今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、
“HGTWFM 06 デミトレーナー(チュチュ専用機)” です。
“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、地球寮唯一のパイロット科生徒、チュチュことチュアチュリー・パンランチ専用にカスタマイズされた
“MSJー105CC デミトーレナー(チュチュ専用機)” が、
ハイグレード水星の魔女シリーズで発売されました。
第9話では見事な機転とチームワークでシャディクのミカエリスを撃破した株式会社ガンダムの面々。
狙撃を担当したのがこのチュチュ専用のデミトレーナーでした。
パイロットの適正と機体特性が完全にミスマッチだと思ってたけど、なんだよ、ちゃんと使えるんじゃんかチュチュ。
いろいろお膳手はあったとはいえ、あの距離で正確に撃ち抜けるのは相当な技量がある証。
普通に万能選手なのかな?
しかし、ビジュアル初見のイメージとはなかなかの乖離がありましたね、彼女は。
まぁそれなりに生意気というか、やんちゃなキャラだろうとは思っていましたが、まさかあれほどの狂犬だたっとは・・
そういえば彼女に殴られた二人、あれから出てこないけど・・(怖)
決闘に参加したMSはエアリアル以外だいたい敗北、大破したあとにキット発売という状況が続いていますが、このチュチュ専用デミは壊れる前に発売されましたね。
まぁ味方側だし。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。
MSJー105CC デミトレーナー チュアチェリー・パンランチ専用機
ブリオン社製の汎用型MS、デミトレーナーの最初期型をベースに、ニカ・ナナウラら地球寮のメカニック科生徒たちがチュチュ用にカスタマイズした機体。
ちなみに現在学園での実習等に使用されているデミトレーナーは外見こそ初期のものから変更されていませんが、中身は更新を繰り返した最新型になっており、型番も121になっています。
16も差があるんですが、チュチュ機・・
そもそも何年前の機体なんだよ?
経済的理由で新型を導入できないために、その旧式を改造しているということなのですが、修理もままならないということでできるだけ接近戦をしなくてもいいように、遠距離からの狙撃を軸とした調整が施されています。
一連の改造計画には “プロジェクト・チュチュ” というコードネームが付けられていますが、チュチュ本人はこの仕様に不満があるもよう。
とはいえそれなりに使いこなしているのは第9話の活躍の通りです。
一般機との外見上の違いは、狙撃用に強化されたセンサーおよび牽制用のバルカン砲を内蔵した頭部。アンテナの形状も専用のものです。
装甲を排除して代わりにロールバーを取り付けた右肩と両膝。
左肩に固定装備したシールド。
脛即面に増設されたフレキシブルブースターに、足首へのパーツ追加による脚部の延長と、踵に追加されたローラー。
やはり一番目立つのは主武装でもある大型ビームライフルですね。
バックパックもそのライフ用のジェネレーターを内蔵した大型のものに換装されています。
カラーリングも地味なサンドイエロー色がメインになっていますが、これも迷彩的な意味があるんだろうか? 少なくともチュチュの趣味ではないでしょう。
ビームライフルを取り外して本体だけであらためて。
ガンダムシリーズではあまり見ないタイプの量産機ですよね。
近い雰囲気の機体というと、スモーとか、デスアーミーとか? まぁあれらほどマッシブな感じはなく、とくに脛はほっそりしています。
一方で腕・・前腕は円筒形でマニピュレーターも5本指ではなく太短い指が3本だけと作業機械っぽい雰囲気もあります。
色分けはほぼ成型色で再現されていますが、一部グレーなどが足りません。
でも、今回は部分塗装もしていません。すみません・・
付属のシールは胸部およびライフルのセンサー部分に貼るものだけです。
精密狙撃用にセンサーが強化され、見ためはモノアイタイプになった頭部ユニット。
モノアイ(センサー部)はクリアパーツで再現されていますが、生憎と少し暗くなってしまっていますね。
頭部の外装は基本的に一般機と同じ形状ですが、バルカン砲の内蔵にともなってこめかみ辺りが開口されています。
アンテナは短いですがブレード状になっていて特別感がありますね。
そのアンテナを挟むようにバー状のパーツがありますが、これは一般機にもあるパーツで、そのままだとアンテナがひっかかりますが、開くように動かすことも可能。
なんのためのパーツなんだろうか?
