TL クランクケース レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー レガシー より、

“TLー17 クランクケース” です。


 ディセプティコンのトリガーコン、

“データ収集兵 クランクケース” が、

レガシーで発売されました。


 クランクケースというと、日本では実写版に出てきたディセプティコン、ドレッズの一人というほうがまだ認知度は高いかもしれません。

 いや、そっちもたいがいちょい役だけど、一応スタシリーズでも発売されてますしね。

 今回のクランクケースはいわゆるG1版のキャラクターですが、アニメ未登場かつトイも日本では未発売という、少なくとも日本人にとっては、いやマジで誰なんだ? レベルですよね。

 僕自身、今回のレガシー版発売でオリジナルの存在を初めて知りました。

 海外事情には疎いんですよ。

 国内事情にもとくに精通してはいないんですけど(笑)。

 さて、そんなクランクケース・・というかトリガーコンについて軽くまとめておきますが、発売されたのは1988年ということですから、日本ではザ☆ヘッドマスターズや超神マスターフォースが放送されていた頃・・いわゆる和製トランスフォーマーが始まった頃ですね。

 ゆえに日本導入はされなかったと。

 モノとしては小型の簡易変易トイという感じで、ロボット、ビークル両モードでスイッチを押すことで内蔵されている武器が展開するというのがトリガーコンの共通ギミック。

 なお、クランクケースはその後のギャラクシーフォース(トランスフォーマー サイバトロン)で、ファストエイド(レッドアラート)のリカラーで発売されていますが、それも日本では未発売となっています。

 今回のレガシー版は同じくレガシーのスキッズを流用したものですが、外装の多くが新規造形され、見ためはかなり変わっています。

 それでは、レビューしていきます。


トリガーコン データ収集兵 クランクケース

 常に愚痴を零す恩知らずで、あらゆるものに対して不平を口にする、状況が悪化していくことに喜びを覚える・・って最悪だな(笑)。

 一方でその肩書きに恥じない莫大な記憶要領を誇り、敵の脳波をかき乱す歪曲モジュレーター、対象の回路に侵入、分析する赤外線ニードル、さらに武装としては背中から展開する2門の高衝撃レーザーブラスターを装備しています。


ロボットモード

 スキッズの流用ですが、外装のパーツの大半が新造されているためかなり雰囲気異なるものになっています。

 実際に変更されているのは頭部、胸部、肩、背中のガワパーツに脛の外装パーツ。

 肩はごつい箱型になり、タイヤも真横に配置されるかたちに変更。

 さらに胸部がけっこう極端な逆三角形ったので、上半身のマッチョ感が増しています。


 頭部は基型同様に後ろに板(ボンネットの一部)が貼り付いている造形なので、若干輪郭がわかりにくいのですが、ちゃんとオリジナルのデザインを再現。

 バイザータイプの目もその下の顔もオレンジ(わずかに色味は違う気がする)というのもなかなかサイケな感じがしますが、性格を反映したっぽいへの字口が妙に可愛らしくておかしいです。

 胸部もオリジナルのデザインが再現されており、基型とはまったく違う見ためになっています。

 変形パターンは当然基型を踏襲しており、ビークルのボンネット部が胸部になるので、本来胸部正面にはこのようにフロントグリルが来るのですが、

グリル部分を取り外して武器にするというアイデアで胸部デザインの再現に成功しています。

 中央の5㎜穴はそのグリルパーツを取り付けるためのものですが、そもそものデザインを活かしたものにもなっていて、内側にもスリット状のディティールが入っています。

 なによりこの位置の5㎜穴、いろいろと活用できますね。

 なお、トリガーコンのアイデンティティである内臓武器・・オリジナルトイではスイッチ操作のスプリングアクションで展開した武器、耐衝撃レーザーブラスターも一応は再現されてます。

 ただ小っちゃい・・

 オリジナルのものはレールガンを思わせる長方形でそれなりに長い砲身の武器でしたが、今回はショートバレルキャノンというにもショート過ぎるだろうというか、そもそもそうだと言われなければわからないレベルです。

 それでも可動しますし、完全に収納状態にもできます。

 ただ小っちゃい・・(2回め)

 まぁ、この型の変形と両立させるにはこのサイズでしか再現できなかったんでしょうが、ならばバレル状のパーツを繋げられるようにするとか、それらしい見ためにする方法はあったと思うんですよねぇ。

 せめて先端が5㎜か3㎜の軸になっていれば、こちらで勝手に適当なパーツで延長するのに・・


 背面。

 こちら側でも、背中と脛の外装パーツが変更され、より角張ったパーツになっているので、やはり基型よりもごつい印象になっています。


付属武装

 先ほど言った、フロントグリルが変形した武器です。

 変形といっても、右端を折り込むだけで、縦に2つ並んだ3㎜軸が銃口という態。

 もちろんエフェクトパーツを取り付けられます。

 見ためはフロントグリルのままなんですけどね。

 裏側のほうが銃っぽいか? 

