今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-39 ジェットウイング オプティマスプライム” です。
実写映画第3作、“トランスフォーマー ダークサイドムーン” より、
牽引するトレーラーが変形したジェットパックを装備して大空を舞うオートボットの司令官、
“ジェットウイング オプティマスプライム” が、
スタジオシリーズで発売されました。
このジェットウイング~という名前については、トイ発売に際して便宜上付けられただけで、劇中はもちろん設定としてもとくに言及されていなかった気が・・
リベンジのときも、ジェットファイヤーと合体(というかパーツを拝借)した状態をジェットパワー~と呼んでいたわけですが、これがスタジオシリーズにおいてジェットトウイング~に変更されています。
ダークサイドムーン版と・・つまり今回レビューする形態と同じ呼称になってしまっているわけですが、これは単に混同しただけなのかなぁ。それとも、オプティマスがオプション追加で飛行可能になった状態をすべからくジェットウイング オプティマスと呼ぶことにしたのか、どっちなのか・・
正直ややこしいです。
あれ? 記憶違いだったか、とリベンジ版をジェットウイング~、ダークサイドムーン版をジェットパワー~と覚え直したのに、どっちも同じって・・
なんとも雑だなぁ。映画のストーリーと一緒だ(笑)。
ともあれ、第1作、2作と単なるビークルモード時の飾りでしかなかったオプティマスのコンテナが3作めにていきなり新機能を披露してきたのには驚かされました。
映画公開時にもジェットウイングと冠したトイは発売されましたが、劇中の変形ギミックの再現は見送られたばかりか、ロボットモードでの装着時もまったく違う姿でした。
本体がリベンジ版のリデコということもあり、僕はスルーさせていただきましたが、それからおよそ8年、ついにコンテナの変形ギミックを再現して、ジェットウイング オプティマス、スタジオシリーズにて再誕です。
では、レビューしていきます。
オプティマスプライム
ロボットモード
まずは本体から。
今回はリーダークラスとして発売されていますが、あくまでオプティマス本体はボイジャークラス相当。
ジェットパックおよびウエポンプラットフォームに変形するコンテナをオプションとして含めることでリーダークラスの価格に合わせたということで、シージのスタイルをスタジオシリーズにも導入してきましたね(笑)
さて、本体はスタジオシリーズの第1弾ラインナップとして発売されたSS-05(リベンジ版オプティマス)のパーシャルとなり、この春に発売されたSS-25(第1作版オプティマス)とはほぼ同じものになります。
変形パターン含めた基本構造の多くをSS-05から踏襲していますが、かなりの数のパーツが変更され、とくに胸部の構造は大きく変化し、それに伴いプロポーションもがらりと変わっています。
胸部や太腿の造型がかなり精密になり、背面のパーツ配置も劇中のイメージに近いものになりました。
ただ、トイとしては非常にスマートでヒロイックなプロポーションになってはいるんですが、劇中のゴリマッチョな感じはなく、なんというか、若々しい感じ?
また一方で簡略化された部分もあり、これがスタジオシリーズにおけるオプティマスのベストかというと、素直に頷けない部分もあります。
なお、メイン武器のイオンブラスターは、背面のダボ穴に取り付けてマウントできます。
ビークルモード
ピータービルト・379・トレーラートラックにトランスフォーム。
ただ、相変わらずライセンスは取得されていないもよう。主人公(?)なのに・・まぁ、それでもかなり劇中のイメージには近いとは思いますけどね。
やはり多くのパーツが置き換えられているので、ロボットモードのときほどではありませんがSS-05のビークルモードとは印象が違います。
ボンネット部分のボリュームが増し、相対的にフロントウインドウの面積が狭くなったことで大型トラックっぽさがより明確になった気がします。
しかし一方で、SS-05の時点で不評だった煙突の短さは変わらず。
今回のウリであるコンテナ牽引状態で。
コンテナ自体の造型は可もなく不可もなく、といった感じ。
取り付けはコンテナ側の5㎜軸を本体のターレット部に差し込むだけ。SS-25はもちろん、SS-05にも取り付けは可能です。
