今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SS-45 ショックウエーブ” です。
実写映画第3作 “トランスフォーマー ダークサイドムーン” より、
ディセプティコンの軍事作戦司令官
“ショックウェーブ” が、
劇中で印象的な活躍を見せた
“ウィーリー” 、“ブレインズ” 、
さらにパラシュート降下姿勢の “NEST隊員” の
ミニフィギュアとセットでスタジオシリーズに登場しました。
当初は最終作とされていた気がする “ダークサイドムーン” で新登場のメインヴィラン(悪役)として登場することが発表され、公開前から注目されていたショックウェーブ。
しかし、なるほど出番は多めでしたが、トランスフォーマーなのに変形はせず(まぁ、これは実写版ではとくに珍しいことでもないですが)、台詞もほとんどなく、メガトロンたちと絡むことすらなく、戦闘でも本人よりむしろお供のドリーのインパクトのほうが強かったりと、正直劇中での扱いはさほどでもなかったような・・
結局、ほとんど人間と戦っていたような印象ですしね。最終的にとどめを刺したのはオプティマスですが、あれは狡いよね(笑)。
とはいえ、G1オリジナルデザインの面影がほとんどないキャラが多いなか、比較的原作に近い姿で登場したこと、単独での戦闘力はやはりオートボットの連中とは比較にならないことなどもあって人気は当然高いはず。
もちろん僕も好きなキャラの1人です。
今回のSS版は、日本でもWave2で発売されたリベンジ版メガトロンのパーシャルになっていますが、大半のパーツが新規造形になっており、もともとボイジャークラスでも大型だったメガトロンよりもさらにボリュームが増しています。
それに加えて、おおよそのサイズを合わせたウィーリーとブレインズ、そしてパラシュート付きのNEST隊員もセットになってリーダークラスとして発売されました。
シージやアースライズでもそうですが、ボイジャークラス相当の本体にいろいろとオプションを加えてリーダークラスで発売されるというパターンが増えています。
この手法だと、これまでにないバリエーション展開も期待できそうです。具体的にどんな? ということは、すぐには思いつきませんが(笑)。
では、レビューしていきます。
ショックウェーブ
ロボットモード
単眼と耳のようにも見える頭部側面の突起、さらに一方の手が銃になっているという、G1ショックウェーブの特徴を踏襲したデザイン。実写版では珍しいパターンです。
G1では左腕が銃になっていましたが、こちらは右手が銃・・というか砲になっています。
劇中のマッシブな姿を忠実に・・いや、よりボリューム感のある造形で立体化。肋骨のような胸部ディティールなど、実に生々しい感じです。
成型色は大半がガンメタですが、各部にウェザリング風にメタリックパープルやシルバーで塗装が施されており、これが光の当て具合によって金属的な光沢を放ってくれます。
控えめに言って、メチャクチャ格好いいです。
リベンジ版メガトロンのパーシャルではありますが、共通パーツは内部の間接、ジョイントや脛に半ば埋め込まれた履帯くらいのもので、表面に見える部分はほぼ新規造形。脇に穴が空いているようなこともありません!
ただ、右手の砲身や左腕に装着するブレード、そして左の拳や両の爪先など、軟質パーツが多めで全体のエッジが若干だるくなっているのはちょっと残念でした。
あと、ビークルモード時にチンガードになる踵後ろのパーツの扱いに困りがち(笑)。
では、各部をピックアップして解説していきます。
単眼は塗装再現。シージ版のような集光ギミックはありません。
ダークサイドムーン公開時に発売されたDD版では右腕のキャノン砲は取り外すことができましたが、今回は完全に腕と一体化されています。
設定としてはDD版の仕様が正解なんだろうな。親指だけでも再現されているのがその証拠(?)。
ちょっとわかりにくいですが、画像中央の黒いパーツが親指。
一応可動も仕込まれています。
なお、キャノン砲自体にとくにギミックはありません。
動力パイプは1本の軟質パーツで再現。
これはDD版でも同じ仕様でしたが、相対的に太くなっており、可動に支障が出るほどではないですが、それなりにテンション高め。
ここは節ごとにボールジョイント接続とかにできなかったのかなぁ?
