今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGAC ヴァイエイト・シュイヴァン & メリクリウス・シュイヴァン” です。
“新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー GーUNIT” より、OZプライズの攻撃用試作型モビルスーツ、
“OZー13MSX1BーS ヴァイエイト・シュイヴァン” と、
同じく防御用試作型モビルスーツ、
“OZー13MSX2BーS メリクリウス・シュイヴァン” が、
プレミアムバンダイ限定のハイグレードアフターコロニーで発売されました。
ガンダムW本編でOZが開発したMSとして登場したヴァイエイトとメリクリウス。
OZに拘束された5人のガンダム開発者がトーラスをベースに開発した機体で、攻撃特化型のヴェイエイトと防御特化型のメリクリウスの2機連携運用が基本となる特殊なMSでした。
HGキットも2機セットで発売されたのですが、後継機である今回のシュイヴァン2機も、やはりセットでの発売となりましたね。
プレバン限定で展開されるGーUNITシリーズの例の漏れず、今回もパッケージ、説明書ともにフルカラー仕様。
さらにシリーズ初の大判パッケージとなっています。
さすがにこのあたりはいつものプレバン仕様でパッケージは2色刷り、説明書も機体解説なしの白黒になっても仕方ないかな、と思っていました。
原型機がそうでしたからね。
だからこそこの好待遇は嬉しい。
イラストも迫力満点ですよ。
さて、原型機発売の時点で、シュイヴァンへの流用は予想できたのですが、案外早かった印象。
レオンかレオールが先に来ると思ってたんだけどなぁ。
しかし、一般販売品とさほど変わらない仕様での発売には、社内のそれなりのポジションによほど熱心なGーUNITファンがいるのか? と勘繰ってしまいますが・・
毎回一次予約で苦もなく確保できる状況は社内評価的にはどうなんですかね?
こちらとしてはありがたいんですけど(笑)。
MGのF90シリーズといい・・
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。
OZー13MSX1BーS ヴァイエイト・シュイヴァン
OZプライズの技術者、エルカ・ペタソンが開発したヴァイエイトの強化型。
“シュイヴァン” とは、フランス語で“次の~” を意味する単語だそうです。
攻撃特化型としての能力をさらに突き詰め、原型機では1基のみ装備していたビームキャノンが2基に増設されています。
パイロットは元ガンダムパイロット候補ながら、紆余曲折あってOZプライズの上級特佐、ヴァルダー・ファーキルに拾われ側近となったソニア・アルモニア。
しかし最終決戦直前にヴァルダーに見捨てられ、機体ともども処分された・・と思われていましたが、スピンオフ作品、“新機動戦記ガンダムW GーUNIT オペレーション・ガリアレスト” にて、実は生存しており、MOーⅤに身を寄せることになるという状況が描かれます。
大破したヴァイエイト・シュイヴァンも修復され、ヴァイエイト・シュイヴァン改として登場。
本編最終兼戦の裏側でMOーⅤ防衛にあたることになります。
本体は原型機であるヴァイエイトとほぼ同じ。
頭部がトールギスⅢを思わせるバイザーとマスクを付けたようなものに変更されているのと、パッと見ではわかりませんが、脛の形状と長さが微妙に違っています。
むっちりとした太腿などはOZ系MS.の特徴でもありますが、今見ると水星の魔女に出てきても違和感ない感じですね。
カラーリングは原型機と同じ青系統なのですが、メインカラーはより暗く、上腕や腹部などは逆により明るい・・というか薄めの色になっています。
なお、そのカラー再現のために形状事態は変わっていない胸部から腹部にかけてと腰部前面部がそれぞれ分割された新規造形パーツになっています。
原型機のパーツはほとんどがそのまま余剰で付属しているのですが、頭部のパーツが一部足りないため、色違いのヴァイエイトと組むことはできません。
まぁ、武装もないしね。
大きく印象の変わった頭部。
原型機ではOZ系特有の真四角のカメラに西洋甲冑のような開閉式(キットでは差し換え)のバイザーを備えていましたが、今回は先にも言ったようにトールギスⅢのようなバイザーとマスクを持つ、どちらかというとガンダムタイプに似たデザインのものになっています。
なかなか格好いいですね。
イエローのバイザーはクリアパーツで再現されていますが、表面に貼るシールも用意されています。
今回はとりあえず貼っていませんが、かなり寄らないとせっかくのクリパーツも目立ちませんね。まぁ仕方ないか。
ちなみに額のセンサー部分もバイザーと一体成型のクリアパーツが見える構造にはなっているんですが、そもそも色が違うのでシールを貼る必要あり。
なお、マスクの下にはお馴染み(?)の素顔もちゃんと再現されています。
こちらのカメラはシールです。
ぶっちゃけ、リーオーヘッドが兜を被っているようなものなんですね。
なんでか接続がボールジョイントなので、その兜(新規外装)もわずかに捻るように動かすこともできるのですが、そこ動くのはおかしいんじゃない?
