HGUC プリムローズ & フルドドII レビュー

 メリークリスマス!

 と、時候の挨拶(笑)をしたところで、

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードユニバーサルセンチュリー より、

“HGUC 緊急脱出ポッド[プリムローズ]” と、

“HGUC フルドドⅡ 拡張セット” です。


 “ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに(AoZ)” より、

 TRシリーズの各種MSキットと組み合わせて様々な形態を再現可能な

緊急脱出ポッド “プリムローズ” と

強化パーツ “フルドドⅡ” が

プレミアムバンダイ限定にて、HGUCで発売されました。


 もはや一般販売は完全無視のプレバン専売でアイテム数を重ねていくAoZシリーズ。

 確かに、今となってはなんのタイアップもないなかで一般販売にしても売れそうにありませんが、TRシリーズのコンセプトを再現するのに受注生産で購入時期の限られるプレバンのシステムはミスマッチ感が半端ないんですが・・

 というのも、各種バリエーションの再現に平気で同一キットを複数個要求してくるんですもの。

 いやね、コアなAoZファンなら、この仕様だとアレのナニがいくつ必要だし、キットもそのぶんを確保しなきゃいけないな・・ということが想像できるとは思うんですが、僕程度の知識だと実際に当該キットを開封して説明書を眺めて初めて知る、というパターンがけっこうあります。

 まぁ、以前レビュ-したフルドドや今回の2種の支援機なんかだと、明らかに複数個必要となるバリエーションがあるのでまだわかりやすいですが、見落としがちなのが本体となるMS側。

 一部では単純なパーツ交換ではなく、組み立ての段階で別のパーツを組み込む場合もあり、そんなときも説明書には〇〇〇(未組み立て)×1とか当たり前のように書いてきます。

 これが一般販売のキットなら、比較的にいつでも気軽に購入できるのですが、必要なものがほぼプレバン限定なんだから酷い話です。

 僕みたいに素組みであっさり済ませている人なら一旦バラして、ということもできますが、本気でがっつり作ってる人は最低でも部品請求が必要になってきますからね。

 まぁ、だいたい新アイテムの発売と時期を合わせて既存アイテムの大半で再販がかかる場合が多いですが、いったいいくつ同じものを買わせる気なんだ・・


 さて、ともかくもレビューしていきます。

 キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールでの仕上げです。

 今回のメインであるプリムローズ、フルドドⅡについては塗装はしていません。

 それぞれの基本形に加え、説明書に記載のあるバリエーションを再現しています。


プリムローズ

 実は夏に発送された初回生産分で1つ購入していたのですが、さて組もうという段階で各種バリエーションの再現に2つ必要だということに気付き、どうせならもう1つ買わねばと思ったのですがいろいろとタイミングが合わずに4次まで間が空いてしまいました。