右肩はアーマーの代わりにロールバー状の簡易装甲を装備。腕部とは別個に動かせます。
軽量化目的でしょうかね。
一方の左肩は一般機と同型の肩アーマーを付けた上でさらにシールドを装備。
大型ビームライフフルを両手で使うことを想定してのことだと思います。
シールドは、肩アーマーとは独立して可動するアームにボールジョイントで接続されています。
マニピュレーターは先にも言ったように3本指。
まぁ、持ち手だとわかりにくいですが・・
最新型でもこれは変わっていないので、基本的な作業は指が3本あれば十分とされているのでしょう。
劇中でも描かれましたが、マニピュレーター以外にも様々なアタッチメントが要されているようで、換装も容易に行えるようです。
なお、チュチュにはデフォルトの持ち手のほかに平手が左右分付属します。
ただし、手甲パーツもグレー成型。
まぁ、パーツ自体は握り手用のものと同じ形状なので、平手のほうにサンドイエローのパーツを付けることもできます。
ただ、どちらにしても手甲パーツ側に指の付け根部分も一緒に造形されているので、配色を完全再現するためには塗装が必要ですね。
腰部には前後スイング可動はが仕込まれており、お尻部分のジョイントをリアアーマー側の受け部分に差しこむことで角度を固定できます。
前向きに動かして、1番下の受けでロックした場合がこう。
けっこう深い前屈が可能になっています。
逆に後ろ向きに動かして、一番上の受けでロックした場合はこう。
反りはいまいちですが、胸部腹部間の可動も併せるとそれなりに反ることはできます。
脚部も膝は装甲が外され、右肩同様のロールバーが取り付けられています。
両膝ともこのデザイン。
射撃時、立て膝体勢にな立ったときの安定性向上も見越しているのかもしれません。
やはり膝の可動とは別に動かすことができます。
先ほどの装甲の側面(膝)に出ていた3㎜軸に取り付けられるのが、フレキシブルブースター。
なんかどこかで見たようなデザインですが・・
その名の通り、接続面でスライド、回転が可能です。
足首にはパーツが追加されて一般機より脚が長くなっています。もちろんそのぶん全高もアップ。
そして、踵部分にローラーが追加。
そもそもデミトレーナーは足裏にローラーを装備しており、地上を高速で走行できるようなのですが・・いや、車輪増やしたからって速くなるかな?
まぁ安定性は増すだろうけど。
なお、ローラーは回転しません。
というか、露出している部分のみ成型色で色分けされているだけです。
足裏のものに至っては一体成型で色分けされていません。
あと、組んでいる途中で初めて気付いたんですが。なんとこのデミトレーナー、足首が水平方向にロール可動しかできません。
そもそもそういう設定なのか、それともキットの仕様というだけのことなのかわかりませんが、
しかも足の甲の上の装甲が干渉して120度ほどの回転が限界という・・
そもそも水星HGシリーズ、現状では足首の接続がC型ジョイントのキットが多く、例えばエアリアルは前後スイングのみ可能。
今のところディランザのみが従来通りのボールジョイント接続で足首が柔軟に動かせます。
爪先と踵の可動は全キット共通の仕様で、それで接地性は問題なしということなのでしょうが、正直立たせづらい場面はあります。
デミトレーナーの場合は前後に角度が付けられないので余計ですね。
ただ爪先の可動がボールジョイントなのでつま先立ちができるのですが、バランスをとるのがなかなか大変。
踵は普通に軸可動なのでちぐはぐな感は否めません。
なんでこんな構造にしたんだろうか?
付属武器
大型ビームライフル
今回付属する唯一の手持ち武装。
腰部フロントアーマーに可動式のアームを介してマウントされます。
メイングリップ、サブグリップがそれぞれ可動。
ジェネレーターを内蔵した大型の専用バックパックと繋がるケーブルはリード線で再現されます。
バックパックはこの大型ビー村井ふうの使用を目的とした専用のもの(だと思う)。
ライフルの可動に必要な大型のジェネレーターを内蔵し、スラスター模型4機備えています。
左右側面に3㎜穴があるので拡張も確保されていますね。
今回のはそのうち右側がライフルに繋がるケーブルのコネクタが取り付けられています。
取り回しははっきり言って悪いです。
最大の原因は、フロントアーマーとの接点でアームが水平砲口にロール可動しかできないこと。
ライフル側も軸接続ですが、そちらはその軸自体が可動するのである程度自由が利くのですが・・
フロントアーマー側にもう1軸可動点があればなぁ。
両手持ちもなかなか厳しいです。
メイングリップも、角形ではなくサブグリップ同様の丸軸だったらまだ保持しやすかった気もするんですけどね。
比較画像
予約分が月末に来るんですが、発売日にとある家電量販店に行ったら買えたので買ってしまった一般機と。正面から。
細々と違いがあるのと、やはり脛の延長で全高が上がっているのでけっこう印象が違っています。
地味なカラーリングはどちらもですが、チュチュ機は実戦用という感じもしますね。
後ろからも。
バックパックの大型化に踵に追加されたローラー、そしてフレキシブルブースターで機動性の向上がわかりやすい。
エアリアルと。
うん。技術的にまったく関係がなさそうです。
というか、地球寮の連中はよくエアリアルの整備できたな。
そもそも一般の生徒に触らせていいのか? ともなりましたけど、まぁ大事な部分は触れないようになってるんでしょう。
でも、毎度けっこうボロボロになってますよねエアリアル。
シャディク戦のあとはさすがにシンセーの工場に引き取られたみたいですが。
似てると思ったんだけど、並べたら思ったほど似てなかった・・
でも、チュチュ機だとモノアイとか色味とか、まだ少し似た雰囲気はあるか。
以下、画像
先にも触れましたが、足首の構造がネックで自立ポージングがなかなか厄介。
まず、脚を前に伸ばした状態でちゃんと足裏が接地できない。これは非常に大きな問題ですよ。
踵も含めてしっかり接地させるためには、膝から下が地面に対して90度垂直でなければならないわけで、つまり棒立ちさせておくしかない。
なので結局、上の画像のように膝を曲げて爪先立ちするしかないわけです。
そしてその場合でも、ついいつもの癖で足首を前後に動かそうとしてしまうんですが、下手するとそれで破損なんてことにもなりかねない・・
いや、慣れるまで大変かもしれないなぁ。
まぁ、基本的にはよく動いてはくれます。
腰部可動のおかげもあって立て膝も非常に綺麗に決まりますし、ご覧の通り輝き撃ちも完璧です。
ライフルの両手持ちは無理に持ち手を使わないほうがいいですね。平手を添えるだけで十分です。
スタンドを使って。
しかしまぁ、このライフルの取り回しの悪さも学生のハンドメイドと考えれば納得できなくもないかな。
実際のところ、チュチュは今まで決闘したことあるんですかね?
