土俵で遊べませんし。
せめてワイルドシリーズが24ゾイドと並べられる1/24スケールだったならまだしも。
そういう意味でも、古参ファンへの配慮だとしたら微妙なところですし、逆に現在のメインターゲットからしたらシリーズコンセプトの崩壊ともとれるわけで、果たしてどういう評価になるのか・・
まぁ、今後サードシリーズがあると仮定して、ボーンフレームの全面廃止ということにはならないとは思いますが。
モノの出来以前の問題で、ちょっとモヤモヤします。
では、レビューしてきます。
ブラストユニット
今回はモーターユニットのほかにブラストギミック用の組み立て済みのユニットが2つ付属します。
スリングボム(後述)の装填ユニットですね。
これら2つで1組の装置となります。
なお、形状的にもギミック的にもゼロファントス専用となっているので、ほかのゾイドに流用はできません。
復元途中状態
先にも言ったように、このゼロファントスにはボーンフレームはなく、脚部などは端から装甲と一体化したパーツになっています。
ただ、ブラストユニットと頭部パーツを組み込む前段階が、ちょっと面白かったので画像を載せておきます。
一見頭蓋骨のようなパーツは、実際には鼻を動かすためのパーツで、そもそもゾウの頭蓋骨とはまったく形状も違うんですけどね。
なんとも気色悪くも可愛らしい、妙な見てくれです。めっちゃ受け口だし。
モンスターバースシリーズとかに出てきそうですね。
この状態に頭部外装をでってあげれば、クマ種とか、別のモチーフのゾイドにも比較的簡単に改造できそうです。
なお、胴体の外装と前後の脚の連動パーツにはキャノンブルのボーンパーツが流用されています。
成型色こそほかの外装パーツと同じ紫がかったグレーになってはいますが、普通に脇腹に肋骨っぽいディティールがあるのは釈然としない・・
連動パーツには3㎜穴もあるんだから、せめてそこにダクトっぽいパーツを足すとかすればよかったのに・・
復元完了
・・という表現はをこのゾイドに使うのは正しいのだろうか?
まぁ、公式ページの商品紹介でも “ボーンフレームがない” と言いながら、次の段で “ボーンパーツとアーマーパーツを組み立てて復元!” と言ってる(要はこれまでと同じフォーマット)し、細かいことを気にしたら負けなのかな。
ゾウです。
ギミックの都合で頭部のデザインが少々歪ではありますが、まぁゾウです。
そこはマンモスじゃないのかよ! とは思いましたが、結局恐竜モチーフ以外でいわゆる古生物の名前を使ったのはガノンタスのプロガノケリスとガブリゲーターのサルコスクスくらいでしたね。
こんなことならあいつらも普通にカメ種、ワニ種でよかったのに・・
さてゼロファントス、名前は最初期の小型ゾイド、エレファンタスからもらってきたもののような気がしますし、サイズ的にはこれまた初期の大型ゾイドマンモスとまではいかないまでも、第2期で発売されたエレファンダーを思い出しますが、デザインなど、雰囲気が一番近いのはツインホーンですかね。
M型ではありますが、太めの四肢に背中のブラストユニットも加わり、重量感はけっこうなものでし。
その四肢ですが、最初に公開された画像(パッケージ画像)では、内側も外側と同じディティールにあんてちたので、左右貼り合わせのパーツになるのかと思いきや、普通に1パーツ成型で内側はがっつり肉抜きされてました。
パッケージマジックでしたね・・
耳(イヤーシールド)や脚部に走る紫色のラインは塗装で再現されています。
