ZW キャノンブル レビュー

今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、
“ZW26 キャノンブル” です。


 “ZOIDS ゾイドワイルド” の
セカンドシリーズがスタート。

 野生 vs 兵器の戦い、兵器側の1番手として
“M型 バッファロー種 キャノンブル” が
発売されました。


このレビューは、旧サイト「退屈と惰性と」で8月12日に投稿したものの、その後容量不足から一部画像の表示がおかしくなったものをこちらに転載したものです。

 いくつか画像の撮り直しと整理をしています。本文についてはほぼそのままなので、認識の古い部分もありますがご了承ください。若干の修正箇所はあります。

 なお、こちらでの投稿を機に旧サイトの投稿は削除しております。)


 帝国側ゾイドのトップバッターがバッファロー型になるとはねぇ。

 いや、兵器という意味では過去シリーズをリスペクト・・というかほぼそのまま踏襲したコンセプトはその一番手には相応しいとは思うんですが、帝国所属というのは意外でした。

 過去のバッファロー型ゾイドはディバイソンもカノンフォートも共和国所属でしたし、とくにディバイソンのほうは旧アニメ第1作でのポジション含めて主人公サイドの主要機体というイメージが強かったので。

 今回は帝国所属なので敵方、それも量産タイプの機体のようです。

 アニメでは当面のライバルという位置付けのようでもありますが・・

 なにはともあれ、久し振りの完全新規キット、張りきってレビューしていきます。


マシンブラストユニット

 まずはウリとなるギミックユニットから。

 新ギミック、マシンブラスト再現用の組み立て済みのユニットです。

 もう見たまんま、主武装となる9連キャノン砲の砲塔とその後部のライダー用シートからなります。

 ゾイド本体への取り付けは同時発売のビーストライガーと同様、背中にかちっとはめ込むだけで、同じ仕様の他ゾイドとユニットの交換が可能になっています。

 ただ、この交換ギミックはおそらく一部のM型限定になるかと思われます。


ボーン復元

 ワイルドシリーズでは初の草食哺乳類型ということで、ボーン形態も完全新規造型。

 ひょっとしたらハンターウルフあたりから強引に流用してくるかも、と思ったりもしたんですが、さすがになかった。

 ただ、マシンブラストユニット込みで全体のプロポーションが設定されているためか、それを省いたボーンのみの状態だとかなりイメージが違いますね。

 頭部の角(超硬角)は3㎜軸接続なので、自由に角度を変更可能。

 その角を外すと、思いのほかしゃくれた頭骨だけになってしまってむしろ爬虫類っぽい雰囲気になってしまいますが、実際のバッファローの頭骨も案外しゃくれているようです。


復元完了

 外装およびマシンブラストユニットを装着して復元完了。

 ……うん、ほぼほぼディバイソンですね。モルガとキャタルガくらいの近似値です。

 ただ、キャタルガの場合はモルガよりもサイズが大きくなったことに加え、旧シリーズではグスタフが担っていた役割を新たに与えられ、さらにワイルドブラスト発動による攻撃形態への変形と、数々の新要素が付加されていたんですが、このキャノンブルに関してはサイズ、機体特性等ディバイソン感をほぼそのまま受け継いでいるだけなのはちょっと気になります。

 ワイルドシリーズの設定として、帝国所属のゾイドはより純粋な兵器として運用するための改造が施されているということで、外装の形状はファーストシリーズの機体全般、そしてセカンドシリーズでもビーストライガーのような野生種ゾイドに見られる、どちらかというと有機的なデザインではなく、むしろ旧シリーズ初期のものに近い機械的なイメージの強いデザインになっています。

 そのほかの共通点として、目を覆うバイザー、そしてこれまた旧シリーズのものに近い新規デザインのゴムキャップは拘束キャップという設定で、それぞれゾイドを制御する機能があるようです。

