今回のレビューは、トランスフォーマー シージ より、
“SG-37 ギャラクシーアップグレード オプティマスプライム” です。
和製トランスフォーマーアニメの、現時点での最終作品
“トランスフォーマー ギャラクシーフォース”
に登場するサイバトロン(オートボット)の司令官、
“ギャラクシーコンボイ”
が、およそ15年の時を経て
“ギャラクシーアップグレード オプティマスプライム”
としてトランスフォーマー シージでリメイクされました。
というか、ギャラクシーフォース観てないんだよなぁ・・
ばかりか、マイクロン伝説、スーパーリンクを含む “マイクロン3部作” はどれも観ていません。
その頃は、僕のなかでの第2次トランスフォーマーブーム(日本でのビーストウォーズ放送開始からの数年)が終わった時期で、アニメはもちろん関連トイにも一切触ってなかったんですよね。
ちなみに、第1次ブームは子供時代、初代アニメをリアルタイムで観ていた頃、第3次ブームはヘケヘケのスタート及び実写映画第2作のリベンジが公開された2008、9年から今現在なお継続中。かれこれもう10年か・・
さて、日本で製作されたいわゆる和製トランスフォーマーアニメでは今のところ最終作となるギャラクシーフォースはのちに海外でも放送されていますが、設定が大きく変更されています。
日本では前作のスーパーリンクと直接の繋がりはなかったものを、海外では続編という位置付けにし、3部作それぞれに登場する司令官(マイクロン伝説ではアルマダコンボイ、スーパーリンクではグランドコンボイ)もすべて同一人物のオプティマスプライムということになっているそうです。
今回のリメイクは、同じシージのウルトラマグナスのリデコになっており、分離変形ギミックもそのまま踏襲するかたちでオリジナルの変形合体(個々は表現としては逆転するのが正しい)が再現されています。
ただ、相変わらず設定などの説明が少なくとも日本では一切ないため、果たして初代オプティマスと同一人物なのか、それとも別人なのか、そもそもどういう経緯で今回登場したのか、そのあたりのことはまったくわかりません。
なににしてもシージの世界観では異様に浮いていますし、こういうのこそ限定でいいんじゃないの? とも思いますが・・
相手役のマスターメガトロンは出なさそうだしなぁ。
では、レビューしていきます。
オプティマスプライム(ギャラクシーコンボイ)
ロボットモード
ウルトラマグナスの合体ギミックをほぼそのまま踏襲していることもあり、この形態ではオリジナルの雰囲気はほぼありません。ただのデブいコンボイです(笑)。
ほとんどのパーツがマグナスの中のヒトと共通ですが、ビークルモードの顔ともいえるフロント部分が変更されているため、胸部及びバックパックが大きく変わっています。ただ、変形パターンがオリジナルトイとは違うため、ビークルモードのフロント部分がそのままロボットモードの胸部となっているためにオリジナルとは印象が大きく違うんですよね。
というか、実はそれだけじゃない。ある意味一番の問題は頭部=顔。
パッと見、マグナスの中のヒトと同じものを色だけ変えたのだと思ったんですが、よく見ると微妙に違う。これ新規なのかなぁ?
しかし、オリジナルのギャラクシーコンボイの顔は、マスク部分に口が造形されているなど、全体的な雰囲気はビーストコンボイのそれに近いものです。仮に新規だとして、なんでわざわざオリジナルとは似ても似つかない普通のコンボイ顔にしたのか・・
ウェザリング塗装は前腕側面にわずかにあるのみ。もはやけっこうどうでもいい話ですが、一応、ね。
ビークルモード
トレーラーキャブ・・という表現が正しいのかどうかわかりませんが、とにかくそんなようなものにトランスフォーム
先にも言ったように、フロント部分のパーツがごっそり変更されているため、ロボットモードとは対照的にかなりオリジナルに近い雰囲気になっています。
でも、どうせならせっかく造形した回転灯もちゃんと塗り分けてほしかった・・
後ろから見ると残念なのは、もう諦めましょう・・
また、この形態ではウェザリングはほぼ目立ちません。
後部ユニットを連結して未来型特殊消防車の完成。
これまたマグナスから大半のパーツが新造され、再現度はなかなかだと思います。
ただ変形パターンの変更(簡略化)から、放水塔と梯子の位置がオリジナルから左右逆転してしまっています。
また、フライトモードへの変形もオミット。
ウェザリングはリア部(ロボットモードの爪先)のみ。
さあ、再び分離させて、本体をロボットモードに変形、さらに後部ユニットも変形させて合体の準備をします。
ギャラクシーアップグレード オプティマスプライム(ギャラクシーコンボイ スーパーモード)
本体各部にパーツを装着してアーマーアップ!
