今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HG ジム(スレッガー搭乗機)” と、
“HG ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)” です。
劇場用アニメ、“機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島” より、地球連邦軍第13独立部隊、通称ホワイトベース隊のスレッガー・ロウが搭乗したカスタムタイプの
“RGMー79 ジム” と、
同じくホワイトベース隊のカイ・シデン、ハヤト・コバヤシが搭乗した
“RXー77 ガンキャノン” がHGシリーズで登場。
スレッガーのジムはプレミアムバンダイで限定で発売。
ガンキャノンは一般販売されました。
安彦良和氏によるコミック作品、“機動戦士ガンダム ジ・オリジン” のいわゆるシャア・セイラ編を全7作で映像化したアニメ版ジ・オリジン。
その続編ということではありませんが、主要なスタッフはそのまま、劇場用長編アニメとして制作、公開されたものが、“機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島” です。
初代TVシリーズ版の伝説的エピソードをリメイクしたものですが、出来としてはまぁ・・MS戦は迫力ありましたよ。
ただどうでもいいシーンが多いのと、コメディ要素が古臭過ぎてどうにもねぇ。
シャア・セイラ編以降の物語もオリジン版としてあらためてアニメ化してほしいという気持ちはありますが、全編あんな感じになるならそれももういいかな、と思ったり・・
肝心の安彦氏本人はもうやる気なさそうですけどね。
まぁ、あの年代、そんなこと言いながらしつこくやり続ける人が多い気はするけど。
さて、映画では実質20分ちょっとのエピソードを2時間細に膨らませるにあたり、いろいろと要素が追加されたわけですが、そのなかに新たにデザインされたMSの登場もありました。
さすがに完全な新型機を出すなんて暴挙こそありませんでしたが、高機動型ザクはちょっとやり過ぎだった感も。
今回紹介するジムも、初代TV版のデザインからは相当ディティールアップしてます。
ガンキャノンはまぁ、それでもやっぱりかなりスタイリッシュになってるかな。
それにしても、映画の公開からかれこれもう1年経つんですね。
では、2つまとめてレビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールおよび水転写式デカールを貼っています。
RGMー79 ジム スレッガー・ロウ搭乗機
地球連邦軍初の汎用量産型MS。
初代TV版からかなりデザインが変わっており、設定もちょこちょこ違っています。
ククルス・ドアンの島では、仕様違いが複数登場。
スレッガー中尉の機体は、カラーリングがブルーメインになっており、バックパックや武装、一部装甲などに一般量産機とは違いがあるようです。
ちなみに初代TV版とジ・オリジンとでは地球に降りてからのホワイトベースのルートに違いがあり、スレッガー合流のタイミングも変わっているため映画にも登場することになりました。
劇中では消息を絶ったアムロ捜索のために出撃。コアブースターに乗った状態でルッグンを撃墜するも、島への着陸に失敗して転倒、頭部がもげるという失態を犯し、そのままフェードアウトしました。
扱いが酷い・・
ジ・オリジンMSDでジム系MSが多数発売されましたが、それからそこそこ間を開けてようやくノーマルのオリジン版ジムが登場しました。
てっきりそんなMSDのジム系キットからフレームなどが流用されると思っていたのですが、まさかの完全新規造形。
まぁ、構造的にはこれまでのオリジン連邦系MSのキットとほぼ同じで共通のディティールもあるので、要不要含め一度を整理してみたという感じです。
当然、ガンダムともども系列機として違和感のあるものにはなっていません。
今後はこのフレームランナーが流用されていくものと思われます。
まぁ、もうほとんどネタは出きっている感はありますが・・
外装もオリジン版ガンダムと同じ形状のパーツもあるのですが、一切流用はありません。
スレッガー機ではメインカラーがライトブルーになっていて、案外初代TV版のカラーリングに近い雰囲気もあるのですが、胸部やシールもブルー系になっているので、そこは新鮮な印象です。
色分けは成型色でほぼほぼ再現されているものの、コクピットハッチのグレー、肘や膝、足首アーマーの円形モールドの中央部のグレーといった細かい部分はシールでの再現になります。
胸部のパーソナルマークのほか、各部のマーキングはデカールです。
バストアップで。
頭部バイザーはクリアパーツでの再現。内部メカモールドも再現されています。
いわゆる顎にナタルパーツがあるため、初代TV版のジムよりも08小隊に登場した陸戦型ジムに近い印象。
コクピットハッチにでかでかと貼られたパーソナルマーク。剣とイニシャルであるSの字を組み合わせたものですが、なんか意外な感じでした。
背面。
基本的にシンプルなデザインですが、バックパックはスラスターを5基備えた高機動型を装備。
ふくらはぎにもガンダム同様、展開式のスラスターがあります。
今回画像撮るのを忘れました・・
バックパックのスラスターは側面の2基は固定ですが、残る3基はボールジョイントで可動します。
武装類
ビームスプレーガン(前期型)
メイン武装となる中・近距離用のビーム射撃武装。
ただ前期型ということで、お馴染みのビームスプレーガン(おそらく後期型)とはかなり形状が違いますね。
こっちのほうが断然性能が高そうだけど・・
マガジンを交換できるタイプのようでもある(キットでは取り外し不可)し。
ビームライフル
前期型のガンダムが使用していたのと同じ型のライフルです。
ガンダム用に新型が来たから譲ってもらったのかあ?