もちろん、ちゃんとアイパーツは付属します。

 しかしここで問題になるのがバイザーの仕様。

 付属の改造計画書(復元の書の裏表紙)には、“バイザーは取り外し困難” なんて書かれていますが、困難もなにも、頭部外装と一体成型のパーツでディティール部分が塗装されているだけなので、もちろん取り外せないし、外した状態を再現するためには切りとるしかないわけです。

 バイザーはてっきりクリアパーツで再現されいて、取り外せるもんだと思ってたのになぁ。これはまさかだよ……

 なお、ライダーの搭乗位置はマシンブラストユニットの後部になります。

 まぁ、よくあるパターンで首の上とかに跨がってたら、マシンブラスト開放とともにライダーも吹っ飛びますからね。


マシンブラスト(兵器解放)形態

 背中のブラストユニットの蓋(ブレットシールド)を手動で開放することで9連キャノン砲の砲身が飛び出し、マシンブラスト形態に。

 その姿はまさに簡易版ディバイソン。

 主砲の数は17門から9門に減ってしまいましたが、機体サイズに対する口径の割合は大きくなったので、迫力は引けを取りません。

 この形態で放つ兵器開放技が“9連装徹甲弾(ナインバーストキャノン)”。

 いやそれ、技というより武器そのものの名前じゃないの?

 まぁ、マシンブラストして初めてその武器の使用が可能になるんだから、決して間違いではないですが、アニメ第1作のトーマが乗るディバイソンの “メガロマックス” みたいなちゃんとした技名を付けてもよかったんじゃあ……

 普段砲身を封印している蓋が、開放時にはその衝撃や閃光からライダーを守るシールドになるのはよくできたデザインですね。

 だいたい危険な位置に乗ってるワイルドシリーズのライダーたちですが、今回はかなり安全に配慮されてる気がします(笑)。


電動アクション

 スイッチを入れると、口を開閉しながら4本の脚で前進します。

 通常形態での歩行と連動して背部ブラストユニットの各部が可動します。

 縦に3門、横に3列並んだ9連キャノン砲は列ごと交互に前後に動き、側面2箇所のの3㎜軸もそれぞれ前後にスライド、あるいは回転します。

 ただ、このときカチッ、カチッと軽い音が鳴るのがすごくオモチャっぽくてちょっとテンション下がる……

 まぁオモチャなんですが。どうしても旧シリーズの重厚なモーター音と較べてしまいますね。


比較画像

 歴代のバッファロー型ゾイドたちと。

 ディバイソンは第2期版、カノンフォートも第2期後半のゾイドジェネシス版です。

 サイズ的に今回のキャノンブルはディバイソンとカノンフォートのほぼ中間ですが、デザインは完全にディバイソンベースですね。

 ちなみに、ディバイソンの代名詞でもある17連装キャノンは、実は手動で動かせるだけで、電動の歩行ギミックとは一切連動していません。

 ディバイソンの電動ギミックは首を上下に動かしながらの前進のみで、今にして思えば見てくれのインパクトに対してちょっともの足りない気もします。 

 ただ、角や蹄などに金属パーツが使われていたりと、新たな風を感じさせるキットではありました。

 もう一方のカノンフォートはゼンマイ動力ながら歩行に連動して砲塔が左右に旋回、さらに2本の砲身も交互に上下動と、3機のなかでは1番連動ギミックが豊富だったりします。


