今回のレビューは、1/35スケール ZOIDS ゾイドワイルド より、
“ZW25 ビーストライガー” です。
“ZOIDS ゾイドワイルド” のセカンドシリーズが遂にスタート。
野生 vs 兵器の戦いが幕を開けます。
まず先陣を切って野生側の主役機、
“M型 ライオン種 ビーストライガー” が
発売されました。
(このレビューは、旧サイト「退屈と惰性と」で8月2日に投稿したものの、その後容量不足から一部画像の表示がおかしくなったものをこちらに転載したものです。
いくつか画像の撮り直しと整理をしています。本文についてはほぼそのままなので、認識の古い部分もありますがご了承ください。若干の修正箇所はあります。
なお、こちらでの投稿を機に旧サイトの投稿は削除しております。)
知らないうちにアニメ終わってた・・(笑)
でもゾイドワイルドは続く、ということでセカンドシリーズのスタートです。
てっきり同時にアニメの新シリーズも始まるんだろうと思ってたんですが、日朝アニメ枠自体がなくなってしまったようですね。つまりシンカリオンも終わってしまったということで、タカトミ大丈夫なんだろうか?
まぁ、アニメのタイアップがなくてもシリーズ継続ということは、キット単独でもそれなりに売れると判断された(そもそも最初のゾイドはなんのタイアップもなかった)のでしょうし、それで露骨な子供向け要素が薄まるなら、むしろ古参ファンとしてはそのほうが喜ばしいことかもしれない・・とここまで書いてきたところでアニメ新シリーズの情報を知る僕(笑)。
なんと、テレビ東京系に移って10月からやるようです。
タイトルは “ゾイドワイルド ZERO”と、旧シリーズのアニメ第2弾、“ゾイド新世紀スラッシュセロ” を彷彿とさせます。
テイザーPVを見た限り、前作との世界観の繋がりはなさそうで、野生VS兵器・・共和国VS帝国という、わりとシリアス路線のお話になりそうな予感。
ただねぇ、テレビ東京系6局ネットって・・地上波だと見られそうにないな。
まぁ、アニメは見れずともキットは買える! ということで、当然追いかけていきますよ。
セカンドシリーズにおける新たなテーマは野生VS兵器だそうで、ワイルドブラストの進化形ギミック、エヴォブラストを搭載した野生種のゾイドと、ファーストシリーズでは意図的に封印されていた武器を装備し、ワイルドブラストに変わるマシンブラストを搭載し、完全に兵器として調整されたゾイドが登場します。
もっとも、アニメにおける共和国VS帝国の図式は完全な野生VS兵器というわけではなく、共和国側にも武器を装備したゾイドは所属しているようで、このあたりの設定はどうなってくるのか、今後注目です。
結果としてアニメに3ヶ月(実質は2ヶ月か)先行するかたちでキットのリリースが始まりましたが、初っ端の7月には野生と兵器、それぞれから1アイテムずつが発売。
まずはナンバリングに沿って、野生種ゾイドのビーストライガーをご紹介します。
ライガー系の新機体ということで、いうまでもないですがセカンドシリーズ、ひいてはアニメ新シリーズの主役機となります。
ネタバレの段階では、てっきりワイルドライガーの進化形かと思ったんですが、おそらくアニメの世界観には繋がりはありませんし、キットの解説でも関連性は語られていないので、完全に別種という扱いでいいと思います。
それにしても、ビーストライガー=野獣獅子って、相変わらずネーミングセンスは酷いですね。しかも、ワイルドライガー=野生獅子のほうがむしろセカンドシリーズのテーマにぴったりというのもなぁ・・
長くなりました。レビューしていきます。
まず嬉しかったのは、パッケージ裏や復元の書(組み立て説明書)に追加された改造計画書。
第1期シリーズ初期のアイテムのパッケージ裏に描かれていたものの再現で、非常に懐かしく感じました。
古参ファンから要望があったのか、そもそも開発側もやりたかったのか・・なんにせよ過去シリーズに対するリスペクトを感じられ、以後もシリーズを追いかけていこう、というモチべーションになります。
ひょっとしたら、今後発売が予定されているオプションパーツセットなどで、これらの改造機体を再現できるのかもしれません。
エヴォブラストユニット
新ギミック、エヴォブラスト再現用の新規ギミックユニット。
とはいえ、構造、形状ともにワイルドライガーのギミックユニットとほぼ一緒で、組み立て済みであることも同様です。
ユニットに取り付けるクローも、一部のパーツが組み込み済みになっています。
セカンドシリーズでは、おそらく一部のM型限定だとは思いますが、ギミックユニットの交換が可能になっています。
動力ユニットが共通だからこそできる楽しみかたですが、あくまで基本の歩行連動ギミックが作動するというだけなので、そこは理解しておいてください。
