ヘキサギア  ブースターパック003 レビュー

 今回のレビューは、1/24スケール ヘキサギア より、
“ヘキサギア ブースターパック003〈デザートバギー〉” と、
同じく“ヘキサギア ブースターパック003〈フォレストバギー〉” です。


 ヘキサギアのプレイバリューをさらに拡げるブースターパックに、アーリーガバナーやバルクアームなどと並べて楽しい軍用バギーモチーフのキットが、デザートとフォレスト、2色のカラーで同時発売されました。

 今回は、やはり同時発売された “アーリーガバナー Vol.2” と併せてレビューしていきたいと思います。

 これまでに発売されたブースタパック、001と002は組み換えに有用なパーツの詰め合わせといった感じで、一応単独で小型のヘキサギア(001は小動物型、002は魚型)を組むことは可能でしたが、あくまで公式の組み換え例という程度の位置付けでしかありませんでした。

 しかし、今回の003はそれぞれ〈デザートバギー〉、〈フォレストバギー〉という商品名になっており、完全に車輌タイプのキットとしての完成形がメインとなっています。

 もちろん、各パーツをバラしてほかのヘキサギアようの組み換えパーツとしても使えますが、そもそもヘキサギアってそういうものだし。

 まぁ、あくまで一般車輌ということでブースターパックのカテゴリに含まれることになったのだと思います。世界観を膨らませるアイテムの1つだと考えれば、ブースターとしての要件を満たしているとも言えますし。

 一方のアーリーガバナー Vol.2は、当然ですがアーリーガバナー Vol.1の仕様変更品で、ガバナー本体については成型色の変更のみで、付属のオプション類が変更されています。


 それでは、レビューしていきます。

 キットは素組み。アーリーガバナーVol.2のみ一部塗装しております。


デザートバギー

 デザインはわりとオーソドックスな軍用バギーといった感じですが、サイズは思いのほか大きめ。

 しかし運転席に乗れるのは1人だけで,あとは天井に設置された機関銃の撃ち手として荷台部分に1人が立つ、というのが基本的な運用になるのかなぁ。

 外装パーツは左右や前後、さらに運転席はシートと背もたれ部分を共通パーツにする・・つまり同一のランナーを2枚使うなど、バンダイを見習ったかのような仕様もあります。色違いの同時発売からして、HGUC REVIVE ガンダムMK-Ⅱが思い出される(笑)。

 ヘッドライトとテールライトは形状は同じながら前後でクリアパーツの色を変えるなど、そういうこだわりにはらしさを感じますが。 

 なお、フォレストバギーはこのデザートバギーと形状はまったく同じで、外装および機関銃やタイヤのフレームの成型色が違うのみとなっています。

 なので、あえてフォレストバギーのみの画像は載っけませんので悪しからず。


 外装パーツを外して、ほぼフレームのみにした状態がこちら。

 バラしてほかのヘキサギア用の組み換えパーツにしても・・なんてことを最初に言いましたが、このキット、外装パーツの取り付けに3㎜軸を使う部分がほとんどなんですが、おしなべてキツめなため、一旦完成させたあとでバラすのはなかなかに難儀です。

 ということに、デザートバギーを組んでしまってから気付く(笑)。

 そこで、続いてフォレストバギーの製作に取りかかった際にまずこの状態で撮影した次第です。つまり、これはフォレストバギーのフレーム状態ということで、タイヤのフレームの色が違うのはそのためです。ご了承を。

 さて、車体の基本フレームは “く” の字に折れたパネル状のパーツを3枚連結したもので構成されています。完成形のボンネットに被せてあるのも同じパーツですね。

 このパネルパーツ、工夫次第で縦横にさらに連結可能なので、助手席を備えた大型車輌なども作成可能です。

 本体の構造がシンプルな一方で足周りのパーツ構成はなかなかに凝っていて、さすがに固定ではありますがサスペンションなどのディティールも含め、実際の車の足回りを感じさせるものになっています。

