HG ガンダムエアリアル レビュー

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、

“HGTWFM 03 ガンダムエアリアル” です。


 その魔女は、ガンダムを駆る・・

 令和初の完全新作TVシリーズ、“機動戦士ガンダム 水星の魔女” より、主人公、スレッタ・マーキュリーとともにアスティカシア高等専門学校にやってきたモビルスーツ、

“XVXー016 ガンダム・エアリアル”が、

HG水星の魔女(HGTWFM)シリーズで発売されました。


 いやぁ、すっかりハマってしまってますね、水星の魔女。

 最初こそ、prologueからの急激な印象の変化や、ラノベ的(というと語弊があるかもしれないけど)の舞台設定に混乱したのですが、もう2話以降すっかり順応して、SEEDのときより素直に楽しめてますし、先が気になって仕方ないところです。

 なによりキャラクターが全員濃い。

 数々の明言、迷フレーズを生み出していくヒロイン(?)、ミオミオ。

 狂犬チュチュ。

 その笑顔の裏に底知れない闇を抱えていそうなニカ姐。

 劇中での価値が下がるごとに視聴者評価は上がり続ける・・むしろ主人公じゃない? なグエル。

 勝手に期待して勝手に失望して見事に手のひらを返すエラン。

 そしてまだその全貌を表さないシャディク。

 それぞれの親世代に両の仲間なそのサブキャラも曲者揃いで、MS戦がなくとも楽しい。

 もちろん主人公のスレッタも、初の女性主人公というだけでなく唯一無二の個性を持ったキャラクターで、彼女の今後の成長・・なによりその正体が非常に気になるところです。

 そしてそんな彼女が駆るガンダム・・いや、名目上はガンダムではないので、たんにエアリアルと呼ぶことにしましょうか。

 まぁ、はっきり言ってチート機体ですよね。

 スレッタも含めてということにはなりますが。

 その外見、性能からprologueに登場したルブリスとなんらかの関係があることは間違いないとは思うのですが、そもそもprologueから本編開始までに何年が経過しているのか?

 スレッタ=エリクト、プロスペラ=エルノラという単純な図式では内容にも思われ、この辺りの全容が明かされる頃、物語は急展開を迎えることでしょう。

 ともあれ、分割2クールという放送スケジュールを考えると、それも2クールめからということになるのかな。

 まだしばらくは、学園内で学生たちのイチャイチャが展開していくことでしょう。

 ではでは、レビューに移ります。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属シールを貼ったのみです。


XVXー016 ガンダム・エアリアル

 やはりルブリスとの関連を疑わざるをえないデザインです。

 というか、今回のガンダムは企業間の関わりというものも物語に大きく絡む要素になっていて、各企業が開発、生産するMSには一見してどこ製かわかるくらいに似通ったデザインの機体がほとんどです。

 エアリアルは水星に本社を置くシン・セー開発公社製ということになっていますが、その姿を見ればかつてのヴァナディース機関との関わりは明白・・と、そこはダブスタクソ親父の判断は正しいと思うんですけどね(笑)。

 最初に設定画を見たときは、ダブルオーやGセルフ、バルバトスなど最近のガンダムからいろいろな要素を抽出してごった煮にしたようなデザインだな、と思ったのですが・・まぁその第一印象についてはとくに変わっていません。

 ルブリスと違ってカラーリングも定番のトリコロールカラーですからね。

 ただ独自の特徴としては、ルブリスもそうでしたが太腿ものボリュームが上げられると思います。

 いまだかつてこれほどムチムチの太腿をしたガンダムがいただろうか?