 まぁ、そのおかげでこうして似たようなものをまとめてレビューできるからいいよね(笑)。


 というわけで、

 ジオン残党軍との戦闘で大破した初代ヘイズルの経験を踏まえ、コアブロックシステムを参考に開発された緊急脱出ポッド。

 しかし、一応の自立航行機能はあるものの単体での戦闘力はなく、戦闘時の分離合体もできないそうです。

 ただ、TRシリーズの例に漏れず、高い拡張性を与えられたことで各種パーツを取り付けることが可能で、戦闘機としての運用も可能な基本形態がこちら。

 後部にヘイズルのバックパック。本体右側にウインチキャノン、左側にミサイルポッドおよびチャフ散布複合ユニットを装備。

 バックパックはHGUC ヘイズル改などと造形は同じものですが、パーツ分割が簡素化されており、とくにブーストポッドの色分けはほぼシール頼みです。

 ただ、可動やギミックはそのまま踏襲されており、シールドブースター等を取り付けることも可能です。ビームサーベルの柄は付属しません。

 一方で本体のほうの色分けは上部のバーやダクトも成型色で再現されており、けっこう優秀。

 タッチゲート式の簡易スタンドが付属します。


武装

ウインチキャノン

 有線制御でインコム的な使用も可能らしいロングバレルのビームキャノン。

 残念ながら有線ギミックは再現されていませんが、ジョイント基部が前方にスライドするほか、上部カバーの差し込み位置を変えることで射撃状態を再現できます。


ヘイズル・アウスラ

 TR-1ヘイズル改の胸部をプリムローズが変形したコアブロックに換装したほか、各部の装備を変更、追加した形態。

 再現するためにはプリムローズとヘイズル改のほか、ヘイズル2号機、アドバンスド・ヘイズル、フルドドがそれぞれ1つずつ必要になります。

 胸部コアユニットは機首部分を外したプリムローズ本体に腹部やコクピットハッチなどのパーツを追加し、脇にあたるパーツを向きを変えて取り付けたものです。

 そこにヘイズル改の頭部(V字アンテナをアドバンスド・ヘイズルのセンサーユニットと交換)と腕部(肩アーマーは外す)、下半身を接続。バックパックは2号機のものを取り付け、アドバンスド・ヘイズルのサブアームユニットとソールスラスターを追加します。

 肩アーマーはプリムローズに付属の新規のものを取り付け、右脇腹にウインチキャノン、左肩にミサイルポッド、左腕にシールドブースター、右手にブレードライフル(ヘイズル改のライフル+フルドドのパーツ)を持たせて完成です。

 ブレードライフルは右の肩アーマーから伸びるジョイントアームと接続しますが、そのせいでヘイズル改に付属の銃持ち手では保持できなくなるので新規の角度の付いた持ち手を使うことになります。

 完成した状態はなかなかのボリューム。しかもわりと綺麗にまとまっています。素体がオーソドックスなガンダムタイプということもあり、異形感はないですね。

 AoZのバリエージョン機としては、まだやり過ぎ感がないのがいい感じです(笑)。


次世代量産機

 ヘイズル・アウスラをベースとした量産仕様。立ち位置的にはバーザムに相当する機体、ということのようです。

 バックパックが通常のヘイズル改のものになっているほか、各種武装をオミットしている感じです。

 アウスラもそうでしたが、ほぼ白一色なところがティターンズ製のMSとは思えない・・

 勢いでサブアームユニットまで外してしまいましたが、どうやらそれは付けたままのようです。

 でも、あんなのないほうが量産機っぽいよね(笑)。


フルドド装備型

 プリムローズにフルドドを追加した巡行形態とでもいうべき仕様。

 基本仕様から武装を外し、アタッチメントを介してブーストポッドにフルドドを取り付けるだけ。簡単です。


強化型シールドブースター装備型

 フルドド本体にアドバンスド・ヘイズルに付属する強化型シールドブースターを2枚、ウインチキャノンを外してメインの武装を左右ともミサイルポッドにした形態。

 この形態にするにはバックパックのブーストポッドをアドバンスド・ヘイズルのマルチコネクターポッドに組み換える必要があります。つまり未組み立てのアドバンスド・ヘイズルが要るということ。

 それも含め、アドバンスド・ヘイズルが都合2つ、プリムローズも2つ必要になります。


トライブースターユニット装備型

 バックパックをヘイズル2五機のトライブースターユニットに換装し、ウインチキャノンを2基装備した形態。

 必要なキットはプリムローズが2つとヘイズル2号機が1つ。


 以上、プリムローズの説明書で紹介されているバリエーションとなります。


フルドドII

 とりあえずの基本形態。

 しかし、“フルドドⅡ 拡張セット” という商品名からもお察しの通り、単品ではこの形態にできません。

 そもそもフルドドⅡはフルドドと違って単体で航空機的な運用を想定していない、純粋な強化パーツ群のようです。そう思うと、今回の商品仕様はある意味設定通りといえなくもない・・のか?

 この基本とされる形態は、TR-6(ウーンドウォートやヘイズルⅡ)のコアユニットであるプリムローズⅡとTR-6の下半身にフルドドⅡを装着した状態になります。

 下の画像中央の白い小型戦闘機のようなものがプリムローズⅡですが、今回のキットでは単体の分離状態は再現されていません。

 フルドドⅡ 拡張セットのほかに必要なキットはヘイズルⅡ。リアアーマーとサブアームユニット、コンポジットシールドブースターが要るのですが、そんなヘイズルⅡのキットはティターンズカラーなのに、フルドドⅡの設定画や塗装見本の該当部分は白・・

 リアアーマー以外のパーツはウーンドウォートと同じなので交換してもいいんですが、形状の違うリアアーマーだけはどうしようもありません。

 これは、さすがに塗装が必要ですって断りも要るのでは?