後部ハッチは変形都合も合って開くことができますが、コンテナ内部には折りたたまれたパーツ等が詰まっているので、仲間のオートボット立たちを搭載したりはできません。
ジェットウイング オプティマスプライム
コンテナの屋根部分を変形させたジェットパックをオプティマス本体に背負わせた形態。
3箇所、計六つのジョイントでがっちり接続できます。
左右のウイングを展開すると表面積が一気に広がり、遠目にはなかなかの迫力ではあるんですが、よく見ると(よく見なくても)ご覧の通り、肉抜きだらけで非常に安っぽい仕上がりです。
まぁ、ウイングはこれくらいでもいいとしても、せめてジェットエンジンくらいはちゃんと作り込んでほしかった。あともう少し密着感がないと、浮いた感じに見えて・・
メイン武器の連装キャノンも1パーツ成型で裏側ががっつり肉抜きされているうえ、塗装も一切されていません。
ウエポンプラットフォーム
コンテナの側壁部分を円形に展開したオプティマス戦用の武器庫。
劇中ではショックウェーブが初登場したチェルノブイリのシーンで、ほとんど分子変換みたいな感じでコンテナがこの形態に変形しましたね。
ちょっとイメージより背が高いかな。
当然、円形フレームの内側には付属の武器をすべて取り付けられます。
ソードやアックスなどは専用のダボに取り付ける必要がありますが、その他は汎用の5㎜穴への取り付けなので、位置は自由に変更可能。もちろん、ほかのシリーズアイテムの武器なども取り付け可能です。
ただ、付属の武器は単体時のメイン武器であるブラスターを除いてすべて1パーツ成型。塗装もソードの刃部分しかされておらず(ちなみにSS-05付属のソードの刃はクリアパーツ製)、それぞれのサイズも気持ち小さい気さえします。
比較画像
SS-05と。まずはロボットモードで。
並べてみるとプロポーションの違いは歴然。
SS-05は上半身が詰まった感じで首も埋まり気味でしたが、今回のものは全体にかなりすっきりとバランスの取れた体型になっています。
胸部の比率が変わったぶん、身長もわずかにアップしています。
成型色、塗装も含めたカラーも随分変わりましたね。いうまでもなく今回のもの(SS-25も含めて)のほうが劇中のイメージには近いです。というか、SS-05はなんでこんなに暗い色合いにしたのか?
ただ、赤の成型色が若干安っぽく、オモチャ感は増してしまったかもしれません。
あと、肩アーマーがSS-25と共通で、ジェットファイヤーとの合体を前提にしたダボ穴付きのままというのもマイナスだなぁ・・差し替えるなら腹部パーツよりもむしろこっちじゃないの? ってくらい目に付くんですが・・
ビークルモードでも。
ロボットモードのときほど顕著な違いはありませんが、やはりグリルも含めたボンネット部分の大型化で顔付きがけっこう変わっています。
あとはタイヤのホイール部を始め、塗装が豪華になっている感じ。地の色味が明るいので、ファイヤーパターンもよりくっきりと目立つようになりました。
でも、SS-05ではクリアパーツだったウインドウまで塗装で処理してしまっているのは少し気になるなぁ。ほぼ同じ仕様のSS-25はクリアパーツだっただけに余計に。
ダークサイドムーン版メガトロンと。まずはロボットモードで。
二人の直接対決は最終盤・・それもほんの一瞬でしたが、そのときはケープ外してましたね。
このダークサイドムーン版メガトロンはリーダークラスですが、ボイジャークラスとして発売されたリベンジ版メガトロンとロボットモードでの体格差はさほどありませんでした。
が、オプティマスとの体格差はご覧の通り、けっこう違います。
劇中の印象は似たようなものだと思ったけどなぁ。まぁ、激しい格闘シーンばかりでよくわからない、というのもありますが。
ビークルモードでも。
コンテナ(メガトロンは分離不可ですが)も含めた全長はだいたい同じくらい。
スケール感もほぼ揃っているように思えます。
・・あ、メガトロンのタイヤがちゃんと降りてない・・
オプティマス本体の可動性能は非常に優秀。
相変わらず肩が上がらないのは残念ですが、それ以外はなんの問題もありません。
とくに脚部がよく動き、大股開きから立て膝も余裕。正座もできます。
腰裏に3㎜穴もあるので、汎用スタンドを使った空中ディスプレイも可能。穴も緩くないです(ここは個体差あるでしょうが)。
チェルノブイリでのショックウェーブ戦をイメージして。
コンテナが変形したウエポンプラットフォームから剣と盾と抜いて・・
構える!