 前輪は連動こそしませんが、ちゃんと左右に振ることも可能です。


 武装オプションはデフォルトでは天井に設置する機関銃のみ。

 ターレット部分で旋回、仰俯角を取ることが可能で、グリップも回転します。

 ボックスタイプの弾倉は銃身の左右どちらにでも3㎜軸で取り付け可能。

 ほぼオープンカーのようなものなので,ガバナーの搭乗は比較的楽。

 背もたれには3㎜軸があり、ガバナー背部のヘキサグラムコネクタに取り付けて固定できます。上下にスライドするのでガバナーの体格に合わせて位置を調節可能。


 ハンドルもまた搭乗するガバナーの体格に合わせ、間に挟むジョイントパーツを増減する仕様。

 アーリーガバナーなど、標準的な男性型ではジョイント2つ(画像)、ローズやミラーなど、小柄な女性型だと3つでちょうといいくらいです。


 荷台部分のリアパネルは内側に折りたたむことも可能。

 その下の牽引用フレームも上下に可動します。

 これとセットでヘッドライトに挟まれたワイヤーリールも実際にワイヤーの延長、巻き取りができれば面白かったんですが・・それくらい自分で再現しろ! と(笑)。


 武装以外のオプションとして、ガバナーに持たせられるフィールドグラス(双眼鏡)が付属します。

 ただ、かなり小さいうえアーリーガバナーの各部に取り付けられるようなピンもないため,紛失には十分ご注意を。


アーリーガバナーVol.2

 カラーが黒系で統一され、新規のガスマスク装備の頭部とも相まって特殊部隊感が強いです。

 画像では最も特徴的な武装である火炎放射器とそのタンクを装備してもらっています。

 腰パーツも弾帯(あるいは小型爆弾?)を前面に取り付けたものが新規に付属。

 なお、マスクのバイザー、そして肩のエンブレムと左前腕のコンソールディスプレイを黒く塗っています。


 メインとなるガスマスク頭部のほかに、素顔を晒したタイプの頭部が4種付属します。

 しかし、ご覧のようにヘルメット以外は肌色パーツの一体成型なので、使いたい場合は塗装が必須(なお、ABS製)。

 僕はおっさん顔には興味がない(笑)ので、これらの生首たちにはそのまま眠っていてもらいます。


付属武装一式

 Vol.1ではウリだったアリスパックのほかハンドガンやサブマシンガン、ライフルなどの標準的な手持ち武器が多数付属しましたが、今回のVol.2ではそういったものに代えて先の火炎放射器を始め対戦車ロケット、4連装の汎用ランチャー、大型の機関銃、さらには斧、スコップといった工作用のツールや手榴弾、無線機など、まさしく特殊な装備が豊富に付属します。

 ランチャーの弾頭や各武器のスコープは簡単に塗装しています。


比較画像

 デザートバギーとフォレストバギーで。

 先にも言ったように、形状的な違いはなく、あくまで外装や一部パーツの成型色が違うのみ。アーリーガバナー Vol.1の通常仕様と密林戦仕様に合わせた完全なカラバリです。

 なにかしらそれぞれの運用環境に相応しいオプションがそれぞれに付属したりなんかしたらよかったんだけど・・

 僕はなんとなく勢いで両方買っちゃいましたが、こんなふうに2台揃える人はあまりいないかもしれないなぁ。


 バルクアームα(密林戦仕様)とフォレストバギーで。

 メインカラーの成型色が一緒なので、相性自体は非常にいいんですけが・・バギーの意外なほどの大きさを実感していただけるかと(笑)。

 イメージ的にパトレイバーとその指揮車くらいのサイズ感かと思ってたんですが、実はバルクアームがそこまで大きくないという。

 それでも、バギーはもう二回りほど小さかったほうがしっくりきた気がするなぁ。


 アーリーガバナー3パターンで。

 戦闘服(?)は色違いの同じものですが、Vol.1がそれぞれ極地方面軍の一般兵、Vol.2がエリート特殊部隊員、みたいな感じです。

 もちろんそれぞれで装備の流用は可能ですし、カラーも好きなように塗り替えて楽しめばいいんです。

以下、画像

 まずはデザート、およびフォレストバギーで。

 まぁ車輌モデルなので、バギー自体というよりは乗せるガバナーたちのポージングやシチュエーションで見せる感じですね。

 ウェーブ(女性兵士)を誘ってドライブ。

 占領地に箱乗りで現れた不良軍人たち。

 機関銃の銃口部分は3㎜径だったので、トランスフォーマー シージ、ジェットファイヤー付属のエフェクトパーツが上手くフィットしました。


 アーリーガバナー Vol.2で。

 本体はVol,1と共通なので過去のレビューも参考にしてもらうとして、この型の優秀なところはなにより足首可動にあります。接地性のよさはもちろんですが、軸接続になったことで滅多に外れないというのがなによりよい。