スコープとサブグリップが可動。
側面からジョイント(3㎜軸)を展開することでバックパックなどにマウントすることもできます。
標準的な近接格闘用の武装。
おそらくガンダムに装備されるものと同企画だと思います。見ためは一緒。
サーベル刃はいつもの汎用パーツです。
バックパックの右側面に1基をマウント。
サーベルデバイス、ホルダーパーツともに余剰扱いですがもう一組ずつ付属すますし、バックパックの左側面にも3㎜穴があるので、
このようにダブルサーベルタイプにすることも可能です。
シールド
標準的な防御装備。
基本的な形状はガンダムが装備するものとほぼ同じですが、上部のデザインガが違ったり、表面に星型のレリーフがなかったりします。
裏面のジョイントおよびグリップは上下にスライド。
前腕に取り付け、さらにグリップを握らせて保持します。
バックパックにもマウントできます。
機関砲
ガンダム(前期型)も装備していた左の手首部分に装備される小口径の2連装機関砲。
これもパーツ自体はもう1組付属するので、両手に装備させることもできます。
比較画像
HGUC ジムと。
初代TV版のジムですね。
あらためて並べてみると、同じ機体とは思えない・・
デザインのアレンジもさることながら。キット的にも初代版はかなり初期のHGUCキットですからね。
てっきりリバイブされるものと思ってたんですが・・
HG ジムキャノン(空間戦仕様)と。
オリジンのジム系キットなかで一番普通のジムっぽいと思うジムキャノン、やはり似ている部分が多いです。
でも顔が・・顎のあるなしで随分雰囲気が違いますね。
顎がないほうが幼い感じ。
地球連邦軍のMS開発計画、RX計画によってガンタンク、ガンダムと共に開発された中距離支援用MS。
オリジン版はやはり初代TV版とは設定が変わっていて、この見慣れた赤いガンキャノンの前に最初期型というものが存在し、そちらがジオンのザク相手にまったく歯が立たない代物でした。
そこからどうやってこの正式採用機にまで漕ぎつけたのか・・
ククルス・ドアンの島ではホワイトベース配備の2機が登場。
カイ・シデンの104号機はお馴染みのキャノン砲を装備。
ハヤト・コバヤシの109号機はスプレーミサイルランチャーを装備していました。
キットでは武装の交換とマーキングシールの選択で両機を再現可能となっています。
今回は1個しかキットを確保できなかったので、とりあえずカイの104号機のマーキングを貼りました。
内部フレームパーツにHGMSDで発売されたガンキャノン 最初期型のパーツが流用されていますが、外装はすべて新規造形。
フレームも一部新規パーツに置き換えられています。
基本的なデザインはもちろん初代TV版を踏襲しつつ、プロポーションの向上、ディティールアップが施されれたかたち。
ジムほど印象に変化はないですね。
ただやっぱり細身かなぁ。まぁ、ジムやガンダムよりは当然がっしりしてはいるんですが。
顔も随分小さくなりました。
手に至っては小さい過ぎやしないだろうか・・?