というか彼女1年だけど。
バックパック、ライフルともに左右対称の造形(センサーのみ右側固定ですが)なので、左側で保持することももちろん可能。
その際はケーブルコネクタの接続位置を左に変更します。
第9話では、シャディク自らまずチュチュをヤリに来ましたが、最新鋭機相手にそこそこ健闘したのではないでしょうかね。
ライフルを保持する右手を切断されるも、咄嗟に左手でマズルを握り、右手が付いたままのライフルで相手に殴りかかる狂犬チュチュ。
チ「地球寮舐めんなっ!!
しかし、両脚までも切断され咄嗟の一撃も空振り。そのまま戦線離脱と思われましたが・・
シャディク戦の決着は、温室でのシーンを見るに初めから戦術としてミオリネの頭のなかにあったのだと思います。
一方でシャディクも、そのミオリネの戦術を読んでまずチュチュを墜としにいった。
ここはミオリネの想定外だったかも。
しかし、結局のところシャディクは詰めの甘さをつかれた。
付き合いが長いぶん、お互いのことをわかってたはずですが、本質を見抜く目はミオリネのほうが勝っていたということだろうか。
ミ「今さらよ・・
チ「あーしが後方から援護する! スレッタは突っ込め!
ス「はい! チュチュ先輩!
チ「おらいけーっ!!
ス「飛べる! 踊れる! エアリアルっ!
しかしあの9話の団体戦、地球寮側がパイロット全員自前で賄うとは思ってませんでしたわ。
きっとグエルと、フェルシーあたりは助っ人で来てくれると思ってた。
でも、地球寮だけで戦ったからこそあの劇的な決着になったわけだし。
やはりそこは僕の考えが浅いということだな。
チュチュ専用デミトレーナー改・・
たぶん、チュチュはこういうカスタムのほうが好みなんだと思う。
いや、ここまでではないけど(笑)、劇中もなかなかヤバめな展開になってきましたね。
まさかルブリスウルとソーンがああいうかたちで出てくるとは。
ボブの運命やいかに・・
以上、“HG デミトレーナー(チュチュ専用機)” でした。
水星におけるジム枠・・というのは少し違うかもしれませんが、わりと個性の強い機体が多いなかで無個性というか、シンプルさのみを追求したような存在のデミトレーナー。
でもそんな機体をベースに、このチュチュ専用機はなかなか個性的にカスタマズしたものですね。
あぁ、パイロットの希望とは乖離があるようですが。
とはいえ、本体については機動性を中心に基本性能が向上してるようなので、武装さえ変えれば接近戦も十分にこなせるとは思いますが。
ただ装甲が薄くなっているので耐久性は下がってるのかな。
まず量産機があって、その色違いの専用機が出てくるというのはガンダムシリーズだけでなくそのたのロボットアニメでもまぁよくあるパターンですが、形までもここまで違ってるというのは、案外少ない気がします。
脚が長くなってるのはとくに珍しいのではないかな。
というか、そのことに一般機組むまで気付かなかったし・・(笑)
キットの出来については、もちろん高水準なものにはなっているんですが、やはり個人的には足首の仕様が気になります。
足首は普通にボールジョイントにしておいてほしいなぁ。
爪先を踵を独立可動させるよりもパーツ数も減らせると思うんだけど・・
べつに180度開脚で自立できる必要もないし。
その足首の不自由ささえなければ、デザイン的にも好みだし、組み易くて色分けもまぁ十分だし、いいキットなんですけどね。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
2コメント
2022.12.14 08:35
2022.12.14 08:16