今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードフューチャーセンチュリー より、
“HGFC 230 デスアーミー” です。
“機動武闘伝Gガンダム” より、
デビルガンダムによって無限に生み出されるモビルスーツ型の分身体、
“JDG-009X(JDG-00X) デスアーミー” が、
HGFCにて初キット化となりました。
リーオー、マグアナックからのサンドロックの流れで、もうしばらくW系MSの発売が続くのかと思いきや、まさかのG。それもデスアーミーて・・
まぁ、バリエ展開ありきならGガンではほぼほかに選択肢がないわけですが、よくゴーサインが出たなぁ。
まったく、バンスピはいろんな意味で狂っている。良くも悪くも、ですが。
しかし、一応今年から来年にかけてがGガン25周年ということになるので、このあとプレバンでデスアーミーバリエを展開しつつ、一般ではシャッフル同盟機をリリース・・なんてことにはならないだろうなぁ(笑)。
“機動武闘伝Gガンダム” は、いわゆるアナザーガンダムの第1弾となる作品で、それまでの宇宙世紀を舞台とした作品とは世界観ばかりか作風すらも一新、当時人気だった対戦格闘ゲームの要素を取り入れた、今なおシリーズでも有数の異色作となっています。
放送当時、僕はまだ中学生でしたが、リアルタイムでは最終盤を数回観ただけだったなぁ。やっぱり、当時はあれをガンダムとして受け容れることができなかった。MSに代わる存在であるMF(モビルファイター)にも、あまり魅力を感じらませんでしたしね。
実際、当時も今もメカニック人気はイマイチなのだろうと思います。キット化の機会に恵まれない理由はそういうことでしょう。
一方で、個性が強過ぎるキャラクターたちはネタ的な意味も含めて非常に人気が高いようです。
さてデスアーミーですが、要はやられメカです。
1st のザク、Wのリーオーと同じような立ち位置ではありますが、それらには有名パイロットが乗り込んでの名シーンもあったのに対し、デスアーミーを操縦するのはDG細胞に侵された名もなきゾンビ兵なので、個々の意思もない、完全に数だけの雑魚キャラというイメージです。
そういう意味でも、今回のキット化には本当に驚かされました。
でも、たまにこういうの出しとけばいいんだろ? みたいに思われてる気がしないでもない・・
ではレビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールでの仕上げです。
リーオー、マグアナックと同様に“Fine Build” と銘打たれ、構造はかなり簡略化されています。組み立ても墨入れ含めて1時間半もあれば十分です(それでも遅いほうかもしれない)。
ただ、リーオーでは組み立てる部位ごとにランナー内で大まかにパーツが集約されていましたが、今回はそういったことはありませんでした。マグアナックの時点でもうなかったか・・
FC(未来世紀=Gガンの世界)では、操縦にパイロット(ガンダムファイター)の挙動をそのままトレースするモビルトレースシステムを採用したMFが主流となっており、いわゆるMSは旧式の軍用機というイメージです。
デスアーミーも、分類としてはMSになりますが、全体に曲線で描かれた輪郭、頭頂部の1本角と特徴的な1つ目(モノアイ)に、武器が金棒(型のビームライフル)と、鬼をモチーフにしたようなデザインはMSというよりは機械獣っぽい雰囲気があります。
単体ではバックパックも持たない非常にシンプルな機体ですが、各種オプションを装備することであらゆる環境に適応できる汎用性を有しています。
今回のキット化では、わりともっさりした劇中のイメージを損なうことなく、それでいて過去に発売されたHGFCアイテムと並んでも大きな違和感がないよう、プロポーションの調整がされているようです。
もちろん造形にも抜かりはなく、色分けも脚部付け根の一部を除き、ほぼ完璧に再現されています。肩パーツの円形モールドまでパーツ分割されていたのは驚きました。
ただ、メインの成型色が塗装完成見本とはけっこう違って安っぽいのが少し残念。まぁ、艶消しを吹くだけでけっこう変わるかもしれません。
首から下のシルエットは案外強そうなのに、頭が付いたら途端に雑魚感が滲み出るこのデザイン、あらためて秀逸だと思う(笑)。
変形機構
各種オプションを装着する場合は、脚部を背中側に折りたたむことになります。
キットでは、靴のパーツのみ差し換えで変形が可能。まぁ、変形というほどのものでもないんですが。
このとき、腰部リアアーマーは内側にたたむことになります。ただ脚部を後ろに回すだけで、とくにロック機構などはなし。脚の付け根部分の接続がボールジョイントということもあり、このままだと若干グラつきます。
すでにビルドシリーズでエルドラブルートとしてデスビーストの4脚ユニットはキット化される運びとなっていますが、残るネービーやバーディについてはどうなることやら・・
リーオーの場合と違ってオプションに汎用性がないうえ、それぞれがデスアーミー本体に匹敵するボリュームなので、正直なんと言えない感じですね。