また、鶏冠のようなアンテナの先端には安全基準をクリアするためのフラップが付いているのですが、今回それらは切り落としています。
脛ですが、並べてみるとその違いは一目瞭然。
左がシュイヴァンの右脛。右が原型機の脛です。
原型機は左右で形状が共通でしたが、シュイヴァンでは外側と内側で曲線に変化があります。
そして長さにもけっこう差がありますね。
背面。
やはり最大の特徴は2基に増えたビームキャノンを背負っていることですが、それはまたのちほど。
キャノンを外すとこんな感じで、原型機からの変更はありません。
たいていのMSが背中にスラスターを備えているものですが、なにもない、フラットな背中です。
そういえばリーオーも背中にはスラスターなかたっけ。
スラスターらしきものは太腿側面と股間に3基あるだけですね。
そんなんで大丈夫なんかな? 今さらやけど。
付属武装
ビームキャノン
外部ジェネレーター直結式のビームキャノンを2基装備。
背面脇部分に可動式のアームを介してマウントされます。
原型機ではキャノンとジェネレーターが分割されていて、射撃時に連結する仕様でしたが、今回はキャノンの後端にジェネレーターが直結されています。
なおキャノン、ジェネレーターともにデザインは原型機のものとほぼ変わらないのですが、それぞれ小型化しています。
とくにジェネレーターはかなりコンパクトなものになりました。
効率化で小さくできたのか・・ひょっとしたら1基あたりの威力は落ちているのかもしれません。
射撃状態の再現には、まずアームを倒してキャノンを脇の下から前方に向けます。
そこから砲身をスライドして伸ばし、側面にあるグリップ展開。
さらにジェネレーターのカバーを開いて完了。
ジェネレーター内部の発光表現はシールでの再現となります。
ヴェスバースタイルですね。
OZー13MSX1BーSR ヴァイエイト・シュイヴァン改
先の通り、オペレーション・ガリアレストに登場した最終決戦仕様も再現可能。
OZプライズの旗艦、グランシャリオの砲撃に巻き込まれて大破したヴァイエイト・シュイヴァンをMOーⅤにて修復した機体で、本体に大きな変更はありませんが、腰部後方にプラネイトディフェンサーを収納した大型のコンテナユニット2基が追加されています。
コンテナユニット接続のためには、腰部外装を専用のものに付け換える必要があります。
本体の脚の長さをはるかに超える、かなり大型のコンテナです。
というか、メリクリウスみたいに直接背負えなかったのかな?
