今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM17 ガンダムルブリスウル” と、
“HGTWFM18 ガンダムルブリスソーン” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、第1期ラストに登場した反スペーシアンゲリラ組織、フォルドの夜明けがプラント・クエタ襲撃に投入したガンダムタイプモビルスーツ、
“EDMーGAー01 ガンダム・ルブリス・ウル” と、
“EDMーGAー02 ガンダム・ルブリス・ソーン”が、
HG水星の魔女シリーズで発売されました。
いよいよ第2期の放送が始まった水星の魔女。
衝撃の「やめなさいっ!」から2ヶ月立ったところからの再開ということで、はてさてどんな物語が展開するのか・・
なお、このレビュー執筆時点で僕はまだ第2期初回(13話)を見ていないので、あくまで第1期終了までの情報、解釈をもとに現状のウル、ソーンのキットを見ていきますのでご了承を。
というのも、まだなにか隠された設定画あるしょうからねぇ、この2機は。
ガンプラでも、1/144スケールのHGキットではすべてのギミックが再現されないこともままあることですし。
とか思ってたら本当になにもなくて、再登場時に武装が追加されてるだけかもしれませんけどね。
ということで、今回は2機まとめてレビューとなりますので前置きは短く、さっくりいきますよ。
キットはともにパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。
なお、ルブリスやエアリアルのときもそうでしたが、商品名としては機体名の途中に入る “・” が省略されていますが、正式名称では入るようなので題目などではそのように表記しています。
EDMーGAー01 ガンダム・ルブリス・ウル
かつてオックスアース社が開発、販売していたガンダム・ルブリス量産試作機をベースに独自の改修が施されたガンダムタイプMS。
ベースにしたといっても、GUNDフォーマットの基本システムを流用しているだけで、外装だけでなくフレームも大部分が新造され、ウルの場合はとくに短期決戦を目的に高出力、重装甲化が図られています。
プラント・クエタ襲撃時にはソフィ・プロネが搭乗。
どこか既視感のあるごついシルエットが特徴のウル。
先の通り、基本システムが流用されているだけなので見ためにルブリスの面影はほぼありません。
まぁ、ファラクトよりはいわゆるガンダムらしい姿ではあります。
わかりやすい重装甲化は一見鈍重そうな印象を受けますが、各部に大型のスラスターが備わっているので、機動性は問題ない感じですかね。
短期決戦用という理屈はよくわかりませんが。
というか、これ絶対着ぐるみだろ、と思ってるんですけどね。
なんせよく似た機体で前例があるから。
でも、とりあえず今回のキットではそういったギミックはなし。ただの太めのガンダムです。
V字アンテナ(4本角ですが)にツインアイと、ガンダム要素は残っているフェイス部。
ツインアイと頭頂部のメインカメラについては成型色で色分けもされていますが、今回はシールを貼っています。
アンテナの中央部はシールを貼ってからクリアパーツを被せる仕様。
組んでから気付きましたが、ごついチンガードは顎髭のようにも見えますね。
チンガードを外した内側にもディティ-ルがあるので、たぶんいつか外すんでしょう。ほかの装甲もきっと脱ぐんだろな。
胸部のシェルユニットはやはりシールを貼ってからクリアパーツを被せる方式で、ルブリスやエアリアルのようなインモールド成型パーツは付属しません。
ちなみに内部パーツにはディティ-ルが彫られているので、パーメットリンクしていない通常状態の再現も可能です。
背面。
兄弟機であるソーンと共通の武装であるフェーズドアレイキャノンを背負っていますが、そのせいもあるのか、以外に本体の背面はすっきりしています。
メインスラスターを1機のみ備えたバックパックは取り外し可能。
接続は定番の2連の3㎜穴タイプなので、いろいろと換装(組み換え)も可能です。
全体のデザインから唯一浮いている感じの踵パーツは、左右別個に可動します。
付属武装
ビームガトリングガン
大容量バッテリーを備えた大型射撃武装。
グリップは本体の上側にあるタイプ。
下部のバッテリータンクの取り外しはできませんが、砲身は一応回転できます。
サブグリップは可動するので両手持ちの自由度も高め。
ただ手で保持する以外、本体へマウントすることはできません。
ガンシールド
ビームガトリングガンの右側面に接続されているシールド。
シールドおよびサブグリップの接続穴は左右それぞれにあるので、位置を逆転させて左手装備に最適化することもできます。
シールド単体で前腕などに取り付けることも可能です。