まあ、このときは本格的な戦闘には至らなかったわけですが。
ショックウェーブのスタジオシリーズでの発売も決まりましたし、サウンドウェーブも来る。あとはセンチネルだな・・
ジェットパック装備で。
・・うん、一気にチープになった(笑)。
やっぱり正面から見える部分にこれだけ肉抜きがあるとなぁ・・
エンジン部分に蓋、それとメイン武器の連装キャノンにポイント塗装だけでも随分違ったと思うんですが。
ちなみに、ジェットパックはオプティマス本体の可動にはほとんど干渉せず、サイズのわりに重さもない(肉抜きだらけだし)ので、スタンドディスプレイにもさほど支障がないのはせめてもの、というところではあります。
後ろから見るぶんには肉抜きはわかりませんが、今度はたたまれたコンテナの屋根の裏側がそのまま、という・・
ウイングの可動は、基部での回転および後方にたたむことができるのみ。
上部のサブウイングはエンジンユニットとの一体成型で横向きに固定されていますし、メインウイングは中央部分で折りたためるようになってはいますが、これは梱包の都合だけのような気がする(笑)
VSメガトロン。
どっちもこの格好じゃないし(笑)。
あ・・でも、このカットだとあまり体格差は気になりませんね。
ということは、実際にあれくらいのサイズ感なのかな。
さて、ここからはオマケ。
というのも、以前旧サイトでスタジオ版ジェットファイヤーのレビューを書いたんですが、同時発売されたSS-25・・第1作版オプティマスはスルーしたために、合体状態のレビューができなかったんですね。
で、SS-25をスルーした理由というのが、すでに発売が決定していた今回のジェットウイング オプティマスにもジェットファイヤーとの合体ギミックが引き継がれるということを知ったから。
さすがにほぼ同じ内容のものを短期間で複数買いする余裕はありませんので(笑)。
というわけで、ジェットファイヤーのレビューから5ヶ月を経て、ようやくスタジオ版ジェットウイング オプティマス(リベンジ版)、レビューです。
とその前に、今回のダークサイドムーン版オプティマスをジェットファイヤーと合体させるためには、腹部パーツをジェットファイヤーに付属したものと交換する必要があります。
左が今回のダークサイドムーン版オプティマスの腹部パーツ、右がジェットファイヤーに付属していた交換用腹部パーツです。
交換用パーツには合体ベルト接続用のスリットが開いており、塗装も一部オミットされています。
ちなみに、表面のメタリックレッドは全塗装です
ジェットウイング オプティマス(リベンジ版)
名前が一緒になったから、本当ややこしい・・
ともあれ、ボイジャークラスのオプティマスにリーダークラスのジェットファイヤーが合体するんだから、そのボリュームは大変なことになる・・と思っていたら、案外コンパクトにまとまりました。
劇中のイメージよりもかなりすっきりとしたプロポーションで、意外なほど格好いい。
ジェットファイヤーは後述の武器も含めて大きく六つのパーツに分解することになりますが、その一つ一つがさすがの密度感で、合体時の一体感もかなり入念に計算されているように思います。
ダークサイドムーン版の酷いものを見たあとだったので余計にそう感じるのかもしれませんが(笑)、ボイジャークラスにおまけを付けてリーダクラス相当にしたものと、単体ボイジャークラスに単体リーダークラスを合わせたものとを比較するのも酷な話かもしれません。
フル装備状態で。
ジェットファイヤーの上半身がほぼ丸ごと変形した大型の銃はさすがの重量なので腕がへたってしまいますが、ただ持たせて仁王立ちさせておくだけで十分な迫力があります。
比較画像
リベンジ公開時に発売されたRA版オプティマスプライムとジェットファイヤーの合体モードと並べて。
RA版は2体ともリーダークラスということもあって、合体時のボリュームは今となっては規格外の大きさになっています。重さも相当なもので、正直持つのが怖いレベル。
メイン武器だけはスタジオ版のほうが大きいですが。
まぁ、RA版はでかいので迫力はありますが、プロポーションはお世辞にも格好いいとはいえませんね。
ちなみに、スタジオ版のジェットファイヤーは劇中同様バラバラに分離させることになりますが、RA版のジェットファイヤーは武器パーツを除いて分離しません。
肩のアーマーも脚部の追加パーツも、全部後ろで繋がっていて、結果かなり可動が制限されるものになっています。
可動に関してはオプティマス本体に準拠するため、基本的にはよく動きます。ただ、さすがに大胆なポージングはバランスを取るのが難しいですし、総重量もそこそこあるのでスタンドディスプレイも億劫になります。
なお、うちのオプティマスは右肩アーマーの可動部が緩く、機首アーマーを取り付けた状態では上げることができませんでした・・
中台紙の簡易ディスプレイベースをバックに。
背景はクライマックスの舞台であるシカゴのビル街。
ディセプティコンの宇宙船が被弾して墜落していく様子が描かれていますが、ほとんど真っ暗だな・・
以上、“SS ジェットウイング オプティマスプライム” でした。
ジェットパックとウエポンプラットフォームに変形するコンテナがちゃんと再現されたのはおそらく初めてだったと思うので、そこは素直に評価したいところですが、肝心のジェットパックの出来がこれではなぁ・・
やっぱり正面から見える部分にがっつり肉抜きがあるのはいただけません。
ウエポンプラットフォームのほうは、まぁこんなもので十分だとは思いますが、各種武器にはもう少し手をかけてほしかったですね。
リーダークラスのコスト内に収めるためには仕方なかったのかもしれませんが、そうまでして価格統一は守らなければいけないんだろうか?
シージのジェットファイヤーみたいに、新クラスを設定してもよかったんじゃないかと思います。
せめてコンテナ単体でボイジャークラス相当のコストをかけられれば、見栄え、ギミックとも十分なものになっていたでしょうに・・
ジェットファイヤーとの合体ギミックがプロポーション、ボリュームともにかなり満足のいくものだったので余計ですね。
まぁ、劇中でもけっこうあっさりパージしたし、所詮は使い捨てだからこの程度でもいいのかもしれませんが。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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