今回のレビューは、トランスフォーマー スタジオシリーズ より、
“SSー104 バトルトラップ” です。
実写映画最新作、“トランスフォーマー/ビースト覚醒” で新たに登場する敵対勢力、テラーコンの1人、
“バトルトラップ” が、
スタジオシリーズで発売されました。
実写映画の新作発表後、わりと早い段階からオートボットのほかにマクシマル、プレダコン、テラーコンが登場するという情報は伝わってきましたが、それぞれがどんな立ち位置となるのか・・まぁこれまでのシリーズの流れからマクシマルはオートボット側、プレダコンとテラーコンは敵方であることは間違いないだろうけど。
しかしテラーコンというと、どうしてもハングルーをリーダーに5体合体でオボミナスになるモンスターメカ軍団を思い出してしまいます。
日本ではテラートロンでしたが、むしろそっちの実写化のほうが個人的には嬉しかったかな。
G1以降もテラーコンは特定の集団の名称として何度か登場していて、トランスフォーマープライムでは死亡したトランスフォーマーにユンクロンがダークエネルゴンを注入し、眷属として復活させた者たちのことを指したようです。
今回はその方向ですね。ユニクロン出てきますからね。
ちなみに僕はプライムは見たことがないので、それも今回レビューを書くにあたって調べた内容です・・
そんなわけで、スカージ、ナイトバード、そして今回紹介するバトルトラップの3人がメインヴィランのテラーコンとして活躍してくれるようです。
それぞれ過去シリーズにも登場したキャラクターの名前が付けられていますが、例によって名義貸しという印象ですね。
スカージは、ある程度設定も踏襲されている気配がありますが、なんにしても映画を見てみないことにはわかりません。
それでは、レビューしていきます。
バトルトラップ
この名称が使われたキャラの初出は、ザ☆ヘッドマスターズ。デストロン ツーインワン(ディセプティコン)の合体攻撃兵 バトルトラップですね。
ツーインワンは2台のビークルが合体して1体のロボットに変形するトランスフォーマーで、バトルトラップはヘリコプターと4WDカーが合体しました。
近年(といってももう5年ほど前か・・)パワーオブザプライムで分離状態でも個別にロボットモードに変形する新解釈でリメイクされました。
今回ビースト覚醒に登場するバトルトラップは、そんな初代とはまったく関係なさそうですし、デザイン的にもとくにモチーフにはなっていないようです。
実写1作めのときのボーンクラッシャーみたいなものですね。
なお、日本語吹き替え版のキャストは三宅健太氏。
見ため通りにパワフルなキャラクターだろうと予想されます。
ロボットモード
実写版のディセプティコンは人型にしてもどこか極端な、いわゆる異形的なデザインのキャラが多かったのですが、バンブルビー以降は比較的ストレートな人型が主流になっているようで、今回はディセプティコンではなくテラーコンですが、とりあえずメイン級はだいたいそんな感じです。
このバトルトラップも、小顔脚長のかなりヒロイックなプロポーションになっています。
というかめちゃくちゃ脚長いんですけど・・
腰の位置がすごく高い。
ビークルのボンネット部が変形した胸部の角張り具合に対して腕部が細いので、それも含めてちょっとヒョロい印象は受けますね。
そういう意味では、劇中デザインと多少差異があるような気もします。
とはいえ、トータルではかなり洗練されたデザインになっていると思います。
メインカラーのオレンジも、あまり悪役らしくないというか・・
頭部アップで。
額にV字アンテナ。某赤いヒトが付けてるバイザーっぽい目許に、口許はシャープなマスクという、なんか悪役ガンダムみたいなデザインです。
当然初代の雰囲気は一切ありません。
そもそも目はどこなんでしょうね。パッと見、下の青矢印の部分が目に思えるんですが、
パッケージイラストではその部分はほとんど描かれておらず、その下側のバイザーのスリット部が目立つ構図なんですよね。
ちなみに、イラストだとそのスリット部はオレンジ色に発光しています。
なんでトイはピンクで塗っちゃったのか? なんか可愛いけど(笑)。
胸部は車に変形するキャラの定番でボンネット部が変形しているのですが、バンパー部分はダミーです。
そのバンパーを含む胸部前面パーツと、そこから繋がっている頭部とを開くと内部に座席のようなディティールがあります。
しかも、なにかを固定できそうなピンまであります(胸部パーツを固定するためのものではないです)。
本来の意図はわかりませんが、とりあえず適当なパイロットフィギュアを座らせてみました。
うん。いい感じ。
閉められませんけどね。