ビームサーベル
ビーム刃はいつもの汎用パーツです。
マウント用のダボが映えているのは見ためにちょっとアレですが・・
フェーズドアレイキャノン
背面左側に可動式のアームを介して接続パーメットスコア4以上で使用可能になる大出力のビーム兵器。
ただ、12話の段階では攻撃には使用されていません。
ベギルペンデのアンチドートを破るためにパーメットスコアを上昇させた際に展開したので、武装というよりはなんらかのフィールド発生装置というような印象でした。
キットでは差し換えなしで展開可能。
可動フレームや砲身のうち側など、シールで再現される赤い発光部分は実際には展開している状態用のものなので、閉じているときは貼らない(白いパーツのスリット部には別に黒いシール付属)のが正しいのですが、当然1個しかないんで、仕方ないよね。
劇中でプラント・クエタのブロック分断に使用した大型ビーム切断ユニットは付属しません。
その代わりではないでしょうが、最近のHGキットには珍しく左右に平手が付属しています。
手甲パーツ含め、ミラ・ソウル社製フライトユニットに付属したエアリアル用の平手とまったく同じ造形です。
マニピュレーターはそのまま流用しているんですね。
EDMーGAー02 ガンダム・ルブリス・ソーン
手甲パーツ含め、ミラ・ソウル社製フライトユニットに付属したエアリアル用の平手とまったく同じ造形です。
マニピュレーターはそのまま流用しているんですね。
ウル同様、ルブリス量産試作機をベースに改修された機体。
やはり基本システムのみの流用でフレーム、外装ほぼすべてが新造され、高度な戦闘機動への耐久性と重心の安定化を図った結果、一応の兄弟機であるウルともまったく違なる異形の姿となっています。
プラント・クエタ襲撃時にはノレア・デュナクが搭乗、感情に走りがちなソフィをサポートしました。
異様に長い腕と対照的に短い脚が特徴の、まさに異形のガンダム。
劇中ではここまで極端な体型だった印象はないんですが、設定を見ると当然このまんま。
高度な戦闘機動に耐えるためという理屈はまったくわかりませんが・・
あと、なんとなくパイロットのキャラ的に乗るMS逆じゃね? とか思ったり。
初見では、これ絶対変形する、あるいがウルと合体するだろ、とも思ったのですが、少なくとも12話時点でそのような展開はなく、今回のHGキットでもとくにそういったギミックはなし。
ただの変な体型のMSです。
まぁ、水星系のMSのそれぞれどことなく既視感がありつつも独特のデザインに完成したMS.がほとんですが、これは極めつけに変ですね。
もっとも、前腕が長く、脛が短いというだけで基本構造は(少なくとも今回のキットでは)その他のHSと変わらず、可動もとくにクセのあるものではありません。
4本角のV字アンテナにツインアイと、ウル同様にガンダム要素を押さえたフェイスですが、顔付きはウルとはまた違います。
強いて言うならZ系?
まさかこの顔であの体型は思い浮かびません。
やはり頭頂部のカメラとツインアイは成型色で色分けされていますが、今回はシールを貼っています。
胸部シェルユニットの仕様もウルと一緒。デザインは違いますね。
ウルとは一応兄弟機なのですが、外見上の共通点というとハンドパーツとシールド、フェーズドアレイキャノンだけなんですよね。
背面。
その、ウルと共通装備となるフェイーズドアレイキャノンを装備。
取り外せるバックパックはなく、背面にはスラスターが1基、直接備わっています。
ウルと違って2連の3㎜穴がないので他キットのバックパック取り付けもできません。
大型の3連スラスターを備えたリアスカートは上下にスイング可能。
踵は2つに分かれたウルと似たようなデザイン(より細長い)ですが、こちらは左右一体で動くのみです。
本来は別個に動きそうなデザインなんですけどね。
さて、ソーンの構造で面白いのが、前腕および脛の接続パーツの形状が共通になっていること。
左側が前腕、右側が脛の接続パーツ。
C型ジョイントとダボが組み合わされた共通のものになっています(実際には膝関節パーツのほうのダボが少し短いですが)。
前腕はC型ジョイントで、脛はダボでそれぞれ接続することになるのですが、どちらにも両方のジョイントが備わっているので、前腕と脛を入れ換えて取り付けることが可能なのです。
合わせて、ハンドパーツと足首のボールジョイントの径も共通なので、
おいおい、これはまた、見違えるほどモデル体型のMSに変身しちゃったじゃないか。
説明書ほかでは一切言及されていないことですが、これはもうなんらかの意図を感じずにはいられません。
たまたまこんなことにはならないでしょう。
30MMならともかくガンプラなので、自由に組み換えしてもらえるような、ちょっよしたお遊びを仕込みました・・ということもなさそうだし。
この謎仕様もいずれ解明されるのだろうか?