 同時発売の “野生” 側ゾイド、ビーストライガーと。

 どうしてもアニメ第1作第2部を思い出さずにはいられませんが、今回は敵同士です。

 並べて見ると、外装デザインの方向性がまったく違うのがよくわかると思います。


 お互いのブラストユニットを交換して。

 セカンドシリーズからの新要素の一つでもあるギミックユニットの交換。

 ただ、パッケージや復元の書ではとくに言及されていないところをみると、あくまでキットとしての遊びの幅を拡げるための仕様なのかもしれません。

 おそらくは一部のM型ゾイドの限定要素になると思います。

 ビーストライガーにキャノンブルのユニットを取り付ける際には、基部のゴールドのパーツ(首の動きに連動してタテガミクローのロックを外すパーツ)も外す必要があります。

 さすがに別のユニットを装着した状態では通常形態から歩行中にブラスト形態へ以降、とはいかないようです。

 さらに首はずっと1番下に下がったまま。まぁ、今回は砲撃仕様なのでこの姿勢もアリだとは思いますが。

 一方のキャノンブルにビーストライガーのユニットはそのまま取り付けられますが、もちろんタテガミクローのロック機構は働かず、常にブラスト発動状態。

 画像ではゴールドタテガミクローも展開した第2段階にしていますが、歩行中に第1段階から第2段階に移行することもありません。ゴールドタテガミクローを収納した状態だとそのまま、レッドタテガミクローのみを上下に振って歩き続けます。

以下、画像

 角の角度を変えられるので、なんとなく喜怒哀楽を表現できます。バイザーで覆われている目とのギャップが面白い。


 また、主武装の9連キャノン砲の砲口は5㎜径になっているので、同じタカトミのトランスフォーマー シージなどに付属するエフェクトパーツを取り付けられます。
 同時期に発売されたジェットファイヤーのエフェクトが形状的にもサイズ的にもぴったり。

 マシンブラストせずとも、突進力でビーストライガーを圧倒。

 アニメでも、おそらく再序盤だけは優位に戦闘を勧めるという展開だろうと思われます(笑)。


 今回の改造計画書。

 パッケージ裏のものとで3プラン提示されているのかと思ったら、上のほうのと一緒でしたね。

 なので今回は復元の書の裏表紙のみで。

 ビーストライガーのときもそうでしたが、上のプランは基本形にオプションを追加した程度で、下のものはブラストユニットや外装も含めてかなり大幅な改良が必要な感じです。

 今後発売予定のオプションパーツセットには、新規ブラストユニットも含まれるんですかね?

 

 以上、“ZW キャノンブル” でした。


 実にスパイデス以来、半年ぶりの完全新規キットとなりました。

 まぁ、良くも悪くもディバイソンのワイルド版といった感じです。

 ワイルドシリーズにおける武装解禁となる新機体にこのチョイスはまさしく旧シリーズへのリスペクトであり、古参ファンも納得するところだろうとは思います。

 ただ、あまりにもディバイソン過ぎる。

 確かに、ディバイソンにはなかった主兵装 と歩行の連動ギミックを搭載し、そういう意味ではちゃんと進化はしているんですが、やはりキャタルガのようなもう一捻りが欲しかった。

 そう思うと気になってくるのがブラストユニット。

 メインギミックである9連キャノン砲の前後動にほかに、側面に前後スライドする軸と回転する軸があり、その後方に固定された軸があります。この三つの軸を使えば、さらなる連動ギミックの追加も可能になってきます。

 おそらくは後に対応するパーツが発売されることでしょう。問題はその形態ですが、オプションパーツとなるか、はたまた本体込みのバリエキットとなるか・・

 ともかくも、ギミックユニットの交換も含めた拡張性の高さはビーストライガーとは比較にならず、そこはさすが完全新規といったところです。

 そのへんをなんか小出しにしてる感が狡いという気もしまが、。深読みし過ぎかなぁ・・

 あとは、目を覆うバイザーと拘束キャップでゾイドを制御するという設定はいいんですが、となると当然その二つを排除してゾイドを野生本来の姿に戻すというシチューションも考えられるわけです。

 もちろん、キャップは外して別のものと交換できますが、頭部外装と一体成型になっているバイザーはそうはいきません。

 なんでここパーツ分割しなかったんだろう? わざわざ塗装するほうが手間だし、コストもかかるじゃないのかなぁ?

 今後の兵器サイド・・帝国側の機体も全部同じ仕様になるんだろうか?

 旧シリーズでは、頭部のバイザーはどちらかというと共和国ゾイドの特徴で、やはりその印象が強いため、このキャノンブルが帝国側と知ったときは違和感しかなかったです。

 もちろんディバイソンのイメージもありましたし。

 まぁ、そのへんはあえてやっていることだと思いますし、今後の展開に注目ですね。

 なんにせよバリエキットばかりにならないことを祈ります。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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