今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-49 センチネルプライム” です。
実写映画第3作、“トランスフォーマー ダークサイドムーン” に登場した先代のプライム、
“センチネルプライム” が、
スタジオシリーズのラインナップに加わりました。
かつてのサイバトロン星での戦いで行方不明になっていた、オートボットの先代司令官。
オプティマスらに救出、蘇生され、一旦はオートボットに復帰すると見せかけ、中盤に本性を顕してアイアンハイドを殺害。ディセプティコンと手を組んでサイバトロン星の復活だけでなく人類の奴隷化を目論むも、最後はオプティマスに倒されるという清々しいまでの悪党っぷりを見せてくれました。
そもそもサイバトロン星を脱出する以前にメガトロンと密約を結んでおり、そういう意味では登場時点ですでにオートボットではなくディセプティコン側だったともいえます。
そういう事情で(?)、今回のスタジオシリーズでは所属がディセプティコンとなっています。
映画公開時に発売されたDA版ではオートボットということになっていたのは、映画のネタバレを防ぐためでもあったのかも。
それにしても、ダークサイドムーン登場キャラとしてはメガトロンを皮切りにショックウェーブ、サウンドウェーブ、そしてこのセンチネルとディセプティコン側は幹部クラスが続々発売されているというのに、オートボット側で正式にダークサイドムーン版として発売されているのは(ジェットウイング)オプティマスとラチェットだけ?
レッカーズの到着までこの陣容で持ち堪えられるんだろうか・・?
レビューしていきます。
ロボットモード
劇中登場のトランスフォーマーたちのなかでもそこそこ大柄な印象でしたが、今回はボイジャークラスでの立体化。
造形、プロポーションとも逃げ杞憂デザインがかなり忠実に再現されているように思います。
足首にはスイング機構はなく、少し股を開いた状態でしっかり接地しているような角度で固定となっています。
赤い部分はすべて塗装。胸部のアクセサリなども細かく塗装されています。全体に暗い色調もイメージ通り。もう完全に黒幕です(笑)。
先にも言ったように、ディセプティコン側としての発売ではありますが、本体にエンブレムなどはありません。当然、オートボットのエンブレムも。
パッと見、ビークルモードの要素は背面のマント(ウイング?)や脛裏くらいにしかなく、いわゆるガワはほとんど内側に隠されています。
フェイスの作り込みもさすが。首許や鎖骨の辺りの造形も実に細かい。
欲を言えばヘルメットの着脱ギミックは欲しかったですが。
ボディの構造には若干クセがあって、普通なら水平にしそうな腕が生えているブロックが少し角度のある位置で固定されるようになっています。
このため、どうしても猫背になってしまうのですが、まぁご高齢ではありますし、設定通りということなのかもしれません。
付属品は双刀タイプのソードのみ。
ビークルモードでは分割してガワの一部になります。そのため、裏側にはビークル側面のディティールが。
もちろん、分割した状態でそれぞれ持つこともできます。
センチネルといえば大きなシールドが印象的でしたが、今回それは付属せず。
ビークルモード
ローゼンバウアー社製パンサー科学消防車にトランスフォーム。
ライセンスが所得されており、形状はもちろんロゴもばっちり再現されています。
ウインドウはスモークの入ったクリアパーツ。うっすらとロボットモードの頭が見えています。
変形は、胸部にたたまれていたものをパタパタと開いていったり、脛を前面装甲を除いてぐるんと180度回転させたりとなかなかに面白く、見事にロボットの要素がほぼすべて隠されてしまいます。
かっちり感もすばらしいです。
なお、先にも言ったようにソードは分割して側面のガワの一部になっています。
放水塔は仰角変更のみ可能。
DA版のように基部での回転はできません。
比較画像
まずは映画公開時に発売されたDA版ボイジャークラス、カノンセンチネルプライムと。ロボットモードで。
造形、プロポーションともに今回のSS版の圧勝と言っていいでしょう。9年近い年月の残酷さを感じます・・
サイズも一回り弱、SS版のほうが大きいですね。
カラーリングにしてもDA版は明るめの成型色メインということで劇中のイメージにはほど遠い感じがします。
あと、DA版は股関節がにクリックが仕込まれていて、画像のように真っ直ぐの棒立ちから一気にけっこうな大股開きにしかできないという融通の利かなさがあります。頑固爺ですね。
