MG ガンダムF90Aタイプ & Lタイプ レビュー

 今回のレビューは、1/100スケール マスターグレードモデル より、

“MG ガンダムF90用ミッションパック Aタイプ & Lタイプ” です。


 プレミアムバンダイ限定で展開される、ガンダムF90のすべてを紐解くA to Z PROJECT。

 遠距離侵攻仕様のA(ASSAULT:アサルト)タイプと、

長射程仕様のL(LONGーRANGE:ロングレンジ)タイプ、

2種のミッションパックがセットで発売されました。


 A to Z PROJECTもいよいよ大詰め。

 今回発売されたAタイプはF901号機の、LタイプはF90Ⅱとなった2号機の、それぞれ代表的な装備として旧1/100スケールキットでも発売され、認知度も高いと思っていたので、随分と待たされた印象です。

 というか、この2つでセットにするなんて、なんというか贅沢? にも感じますね。

 しかし、これであとは残すところN、X、Y、Zの4種のみ。

 Nは、ハルファイターとハルブラスターが別々になるのか、コンパチになるのか、それとも2機セットとか?

 Yはクラスターガンダム扱いになるのかどうか・・

 XとZについてはいまだまったくの謎に包まれていますが、なんとなく本体込みで来るんじゃないかと予想してます。

 なんの根拠もないですけど(笑)。

 なんしてしも、ミッションパックの2種セットでの発売というのは、たぶん今回で終わりなんじゃないですかね。

 そう思うと、最後にAとLのセットというのも相応しいのかな。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、一部塗装に、付属のシールとデカールも一部のみ貼っています。


 過去の関連キットのついては、以下直近のレビューへのリンクから順次遡っていってください。

F90A ガンダムF90A(ASSAULT:アサルト)タイプ

 敵陣深くまで侵攻し、目標にピンポイント攻撃路加えることを想定した仕様。バックパックにミノフスキークラフトを応用した増加機動ユニットを備え、大気圏内飛行能力を獲得。

 腕部と脚部には長時間の作戦行動を可能とする大小のプロペラントタンクを計4基マウント。

 主武装には対要塞のビームバズーカを装備します。


 では、いつもに展開図を。

 使用するハードポイントはそれぞれ左右の肩、前腕、腰部サイドアーマー、左脛即面、そしてバックパックの全9箇所。

 バズーカのマウントにリアアーマーのマウントラッチも使います。


 装着完了。

 やっぱりF90はこのAタイプの印象が強いなぁ。

 旧1/100スケールキットでは、F90本体にこのAとD、Sの3種のミッションパックがセットになって最初に発売されましたね。

 そのときのバズーカは青色成型だった気がするけど、今回はちゃんとグレー成型で付属しました。

 機動ユニットが後方にかなり張り出した格好になるので、やや後ろに倒れやすいです。


増加機動ユニット

 ミノフスキークラフトを応用した飛行ユニット。

 ユニットの基部はバックパックに被せるかたちで装備するのですが、左右のバインダー状のユニット本体は肩を覆うようなかたちで配置されます。

 肩への接続地は、ユニット前部裏面にあるジョイントを展開。

 設定上、安定した飛行のために肩はユニットとの接続で固定されるため、結果として腕部は肘から下しか動かせなくなります。

 プラモ的なギミックとしては、ジョイントを外し(収納し)、ユニットを縦向きにするなどすれば通常通り腕部を動かすこともできます。

 ユニット前部には実体弾を撃つマシンキャノンとビームキャノンを1門ずつ装備。

 後部にはスラスターも2基ずつ、計4基追加されているので、加速性もそれなりにあるのだと思われます。

 色分けもほぼ成型色で再現されています。


プロペラントタンク

 左右の腕部と脚部に計4基マウントする燃料タンク。

 こちらが腕部用で、

こちらが脚部用。

 基本的な形状は共通ですが、腕部用は6t、脚部用は17tと、容量が大きく異なります。

 ちなみに、先に発売されたTタイプが装備するタンクと同型で、パーツもそちらを流用したものになります。

 しかし、もちろん先にデザインされたのはAタイプのほうで、設定としてもA単婦のタンクをベースにTタイプのブースターユニットが急造されたということになっています。


ビームバズーカ

 携行式の大型ビーム砲。

 のちに連邦系MS定番の携行武装になったものの初期型ということでしょうかね。

 グリップは可動しますが、肩が固定のうえ機動ユニットとの干渉もあって少々持ちにくいです。

 エネルギーパックは取り外し可能で、予備含め3個付属します。

 予備の2個は腰部サイドアーマーにマウント。

 3㎜軸での接続になりますが、軸が短いのでちょっと外れやすいですね。


 バズーカ自体は砲身の中央からジョイントが展開し、

それを使うことで腰部リアアーマーのラッチにマウントできます。

 本来固定用のための3本の爪は固定には役立ちません。

 今さらですが・・


F90 ガンダムF90(A.D.S.混合装着時)