バストアップで。
こちらも頭部バイザーはクリアパーツ。内部メカディティールも再現されています。
マーキングはシールです。
胸部右側に機関砲があるんですね。
胸部から腹部の可動ですが、ジム・ガンダム系では前屈重視の構造だったものが、ガンキャノンでは逆に後ろへ反ることを重視した構造になっています。
腹這いに近い姿勢で手を付いてキャノン砲を撃つイメージもありますからね。
背面。
ランドセル(説明書ではバックパックとは呼ばずランドセルと呼んでいるので、以下そのようにします)のデザインが大きくアレンジされていますね。
そもそも主武装のキャノン砲が本体に直接装備されるものではなく、ランドセル込みで換装するものと解釈にが変更されているんですよね。
なので、スプレーミサイルランチャーへの換装もバックパックごとになります。
ランドセルを外した背中は非常にフラットです。
接続近年一般的な3㎜穴が二つ並んだタイプ。
なので、ジム・ガンダム系のバックパックも一応背負えます。
肉弾戦メインの機体っぽくなりました。
まぁ、実際単純なパワーはガンダムよりもあったと思うので、やりようはあるはずだ!
肩にはとくにメカディティールなどはありません。
武装類
キャノン砲
基本武装となる2連装の実体弾式のキャノン砲。劇中ではカイ機がこの標準装備で登場。
口径は確か240㎜だったはず。
TV版では肩から生えている印象でしたが、先の通りランドセルを含む武装となり、デザインもとくに後部の形状が大きく変更されています。
砲身はランドセルを支点に仰角変更可能。
可動に併せて下部のシリンダーが伸縮します。
左右にスイングはできす、基本的に真正面にしか攻撃できません。
ランドセルもまたTV版のデザインとは大きく印象の異なるものに。
キャノン砲可動のクリアランス確保のため上部に大きく空間が空いています。
側面の外装が本体と同じ赤色ということもあり、量産型ガンキャノンのランドセルと似た雰囲気もありますね。
スプレーミサイルランチャー
キャノン砲と換装可能な小型の18連装ミサイルランチャ-。劇中ではハヤト機がこちらを装備。
こちらはTV版に登場したものからそれほど大きなデザインの変更はないですね。
白一色だったものが白とグレーのツートンカラーになったくらい。
こちらも仰角変更可能。
やはりランドセルに接続されているのですが、可動部がわりと前方に来ているので、肩を視点に動くように見えます。
こちらにはシリンダーはありません。
ランドセルのデザインはこちらのほうがTV版のものに近いです。
なお、キャノンとランチャーでそれぞれランドセルへの接続方法が違うので、このランドセルにキャノンを付ける、というようなことはできません。
並べてみると、やはりかなり印象の違う武装になっています。
メインスラスターも形状は似てますがスプレーミサイルランチャーのランドセルのもののほうが広めです。
操作性とかも若干違ってきそうだけどな。
なお、スプレーミサイルランチャーとランドセルは単独でファンファンに変形します・・嘘です。
でもなんか似てる。
スラスターの向きが逆ならなおよかった。
ビームライフル
手持ちの射撃武装。
ガンダムが使用するものより大型で、威力、射程に勝りますが、速射製は低いようです。
スコープが可動します。
比較画像
HGUC ガンキャノンと。
初代TV版のデザイン。記念すべきHGUC第1弾キットですね。
この間にリバイブ版も挟むわけですが、まぁ随分と絞ったものだ。
ただ、やはりジムほど変わった印象はないです。
それだけ完成されたデザインということかな。
HG ガンキャノン 最初期型(鉄騎兵中隊機)と。
外装パーツは一切流用されていませんが、形状に大きな違いはなイノで、コンセプトはそのまま、シンプルに性能を向上させた感じですね。
外見上一番の進化は、マニピュレーターが三本爪から5本指のちゃんとした手になったことかな。
ガンダムを挟んで今回の2機。
バランスのいいチームだと思います。
オリジンのホワイトベース隊にはこのほかにもけっこうな数のMSが配備されてるんですよね。
以下、画像
まずジム。
構造的には先にも言ったようにオリジン連邦系MS共通のものなので、高い可動性もそのまま継承しています。
まぁ、アーマーが干渉する足首の柔軟性のみちょっと微妙なところはありますが、細身でシンプルなデザインなので自立が困難ということもなく、多彩なポージングが可能です。
後ろから見ると完全に背骨が折れてしまっている胸部腹部間の可動も健在。
股関節のスライド可動も相まって綺麗な立て膝が決まります。
スタンドを使って。
腰部リアアーマーの3㎜穴などがスタンド用に使えます。
また、ハンドパーツが豊富なのもオリジン系キットのウリの一つ。
トリガーに指がかかった銃持ち手も左右分付属するので、スプレーガンとライフルの2丁持ちも可能です。
平手も両方付いてきますからね。
続いてガンキャノン。
カイ機ですが、一旦スプレーミサイルランチャー装備で。
先のジムほどではないですが、こちらも可動性は良好。
ハンドパーツもやはり豊富で、いろいろなシチュエーション再現が捗ります。
メモリアルアクション!