モノアイは内部パーツの前後を入れ換えることで表情の変化を再現。
この手法、BB戦士っぽくていいですね(笑)。
モノアイはバックのピンクも含めてシールでの再現ですが、パーツにはちゃんとモールドが入っているので塗装による再現も可能です。ていうか、アップにするとピンクの部分のドットが目立つなぁ・・
なお、顎下あるいはうなじ(?)の下のつまみを動かすことでモノアイは可動します。
頭頂部の1本角と、まさしく目玉といったデザインのモノアイのせいで気付きにくいですが、じつは頭部自体のデザインはけっこうザクっぽいんですね。
付属武器
金棒型ビームライフル
本機唯一の武装。
金棒をそのまま寝かせたような形状のライフルです。
威力は高くなく、あくまで集団で面攻撃をするための武器ですね。
グリップ上部、左右に3㎜軸がありますが、デスアーミー本体にこれを使ってマウントできるような穴は空いてません。
保持には汎用の持ち手を使用します。グリップの形状がストレートなので、そのまま上から通すことができます。前腕と干渉してあまりしっかりとは持たせられませんが。
ちなみに汎用持ち手は手首が可動します。HGでは珍しい仕様ですが、それによる恩恵はとくに感じません。
金棒型ビームライフルをまさしく金棒として使用するパターン。
柄に当たる部分が太いため、こちらは専用の持ち手を使用します。ZZのハイパービームサーベルのように完全には握り込めず、ただ手を添えているだけという感じです。
あっちはビームだからまだいいような気もするんですが、こっちは完全に質量で殴るタイプの武器なのに、こんな持ち方で威力が出るんだろうか?
なお、この専用持ち手は右手の分しか付属しません。そしてこちらの手首は固定。
比較画像
HGFCのシャイニングガンダム、マスターガンダムと。
サイズ、ボリューム感はいい感じ。でも、マスターガンダムってこんなにでかかったっけ(笑)。
シャイニングガンダムとはまったく異質な雰囲気で、まさに不気味な正体不明の敵という印象。
一方でマスターガンダムとはどことなく似た部分があり、デビルガンダムの影響を感じられます。
以下、画像
低価格キットなので、肘や膝の関節が一軸だったり、股関節がスイングしなかったりと可動面ではそれなりのものになっています。
とはいえ、とくに派手なアクションが必要とされる機体でもないので、これで十分かと。
立て膝もできますしね。
ただこうなると、なおさら汎用持ち手の手首可動が謎です。どういう意図があったんだろう?
新宿シティにて、謎の敵の群れに襲われるドモン。
なお、今回も2個買いしております。
この程度の雑魚、すぐに蹴散らしてやる! と、最初は勢いが良かったものの・・
圧倒的な数で押し寄せられ、ただ独りで戦っていたドモンは次第に追い詰められていく(後ろにもっといるイメージでご覧ください)。
やばい、やられる! と思ったそのとき、
颯爽と現れる師匠、東方不敗・マスターアジア。
瞬く間に敵を殲滅するその勇姿に感激するドモン。
しかし、
だぁからおまえは阿呆なのだぁっ!!
突如本性を現したマスターアジアに戦くドモン・・て、最初から現してたよ(笑)。
以上、“HGFC デスアーミー” でした。
とりあえず先にW関連にある程度の目処をつけてくれ・・という気持ちもあるんですが、オールガンダムプロジェクトならぬオール量産機プロジェクトとでもいいましょうか、これまであまり日の目を見ることのなかったアナザー系の量産型MSが次々とキット化されること自体は非常に喜ばしいことです。
まぁ、オールガンダムプロジェクトもいつの間にかひっそりと終わっていたので、こちらもまたなんの前触れもなく終了しそうな気もしますが、だとしてもガンダムでない量産機が発売されることには十分な意義がある、と思います。
次に控えているのはドートレスのようですし、となれば当然ジェニスへの期待も膨らみます。どちらもけっこうな数のバリエーションがありますし、プレバンのネタにも困らないはず。
あとは、オールガンダムプロジェクトに倣うとすれば、V、ターンエー、SEEDからとなりますが・・ザンスカール系は厳しいかなぁ。初期に登場する量産機に可変機が多いというのがネックですね。
非変形でバリエも、となるとゾロアットくらいでしょうか。白いのと、ゾリディアがいますしね。
ターンエーでは、ビルドダイバーズRe:RISEに登場するウォドムポッドが開発進行中ということですが、でかいよ、あれ。結局この度判明した中のヒトだけキット化、なんてことにならなければいいんですが。あとカプルを早ぅ・・
SEEDは、まだ旧HGでも十分な気がするので当分いいかな。
やはり本命はザンスカールですね。アナザーじゃないけど。
そんな感じでいろいろと妄想の膨らむ今回のデスアーミーのキット化でした。
デスアーミー自体にはなんの思い入れもないので、とくに書くことないや(笑)。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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