詳細は近日アップ予定のキャノンブルのレビューにて。
ボーン復元
ボーン形態は、ほぼワイルドライガーからの流用になります。
相違点は背部のギミックユニットを除くと、喉元のパーツと四肢の爪先のパーツのみ。キバは先端の形状が若干違うように見えるので新規造型かもしれませんが、ほとんど同じ形状です。
まぁね。これはファングタイガーの時点で半ば諦めていたことではあります。
旧シリーズでもシールドライガーからブレードライガーという例があったわけですから、おおよそは流用でも構わないとは思うんですが、なにかもうワンポイントくらい変えてきてほしかったかな、とは思いましたね。
復元完了
・・うぅむ。やはりいろいろと加工されたパッケージ画像とのギャップは如何ともしがたい。
しかし、それでもワイルドライガーの微妙なプロポーションに較べれば、かなりがっしりと力強い雰囲気になったのではないかと思います。
少なくともちゃんとライオンに見えるよ(笑)。
ワイルドライガーでは若干のっぺりした印象だった頭部外装はディティールアップとともにバランスが見直され精悍な印象に。
四肢に取り付けるアーマーはかなり大型になり、タテガミを含めた頭部外装に負けないボリュームになっています。
エヴォブラスト(進化解放)
セカンドシリーズにおいて導入された新ギミック、エヴォブラスト。
とはいえ、基本はこれまでのワイルドブラストと同じです。
ただ、一部のゾイドでは第1,第2と2段階の形態変化が可能なようです。
あれ? ファーストシリーズですでにそれができたゾイドもいたような・・
第1段階
気を取り直して、こちらがビーストライガーのエヴォブラスト第1段階。
背部のレッドタテガミクローを前方に展開した状態で、見ためはワイルドライガーのワイルドブラスト形態とほぼ一緒です。
クローが大型化したことで迫力は増していますが、リーチは実のところ若干短くなっています。
なお、この形態で放つ進化解放技(必殺技)が、“ビースト・オブ・クロー”・・
いや・・だから、“爪の野獣” ってなんだよ? まだ中学生レベルの英語が理解できてないんでしょうか?
というか、こうなるともうわざとだろうけど、とりあえず言葉として “キング・オブ・クロー” より弱そうなのはどうしたものか……
第2段階
レッドタテガミクローの内部からさらにゴールドタテガミクローが展開、リーチがおよそ2倍に伸びた第2段階。
ワイルドライガーのそれよりもリーチは3割増しくらいですかね。ただクロー全体のボリュームがかなり増しているので、そのぶん攻撃力も増しているでしょうし、なるほど進化と呼べるかと思います。
この形態で放つ進化解放技は “ビースト・オブ・クロー破(ブレイク)”となります。
ワイルドライガーのタテガミクローはわりと細身の形状で、斬り裂いたり突いたりするのに適してそうな雰囲気でしたが、ビーストライガーのタテガミクローはレッド、ゴールドともにかなり大振りで、斬るというよりは叩いて砕くような攻撃パターンになるのかな、と思います。
ちなみに、このビーストライガーもボーン形態がほぼ共通のワイルドライガーやファングタイガー同様、電動歩行と一連のブラスト発動ギミックが連動しています。
電動アクション
スイッチを押すと、4本の脚で前進を開始。
同時に首が徐々に下がっていき、その過程で背部のロックが解除され、ブラストギミックが発動。
以降はクローを上下に振りながら、さらに口を開閉しつつ前進を続けるという流れはワイルドライガーやファングタイガーと同じです。
しかし、その2体が首が完全に降りきったところでブラスト発動するのに対し、ビーストライガーはそれまでに2段階の発動をこなします。
首は歩行に連動してかくん、かくんと段階的に4回降りていくのですが、ビーストライガーではまず2回めでレッドタテガミミクローが展開し(エヴォブラスト第1段階)、上下動を始めます。
その後、首が降りきる4回めでゴールドタテガミクローも展開(エヴォブラスト第2段階)、口の開閉も加わって以降も前進を続けます。
ギミックが一つ追加されたので、確かに進化には違いない。
ただそのせいで、歩き出してわりと早い段階でエヴォブラスト第1段階が発動し、かと思うと間もなく第2段階へ移行するという、けっこう忙しない感じになっています。
ワイルドライガーやファングタイガーでは、ある程度(それでも短時間ですが)通常形態で歩いてくれたんですが、ビーストライガーはそんな理由でほぼ通常形態では歩きません。
キャパが同じところに効果を2倍にしたんだから、そりゃ当然そうなるわな。
また、あえて言うことでもないんですが、通常形態へ戻すためには一旦スイッチを切り、手動に手首を元の位置に戻し、クローも丁寧にたたんでロックし直す必要があります。