付属武装
ビームディフューズガン
ウルのビームガトリングガン同様、大型のバッテリータンクを備えたメイン射撃武装。
広域殲滅用の武装で、通常の遠距離ビームだけでなく広範囲に拡散するビームを撃ち分けることが可能。
キットではサブグリップ以外モナカという思い切った構造になっており、当然バッテリータンクは取り外し不可。
サブグリップは可動するので長い腕も相まって両手持ちは楽々です。
サブグリップ用の接続穴は左側にしかないので、ウルのビームガトリングのように左手用に組み換えることはできません。
ビームサーベルユニット
前腕手首部分装備する、内蔵式のビームサーベル。
使用時には発振部が回転して展開します。
キットではちょっと展開させにくいですね。
ちょっと浮かせたあとに発振部を摘まんで引っ張り出すようにしながら回すとひっかかりにくいかも。
ビーム刃は汎用パーツです。
シールド
ウルのガンシールドと同じもので、ソーンは左の前腕に直接装備。
裏面には手持ち型のビームサーベルを2本マウントできますが、これはボーナスパーツのようなものなのかな?
マウントした状態だと前腕と並行に取り付けられませんからね。
サーベルグリップはウルに付属のものと同じものなので、普通にビームサーベルとして持たせることができます。
でもビーム刃は2本しか付きません。
フェーズドアレイキャノン
キャノン自体はウルと同じものでカラーのみ本体と同じ色に。
やはり背中の左側に装備しますが、接続アームの形状が一部違っています。
もちろん差し換えなしで展開可能。
12話の段階では展開すらしませんでしたが。
平手も左右分付属。
シールドにビームサーベルグリップ、フェーズドアレイキャノンに平手と、ウルと造形がまったく同じパーツがけっこうありますが、すべて新規造形。
もちろん設計データは流用されているのでしょうが、もう少し工夫すれば金型をそのまま流用できたと思うのですが・・
グラスレー社系のキットしかり、ある意味バンダイらしくない気がしますね。
それとも、細かく分けた金型をチマチマ流用するよりも、データ流用で新規に大きめの金型を起こすほうが低コストで済むのかな?
比較画像
まず今回の2機で。
兄弟機とは・・?まぁ、双子でも二卵性なら全然似てないこともありますからね。
それにしても似てないな。
カラーを合わせているわけでもないし。
ルブリスを挟んで。
似てない兄弟でも、それぞれ別の親の面影が残ってたりはするものですが、それもほとんど感じられませんね。
ソーンは置くとして、とりあえすウルはルブリスよりも一回り大型になり、より戦闘に特化した感じはあります。
一方で、GUNDフォーマットの代名詞という感じのガンビットについてはウル、ソーンともに装備していません。
ソフィも、「またガンビット?」みたいなことを言っていたので、少なくともフォルドの夜明け・・あるいはその裏にいるであろうグラスレー社は実践層にとしてのガンビットの有効性には疑問符を付けているのかも。
制御が大変という意味で。
以下、画像
まずウル。
ごつい体型ですが可動性は十分。
肩間接はシリーズ共通の機構で前方への引き出しと上方への若干の跳ね上げができますし、ビームガトリングガンの両手持ちもスムーズ。
ただ個人的に、HG水星シリーズの肩間接の接続方法は嫌いです。
前側一方のみのボールジョイント接続なので、案外外れやすいんですよね。
で、外れたらまた付けるのがわりと大変だし・・
サーベル抜刀。
足首はC型ジョイント接続による前後スイングに、爪先と踵が独立可動するので接地性は悪くありません。
ただ爪先の接続はわりと緩めのボールジョイントなので、ちょっと安定感はないかも。
この体型ですし、ディランザ並みのでかい足でもよかったなぁ。
立て膝は綺麗に決まります。
腰部サイドアーマーもボールジョイント接続で自由度は高めですし、膝も二重関節で深く曲がります。
スタンドを使って。
スタンド対応穴は股下に。
背中のフェーズドアレイキャノンの可動範囲はたいしたことないので、そのまま前方に向けたりはできません。
ほぼ真上にしか撃てない気がするんだけど・・普通にレールガン的な射撃だとして。
プラント・クエタ防衛のために出撃した4機のベギルペンデに対し、パーメットスコア4を発動してアンチドートを無効化、圧倒したウル。
というか、表向きはガンダム禁止の世界で、なんでアンチドート搭載機が普通に防衛任務に投入されてるんだ?
