今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-47 ディセプティコン スカベンジャー”です。
実写映画第2作、“トランスフォーマー リベンジ” に登場したコンストラクティコンの1体で、デバステーターへの合体時に胸部となる
“スカベンジャー” が、
スタジオシリーズに登場しました。
スタジオシリーズでリメイクされているコンストラクティコンの6体めです。
実写映画では第1作ではブラックアウト、そして第2作ではこのスカベンジャーの同型であるデモリッシャーと、2作連続でディセプティコン勢が劇中冒頭で最初のトランスフォームを見せてくれました。
そう。冒頭で大暴れするのはデモリッシャー。今回のものは、終盤にデバステーターへ合体した個体のスカベンジャー。前者は白、後者は赤です。
しかし、リベンジ公開時最初に発売されたRD版のトイはデモリッシャーという名称でカラーリングは赤。冒頭のシーンも夜ということで、デモリッシャー本来のカラーが白だということがそもそもよくわからなかったんですが、このあたりは映画制作側からの詳細な資料がないままトイ開発を行うしかなかった当時の苦労というか、互いに噛み合ってない感じが偲ばれます。
同様に黄色いブルドーザーも当時はランページとして発売されています。
のちにそれぞれ、デモリッシャーシャンハイアタック、ランページデザートコンバットの商品名で劇中再現カラーのアイテムが発売されていますが。
まぁそんなこともありつつ、一応大まかな設定が確立した今回は、デバスターター合体要員である赤い個体は最初からスカベンジャーとして発売されることになりました。
それでは、レビューしていきます。
ロボットモード
いわゆる人型ではなく、中央に頭部、左右にショベルアームが変形した腕部、さらに上下に巨大なホイールを備えた特徴のあり過ぎるその姿は、実写版ディセプティコンは異形・・というイメージを決定付けたといえましょう。
冒頭の変形シーン、さらに上下のホイールを回転させながら夜のハイウェイを疾走するシーンは衝撃でした。
まぁ、厳密に言えばそれは彼ではないんですけどね。
さらに言うと、結局のところスカベンジャーは劇中ではロボットモードになっていないわけです。
同型のデモリッシャーは、劇中この形態では基本制止することなく、 常に走っている印象でしたが、トイではもちろんそんなことにはならず、下部のホイールと左右のアームによる3点支持で自立させるスタイルとなりますが、これがなかなか厳しい。
下部ホイールは普通に回転するので、気を抜くとすぐ前か後ろ、どちらかに転がって倒れてしまいます。
公式画像などでこれ見よがしに映っていた付属パーツが、ひょっとしたらスタンドなのではないか? という憶測もありましたが、なんのことはない、ただ右肩に組み付けるパネルパーツでした。
ミックスマスターみたく完成形だとパッケージしにくいというわけでもないのに、なんでここだけ外して入れてあるのかわかりません。というか紛らわしい。
背面(というのが正しいのかもわかりませんが)に3㎜穴があるので、なにかしらのスタンドを使っての自立補助が適当かと思います。
ちなみに上部のホイールは固定されており、回転はしません。
リーダークラスということでさすがのボリューム ですが、ほかのSS版コンストラクティコン同様デバステーターへの合体が前提のため、ディティール、パーツ構成などはけっこう大味なものになっていますので、単体としてみるとうーん・・という部分もちらほら。
頭部の造形はさすがに細かいです。
昆虫のような、エイリアンのような(実際エイリアンですが)機械でありながら有機的で生々しいデザイン。
ビークルモード
劇中では大型の油圧ショベル、O&K/テレックス・RH400にトランスフォームしますが、今回ライセンス取得はされていないので、それらしいモノに変形。
SS版コンストラクティコン全般に言えることですが、ロボットモード、そしてデバステーターにおけるプロポーション、構造を重視したのか、ビークルモードの見ためは正直微妙。
完全に箱型の車体本体はともかく、クロー状態の再現を一部一体成型にしたがために歪な形状となってしまったバケット、そしてなにより変形パターンの変更で本体と比較して小さくなってしまったクローラーが残念でなりません。
RD版ではゴムパーツを使うことでロボットモードのホイールがビークルモードのクローラに変形するという斬新な手法で劇中同様に衝撃をもたらしてくれたわけで、こちらとしてはおよそ10年の時を経てさらに進化したものを見せてくれるに違いない! と思っていたんですが・・