 ひょっとしたらハイゼンスレイⅡ・ラーまで待てば成型色でのカラー再現は可能なのかもしれません。

 ちなみに、画像では間違ってコンポジットシールドブースターのみウーンドウォートのものを取り付けています。


 シルエットはティターンズの可変機、ギャプランやメッサーラのMA形態を彷彿とさせます。

 左右のブーストポッドの形状がどこかで見たことがある・・そうだ、ギャプランTR-5[フライルー]の肩アーマーと一緒だと思ったら、HGUCのフライルーが本来的にはフライルー・ラーと呼ぶべき機体で、本家ギャプランとほぼ変わらないTR-5にフルドドⅡを装着した状態だったようです。そういえば、お尻のサブアームも同じものだわ。


 なお、こちらにはスタンド類は付属せず。汎用スタンドを使うにも、この形態ではコンポジットシールドブースターがけっこう邪魔になります。


武装・ギミック

強化型ウインチキャノン

 プリムローズに付属したウインチキャノンのバレルを大型化した強化型ビームキャノン。

 砲身は一体成型なので、通常仕様への換装などはできません。

 基本形態ではブーストポッドから伸びるサブアームで保持している状態になります。

 なお、サブアームとブーストポッドはダボ付きの軸での接続のため回転はできない仕様になっています。一旦外して付け直すことで90度刻みで角度を変えることはできますが。

 同様に、サブアームが保持するアタッチメント(シールドなどと共通のもの)とキャノンの接続もキャノン側にダボがあり、固定式となっています。おそらくは保持力確保のためでしょうけども・・

 ギミック的にはプリムローズのものと同じで有線による展開ギミックはオミット、上部カバーの差し込み位置変更での射撃状態の再現が可能です。


ブーストポッド(クローユニット)

 形状は違えど機能はフルドドと同じで、一方は先端部が開閉するクローユニットになっています。

 それぞれ前方にスライド展開が可能。

 クローユニットの内部にはビームサーベルデバイスが内蔵されており、ヘイズル改などに付属のサーベル刃を取り付けることができます。


ウーンドウォート・ラー

 ウーンドウォートにフルドドⅡを2セット装着した形態。

 再現にはウーンドウォート、フルドドⅡ 拡張セットがそれぞれ2つ必要ですが、ウーンドウォート×2についてはコンポジットシールドブースターを2基装備するだけのことなので、カラーさえ気にならなければヘイズルⅡのもので代用できます。僕はとりあえずそうしました。

 とか言いながら、コンポジットシールドブースターを持たせていない・・(笑)

 肩と太腿にフルドドⅡのブーストユニットを計4基装着。ヘイズル・ラー第2形態と似た感じで、スラスターのみのポッドを肩に、クローユニット内蔵タイプを太腿に取り付けます。

 肩のほうはジョイントパーツを介して直接、太腿のほうは外装パーツを一旦外してアタッチメントパーツを挟み込む必要があります。

 サブアームユニットは肩のブーストポッドに2つずつ装備。側面に取り付けたものはウイング状に展開され、内側に取り付けたものはアーマーのようなかたちになりますが、今回のキットではこの形態ではマニピュレーター部分のパーツは取り外した状態で組むよう指示があるので、ウインチキャノンやシールド等の保持はできません。