あと、カノン~の商品名の通り、でかいキャノン砲タイプの武器が付属しています。劇中でこんなの持ってた記憶ないですけどね(笑)。ソード、シールドは付属しません。
ビークルモードでも。
DA版は付属の武器を放水塔の代わりに取り付ける仕様なので、消防車と言うより戦闘車両っぽいものになっています。
なお、その武器にはシリーズ共通ギミックであるメックテックギミックが仕込まれており、後部のボタンを押し込むことで変形します。
たいていはボタンを放すと元の状態に戻るのですが、このカノンセンチネルのモノはさらにボタンを回すことで変形状態で固定できます。
でも、ひょっとしたら変形させてないほうが放水塔っぽかったのかもしれない・・ロボットモードと逆だったな。
車体の再現度に関しては、当然ライセンスも得ているSS版に軍配が上がります。
しかし、放水塔基部の回転など、トイとしてのプレイバリューは、少なくともこのビークルモードに限ってはDA版のほうが優れているかも。
DA版リーダークラスと。ロボットモードで。
ボイジャークラスよりも、こちらのリーダークラスのほうが先に発売されています。リベンジのときのメガトロンみたいなパターンですね。
さすがにリーダークラスはでかいので迫力がありますし、ボイジャークラスよりも造形は細かく、プロポーションも・・まぁまだ近いような気はします。やけに鳩胸なのは少し気になりますが。
あと、ボイシャークラスよりは少し明度が低いとはいえ、カラーリングはほぼ成型色がメインになっています。
一方でソードにシールドと、劇中で印象的な武器はしっかり付属します。やっぱりSS版でもシールドは欲しかった・・
ビークルモードでも。
さすがリーダークラス、でかいです。
ボリュームとしては、DA版リーダークラスはSS版の3倍くらいありますね。
放水塔も基部で回転、2段階で仰角変更と消防車トイとして十分なプレイバリューがあります。
さらに、トイオリジナルのバトルモードにも変形。
シールドに内蔵されたメックテックギミックも加わってもはやなんだかよくわからないものに。
でも、男の子が大好きな仕様です。
まぁ、さすがにSS版でこれをやれとはいいませんし、やってほしくもないのですが、せめて放水塔の回転くらいはできるようにしてほしかったですね。
同じスタジオシリーズから、オプティマス(ジェットウイングオプの本体のみ)、メガトロンと。ロボットモードで。
このなかでは実質的にメガトロンだけがリーダークラスですが、それほど極端なサイズ差はありません。
3者のおおよそのサイズ感はこんなものなのかなぁ。
ビークルモードでも。
こうなるとさすがにボイジャーとリーダーのボリュームの差が出てしまいますね。
でも、スケールはなんとなく合っているような気もします。
造形は文句なしなんですが、可動はそこそこ。
腰の回転、足首のスイングはできず、肩周りの柔軟性もありません。首も、髭が干渉するためわずかに左右に振れる程度。拳と脛は(膝関節部分で)回せます。
あと、腰のロックを外せばグッと前に屈み込むような姿勢にすることは可能です。というか、その腰のロックはかなり簡単に外れます。
まぁ、そのおかげもあって立て膝はけっこう綺麗に決まるんですが。
足首も変形都合もあって伸ばすことはできますし。
背部のマント(ウイング?)は水平以上にまで開きます。
劇中ではとくに空を飛んでいるシーンはなかった気がしますが、これなら普通に飛べそうではあります。
スタンド対応穴は一応股下にあるのですが、これがまた異様に浅いうえに緩く、まったく使い物になりません。
いい加減、このへんの品質(というのか)のバラつきはなくならないもんかなぁ・・
さらに基部のロックを外して持ち上げれば、砲撃モードっぽい雰囲気にも。
どうせ出せるのは水か消化剤でしょうが(笑)。
DA版リーダークラスから縦を拝借して。
サイズ的にはそれほど違和感はないです。むしろこれくらい大きいほうが迫力があっていい。
ツヤツヤグレーの成型色が気になる場合は、ガンメタで塗ってしまえばよいと思います。
できればソードも交換したかったのですが、あっちは一体型のために無加工では持たせらませんでした。
さて、ここから連続でクライマックスの戦闘を再現していきますよ。イマイチ迫力に欠けるところは許してください(笑)。
まずは新旧プライムの一騎打ち。
若さで勝るオプが有利かと思いきや、先代が意地を見せ現職を圧倒。
ジジイ、めっちゃ強い!