このラインはリアクターラインと呼ばれ、内部には毒液バイオアシッドが流動、その流れによってライン自体が明滅するそうです。
目にあたる部分は兵器ゾイドのZ-Oバイザーに似たデザインですが、こちらはアイブレインと呼ばれるものになっています。
Z-Oバイザー同様に塗装再現なうえ、今回はボーンパーツがないため実際の目のがどうなっているかもわからず、機体解説にもとくに説明がないのでどういった機能があるのかは不明・・
鼻・・パワーノーズもジョイント部分が組み立て済みです。
キバ・・A-Zアンカーファングはその名の通り先端部分を射出して、アンカーとしても使用されます。
キットではワイヤーなどは付属しませんが、先端部分を取り外すことは可能。接続は5ミリ軸なので、代わりに改造武器パーツなど取り付けることもできます。
パッケージ画像ではライダーの姿が見えなかったので、これは完全な無人機なのか? と思ったんですが、ちゃんとライダーいました。
お尻の上に、スイッチ兼用のシートに跨がっております。
流用基のキャノンブルもそうでしたが、ギミックの都合もあって首許にシートを設けられないのはわかるものの、頭上には極めてヤバイものが積まれているわけで、これはまた非常に危険な位置ですね。
まぁ、そもそもゼロファントスに乗ることが生命懸けという気もしますが。
尻尾は、ほんの気持ち程度動かすことができます。
ゼロブラスト(原始開放)形態
ワイルドブラストからのエヴォブラスト。兵器ゾイドのマシンブラストに続く第4のブラスト、ゼロブラストですが、その定義とはいったいなんなのか・・とくに説明されない気がする(笑)。
パワーノーズの第1関節(?)を曲げてロック。さらに全体を上に持ち上げて、頭頂部でロックすることで変形完了。
まぁ、変形というか鼻を上に上げただけなんですが・・鼻これ、どこから生えてるんだ?
通常形態では、一応現生のゾウ本来の位置らしきところから生えているように見えていましたが、変形後は額から生えてますよ。
そして正面からだと、見えてはいけないモノが見えている。完全に頭割れてるし・・
これはもう、ギミック再現のために妥協したと責めらても仕方がないのではなかろうか?
ボーンフレームをやめたのも、このせいで頭部の骨格再現が難しかったからではないかと邪推してしまう。
もう少し工夫すれば本来のゾウの鼻らしい可動も実現できたと思うのですが・・
ギミックのアイデア自体は、旧シリーズ含めてあまり例のない面白いもので、それこそ子供が楽しめる内容であるだけに惜しいというか、もったいない。
この形態で投擲するスリングボム。
内部にはリアクターラインを流れるバイオアシッドと同じ成分の独が満載されているのだそう。
背中のスリングボムマガジンに4つまで同時に装填することができます。
パワーノーズで1つずつ掴んでは投げ、掴んでは投げする原始開放技が “破滅爆裂段(ディゾルボム)” 。
スリングボム投擲の威力だけでも兵器ゾイドが使用する重火器相当(それってわりと普通?)なうえ、破裂したボムから広範囲に腐食性の毒がまき散らされるそうな。
グラフィティーラベル
ゼロファントスのパッケージには所属を示すエンブレムが描かれていませんが、封入されているラベルには旧シリーズのゼネバス帝国のエンブレムと古代ゾイド文字がデザインされています。
紫で描かれた帝国のエンブレムは新鮮ですが、まったく説明がないこれらのマークを見た子供たちはどうすればいいんだろうか・・?