左の拳、ブレードもこのサイズで軟質素材の1パーツ。拳は指の可動もなし。
それほど尖ってるわけでもないのに、普通にABS製にできないものかなぁ。
背中の3基のスラスターはボール接続でぐりぐり動きます。
ビークルモード
劇中では変形することのなかった彼ですが、エイリアンタンクにトランスフォーム。
異形の戦車。
まとまりもよく、ずっしりと重い車体はなかなかの迫力です。
変形パターンはおおよそパーシャル基であるリベンジ版メガトロンを踏襲。ロボットモードの頭部が前を向く様子も同じです。
しかし、難易度はかなり下がっています。
メガトロンは履帯先端部の変形などがわかりづらかった(というか例によって説明書が不親切だったから)ですが、このショックウェーブではそんな場面はほぼなし。
動力パイプについては根元部分を後ろに向けるのが正しい位置だと思うんですが、そうしようものならほぼ外れます。
まぁ、千切れる前に外れてくれるのはいんですが、それもいつまでのことか・・
ウィーリー & ブレインズ
右がウィーリー、左がブレインズです。逆の位置で撮るべきでしたね・・
劇中で意外な活躍を見せた、小型オートボットのコンビが付属。
ウィーリーは前作リベンジから登場した元ディセプティコン。ブレインズはダークサイドムーンからの登場ですが、とくに説明なくいきなりいた気がします。
一応スケールを合わせたということで、ともに全高およそ1.5㎝の超ミニサイズのフィギュアになっています。
ブレインズはたぶん初の立体化。
ウィーリーはラジコンカー、ブレインズはノートPCに変形しますが、今回はもちろんオミット。というか、そもそも軟質素材の一体成型なので可動しません。
ディティールはほどほど。塗装はされており、とりあえずそれぞれの特徴は抑えてあります。
MG(ガンプラ)のパイロットフィギュアとだいたい同じくらいの大きさだと思ってもらえればいいです。注意しないと普通になくすレベル。
そのサイズで完全に単体のみでの成型・・つまり台座的なものとの一体成型ではないため、接地面がまだ広めのウィーリーはまだしも、ブレインズの自立はかなり困難。なので画像は両面テープで貼って撮ってます(笑)。
ショックウェーブとのサイズ感はご覧の通り。
レジェンズのヘッドマスターなどのようにピンを差し込んで立たせるなんてこともできないので、これまた両面テープのお世話になっています。
なお、彼らはこの画像撮影後パッケージ内のもとの位置にも戻され、上からセロテープを貼って封印されました(笑)。
NEST隊員
こちらも本体は軟質素材の一体成型で非可動。
パラシュートは布製。真ん中で輪っかを作った紐が4本通してあり、その輪っかを2つずつフィギュアのフックに引っかけ、さらに紐を引っ張ることでパラシュートを拡げます。
パラシュートはたたんだ状態で封入されているので、そのままだと折り目が付いてますし、紐にも普通に結び目があります。
また、とくにディスプレイ用のスタンドなどが付くわけでもなく、そのへんは完全にユーザーに委ねられています。
とりあえず、上から吊す方法を各自考えるように(笑)。
でもこれ1人だけって・・
比較画像
最初にDD版と、ロボットモードで。
DD版は、横幅はあるんですがとにかく前後に薄い(笑)。
背も頭1つぶん今回のSS版のほうが高く。プロポーション、ボリュームの差は歴然です。
カラーも、DD版が明るめで成型色メインなのに対し、SS版は独特の塗装で全体的に暗めになっており、劇中の不気味な雰囲気が再現されています。
ちなみに、DD版はキャノン砲が取り外し可能なのは先にも言った通り、左腕に取り付けることも可能で、さらにシリーズ独自のメックテックギミックが仕込まれています。
ビークルモードでも。
変形パターンは異なるものの、おおまかなパーツ配置は共通。
しかしボリュームの差もさることながら、シルエットもかなり変わりましたね。
パーシャル基のリベンジ版メガトロンと、ロボットモードで。
ちょっと撮り方が不味くてメガトロンのほうがでかく見えてますが、身長はほぼ同じ。というか、あらためてこのメガトロンのでかさを思い出しました。
腕や脚、それにメインウエポンである右腕のキャノン砲のボリュームはショックウェーブが勝っており、なにより脇腹に空洞がなく、みっちりとした密度感があります。
単純な戦闘力はメガトロンよりも上、ともいわれるショックウェーブですからね。
そして、首が回らないという不具合もない・・もはやあちこちで2000円を切っているメガトロン様が不憫でならない。
ビークルモードでも。
こちらでは主砲のサイズ含め、ショックウェーブのほうが一回り以上大きい印象ですが、基本のパーツ配置は、まったく一緒であることがわかります。
2人とも顔が前向いてますし。
劇中で実際に戦ったダークサイドムーン版オプティマス(ジェットウイングオプティマスオプティマスの本体のみ)と、ロボットモードで。
サイズ感はよいですが、ショックウェーブのプロポーションがよ過ぎるのか、並べると若干の違和感が・・
オプティマスもプロポーションはいいほうなんですが、こうなるとやっぱり変形トイの域を出ていないんだなぁ・・というか。