とうとうオプは右腕を斬り飛ばされてしまいます。
しかし、ここで勝ったと油断してしまうのが年寄りの限界・・
それまでハブられてきたことにキレたメガトロンが乱入。
その銃撃を受け、センチネルは深手を負ってしまいます。
そのままメガトロンが漁夫の利を得るのかと思いきや、オプ復活。
エナジーアックスでメガトロンの顔を斬りつけるや、そのまま引っかけて脊髄ごととぶっこ抜いて殺害!
相変わらずエグイやり方するぜ、うちの司令官は・・と、きっとアイアンハイドも草葉の陰で微笑んでいたことでしょう。
そして、メガトロンの銃を広い、その銃口を倒れている老人に突きつけるオプ。
「貴方は自分自身を裏切ったのだ・・」と、老人の命乞いも聞かずにあっさり銃殺。
まぁ、センチネルも悪党には違いなかったんですが、最期は少し可哀相でもありましたね。あと、メガ様呆気なさ過ぎ・・
基本、リーダーの命令に忠実で感情を表すキャラが多くないディセプティコンより、全員明確な自我のあるオートボットのほうが圧倒的に野蛮な連中なんだよなぁ。
そんな最終決戦の地、シカゴが中台紙の簡易ディスプレイベースの背景として描かれています。
でも、ジェットウイングオプティマスのものともショックウエーブのものともまた違う景色ですね。
前作リベンジで亡くなられたジェットファイヤーがもし生き残っていて、ダークサイドムーンにも登場していたら、きっとこうなっていただろう図。
ひょっとしたら、野生の勘のようなものでセンチネルがすでに裏切っていることを見破ってきたかもしれません。
まぁ、だとしたらそのときはアイアンハイドの代わりに彼が殺されていたでしょうね。
以上、“SS センチネルプライム” でした。
ロボットモード、ビークルモードともにこれぞスタジオシリーズ! という作り込みで、劇中中盤で本性を現したあとの不気味さや威圧感までもばっちり再現された傑作だと思います。
DA版がリーダー、ボイジャー両方でロボットモードの出来が微妙だったのでなおさらです。
一方で、可動やギミックはほどほどなので、トイとしての面白さはDA版(とくにリーダークラス)には劣ってしまうかもしれません。まぁ、そのへんはトランスフォーマーになにを求めているかにもよるのでしょうが。
とはいえ、シールドがないのはやはり残念・・というか、むしろ痛いですね。それに加えてヘルメットの着脱ギミックも、スタジオシリーズならば再現してほしかった。
今後、なんらかのかたちでバリエーションが発売されるのかもしれませんが、ソードは変形に組み込まれているので、追加でシールドとなるとコスト的におかしなことになってしまいますし・・
ここは最初からシールド付属、ヘルメット着脱可能、さらにスペースブリッジのコントローラーや右腕を斬り落とされたオプティマス用の再現パーツ、アイアンハイド殺害シーン再現パーツなど諸々付けてリーダークラスで発売されていたら、スタジオシリーズのでもユニ折りの傑作という評価を得ていたのかもしれない・・なんてことを思ったりもします。
もちろん、今回の仕様でも十二分に傑作と思っているからこその妄想ですよ(笑)。
個人的に、センチネルにはアイアンハイド殺害に始まる裏切りの印象が強過ぎて、悪役としても底辺のキャラという認識だったのですが、今回のSS版トイを手に取り、あらためて映画を見直したところで、彼にも彼なりの強い想いがあったのんだなぁ・・と、なんかしみじみとしてしまいました。
というか、本当に悪には容赦ないオプティマスがもう普通にサイコパスにしか見えない・・まぁ、そのへんをつけ込まれての最後の騎士王での闇堕ちという展開だったのかもしれません。
さてさて、なんだかんだでスタジオシリーズも50アイテムを超える長寿シリーズになってきましたね。
年内には初期3部作の主要キャラはほぼほぼ出揃うんじゃないですかね。
となると、そろそろ4作め、5作めのキャラが本格的に投入されていくのかな。
来年はきっとダイノボットのリメイクあるな。グリムロックもさすがに寂しがってるし。
まぁ、その前にハウンド、クロスヘアーズでしょうが。
といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。
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