 これで肩と股関節も軸接続になってくれたら、ガバナーを触る際に生じるストレスはほぼなくなると思うんだけどなぁ。

 ちなみに雰囲気抜群のガスマスク頭部ですが、唯一マスク部分が干渉するせいでほぼ左右を向けないという欠点があります。火炎放射器を両手持ちしても,目線はどこを向いてるんだか・・

 対戦車ロケット、4連装ランチャーはそれぞれメイングリップが可動し、肩に担ぐポーズも自然。

 大型機関銃のバイポッドは差し換えで収納と展開を再現。

 無線機もちゃんと手に持たせることができます。

 インターミッションの一コマ。


 久々に組み換えにも挑戦してみました。

 メインカラーが共通のフォレストバギーとバルクアームα(密林戦仕様)を使って、それぞれの原型を活かす方向で。

 定番でしょうが、バルクアームの下半身をバギーとすげ替えるかたちにしました。

 もちろん、ただ乗っけるだけでがつまらないので、戦闘にも応用できる大型重機のようなイメージで。

 バギーの方も運転席を廃し、側面にバルクアームの脚部などを取り付けて重装甲かつ重さにも耐えられるような雰囲気に。ブロックバスター(VF仕様)に付属するマルチミサイルも足してみました。

 ちょっと違うかもですが、フロントミッションを思い出しました(笑)。

 フォレストバギーの場合は、このバルクアームα(密林戦仕様)以外にもボルトレックス、ブロックバスター、モーター・パニッシャーの各VF仕様機とのマッチングも手軽でよいともいます。

 一方のデザートバギーのほうは既発売アイテムで成型色を同じくするものはありませんが、来年1月発売のギガンティックアームズ ワイルドクローラーや、まだ発売時期は未定ですがバルクアームβの標準仕様などデザートカラーの機体が出てくるようですし、今後の展開が楽しみです。


 以上、“ヘキサギア ブースターパック003〈デザートバギー〉&〈フォレストバギー〉” 、そして “アーリーガバナーVol.2” でした。


 これまでに発売されたブースターパック2種が、前提として既存のヘキサギア単体にオプションパーツを追加するというブースターだったのに対し、今回の2色のバギーはより広い意味でのブースター・・それこそヘキサギアの世界観を増幅させるためのアイテムになったのかと思います。

 ガンダムシリーズでも、陸戦型ガンダムの横にホバートラックや61式戦車がいたほうがいろいろと説得力がありますしね。

 実質一人乗りの戦闘用バギーとしてはちょっと大き過ぎる気もしますが、そこはヘキサギアの基本コンセプトである組み換え要素との両立もありますし、いろいろと調整したうえでのこのサイズということなんでしょう。

 個人的には(あくまで設定上は)一般車輌系のキットを作るのは久し振りだったので、わりと新鮮でした。

 まぁ、作業工程自体はこれまでのシリーズアイテムとそう大きく変わるものではなかったんですが。


 さて、次のブースターパック004〈マルチポッド〉はガバナー用の汎用コクピットということで、イメージとしてはオーダークレイドルに近いでしょうか。

 ただ、単体で遊べるギミックはほとんどないような感じで、それこそほかのアイテムとの組み合わせが前提となっているようですが。

 先日のホビーショーでは怒濤の新作発表がありましたし、今後ヘキサギアはさらに勢いが出てくるかもしれません。

 でも・・なぁ、最初の頃から方向性が随分変わってきているのは少し気になる。

 僕はもっと動物モチーフのキットが欲しいんだ!


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 新型車両の展示会でコンパニオンを務める轟雷さん。

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