まぁ、ディティールをよく見ると座席としては座り心地が悪そうだし、あくまでそう見立てられるという感じでしかないんですけど、なにかと遊べますね、これは。
前腕裏側にはビークルモードで車体後部に来るレッカーフックがたたまれています。
さらに2箇所で可動することでトンファーのような感じにできます。
実際劇中でこのような武器が使われるのかは不明ですが。
背面。
ビークルのルーフおよびフロントウインドウ部を背負っているかたちですが、すっきりとまとまっています。
各部、とくに気になる肉抜きもなく密度感のある仕上がりですが、長い脚は変形用のヒンジなどが丸見えなので、さすがに裏側感は強めですね。
スタンド対応穴はいつものように腰裏にありますが、
背中のガワパーツで完全に隠れてしまうのでちょっと使いづらいです。
そのガワパーツもイマイチかっちり固定されず、隙間ができがち。
しっかりジョイントしたつもりでも、触っているうちにだいたい浮いてきます。
なお、ガワパーツ自体はルーフにクリア製のウインドウ部分を裏打ちするというが二重構造になっているのですが、可動部は全部裏側のクリアパーツにピン打ちされています。
ライトパーツに至っては、可動とは関係ないところまでピン打ちされていたりします。
なんだろう? ピン余ってたのかな?
まぁライトはともかく、ルーフのほうはわりと負荷がかかる部分なのでクリパーツにピン打ちはちょっと怖いですね。
脛裏内側にあるタイヤパーツ・・ビークルモードの後輪にあたるパーツですが、なぜか薄いタイヤが2枚重なっています。
実際のビークルでも後輪は2つ重なってるんでしょうか?
だとしてもこんなに薄くはないと思うけども。どういうことなんだろうな・・
なお、2枚とも普通に回ります。
足首の左右スイング可動はなく、つま先のみの回転しで踵は固定という仕様。
なので見ためは正直微妙ですね。
でも踵が長めなので自立が困難ということはありません。
代わりというわけではありませんが、変形都合もあって後方向へのスイングはできます。
付属武器
メイス
鎖の巻かれた鉄球が付属。
本来は腕部が変形する、もしくは右手は最初からこの形状なんだと思いますが、今回のSS版では両手ともに通常の拳が造形されていて、その拳に被せるように保持するオプションパーツとして再現。
左右どちらの手でも保持できますが、取り付け方向は固定(前側から)。
なお、パッケージイラストでも描かれているように鎖を伸ばして振り回すように攻撃するのでしょうが、今回伸びた状態の鎖パーツはなし・・
開いた状態で背中に取り付けることもできます。
なにかの重りを括り付けられてるみたい・・
ビークルモード
レッカー車仕様のGMC・トップキック(C7000)にトランスフォーム。
GM社のライセンスが取得されているため、車体そのものの再現度は相応なのだろうと思います。
フロントグリルやボンネットからルーフに繋がるグレーのライン、同じく側面のオレンジのラインや、ドア部分のロゴマークなど、塗装、マーキングもしっかり再現されています。
やはりルーフとウインドウがしっかり分割されているのがいいですね。
フロントグリルにはGMCのロゴが再現されています。
バンパー部のウェザリングは、ちょっと取って付けた感はあるかなぁ。
後ろから。
・・うん。後ろから見るといろいろと露出しちゃってますね。
もうちょっと後ろ姿に気を遣ってほしいものです。
後部の荷台にはレッカーフックを載せているわけですが、このフックも造形だけで可動ギミックはなし。
ちょっともったいないですねぇ。
で、一番の問題点はそのフックの手前にロボットの拳が露出していること。
久々に見たなこの感じ・・
どうにかしまえなかったものか。
まぁ、フックの手前に5㎜穴があると前向きに考えればいいかな。
メイスはフックの先端に取り付けることができます。
変形は、スタジオシリーズというよりもジェネレーションズラインっぽくて(というかもう両者にほぼ違いはなくなってますけど)、さほど繊細な箇所もなく、比較的難易度は低め。
個人的には、このように長い脚を二つ折りにして車体側面を構成するところが好き。
ただロボットモード同様、ルーフパーツがイマイチかっちりしません。
というのも、説明書で描かれているロボット前腕にあるジョイントが、現物ではなくなっているのため、当初4つのジョイントで固定するはずだったルーフが左右ドア部にある2つのジョイントのみで固定する仕様になってしまったようなのです。
そもそも、これは説明書には特に指示がないのですが、この肩アーマーの裏にあるパーツの突起を、
上画像青丸のように肘のところにある空間に収めるようにしておかないとルーフがうまく閉まりませんし、したところでやっぱりジョイント2つではかっちり固定できず、ちょっと浮いた感じになります。