リベンジ公開時にデラックスクラスで発売されたウィーリーと、今回のフィギュアで。
今回のSS版ショックウェーブを迎えるにあたり、DD版ショックウェーブ共々実家の屋根裏から発掘してきたんですが・・もはや比較どうこうの話ではないサイズ差です(笑)。
そもそもこのリベンジ版ウィーリー、デラックスクラスとしても縦にでかいほうなんですよね。
スタジオシリーズ以前は、同一シリーズ内でもスケールの統一なんてことはほとんど考えられていなかったんですが、それにしても・・
でもこのウィーリー、胸のエンブレムがディセプティコンからオートボットに変わるギミックがあったりと。なかなかに害が細かくて好きです。
本当、リベンジのと乙亥には良作が多いなぁ。
以下、画像
腰の回転はできませんが、それ以外の可動は良好。
とくに足首は前後左右にスイングが可能で、抜群の接地性を誇ります・・が、これは個体差だと思いますが、その足首が緩い。
気付くと足裏は接地したまま、身体だけ後ろに倒れていたりすることも。
背中からキャノン砲に繋がる動力パイプは先にも言ったように右腕の可動にはほとんど干渉しないので、真っ直ぐに腕を伸ばした射撃ポーズなんかもばっちり。
腰裏にスタンド対応穴があるので、空間ディスプレイも可能です。
実質ちょっと大きめのボイジャークラスなので、重量的にもそれほど気を遣うこともないかと。
頭部は変形都合もあってよく動きます(メガトロンも、本来はそうだったはず・・)。
そのままほぼ真上を向くこともできますし、今回と国必要のない首基部の可動もそのまま残っているので、画像のように首をぐっと前に伸ばすことも可能です。
これだけでもけっこう異形感が出ますね。
簡易ベースの背景は最終決戦の地、シカゴ。
パラシュート降下してくる複数のNEST隊員が描かれているので、まさにショックウェーブ専用背景といえます。
ディセプティコン最高幹部集結。
G1設定ベースのシージに続いての集結には感慨深いものがあります。サウンドウェーブ小さいけど・・
でも、実際劇中ではこんなシーンはなかったと記憶しています。メガトロン、スタースクリーム、サウンドウェーブの3人は、さぁこれからだ!というときに集合していましたが、ショックウェーブはずっと単独行動だったような・・
まぁ、それだけ彼がメガトロンから信頼されているということなのかもしれませんね。忠誠心はもちろん、戦闘力もほかの2人より高いから、いろいろ任せるにはちょうどいい人材なんでしょう。逆に協調性はなさそうだし。
そのへん、G1のイメージにも通じるものがある。
初登場シーンでは直接戦闘はなかったものの、オプティマスの口からその名を言わせることで大物感を演出。
最終決戦でもど派手な戦闘(主にドリラー)で人間たちを追い詰めるものの、反撃に遭い翻弄され、人間、さらにオートボットの集団から滅多撃ち。
最終的にオプティマスが美味しいところも持っていくという、実にアメリカらしい結末(偏見)でした。
はっきり言って卑怯な感じですが、それくらいしないと勝てなかったということでしょう。
そういう意味では、やはりメガトロンやセンチネルよりも厄介だった、と。
以上、“SS ショックウェーブ” でした。
リベンジ版メガトロンのリベンジを果たした・・というところでしょうか。
ロボット、ビークル両モードで抜群のプロポーションとボリュームを獲得し、造形、塗装も実にクオリティが高く、オマケ要素も含めてスタジオシリーズでも指折りの傑作といっていいと思います。
ただ、実際に存在する車や飛行機などに変形するわけではない(というか、そもそも劇中では変形すらしない)ことも関係があるのでしょうが、スタジオシリーズでもかなり易しい部類に入る変形には少々物足りなさを感じますし、軟質素材多めだったり、変形以外にとくにギミックもないなど、強いて挙げれば不満はいくつかあるんですが、そんなものはほとんど気にならないくらい、とにかく格好いいです。
ロボットモードのプロポーションの良さは、非変形のアクショントイかと思えるほどで、個人的にはスタジオシリーズ1番だと思います。
しかし、スタジオシリーズが始まったときは、まさかここまで長く続くシリーズになるとは思っていませんでした。
とくにここ最近のディセプティコン勢の勢いが凄まじいですね。
今月末には第1作版のメガトロンとスカベンジャーが発売されますし、以降もディセプティコン扱いになったセンチネルや残る2体のコンストラクティコン、バンブルビーに登場したブリッツウイングなどなど・・
もちろんオートボット側のラインアップも魅力的です。今まではあまりスタジオシリーズのオートボットは購入していないのですが、レッカーズやクリフ二は期待しています。
個人的には、グリムロック以外のダイノボットもそろそろ欲しい。
多々買いはやめられそうもありません。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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