 また、内側のアームは先端の外装部のみを取り付けるかたちになるので、伸縮や展開もできません。

 そして、肩へのブーストポッド取り付けによって腕を拡げることができなくなるため、ウーンドウォート単体時に較べて上半身の可動性は著しく低下します。

 せっかくカッコ可愛い見ためなのに、微妙に残念な仕上がりです。


 なお、フルドドⅡ 拡張セットの説明書にはハイゼンスレイⅡとの組み合わせも載っていますが、そちらはいずれハイゼンスレイⅡのレビューのときに。

 モノ自体は12月発送分ですでに届いているのですが、ちょっと年内には取りかかれそうにない・・新年1月末までにはなんとかしたいです。


 ほかにも様々な組み合わせのバリエーションがあるようですが、正直もうわけがわからない(笑)のでここまでにしておきます。

 一連の組み換えバリエーションに使ったTRシリーズキットについては、以下のリンクより過去のレビューもご参考に。ヘイズル2号機のものはありませんが。

比較画像

 それぞれの基本形態で。

 フルドドⅡがけっこうサイズになっています。存在感も同時期の可変MSのMA形態と遜色ない感じ。

 もっとも、先にも言ったようにフルドドⅡのこの形態はプリムローズⅡにフルドドⅡのパーツを取り付けた状態なので、比較という意味ではプリムローズのほうもフルドド装備形態で並べるべきでしたね。

 本当、AoZの機体群はややこしいよ・・


以下、画像

 まずはそれぞれの基本形で。

 プリムローズの場合は、ウインチキャノンのジョイントアームがフレキシブルに動くので以外と自由度高めです。

 見ためがなんとなくカニ(シオマネキ)っぽくて可愛い。

 一方のフルドドⅡでは、あたかもグネグネと動きそうなサブアームに可動制限がかかっているのが残念。

 強化型ウインチキャノンの接続はデフォルトも位置のほか、さらに後方で取り付けることも可能です。


 ヘイズル・アウスラで。

 わかりやすいフルアーマー感。

 ブレードライフルが右肩とアームで接続される仕様なので、保持状態の右腕はほぼ固定され、肩の付け根で動かせる程度。逆に左腕のほうはミサイルポッドが干渉して肩を動かせないと、さすがに可動は制限を受ける部分が多いです。

 また、かなり古いキットであるヘイズルシリーズがベースとなっているので、3㎜軸で取り付けるタイプのディスプレイスタンドには対応していません。


 ウーンドウォート・ラーで。

 主に上半身に干渉物増えまくりで、腕部の可動はほぼ死んでいます。

 コンポジットシールドブースターの蛇腹アームを肩のジョイントパーツに取り付けることができるのですが、すでにブーストポッドとサブアーム(外装のみ)を取り付けてあるところにさらに割り込ませることになり、そうするとブーストポッドの先端が内側に向くようなかたちにせざるをえないので若干不格好。

 また、上半身の重量が増したことでもともと貧弱なウーンドウォートの腰接続部にさらなる負担がかかることは明白です。

 もうちょっといろいろ練ってから実現して欲しかったかなぁ。


 以上、“HGUC プリムローズ” & “HGUC フルドドⅡ” でした。


 ガンプラでは珍しい、様々なパターンの組み換えが楽しめるTRシリーズですが、肝心の組み換えがかなり面倒臭いです(笑)。

 今回の撮影でも、ほとんど各バリエーションの前面画像くらいしか撮っていないのに、組み換え作業含めて2時間以上かかりました。で、次世代量産機とか間違えてるし(笑)。

 すでに組んだものをバラして新たなパーツを組み込むという作業もいくつかありましたしね。こういうところはやはり不親切だなぁという感じはします。

 また、ウーンドウォート・ラーなどに顕著ですが、とりあえず形だけ再現しました、というパターンもちらほらあって、設定されているギミックの再現がおざなりになっていたり、可動が著しく制限されていたりと、HGにおける限界も感じてしまいました。

 あとは、やはり最初にも言ったように、そのコンセプトと売り方のミスマッチが気になります。

 しかし、今回のプリムローズにフルドドⅡ、先に発売されているフルドドもそうですが、こういった支援機兼強化パーツが単体で発売されたのも、プレバンの受注生産というシステムがあればこそなのかもしれませんし、難しい問題ですね。

 幸いバンダイはパーツ単位での部品注文が可能ですし、ランナー単位でしか注文できないコトブキヤなどと較べればまだ融通が利く、という見方もあるかもしれません。ただ、ほとんどがプレバンアイテムという状況で注文用のパーツがどれほど確保されているのかは疑問ですが・・


 さて、おそらくは年が明けてからハイゼンスレイⅡに挑もうと思ってるんですが、アレってウーンドウォートの系列機なんですね。まだざっと中身を見ただけですが、流用パーツもけっこうある。

 全長は倍近く高くなってるようですが、強度面は大丈夫なんでしょうか・・組む前から不安しかないんですが。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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