 一応バレルらしい造形がされてます。ただ全部へこんでるけど・・

 あと真ん中に5㎜軸生えてる。


エナジョンウエポン

 公式ページいわくそういうことのようですが、形状は基型が持っていた敵対窒素ライフルと同じものです。

 あっちはエナジョンウエポンじゃなかったけどなぁ・・

 というかクリアパーツでもなかったはず。わざわざクリアパーツで新規造形したのか・・


ビークルモード

 オフロードタイプの4WDカーにトランスフォーム。

 ボンネット中央(ロボットの後頭部)が少し沈んでしまっています。すみません。

 さて、基型から大半の外装パーツを変更することでオリジナルトイのイメージが再現されています。

 やはり箱型感が増してよりごつくなった印象。

 後部右側にはスペアタイヤが付いていますが、一体成型を塗装で再現したものになります。

 なお、オリジナルトイではビークルモードでも武器の展開ギミックがありましたが、今回そこまでは再現されていません(そもそも展開ギミックは再現されてないけど)。

 ギミック再現は無理でも、オプションの外付けでそれっぽく見ためにできればよかったんですが・・

 変形は先にも言いましたが基本的に基型を踏襲。

 しかし前輪周りやドアをたたむ向きなどが変わっています。

 スキッズのときのようなガワの合いの悪さはなく、かっちり変形可能。


 フロントグリルを外すとこんな感じ。

 ある意味、よりトランスフォーマーのビークルっぽいかも。

 あと、ボンネット中央のディセプティコンエンブレの位置はこれが正解です。


 エナジョンウエポンはルーフに取り付け可能。

 基型にはあった車体側面の5㎜穴はなくなっていますが、代わりに後部に穴が開いています。


比較画像

 基型であるTL スキッズと。ロボットモードで正面から。

 ドアパーツの形状、配置が変わっているのでシルエットもけっこう異なります。

 スキッズにはある羽根が、クランクケースにはない。

 あとはやはり肩や脛などが角張っ手大型化した一方でウエストをかなり絞ったメリハリボディになったのでなんというか色気が・・(笑)


 背面からも。

 ちょっとスキッズの背中のガワが下がってしまっていますね・・

 そのガワパーツも幅がけっこう違うので、こちらから見ても別物感が強いです。


 ビークルモードでも。

 シティカーとオフロードカーということで、随分見ためが違うものになりました。

 パッと見て同じパーツはタイヤくらいですね。

 本来はタイヤこそ変えなきゃいけない気もしますが(笑)。


 後ろからも。

 クランクケースはスペアタイヤの存在がいいアクセントになっていますね。

 TL EX バーンアウトと。ロボットモードで。

 こっちもついでに。武器を持たせた状態で。

 流用できるならともかく、なんでわざわざ新規造形して同じ形の武器を持たせたんだろうな・・


 ビークルモードも。

 同じく武器を取り付けて。

 武器がウリのキャラクターなのに、今回少なくともビークルモード墓なり貧相になってしまいました・・

以下、画像

 基本構造は基型と一緒ですから、可動性能もほぼ同じ。

 ただ肩(腕部付け根)の構造のみ変化しているので、少し注意が必要です。

 具体的には、そのまま水平方向には腕が上がらなくなっており、基部ごと上がる必要があります。

 一方下半身には変更点なし。

 足首はスイング幅が広く、接地性は抜群。

 立て膝も綺麗にこなせます。


 スタンドを使って。

 スタンド対応穴は腰裏にあります。


 メインウエポンの高衝撃レーザーブラスター発射の構えを見せるクランクケース。

 オリジナルに較べて極端に砲身が短くなったものの、そのおかげで相手にとってはどこから発射されるのか半別しづらくなった・・と、無理矢理利点を考えてみる(笑)。


 被弾するクランクケース。

 胸部中央の5㎜穴はハイメガキャノン的なものと解釈するもよし、逆にこういったシチュエーションにも使えて便利。


 VS スキッズ。

 本来はまったくなんの関係、因縁もない2人ですが・・まぁ、トランスフォーマーのリメイクトイではやはりまったく関係ない者同士が流用再現されることで新たな縁を得る(?)ということは往々にしてあります。

 今回のスキッズ⇒クランクケースの場合はそこそこの量のパーツを新規に置き換えるというパターンですが、プライム アーシーとロードロケットのように、端から折衷案でデザインされたっぽいものもありますし、縁のでき方もいろいろですね。


 初出はG1だけど、実写版のほうが認知度のある者同士で。

 とはいえこのバリケードは初めてその名前が使われた(たぶん)ゾーンのマイクロトランスフォーマーの姿を再現したものではないですけどね。

 とりあえず、どっちも悪そうだ。

 ビークルでも悪そう(笑)


 以上、“TL クランクケース” でした。


 こんなマイナーキャラまでリメイクされる日が来るとは・・

 流用アイテムではありますが、新規造形パーツも多く使われ、オリジナルトイの雰囲気にかなり近いものになっていると思います。

 スキッズ型ではリカラー頭部変更だけでバーンアウトとクロスカット、さらにひょっとしたらリブーストまで出る可能性があるあか、ここまで新規パーツを使わせてもらっているクランクケースはかなり恵まれているなぁと思いますね。

 なんでこんなマイナーキャラに?

 しかし、トリガーコンのリメイクとしては、その名の由来であるギミックどころか内蔵武器である高衝撃レーザーブラスターの見ためすら再現されていないことを思うと、それこそなんでわざわざこんなマイナーなの掘り出してきた? とはなるんですが・・

 で、例によって1人だけポッと出して残りのメンバーのフォローは随分先になるか、そもそもする気もないか、という感じなんでしょうね。

 まぁいいけど。アニメ未登場、トイも日本未発売の超マイナー部隊だし。

 キャラクターの認知度はさておき、モノ自体の出来はよいですし、ロボット、ビークルともにごつめのデザインは好きな人には刺さるかと思います。

 設定通りのむっつりとした不機嫌そうな表情も、いい味出してますしね。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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