こんな感じですね
結果的に、なんとなく全体が歪んでいるようにも見えるんだなぁ。
惜しいですねぇ。
あと、後輪手前にほぼそのままぶら下がってるつま先も気になる・・
なお、トップキックというとベイバース版アイアンハイドが変形するビークル(あちらはC4500)なので、なんらかの関係があるのか? とも噂されています。
日本で発売されるかわかりませんが、海外ではまんまベイバース版アイアンハイドをオレンジに塗っただけの簡易変形トイ(覚醒チェンジ相当?)をバトルトラップ名義で発売されているという話もあったような。
果たして真相は・・
中台紙を使った簡易ディスプレイベースの背景は、なんらかの理由でテラーコンが襲撃したらしい博物館の一角のようです。
どこかの神殿を再現したモニュメントのようなものが破壊されていますね。
なお今回のバトルトラップ、ほかのシリーズアイテム同様、無地のダンボルールに固定された状態で、なぜかこの簡易ベース側に正面を向けて箱に入っていました。
ダンボールは捨ててしまったのでちょっとわかりにくいですが、方向としてはこういうことですね。
普通はベースに対して背中を向けています。つまり固定用のダンボールが間に来るかたちですね。
たまたまうちに来たものが逆になっていただけなのかと思っていましたが、どうも全部この向きで入っていたっぽい。
で、あとから気付いたんですが。
ベースに3箇所、透明なテープが貼ってありました。
上画像の緑縁取りした部分です。
こんなこと今までなかったと思います。
おそらくは、バトルトラップ本体が直接触れることによって傷などが付くのを防ぐための措置でしょう。
わざわざこんなことしてまで前後逆に入れた意味って・・?
ちなみに、テープは簡単に剥がせました。ベースが破れることもなかったです。
比較画像
SSー103 バンブルビーと。ロボットモードで。
同時発売されたビー覚版バンブルビー。とくにライバルポジというわけではないでしょうが、おそらく戦闘シーンはあるでしょうね。
オートボット、マクシマル勢に対してテラーコンはメイン級の数が少ないので、これくらいの体格差があってちょうどいいですね。
ビークルモードでも。
やはりこうなるとトップキックがちょっと小さいのかな。
ともにワイルドに改造されたオフロード仕様という感じですが、どうもこの並びだとバトルトラップがアイアンハイドに思えてしまうなぁ・・
PPでのリメイクで随分とプロポーションがよくなった初代ですが、まぁ別人ですよね。
なんで今回この名前が採用されたんだろう?
一応ビークルモードでも。
CV三宅健太繋がりで、TL バルクヘッドと。ロボットモードで。
三宅さんが声を当てたのはアニメイテッドのとき(しかも日本だとアイアンハイド)だから、プライム版のジーワナイズであるレガシー版を持ってくるのは間違いなのか・・ややこしいな。
ともあれ、片手が鉄球になるというところとか、アイアンハイド絡みについても、偶然ということはないでしょう。
三宅さんに吹き替えのオファーが来たことも・・なんかいろいろ勘繰ってしまいますね。
サイズ、プロポーションもほぼ同じくらいで、トイ的にもなかなか似た感じがあります。
ビークルモードでも。
こっちがまったく違う車種ですね。
そもそもバルクヘッド自体がアニメイテッド版ともプライム版とも違うし。
ここ最近発売されたレッカー車に変形するヒトたちと。ロボットモードで。
左がER ホイスト。右がTL スクラップフック。どちらもオートボット側ですね。
やっぱり緊急車両=正義側というイメージがあるなぁ。
デ軍側でレッカー車ってあまり聞かない気がする。
ビークルモードでも。
ちょうど右と左を足して2で割ったような雰囲気の真ん中。
可動は優秀です。
各部の可動にクセがなく、干渉要素もほとんどないのでとにかく動かしやすい。
脚が長く、腕もフックパーツを展開することで擬似的に伸びた感じになるので、動きが大きく、迫力があります。
脚が長いとさせたくなる片脚立ち。
まぁ、足裏が真っ平らじゃないうえに接地面積が狭いので、かなり苦労しましたけど。
スタンドを使って。
先の通り、スタンド穴が若干使いづらいですが、空中姿勢も格好いい。
基本仕様が共通のTL バルクヘッドのレッキングボールも装備可能。
自前のメイスにも5㎜穴が欲しかったかな。
ビークルモードでも。
後部の5㎜穴(というか拳ね)を使って武装する際は、ルーフ後部のライトを側面に倒すと自由度が上がります。
ワニ2匹を積んで戦闘装甲車にしてみました。
VS バンブルビー。
さすがの体格差。1対1ではビーに勝ちめはなさそうです。
でもなぁ・・実写TF、敵方の最後はけっこう呆気なくやられちゃうからなぁ。
バ「ほうら、高い高-い!