しかし、正式名称が長い・・(笑)
合体用のパーツの多くが新造されたおかげでリデコ基から大きく印象が変わりました。
単体時では再現できていなかった本体上半身の各部も、アーマーアップによりかなり忠実に再現されていると思います。
頭部は本体頭部に被せるヘルメットタイプではなく、マグナス同様完全に別の頭部にすげ替える方式です。
胸部パーツはウインドウ部がクリアパーツになっており、ディティールも入っています。
しかし、背部のウイングと大型武器の存在感が、やはりシージでは浮いてしまっている印象は否めません・・
プロポーションは、リデコ基のマグナスほぼそのままなので、若干胴体が太めでがっしり感が強く、背部ウイングのボリュームも少々もの足りないかともあって、オリジナルトイのような極端なメリハリはなく、案外大人しくまとまっている感じです。
ウェザリング塗装は胸部パーツと爪先のみ。
付属武器 ギミック
JF-15 グラビティ フォース レーザー
主に単体時に使用する手持ちの銃。
シルバーの全面塗装がいい感じ。
銃口は5㎜穴。後端に合体時に大型武器と連結するための5㎜軸があります。
JF-50 ツインブラスト ギャラクシー パック
背部ウイングと2基の大型ランチャーからなる武装ユニット。右側のランチャー先端には先のレーザーを連結させます。
なお、胸部及び頭部も含め合体用パーツとして一体になっており、それぞれを取り外すことはできません。
ウイング、ランチャーともに基本的に1パーツ成型で、造形自体は細かいものの、オリジナルからのボリュームダウンは否めません。
とくにランチャーのほうは下面がごっそり肉抜きされていますし、1パーツなので当然オリジナルにあった展開ギミックなどもすべてオミット。さらに背部接続部からの可動もかなり限定されており、保持用グリップ(実は、これはオリジナルにはありませんでした)が前後にわずかにスライドするとはいえ、拳に握らせてのポージングはかなり窮屈です。ただ、シルバーの全塗装は豪華な印象はあります。
ウイングも前面のタイヤはダミーとなっており、モールドの上から塗装で再現されています。オリジナルのように中ほどで折りたたむこともできず、基部で前後に可動するのみ。
W-30 マグネティック インデューザー ランチャー
型式のアルファベットが違いますが、名称および形状はマグナスに付属のものとまったく同じです。
マグナスのものは砲口部分が塗装されていましたが、こちらは塗装なし。
オリジナルに付属のサブウエポンと雰囲気は似ていますが、あちらは赤かったので、こっちも赤で全塗装してほしかったかなぁ。
また、ボリュームのある背負いもののせいで重心が後方に傾きがちなので、自立補助に足裏からランディングギアが展開します。
というか、実はこの状態がデフォルトのようです。しまった状態でもさほど問題なく自立できるでしばらく気付きませんでした・・
比較画像
リデコ基のシージ版ウルトラグナスと。まずは合体状態のロボットモードで。
ジェットパックのおかげでギャラクシー~のほうが断然ボリュームがあります。
合体パーツで流用されている部分は脛アーマーの大枠だけです。
ちなみに、ギャラクシー~の脛アーマーの側面パネル(赤いパーツ)もマグナスと同じ位置でピン打ちされているので一見開きそうですが、内側(本体の脚部を収める位置)からビス留めされいるため開きません。そのビスを抜けば開くのかもしれませんが、開いたところでとくに意味もないので止めました。
ビークルモードで。
キャブのフロント部分、さらに後部のユニット(トレーラー)の大半が変更されているため印象は大きく変わりました。しかし、シルエットそのものは実はあまり変化していません。
ギャラクシー~のほうがわりあいオリジナルに忠実に再現されているのに対し、リデコ元のマグナスのほうがオリジナルとはほど遠いというのも変な話ですね。
まぁ、シージはあくまでサイバトロンモードでのリメイクということで、オリジナルがアースモードの方々がそうなるのも仕方ないんですが。
中のヒトのロボットモードで。
頭部と胸部、そして腰部パネルパーツが変更。腕部、脚部は形状はそのままでカラーのみ変更されています。
今気付きましたが、腰のパネルパーツも片面は共通なんですね。マグナスではこの形態で表に向けているほうを、ギャラクシー~では合体形態で表に向けています。
後ろ姿も。
フロントグリルの形状も変わっているので、当然バックパックも変わっているのですが、むしろ正面よりも後ろ姿のほうが印象が違いますね。
なお、ギャラクシー~のほうのバックパックはバンパー部分が取り外せ、それが合体モードの前腕に装着するガントレットになります。
合体ギミックは共通なので、合体用パーツの交換も可能です。
左が、マグナスの中のヒトにギャラクシー~のパーツを装着した状態。右がその逆。
それぞれ胸部パネルの収まりがイマイチですが、それ以外は問題ありません。とく右側なんてほとんど違和感がない(笑)。
画像はありませんが、もちろんビークルモードでも可能です。
ロボットモードでは、各パーツをシャッフルして取り付けるのも面白いかと思います。
シージ版オプティマスプライムと、ロボットモードで。