コンテナは開閉でき、
もちろんプラネイトディフェンサーを収納することが可能・・
なのですが、この収納についてなぜか説明書では一切触れられていません。
とりあえずこんなふうに一つに付き6基、計12基のプラネイトディフェンサーを収納可能。
OZー13MSX2BーS メリクリウス・シュイヴァン
ヴェイエイト・シュイヴァン同様、エルカ・ペタソンが開発したメリクリウスの強化型。
防御に特化した原型機の仕様はそのままに、代名詞でもある特殊防御装備、プラネイトディフェンサーの装備数が倍の20基となり、より広範、多角的な防御フィールドの形成が可能になっています。
パイロットはソリスの妹でやはり元はガンダムパイロット候補だったルーナ・アルモニア。
姉と同じ運命を辿り、死亡したかと思われましたが、オペレーション・ガリアレストで生存確認。
メリクリウス・シュイヴァンは修復されませんでしたが、ヴァイエイト・シュイヴァン改に搭載されたプラネイトディフェンサーにはルーナの防御パターンが組み込まれています。
ヴァイエイト・シュイヴァン同様、原型機との違いは頭部の形状とカラーリング程度。
ただカラーについてはあまり印象の変わっていない姉の機体と対照的に、ガラリと違った色合いになっています。
まぁ、実は白ではなく薄いピンクなので、赤系統という意味では原型機を踏襲しているんですが、上腕や腹部のクリームイエローはどこから持ってきた? という感じですね。
なお、本体は頭部アンテナの形状とカラーリング以外、姉機とまったく一緒なのでほぼ書くことありません・・
やはりバイザーとマスクタイプに変更されている頭部。
バイザーと額のセンサーの色は姉とテレコになっており、こちらはクリアグリーンのパーツを使用。
アンテナはやはり二叉タイプですが、原型機と較べてかなり大型化。
こちらも安全フラッグは切り落としています。
もちろん外装は取り外し可能。
新規マウントパーツを介してプラネイトディフェンサーを20基装備。
ディフェンサーは基本X状に配置されます。
付属武装
プラネイトディフェンサー
モノ自体は原型機が装備していたものと同じで、カラーのみパープルグレーに変更されています。
マウントパーツは新規造形で、基本形としては上下に5基ずつ、一つにつき10基、左右で20基をマウント。
マウントパーツ自体はボールジョイント接続で可動します。
また、展開状態でディスプレイするためのスタンドが付属。
いつもながら見にくくてすみません・・
基本となるベースとアームは、最近だと水星HGシリーズのグラスレー系MSキットにも付属していたものです(今回は2組付属)が、ディフェンサーを取り付けるパーツは新規造形で計4本付属します。
原型機のキットにもほぼ同じパーツが付属していましたが、今回のものは接続箇所が一つ増え、その分長くなっています。
接続は3㎜。縦横どちらにでも付けられるようになっています。
4つを組み合わせることで円形にディススプレイすることもできます。
小型の近・中距離用射撃武装。原型機が使用したものと同じものですね。
とくにギミックはなし。
センサー表面はシールです。
クラッシュシールド
原型機も装備していたビームサーベル内蔵型のシールド。手で直接持って保持します。
防御面のデザインが変更されており、当然新規造形となっています。
原型機のパーツも余剰で付属するのですが、グリップパーツは使い回しで一つしかないので両方組むことはできません。
サーベル刃は短めの汎用パーツ。
色はイエローで原型機と同じです。
なお、新規造形のが外装パーツに関してはヴァイエイト・シュイヴァン、メリクリウス・シィヴァンそれぞれのパーツがすべて付いてくるので、ピンクのヴァイエイト・シュイヴァン、藍色のメリクリウス・シィヴァンを組むこともできます。
原型機のキットではアンテナパーツがそれぞれの色のものしか付かなかったので色違いで組むことはできなかったんですけどね。
わざわざランナーにスイッチ入れてパーツを省くのが手間だという判断なのかな。
比較画像
それぞれの原型機と。
まずヴァイエイト。
頭部外装の形状変更でパッと見はイケメンMSになりました。
脚の長さの違いは・・よく見ないとわからない程度ですね。
後ろからも。
主武装のビームキャノンが2基に増えたことで背面のレイアウトが大きく変わっています。
キャノン、ジェネレーターともに小型化されたことで、風神イメージは薄まった感じですね。
でも機体の重量バランスは上手く整ったかも。
続いてメリクリウス。
こちらはやはり大幅なカラーの変更でガラリと印象が変わっています。
なお、ビームガンとシールドを持つ手は基本で左右逆になっているようです。
後ろからも。
単純に倍増されたプラネイトディフェンサー。
基本配置もXとハッタリの利いたものになっています。
原型機は青と赤でしたが、今回は黒と白に見えます。
攻撃特化と防御特化。
見ため、能力ともに対照的なニコイチです。
ガンダムLOブースターを挟んで。
レオスもそうでしたが、今回の2機も本編(TV版)に登場したMSキットの流用ということもあって、ジェミナス系のような尖ったレンジはされていませんし、とくに新設定もないんですね。
というか、やっぱりこの並びだとLOブースターはディティールがうるさい・・
以下、画像
一部の間接構造はリーオーなどと共通のFine Buildを採用しているため、若干プラプラするようなこともあるんですが、可動性自体は良好です。
ではまずヴァイエイト・シュイヴァンから。
原型機では大型のキャノンを両手でも構えるのが基本で、可動アームの長さもあってどうしてもボディに対して横向きにするしかなかったのですが、今回は2基を小脇に抱えるかたちで常に砲口を真正面に向けることができます。
とはいえ、取り回しの悪さはさほど変わらず。
ウイングゼロのローリングバスターライフル的攻撃は無理っぽいです。
立て膝はどうにか可能という程度。
なお、左のみですが平手が付属しています。
スタンドを使って。
スタンド用の3㎜穴は股下にあります。
キャノンは、1基を両手持ちするには少し砲身が短いですね。
続いてメリクリウス・シュイヴァン。
原型機でもそうでしたが、やはりヴァイエイト・シュイヴァンよりもメリクリウス・シュイヴァンのほうがアクションのバリエーションが豊富ですね。
ディフェンサー展開。
緩くアールのかかったディスプレイ用パーツが直線的でない、フワッとしてディフェンサーの挙動を巧く表現してくれます。
スタンドを使って。
ディフェンサーでフィールドを張りつつ突貫!