続いてソーン。
異形と言っていい体型ですが、キットとしての基本的な構造は普通のMSと変わりありません。
ただ太腿の外装が干渉するので、脚部はまぁまぁ動かしにくいですね。
なにより短いし、足先も細くて接地面が狭いため、自立はちょっと厳しめ。
足首は前後スイング、脛との接続はボールジョイントですがあまり重難易は動きません。
しかし、以外や立て膝は綺麗。
実は膝の位置が思っていた場所じゃない・・というね。
白い脛の部分から曲がると思いきや。
スタンドを使って。
スタンド対応穴は股下にあります。
12話までではパーメットスコアを4にまで上げることがなかったですね。
というか、ほぼ全貌を見せなかった感じ。絶対なんか隠してることあるだろ・・
むしろパーメットリンク4を発動したときの進化は4刀流の開放になるのかも・・
サーベル刃2本はウルから拝借。
ただ見ために威圧感はあるけど、あまり実用的ではないかな。
通常のサーベルで鍔迫り合いをしているところで、いきなり手首のユニット展開して斬りつける、とかなら効果的か?
ソーンもほぼ単騎で防衛部隊のデミギャリソンを一掃していましたね。
今回はデミトレーナーに代役をお願いしました。
デミギャリソンもそのうち発売されると思うんだけど・・
ガンダム・ルブリス・ソーン MAモード
やっぱり変形できましたね・・嘘です。
でもけっこう綺麗にまとまってますよ。
後ろからも。
爪先をクロスさせるのがポイント。
先の前腕と脛の交換といい、ソーンはけっこう遊べる余地があるきっとになっていますね。
ウルはあんまり弄りようがないけど・・
しかし2機を組み合わせることで本領を発揮しますね。
ということで、
ウル、ソーン、合体!
まぁ、ウルがセラヴィーに見えて仕方がなかったので、ソーンにセラフィムの役割を担ってもらったわけですが・・
これなら2機別々に動いたほうがいい気がする。
出オチ感が半端ないですね(笑)。嫌いじゃないけど。
さすがに自立できないのでソーンの股下にスタンド入れてます。
そのソーンは、完全にバックパックになってますね。
この状態で出てきて、あとで2機に分離したというのが本家(違う)ですが、どちらにせよインパクトしか考えてないデザインだよなぁ。
OOは本筋のストーリーがわりとシリアスなのに、一部のMSデザインや一部のキャラの言動がなかなかエキセントリックでちぐはぐだった印象しかない。
いまだにヴァーチェのなかにナドレが入っていた意味がわかってません・・(笑)
ちなみに、2機の連結にはヘキサギアのジョイントパーツを使っています。
単純に3㎜軸でも問題ないですけど。
ソ「エアリアルに逢えるかなぁ~♡
ノ「ソフィ、任務忘れないでよ。
ソ「わかってるってぇ~
はたして、2機での彼女たち・・ウルとソーンの活躍や如何に・・
以上、“HG ガンダムルブリスウル” & “HG ガンダムルブリスソーン” でした。
Xのヴァサーゴとアシュタロン、SEEDのフォビドゥン、レイダー、カラミティ、そしてその続編デスティニーに登場したカオス、ガイア、アビスといった、端から悪役としてデザインされたガンダムの正統系譜に連なるだろう最新の悪役ガンダム、2機。
これは絶対に隠しギミックがあるだろうと思ってたんですが、とりあえず今回のキットには明確なものはありませんでした。
ただその片鱗のようなものは、ソーンの関節パーツに見られましたね。
無意味にあんなことをするはずがない。ただそうなると、いずれ完全版みたいなキットがまた出ることになるのかなぁ?
本編の展開同様、なかなか先が読めないですね。
ということで、今回はあくまで現状のキットの感想ですが、どちらも最新フォーマットで堅実に立体化されていて、造形、プロポーション、可動ともに申し分のない出来だと思います。
まぁ、異形のソーンが目立つぶん、個人的にウルは少し物足りないんですけどね。
重装甲系オリジナルガンダムの素体にはいいキットかもしれません。
ソーンは単純に面白いですね。ここまで極端な異形だとは思ってなかったですが。
あと、どちらにも左右の平手が付属するのには、どうしたバンダイ? と目を疑いましたが(笑)。
ていうか、エアリアルに付けろよ・・
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
さあ、この2機のレビューもやっつけたし、13話見ようっと。
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