そして、今後もとくに言及されることがない気がしないでもない。
改造計画書
まともに手に入れられていない状態で、曖昧な情報を基に考えられたプランという態。
改造武器セットと同じデザインの武器が描かれていたりもしますが、サイズが違ったりします。
改造武器セットを使って簡単カスタマイズしてみます。
まずは中距離砲撃戦仕様。
もともと重量級なので、武装盛り盛りは似合います。
続いて近距離格闘戦仕様。
アンカーファングの先端を換装し、重装甲と重量を活かした突撃仕様。
ブラスト形態にすれば、電動ギミックで鼻に付けたチェーンソーを振り下ろす動作が可能です。
電動アクション
耳と鼻を前後に動かしながら、4本の脚で前進します。
相変わらずモーターのパワーは低めで歩行はゆっくりですが、奇しくもモチーフとのベストマッチで重厚感の演出になったかと。
・・まぁ、それくらい言わないとね(笑)
ブラスト形態で。
最近買った撮影ブース内で後ろから撮りました。この角度から撮るのが一番わかりやすいかなぁ、と。
飛ばしたボムがどこまで転がっていくかもわかりませんしね。
歩きながら、頭上に振り上げた鼻で背中に積んだボムを掴んで投擲します。
根本的な動作は通常形態時と同じなのですが、鼻の位置と角度が変わったことで鼻が後ろ向きに動き⇒鼻先がボムマガジンのストッパーを推す⇒転がってきたボムが鼻先に乗る⇒鼻が前に動く反動でボムが前に飛んでいく・・という流れです。
ボムは4つまでユニットに装填できるので、とりあえずは4連射しますが、全弾投げ尽くしたあとも当然同じ動きを繰り返します。
投げたしりからボムを補充することができれば、永久機関の完成(笑)。いや、電池切れたら止まるし・・
もちろん、ボムと同じくらいのサイズのボール状のものなら投擲可能です。
さほど勢いがあるわけでもないので危険はないとは思いますが、念のため人に向けるのはやめましょう!
比較画像
旧シリーズのゾウモチーフのゾイドたちと。
ますは共和国勢で挟んで。
左が初期共和国ゾイドの雄、ゾイドマンモス。
右がすべての象型ゾイドの始祖(?)、最初期の共和国小型ゾイド、エレファンタスです。
それぞれゾイドコアボックス、メモリアルボックスの復刻版です。オリジナルはどっちも持ってなかったなぁ・・
マンモスは初の大型ゾイド、ビガザウロの流用で、ビガザウロでは首だった部分を鼻にするというアイデアが秀逸。おかげで頭部の位置がちょっとおかしいですが、これはこれで。
というか、頭部に若干のクセがあるというのは、ある意味伝統だったんだなぁ。
なんにしても今なお・・いや、今見るからこそ素晴らしい出来だと思います。
ちなみにマンモスはマンモス型ではなく重装甲型。ビガザウロは母艦型でした。
一方のエレファンタスはゾウがモチーフなのに鼻がなく、耳もゼンマイ歩行に連動して動くものの左右交互だったりと、デザイン含め発展途上感丸出しですが。可愛いからよし(笑)。
この並びだと、さすがにゼロファントスが一番ゾウらしいですね。
あと、あらためてマンモスってでかい・・
続いて、帝国勢で挟んで。
左は第2期の新型、エレファンダー。
右はシュトルヒと同時期に開発された次世代(第1期当時)小型ゾイド、ツインホーン。
エレファンダーはもちろん当時品ですが、ツインホーンは月間ゾイドグラフィックスの復刻版です。ツインホーンもオリジナルは持ってなかったんだよなぁ。
エレファンダーはパーツの組み換えで3タイプに仕様変更でき、大型ゾイドでアリながら複数の連携運用を想定しているという意味でちょっと新鮮な存在でした。
複数で襲いかかってくるというところは、今回のゼロファントスにも引き継がれている要素なのかなぁ。
画像のものは、通常仕様にオプションパーツのミサイルポッドを追加しています。
そしてツインホーン。小型ゾイドですが、なんとなくとデザインはこれが一番近いのかも。
エレファンダートゼロファンとストでは本体はほぼ同サイズですが、花の名が朝とオプションのボリュームでエレファダーの方が大型に見えます。
パーツを一部流用しているキャノンブルと。
まずはボーン形態(一方はもどきですが)で。
やはり装甲と一体化している脚部のボリュームが全然違うのでまったく違うプロポーションに見えます。