実際は下部ホイールを左右に分割、変形させることでクローラーを再現。上部ホイールはそのまま車体に収納と、なんとも無難な手法に落ち着いてしまいました。
RD版のように、あくまで単体と変形トイということならまた違ったのかもしれませんが、今回は合体が前提ですから、そうなると強度、保持力諸々でこうするほかなかったのかなぁ ・・
ただ、仮にそうだったのだとしても、これは酷いと思う。
見えちゃいけないものが見えまくってますよ。
これまでもランページ、ロングハウル、ミックスマスターの爪モロ出し問題がありましたが、このヒトの場合は中身が見えちゃってる状態です。
これ、蓋があればとりあえずごまかせるのに、なんで蓋付けなかったのかなぁ? できなくないと思うんだけど。
合体モード
デバステーターへの合体峙には胸部と肩を担当。
ただただでかいです。
すでにほかのメンバーの合体モードでおおよその想像はついていますが、これは最終的に相当なサイズになりますね。
ホイールが中央横向きに配置され、巨大ロボのコア感があります。
このホイールが回転してくれればもっとイメージが広がったのに・・
比較画像
リベンジ公開時に発売されたRD版と。
ただ何度も言っているように、右のヒトは(商品名として)正確にはデモリッシャーです。色はスカベンジャーですけどね。
RD版はボイジャークラス。今回のSS版はリーダークラスなので、一回りほど大きくなっています。
プロポーションやディティールに関しても、さすがにSS版のほうが再現度が高いように思います。とくに頭部の造形の進化は素晴らしい。
ホイールも、見ためだけなら完全にSS版に分があります。
ビークルモードでも。
ロボットモード時以上のサイズ差を感じます。
見ためも・・やはりSS版のほうが実車に近いのかなぁ?
先にも言いましたが、クローラー⇒ホイールへの変形パターンが大きく変わっています。
RD版は履帯(タイヤ)にゴムパーツを採用し、内部パーツを伸縮させることでクローラーがホイールタイヤになるという、良作の多いリベンジ版トイでも上位のインパクトを与えてくれたアイテムでした。
SS版にはそれ以上のインパクトを期待してたんだけど・・
ただ、クローラー状態のまま長期間放置するとゴムパ-ツにテンションがかかり、断裂しまうという欠点が。実際画像のモノは左右ともにきれてしまったのですが、業務用の特殊な接着剤を使って半分癒着させるような感じで修復しています。
シャンハイアタックのほうは、まだ大丈夫。ホイール状態だとテンションはかからないのでそのようにして保管しています。
リベンジ公開時、7体での合体(スクラップメタル以外)ギミックを再現していたEZコレクション版と、各形態で。
ロボットモード時のホイールをビークルモード時には車体本体に収納するという変形パターンは同じ発想だったりします。
ビークルモード時、上からだとその収納したホイールが丸見えになるのも一緒。
サイズ比較ということでデラックスクラスの2体と、まずはロボットモードで。
スクラップメタル、ハイタワーともにスタジオシリーズのデラックスクラスとしては大型ですが、それでもやはり倍以上、感触的には3倍近いボリューム差があります。
とはいえ、スクラップメタル基準で考えると今回のスカベンジャーは小さい気がします。まぁ、デモリッシャーと同サイズである、という前提ではありますが。
ハイタワ-に関しては劇中でロボットモードが登場していないのでなんとも言えません。
ビークルモードでも。
スクラップメタルが子供のオモチャに見えます。
しかし、スクラップメタルの操縦席とスカベンジャーの操縦席、さらにタラップなどのサイズを鑑みるに、やはりスケールはまったく異なると思われます。
ボイジャークラスはブース内では全部横並びにできないので 、直近発売のミックスマスターと。ロボットモードで。
合体時には胸部と頭部で直接繋がる間柄です。
劇中ではロボットモードで並ぶことはありませんでしたが、イメージとしてはスケールが合っているとは言いがたいです。
ミックスマスターは本体だけならスクラップメタルとほぼ同サイズという印象ですし。
ビークルモードでも。
ロボットモードのみですが、オプティマス(リベンジ版)と。
繰り返しますが、劇中冒頭で大暴れしたのはデモリッシャーで、あくまでスカベンジャーとは同型の別個体です。
あのシーン、オプティマスに較べてデモリッシャーはかなり巨大な印象でしたが、実際の設定としてはどうなんでしょうか?