メインカラーの赤と青、グレーの色味は同じです。
こうして見ると、やはり本体部分のデザインはおおむね踏襲されていることがわかります。しかし、なんとも時の流れを感じさせるツーショットになっています(笑)。
果たして両者の関係はどういうことになっているのか・・
中のヒトで。
やっぱりデブいなぁ、左のヒトは・・
以下、画像
まずは本体のみで。
体型はともかく、可動はシージ基準をしっかり満たしているのでまったく問題なし。
その体型も、ポージングと撮影角度によってはなんとなく誤魔化せます(笑)。
スタンド対応穴は腰裏にいくつかあります。バックパックの5㎜穴を使うのもいいでしょう。
バックパックは側面に5㎜穴があるので、武装を取り付けることもできます。
キャノンコンボイ。色も相まってなんかガンキャノンっぽい(笑)。
肩アーマー及び前腕のガントレットを取り付ければ、多少オリジナルの本体に近付けることはできます。
しかし、胸部はどうしようもないにしても、頭部はなんとかできたでしょうに・・
ギャラクシーアップグレード形態で。
可動は本体準拠。基本状態では大きく干渉するものもないので、性能は十分かと思います。
なお、マグナスでは若干緩いと思えた股関節ですが、クリック機構がキツめに調整されていました。しかし今度はむしろ硬過ぎて怖いです。まぁ、このへんは個体差もあるでしょうが。
スタンド対応穴は本単体時と同じ腰裏のものが使えます(バックパックのものは使えません)が、なにぶん重量が大きく加算されているのであまりお薦めはしません。せいぜいポージングの補助に使うくらいがいいと思います。
背部のランチャーを腰溜めに構えて。
ギャラクシーコンボイといえばこのポーズですが、先にも言ったように自由度は低め。せめてランチャーと基部の接続部にもう1つ間接があればなぁ。
そして展開ギミックが再現されていないのも残念です。フライトモードへの変形もしかり、オリジナルでできていたギミックがリメイクでオミットされるというのはどうなのか・・
ランチャーの各部に5㎜軸や穴があれば、バトルマスターやマイクロマスター、ウエポナイザーなどを取り付けてデコレーションするという、シージならではの遊び方もできただろうに。
前腕のガントレットには2つ並んだ5㎜穴があり、エフェクトパーツの取り付けも可能。シージ版で新規に楽しめる要素といえばこれくらいかなぁ・・
オリジナルの砲台モード・・に似た形態の再現も可能です。
まぁ、ビークルモードの後部ユニットほぼそのままですが。わりと目ためは似ていると思います。
この程度のことでも、公式として説明書に載せておくだけでもけっこう印象は違うんですけどね。
以上、“SG ギャラクシーアップグレード オプティマスプライム” でした。
ウルトラマグナスのリデコ(個人的な解釈でパーシャルとは言わない)で、まさかのギャラクシーコンボイ。
オリジナルを持っていないのでネットのレビュー等を見ての感想ですが、少なくとも見ためはかなり寄せられているように思います。
中のヒトこそほぼマグナスのままですが、合体用のパーツはほとんど新造ですし、それによって合体モードのシルエットもマグナスから大きく変貌し、和製トランスフォーマーらしい、勇者シリーズにも通じるようなヒーロー然としたデザインは当時のアニメすら見ていなかった身としてはなかなかに新鮮でした。
ただ、オリジナルトイのギミックを大幅にオミットした仕様は、やはり少し残念に思います。最近だと、レジェンズ版(タイタンズリターン版)オーバーロードでも同じように感じましたね。
ギミックを再現せず、見てくれだけ現代ふうのアレンジを加えて再現するリメイクに果たして意味はあるのか・・
あとは、シージという世界観において、これを一般販売することの是非ですよね。
バトルマスターやマイクロマスター、それにウエポナイザーはシージのギミック面に関わるアイテムなので、そこらには目を瞑るとしても、デラックスクラス以上で出自が初代アニメから大きく外れるキャラ、しかも既存アイテムのリデコ、リカラーとなれば、それはもう限定でいいのでは? と思います。
ギャラクシーコンボイなんて、ジェネレーションセレクトのネタに持ってこいじゃないですか。本当、基準がわからんなぁ・・
話は変わりますが、次期シリーズであるアースライスの日本展開にはひどく落胆させられました。
以前、レッドアラートのレビューで思い描いていた未来が完全に断たれたショックは大きかった。
パワーオブザプライムから商品仕様が世界共通になってしまったわですが、一方でそのおかげで海外で一般販売されるものはすべて日本でも一般販売されるものだと、タカを括っていたんですが、まさかあんなことになるとは・・
そして、今まさにアースライズWave2のアイテムが予約解禁となりましたが、マイクロマスターがモール限定・・
いやこれ、マジか・・なに考えてんの?
ちょっとショック過ぎてなにも浮かびません。いよいよ日本のトランスフォーマーも終わってしまうのか・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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