防御特化といいつつ射撃も格闘もこなせる、実は万能機ですからね。
もちろん一撃の破壊力には欠けるんですが、ディフェンサーの磁場で的MSの動きを止めるようなこともできるそうですし、そうしたうえで接近してしまえば一撃で急所を狙えます。
原型機のキット購入時に貰えたキャンペーン品のトリプルアクションベースを使って、コンビで。
やはり連携イメージが映えます。
ただこのスタンド、若干不安定なんですよね。
あとなんで無色クリアーにしなかったのか・・
ソ「ルーナ、ガンダムを狙う!フォローして!
ル「わかったわ姉さん。プラネイトフィフェンサー展開!
※漫画は読んだことないので姉妹の口調は想像です
ソ「オーケー、ルーナ。あなたは一旦下がりなさい。キャノンのチャージが完了したらフィールドを開いて。
ル「了解!
実際これだけの数のディフェンサーがあれば全周囲防御も可能でしょうね。
しかしグランシャリオの主砲の直撃には耐えられなかったのか・・?
ヴァイエイト・シュイヴァン改はビームキャノンの攻撃力にプラネイトディフェンサーの防御力を追加した、言うなればビルゴの最上位互換という感じでしょうか。
ディフェンサーはルーナの防御パターンを学習しているので、自動で動くんでしょうね。
ちなみに正式名称はプラネイトディフェンサーL。
Lはルーナの頭文字です。
以上、“HGAC ヴァイエイト・シュイヴァン & メリクリウス・シュイヴァン” でした。
順当な既存キットの流用ですが、案外余剰も多かったことを考えると、当初から予定されていたものではないのかもしれません。
もっと効率よく余剰の出ないランナー構成にもできたと思うので。
まぁ、最近はわりと雑・・というのは言い方が悪いですが、けっこうざっくりしてるところもありますからね。
しかし、アナザー系で非ガンダムタイプというとどうしても後回しにされがちですが、このGーUNITシリーズではレオスにしろ、そういったところもちゃんとフォローしてくれるのはありがたいです。
ただ今回のシュイヴァン姉妹にしろ、レオスにしろ、流用できるベースキットがあったから、でもあるんだろうなぁ。
それでキットですが、構造的には原型機とほぼ変わらず、Fine Build方式を採用していることもあって組み易く、可動性も良好。
メリクリウス用にはディフェンサー展開ディスプレイ用のスタンドも付属と、2体セットということも含め、充実の内容でした。
ちなみに水星HGシリーズの間接構造はFine Buildの応用ですね。
さて、GーUNITシリーズもMS本体5種、換装パーツ2種と折り返しに入った感があります。残るはグリープ、ハイドラ、バーンレプオスのガンダムタイプ3種と、レオン、レオールのリーオータイプ2種。
ガリアレストの登場機にまで手を広げるとまた大変だと思うので、まずはそこまでで一旦ケリを付けてほしいところですね。
とはいえ、バーンレプオス以外は新規型にせざるをえなさそうですし、そう思うとレオンとレオールは難しいところかな。
ほかに使い途がなさそうですしねぇ・・
次はなにが来るかな?
きっとガンダムタイプだと思うんですよ。
シュイヴァン姉妹と並べることを考えると、ハイドラかな? でもラスボスだからなぁ。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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