俯せ姿勢での射撃シーンも先に紹介したジム・ガンダム系とは逆向きの胸部腹部間可動で再現可能。
欲を言えば、ちゃんと地面に付いている感じで手首に角度の付いたのハンドパーツも欲しかったですね。
HGUCには付いてましたからね。
スタンドを使って。
スタンド用の3㎜穴は股下にあります。
あまり跳んだり跳ねたりする印象はないですが。
ス「待ってろよアムロ、今迎えにいくからなぁー!
カ「おいおいスレッガー中尉、張りきってへまやらかさないでよー。
ス「ばっか野郎、俺を誰だと・・おわーっ!?
カ「スレッガー中尉-!!
いやいや、あれはないだろう・・
確かに三枚目的なキャラでもあるけど、仕事はきっちり、決めるとこは決めるのがスレッガーだんだろうに、なんでお笑い要員にしちゃったのか・・
以上、“HG ジム(スレッガー搭乗機)” 、“HG ガンキャノン(ククルス・ドアンの島版)” でした。
シャア・セイラ編はジオン側がメインの物語で、連邦系MSはなかなかキット化しませんでしたが、MSDのジム系を経てガンダム、そして劇場版ククルス・ドアンの島公開で待望のノーマルジム、ガンキャノンまでキット化されました。
ガンキャノンに至っては一般販売。
主役のドアン用ザク、ガンダムがプレバンだというのに、ほぼモブに等しいガンキャノンが一般・・
そして今度ジムも通常量産機が一般販売されるようですね。
売り方がおかしい・・
というか発売時期もおかしい。
まぁ一年戦争期のMSなんてもはやある意味普遍的な存在なので、いつ出てもいいという気はしますけどね。
なんにせよ一般販売で店頭に並ぶのはよいことです。
まだ新製品は一瞬でなくなるという状況が続いていますが、再販もコンスタントに行われていますし、一時に較べると入手難度は下がったように思います。
そうなってくると、やはり一般販売品が増えてほしいとは思いますね。
ということで、まずスレッガー中尉のジム。
待望のノーマルジムですが、ここへ来てフレームパーツ含め新規金型を作ってくるとは思いませんでした。
ガンダムですらジム系の流用で一部余剰が出てくるのに、今回だって、フレームパーツならほぼ同じくらい余剰が出るだけで済んだはずですし、外装にしたって形状の違う部分だけ新規で作って、あとはガンダムから流用、ある程度の余剰はやむなし・・という方向でもいけたと思うんですが。
水星HGキットなんかでも思ったんですが、そのへんの考え方が少し変わってきてるのかなぁ?
ぶっちゃけ、今さら新規金型を起こしたところでそれほど流用できるネタはないでしょうに。
まぁ、ノーマルジムの仕様違いだけで3種出すんですけどね。
ほかにもなにかあるのかなぁ?
ただ新規といっても構造は従来のものを踏襲しているので、本当に余剰パーツが出ないというだけです。
それだけ完成した構造ということなんですけどね。
キットの出来は当然よいものです。
武装が豊富なのもよいですね。
一方のガンキャノンは最初期型のフレームパーツを流用。しかし外装は完全新規で、新たに上体を大きく反らせる構造が追加され、完全新規だけど可動等ではとくに目新しいものがないジムとは対照的でした。
見ためではちょっと頭と手が小さいのが、個人的には気になりましたが、トータルの出来のよさはやはりオリジン系に連なるキットですね。安心感があります。
できればもう1つ欲しいですね。ハヤト機も並べたい。
オリジン版ガンタンク(初期型じゃない)のは、たぶん当分でないだろうしなぁ・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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