ランページからスキップジャックの例がありますし、デモリッシャーもきっとスタジオシリーズで発売されるでしょうが・・う~ん。
可動に関してはあらためて言うまでもないことですが、かなり特殊です。
まぁ、ほぼ腕しか動きません。あとは頭部と、下部ホイールの基部が多少左右に捻れるくらい。
腕部は肩も含めて関節が4箇所、回転軸が2箇所あり、多少クセがあるもののかなり自由に動かせます。
ただ、付け根のクリック関節、その直下の回転軸はけっこう固めなので注意が必要。
また、クロー(バケット部分)は1本のみ開閉が可能です。
ホイールは先にも言ったように下部のものだけが回転。
というか、上部が固定ならいっそ両方とも固定でもよかった気がします。そうしたら、自立ももう少し安定したかもしれない。まぁ、変形都合もあるんですが。
どちらにしろ自立用の補助パーツは欲しかったですね。アーシー3姉妹に付いてたみたいなものでもよかったのに。
スタンド対応穴もありますが例によって3㎜なので、実際この巨体を支えるには心許ないです。
ビークルモードでも。
動かせるのはバケットアームのみ。
それも限界まで伸ばすとシリンダーがダミーだと丸まかりだったり・・
中台紙の簡易ディスプレイベースの背景は、エジプトの砂漠にデバステーターの影が落ちているというコンストラクティコン共通仕様。
デモリッシャーの代役として、劇中冒頭のシーンをイメージしてオプティマスと絡めてみる。
結局あのときデモリッシャーは逃げてただけでしたが、あれだけの図体があるんだから、本気でかかれば案外いい勝負ができたんじゃないだろうか?
では、今いるメンツだけでできるところまで合体させみます。
といっても、腰担当のオーバーロードは最後なので、脚担当の2体は割愛して上半身だけで。頭に胸部、左腕まで繋がりました。
この状態で、すでにスクランブル系コンバイナーの完成形に匹敵する重さがありますね。
思った通り、頭部(ミックスマスター)は固定ですが、腕部は肩の基部が前後に可動します。
ただ、一応クリックは仕込まれているものの、デラックスクラス2体分の腕の重さには負けてしまいます。どの程度アクションポーズが決まるのか・・
まぁ、自立さえしてくれればそれでいいかな。
これまでに発売されたコンストラクティコン6体で。
ブース内で濃密接触となっております。
全員揃っても10人以内だし、いいか。
ビークルモードでも。
大規模建設現場です。
スカベンジャーはこれ、真正面から見るとなんだかわかりませんね。
以上、“SSスカベンジャー” でした。
ロボットモードでのスケール感の統一という、スタジオシリーズ開始当初に掲げられていた文言はいつの間にやらなくなっているのでそれはまぁいい(本文で散々言ってきたくせに))として、そのロボットモードの再現度はさすがの迫力ではあります。
上部ホイールが固定なことと、補助スタンドの類いもなく自立がやや困難なことを除けば、さして文句はありません。
一方のビークルモードですが・・
実写版に登場したトランスフォーマーの多くが、実際に存在する車や飛行機などに変形します。
スタジオシリーズは、そんな実写版トランスフォーマーたちを最新の技術と解釈でリメイク(なかには初立体化のものもありますが)していくシリーズだと思っているのですが、なればこそビークルモードのクオリティにも手を抜くことはできないはずです。
はずなんですが、ことコンストラクティコンに関しては、そのへんがけっこう大雑把になっています。
合体ギミックを盛り込んだ弊害でしょうからある程度は仕方ないとは思いますが、それにしてもボイジャークラス連中の爪丸出し問題はけっこう深刻です。
そして今回の、見えちゃいけないものが見えちゃってる問題。
爪の丸出しは、クリアランス的に内部に収納できなかったということなので、百歩譲って許すとしても、今回のスカベンジャーについては、収納はできてるんだから、あとは蓋をすればいいだけの話なんですよ。なんでしないのか?
これがG1系のアイテムならばそこまで気にならないんですが、スタジオシリーズですからね。
ほかだと実際のメーカーからライセンス取得までしているアイテムもあるんですから、それらとの整合性が・・まぁ、ミックスマスターだけはライセンス取得してるんですけどね。
頑張った結果どうしてもできなかった、というなら納得できるんですが、もう開き直ってあえてやってないような気さえするんだよなぁ。
僕、捻くれ過ぎ?
なんか、SS版コンストラクティコンのこととなると、最終的に毎回こんなこと言ってる気がするけど。
ともあれ、コンストラクティコンも残り2体を残すのみ。スクラッパーが5月発売ですでに予約が解禁されました(僕は出遅れてまだ予約できてないけど・・) 。オーバ-ロードは7月くらいかな?
こいつらもビークルモードが微妙なことはすでに判明しています・・が、もちろん全部揃えてデバステーターに合体させますよ。
なんならスキップジャックも、デモリッシャーも発売されたら買うかもしれません。
好きであるがゆえに、やるせない気持ちになることってありますよね。
といったころで、今回は終了。
またのご訪問を。
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