バ「ヤメロ・・!
あ、どっちも頭文字 “バ” だった・・
というか、今回もビーはまともに喋れないんですかね?
あの設定は、ビーが人間側の主人公の相棒ポジだったからこそ意味があるわけで、今回そうでないのならもう普通に喋っていいと思うんですがねぇ。
バ「ユニクロンさまにお願いして、新たなテラーコン兵士にしてもらおう。
あ、バトルトラップが勝ったようですね。
バトルトラップ ワーカーモード
先の、胸部を開くと座席っぽいものがあると発見してのお遊びです。
腕部のレッカーフック含め、もう公式なんじゃないかっていうくらいしっくりきます。
さらに、
バトルトラップ ステーションモード
なんちゃって基地モードにも変形。
実写系のスタジオシリーズでこういうオレ変形遊びができるものはなかなかないですよね。
というか、やはりこういった面でもジェンネレーションライン系に近い触り心地です。
実写トイという感覚ももうあまりないかも。
フ「実写フィルターエグ過ぎない?
バ「あ、人違いです。名前一緒ですけど・・
実写版ツーインワンも見たいけれども。
以上、“SS バトルトラップ” でした。
メインヴィランの1人なのにメインライントイは発売されず、映画公開前にいきなりスタジオシリーズで発売されたバトルトラップ。
ある意味異例ですが、これも当初の予定から公開が延期された結果。
しかし、できれば公開後の発売のほうがよかったかなぁ。
映画見てから欲しくなってもすでに売り切れてて買えない・・というような状況もありえますからねぇ。
メインラインほかの関連トイはかなり潤沢に市場に出回っている印象ですが、スタジオシリーズは果たして・・
さて肝心の出来映えに関しては、さすが、実写新作のメインヴィランの1人にして、バンブルビーと並んでトップバッターを任されただけのことはありますね。
まずはビジュアル。
ロボットモードは、おそらくは劇中の姿の完全再現とまでは至っていないと思うのですが、十分に格好よく、ビークルの要素を残しつつもとても変形しそうにないスタイルのよさ、サイズ的にも非常に満足感のあるものになっています。
普通に顔が格好いい。これまでの実写デ軍勢にはあまりなかったデザインですよね。
まぁ、デ軍じゃないんですけど。
一方でビークルモードはライセンス取得されているものの、まぁいろいろと露出していたり、せっかくのレッカー車なのにとくにギミックがなかったりと、個人的にはちょっと残念な感じはしましね。
初期のスタジオシリーズのように気を使わなければならない部分はほとんどなく、ジェネレーションラインに近い触り心地で、変形も比較的シンプル・・しかし脚部など、パネル状のパーツをいくつかパタパタたたんでいく工程は楽しいです。
スタジオシリーズにもかかわらず(?)、ロボット、ビークル以外の見立て変形もいろいろできて、非常に遊びやすいというか、実にトランスフォーマーらしいとも感じました。
そういった点も含めて、まぁ価格的にはやはりボイジャークラスでそこそこするので手に取りにくいかもしれませんが、初心者にも扱い易いアイテムだと思います。
しかし、メインヴィランなのに、メインライン版がないのが意外なんですよねぇ。
ないはずないと思うんだけどなぁ。
まぁ、スタジオシリーズ発売後に出されても、という気はしますけどね。
たぶん同じくボイジャークラスだろうし、だったら価格も一緒だろうし・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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