しかし、このロックが非常に甘いです。ワイルドライガーでも緩め(初期のもでは不具合もあったよう)でしたが、ビーストライガーはそれに加えて首の位置固定も緩いです。
これは、ほかのゾイドとのブラストユニットの交換のため、ユニットの取り外しを容易にしたことの弊害なのかもしれません。
比較画像
ワイルドライガーと。まずはボーン形態で。
ワイルドライガーはタテガミクローの真ん中のみ、外そうとすると破損しそうだったのでそのままにしています。
先にも言ったようにブラストユニットと喉元のパーツ、それに四肢の爪先が変更されています。
とくに爪は大きくなり、より大型肉食獣らしい雰囲気に。
また、ゴールドとされるパーツの成型色が明るめになっています。しかし結果として、もはやゴールドではなくクリーム色に近い感じになってしまいましたが・・
外装を装着して。
ワイルドライガーの、頭でかっちでボディは貧相という印象が、ビーストライガーでは幾分解消されているように思います。
やはり、頭部側面のタテガミの長さ自体を少し短くしたことと、四肢のアーマーのボリュームアップが大きい。それで全体のバランスは上手くまとまったように思います。
顔付きもかなり変わってますね。ビーストライガーのほうが、年輪を重ねて成熟したような雰囲気があります。
喩えるなら、ワイルドライガーはようやくタテガミが生えそろったばかりの若いオス、ビーストライガーはプライドの頂点に立つ最盛期のオス、といった感じかなぁ。
それぞれのブラスト形態で。
ビーストライガーのほうはゴールドタテガミクローも展開した第2段階で。
見ての通り、クローのリーチは2体で極端には変わりません。
ただ、ワイルドライガーのそれが中央の1本のみ長いのに対し、ビーストライガーのものは3本ともほぼ同じ長さで形状も随分攻撃的になっています。
まぁ、それでも現実的に考えると有効範囲の狭い攻撃ではあります。
セカンドシリーズのテーマは野生VS兵器ということで、それそれの外装のデザインに一目でそれとわかる方向性の違いがありますね。
そのへんは次回、キャノンブルのレビューにてもう少し突っ込んで書こうと思います。
ゴールドタテガミクローは展開したままでクロー全体を閉じることもできます。
始祖であるシールドライガーのへのリスペクトもあるのか、ライガー系といえばブルーのイメージが強い気がします。
第2期以降、アニメの流れもあっていわゆる主役級の機体がライガー系に独占されるようになってからも、メインカラーにはまず青を持ってくるパターンが定着しています(ライガーゼロという変速パターンもありましたが)ね。
ワイルドライガーのメインカラーが白と青で、今回のビーストライガーが白と赤になったのは、ゾイドジェネシスでのムラサメライガーからハヤテライガーへのエヴォルト・・まさに進化をオマージュしたんですかね。
以上、“ZW ビーストライガー” でした。
待望の新型ライガーですが・・、正直微妙ですね。
確かに、見ためはワイルドライガーと較べて格段によくなってますよ。
ファングタイガーやハンターウルフと並べても見劣りしませんし、レッド&ゴールドタテガミクローの形状も力強く攻撃的になって、エヴォブラスト発動時のインパクトも増しました。しっかり主人公機の大役を果たすに足りる風格を備えているとは思います。
しかし一方で、ギミックを含めてワイルドライガーの上位互換以上のものではなく、新鮮味はほぼありません。
ウリであるエヴォブラストにしても、強引に詰め込んだためにギミック全体が駆け足なものになってしまい、設定としてはおそらく本当の奥の手であるはずのエヴォブラスト第2段階があまりにもあっさりと発動されてしまうことには興醒めすらしてしまいます。
いっそのことまったく別のギミックにしてしまうという選択肢はなかったんですかね?
アニメの演出にしても、1期とどう差別化するのか・・
そのアニメのテイザーPVで紹介されていた主人公側、共和国サイドのゾイドが既存機のバリエーションばかりだったこともちょっと引っかかってます。
せっかく新シリーズが始まったというのに、スタートから3~4ヶ月のうちに発売される完全新規キットが2つくらいしかなさそう。しかも両方敵サイドというのはどうなんだ?
まぁ、こういった揚げ足取りのような懸念が杞憂でしかなかったと、3ヶ月後には笑えているよう願うばかりです。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
旧サイトからの転載に際して文章を校正し直しましたが・・思ってた以上に誤字が酷い(笑)。
いつもけっこう見直してるんだけどなぁ・・
0コメント