体高はほぼ同じですね。
完成形で。
本来のゾウとバッファローの体格差のイメージもありますし、ブラストユニットの形状がキャノンブルのそれが前から後ろに懸けて傾斜しているのに対し、ゼロファントスのユニットは逆なので、パッと見だとキャノンブルのほうが大きいように思います。
実際のボリューム、とくに重量はゼロファントスのほうがずっとあるんですけどね。
アニメだとゼロファントスはもっと大きく描かれるんだろうなぁ。
なお、先にも言ったようにゼロファントスのブラストユニットは専用のもので、鼻を含めて頭部パーツもユニットに組み込む関係上、他のゾイドのユニットと換装することは基本できません。
が、頭部パーツおよび鼻を内部パーツに引っかけるような格好で、少なくともキャノンブルのユニットは強引に取り付けることができました。
ただし、キャノンブルのユニットが干渉するため、スイッチがしっかり入れられず、ぐっと圧すことで一旦は歩き出しても、たいていはすぐ止まってしまいます。
まぁ、そこはスイッチの前の部分を少し削ってやれば問題ないかと。
一応、鼻も動きます。耳は動きませんが。そしてそのうち頭部パーツがずれて落ちると思います。
耳(イヤーシールド)とキバ(アンカーファング)は手動で角度変更可能。
これだけで、エレファンダーの仕様変更機っぽい雰囲気が楽しめます。
鼻(パワーノーズ)も根元付近で前方向にロックできるので、通常時もである程度の表情付けができますね。
この鼻を上げた格好が案外可愛い。
なお、ブラスト形態時二はこのように鼻をロックしておかないと、スリングボムのストッパーを押せず、ボムを掴まないまま鼻だけを振るような動きを繰り返すことになります。
そのブラスト形態で。
一応、便宜上変形と言っていますが、実際には鼻を振り上げているだけの普通の動きですよね。
これまでに発売されたワイルドシリーズのゾイドのなかで、もっとも通常形態から見ために変化がないブラスト形態となりました。
なにかもうワンポイント、それこそ耳とキバの位置変更を変形に組み込んでもよかった気がします。
以上、“ZW ゼロファントス” でした。
本当のところはどういった事情があるのかわかりませんが、ボーンフレームを廃止したキット構造、ラベルデザインなどで旧シリーズとの関連を強調し、これまでのワイルドシリーズとは異質の存在といいながら、けっきょく胴体部分にキャノンブルのボーンパーツを使っていたり、キャップの形状も兵器ゾイドのものと共通だったりと、なんとも中途半端な感じは否めません。
まぁ、ボーンフレーム構造に限界を感じている部分はあるのかもしれません。
フレームと外装を分けることで単純にコストは増えますし、そもそもこれまでのフレームと外装のバランスを鑑みれば、ゾウのような重量級の動物の再現には少なくとも脚のフレームをほぼ覆える程度の外装パーツが要るわけで、だったらもう昔みたいに一体型にして、そのぶんのコストをほかに使おう・・となったのかもしれない。
まぁ、すべて憶測です。
設定を深掘りするほうではないのですが、そこに至る過程をこんなふうに想像してしまうのは悪い癖ですね。
しかし、いわゆる大人の事情で過去の設定が言い訳のように使われているのだとしたらちょっとモヤッとしますよね。
もちろん、そんなことはないと信じていますが。
ゼロファントスも、いろいろツッコミどころはありつつも楽しいゾイドではあります。
もう変な設定考えずに、完全な人工ゾイドだってことにしておいてくれれば、とくにモヤることもなかっただろうに・・
さて、7月はゾイドの新製品発売はお休み。
そして8月、お盆前にセカンドシリーズ真のラスボス、ゼログライジスの発売となりますね。
公式発表の前に偶然ネタバレの動画を見てしまったのですが、細かいことはどうでもよくなってしまいましたね。
ただ単純に待ち遠しいです。
自分への誕生日プレゼントとしてすでに確保しております!
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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