 フル装備形態とも呼ばれる、A、D、S、3種のミッションパックそれぞれの装備の一部を同時に装着した形態ももちろん再現可能です。

 オールズモビルの基地攻撃の際にこの仕様で出撃。

 ただ最終的には各装備をパージし、F90本体のみの状態で2号機(火星独立ジオン軍仕様)と戦ったようです。

 実際に装備されているのは、Aタイプからビームバズーカ(+予備エネルギーパック)。

 Dタイプから4連グレネードラック、5連ロケット弾パックをそれぞれ1基、MSクラッカーを2発。

 Sタイプからバックパックに装備するメガビームキャノン、右腕にのみ4連装ビームキャノンユニット、クルージングミサイルを2発。

 背中にシールドを背負ったイラストもありますが、Sタイプのバックパックにはマウントできませんでした。

 というか、ほぼほぼSタイプをベースにさらに火力を盛り盛りにした感じです。

 Aタイプ本来の機能は一切反映されてないんですね・・


F90ⅡL ガンダムF90ⅡL(LONGーRANGE:ロングレンジ)タイプ

 長距離狙撃に特化した仕様。

 メインユニットのロングライフルは実弾とビームの撃ち分けが可能。

 ビームの場合は最大射程100Kmを超え、実弾の場合は弾体の周囲後方のバーニアペレットを任意で爆発させることで一度だけ斜角を変更することが可能というチート武器。

 射撃精度を高める複合センサーとサーモスコープ、左右前腕に迎撃用のミサイルランチャーも装備します。

 2号機の改修機であるF90Ⅱと同時にデザインされ、旧キットでもF90Ⅱの本体とセットで発売されたので今回もF90Ⅱに装備させることにしました。


 こちらも展開図から。

 使用するハードポイントは左右の肩、前腕、脛即面とバックパック。腰部サイドアーマーは左のみで8箇所。

 ログライフルを接続するウエストステーはリアアーマーのマウントラッチで固定します。

 また、ビームサーベルはバックパックから専用のラックパーツに装備位置が変更になります。


 装着完了。

 右脇に本体を超える全長のロングライフルを抱えるというスタイル。

 基本、狙撃に特化した仕様でほかの装備もその補助の意味合いが強いものがほとんどになります。

 それにしても、わりと最近もこのスタイルのガンダム見たな・・

 まぁ、あっちはライフルにスラスターも付いてたから、狙撃一辺倒ではなかったけど。


ロングライフル

 先の通り、実体弾とビームを撃ち分けることが可能な、本仕様のメイン武器・・というかむしろこっちが本体。

 F90本体の全高を優に超える、ミッションパック26種のなかでも最長クラスの武器です。

 旧キットでは確かグレー一色でしたが、今回は細かい分割でほぼ成型色による色分けが再現されています。

 腰部リアアーマーのラッチにマウントしたウエストステーにより懸架。

 ジョイント部は2軸で可動し、ライフル自体もボールジョイントで接続されますが、やはり取り回しはよくありません。

 なお、左右を入れ換えることでライフルを左脇に抱えることもできます.

 しかし、後述のサブグリップの可動が制限されているため、事実上右腕専用装備ということになりますね。


 メイングリップは上下に可動。

 サブグリップも可動し、両手で保持することも可能です。

 後部のフィンも可動します。


 ライフルは中ほどで2段階の折りたたむことができ、そのまま後方に回すことで収納形態にできる、ということなのですが・・

 これは収納できているのだろうか?

 これならずっと脇に抱えてるほうがむしろ邪魔にならないんじゃいかな。

 そもそも、腕が邪魔になるから後ろに回すのも一苦労という、ね。

 宇宙空間ならなんとか、下から回せばいけそうですが、陸上だと腕外さないとむりでしょ・・


 実体弾マガジン、エネルギーパックはそれぞれ取り外し可能。

 ジョイント自体は共通なのですが、形状のミスマッチもあり、エネルギーパックの位置に実体弾マガジンは取り付けられますが、その反対は不可能となっています。

 実体弾マガジンは2個付属。

 予備は左の腰部サイドアーマーにマウントします。

 エネルギーパックは左右対称形で2個ずつ、計4個付属。

 予備は左右の脛即面にマウントします。

 1個余りますけどね。


バックパック

 増加スラスターと射撃用のサーモスコープを備えたバックパック。

 標準装備のバックパックに被せるかたちで装着します。

 スラスターはボールジョイントで可動。

 サーモスコープはアームの支点とスコープ接続部でそれぞれ可動。

 人が乗るロボットがさらにスコープ覗く意味があるのか? とか野暮なことは言わない約束。

 スコープ前面にはシールを貼ります。


複合センサーユニット

 左肩に装備する精密上旬用の複合センサーユニット。

 2枚のフィンは可動します。


ビームサーベルラック

 サーモスコープとの兼ね合いもあるため、ビームサーベルはバックパックから外され、専用のラックユニットで右肩に装備されます。

 右手でライフルを扱う以上、やはり左手での使用が基本となるのでしょうが、なら左肩に装備したほうが取り出しやすそうですけどね。


2連装ミサイルランチャー

 左右の前腕に装備する中距離用のミサイルランチャー。

 小型のミサイルを2発ずつ装備します。接近してきた敵の迎撃用ですかね。

 なお、ミサイルは取り外し不可。

 先端の赤色再現にはシールも付いていますが、今回はマーカーで塗りました。


比較画像

 今回の2タイプ。それぞれ1号機と2号機(F90Ⅱ)に装着した状態で。

 遠くから接近していって直接叩くAタイプと、遠くから動かずに叩くlタイプ。

 コンセプトとしては真逆ですね。

 それがセットになってくるんだから面白い。


以下、画像

 まずF90Aで。

 基本的に腕が半固定状態なので、一応ビームサーベルは装備しているものの格闘戦は苦手でしょうね。

 長距離移動のためにプロペラントタンクもいっぱい積んで、その分重量も増してますし、機動性はともかく運動性は決してよくはない感じ。

 とはいえ、一旦目標地点に到達した後は腕部の固定を外して、ついでに空になったタンクも随時パージしていけば小回りも利くようになるでしょうし、普通に高性能機として活躍できるでしょうね。

 26種のミッションパックのなかでも汎用性は高い部類だと思います。

 ユニットを立てた状態がなんかスーパーガンダムっぽい。


 続いてLタイプ。

 立て膝にサブグリップも保持で安定した射撃姿勢を。

 本体の可動に付いてはとくに制限がないものの、やはりライフルの取り回しが悪いので、攻撃アクションという意味ではポージングは限られてきますね。

 こちらは宇宙空間での狙撃イメージ。

 機動性、運動性はとくに必要ない仕様だろうにバックパックにスラスターが追加されているのは、宇宙での狙撃時に反動を相殺するため? かな。


 ADS複合装備で。

 旧1/100キットでも再現できたと思いますが、今回のMG化でよりバランスのとれた姿に。

 しかし本当、完全に火力で特化だなぁ。

 まぁ、AとSでメイン装備の装着位置が被ってますし、どっちを取るかと隣ると、そりゃわかりやすく攻撃力の高いSのビームキャノンになるのは仕方はないかなぁ・・

 すでに敵拠点のすぐ近くまで来てたようでもあるので、なおさらAの機動ユニットは必要なかったのかと。

 26種のミッションパックは基本、それぞれ1個で完結していて、併用スルという発想はほとんどないんですよね。


 よし!どっちが早く標的を落とせるか勝負だ!

 固定票的なら、さすがにLタイプが勝ちそうですけどね。


 以上、“MG ガンダムF90用ミッションパック Aタイプ & Lタイプ” でした。


 26種のミッションパックのなかでも初期にデザインされて、旧1/100スケールキットでも発売され、知名度も高いAタイプとLタイプ。

 ゆえにかなり焦らされた感もありますが、ようやく発売されました。

 Aタイプは旧キットのときがどうだったのかは覚えてないんですが、機動ユニットの左右が、肩との接続を外して立てることができるようになっており、それによってお馴染みのシルエットから変化するのがよいですね。

 Lタイプは色分けのおかげもあって情報量の増えたロングライフルの存在感がやはり最高。

 欲を言えば新解釈でより取り回しを向上させた新規ジョイントアームなど追加されていればよかったかな? とも思いますが。

 A、L両タイプともにオリジナルのイメージカらそのままブラッシュアップされていて、当然、新規デザインのミッションパックのような新鮮味や奇抜さはないですが、そのぶん安心できるというか、シリーズ終盤に来てしっかり締めるところで締めてくれた、という感じです。


 さて、残るミッションパックは4つ。

 そろそろ次のアナウンスが来てもいい頃じゃないかと思いますが・・

 僕の予想はNタイプ。

 どうなるかな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を

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