 あ、ガンダムて言っちゃった(笑)。

 実際、このパーツだけ見たら1/100スケールかと思いますよ。ルブリスよりもさらに太くなっています。

 まぁ太腿だけでなく、全体にムッチリしたプロポーションですね。

 だからといって女性的、というわけでもないんですけが、これまでの平均的なガンダムのイメージではないかなぁ。

 太股と脛の長さの比率も、わりと実際の人間のそれに近いものになっていると思います。


 背面はかなりすっきりしたデザイン。

 前には申し訳程度にあったスカートも、後ろにはく、付け値に近い位置にインテーク(?)っぽいモノが配置されているのもわりと珍しいかも。

 バックパックは一応本体とは分離したもので当然取り外すことができますが、一体化しているくらいコンパクトなデザインになっています。

 左右にビームサーベルをマウントするのは伝統ですね。

 なお、色分けについてはかなりの部分成型色で再現されており、少なくとも前から見るぶんには完璧(カメラや発光状態の再現については除く)。

 ただ後ろ姿になると、お尻や踵のインテーク部分が本来はグレーです。

 今回は墨入れしたのみで塗装まではしていません。


 頭部のデザインはやはりルブリスと似た雰囲気で、少年的なイメージもあります。

 なお、ツインアイおよび後頭部のカメラには付属のシールを貼っていますが、成型色でも色分けされています。

 またシールも通常の緑色のほかに赤色のものも付属。

 おそらくはリミッターが外れたり、暴走したりといったガンドフォーマットのリンクに問題が発生した場合に、目やカメラが赤く光るという演出が入るんだと思いますが、今のところそういう状況にはなっていませんし、説明書の機体解説でもとくに触れられていないので、ぶっちゃけどうしたらいいのか・・

 とりあえずお好みで貼ってくださいというところですね。

 なお、シールもまたルブリス同様、RGのリアスティックデカールのように金属光沢のあるプラスチックシールになっており、普通のホイルシールとは輝きが違います。

 頭部デザインに話を戻して、ガンダムといえばのV字アンテナも付いているのですが、このアンテナはいったいなんのために付けられたものなのか?

 スレッタたちの通う学園ではMSを使った決闘で学生同士の揉め事を解決するのですが(あらためて考えると、すごい学校だな。なお、そのルールを決めたのは学園理事長でもあるダブスタクソ親父・・)、その勝敗は相手の機体の頭部にあるブレードアンテナを折ることで決まります。

 なので、決闘に使われるMSにはアンテナがあるのですが、それ以外の教習用のMSや、学園の外で軍用に使われているMSには基本的にアンテナがありません。

 ルブリスにもなかったので、そもそも機能として必要のないものなのでしょう。

 そう思うと、エアリアルのこれは学園で決闘を挑まれること前提であらかじめ付けられたもの? 

 お母さん・・


 鳥の顔のように見える胸部デザインもルブリスと類似したものです。

 相変わらず、なんか可愛い(笑)。


 ガンドフォーマットとのリンク時に見られる機体各部の発光現象も同様。

 胸部についてはインモールド成型パーツか、通常のクリアパーツ裏にシールを貼るかを選択できます。

 画像はインモールド成型パーツを使ったものです。

 なお、エアリアルの場合はこの発光現象が見られる部位がルブリスより多く、胸部以外に額(ここはルブリスも発光するようですが、キットでは再現されていませんでした)と肩アーマー、

太腿、

そしてバックパックが同様に発光します。

 太腿とバックパックはクリアパーツの裏から接着面に印刷がされたシール、肩アーマーは直接赤く発光している状態を再現したシールを貼る仕様。

 発光していない通常の状態を再現するシール(ただ黒いシール)もそれぞれ用意されていますが、完全な選択式になりますね。

 通常、発光、発光かつカメラ赤色の3パターンを再現しようと思うと、結局キットが三つ要るということか・・


 再び太腿の話になりますが、付け根の可動部を外装がぐるっと覆うようなデザインになっているため、ロール可動がかなり制限されます。

 接続軸側から見るとこのような構造になっています。

 画像のように、左右30度ほどが限界。

 一方で開脚は水平位置まで可能です。


付属武器

ビームライフル

 手持ちの射撃武装。

 ルブリスのレシーバーガンは妙にでかくて本体とのバランスがおかしい感じでしたが、こちらはちょうどいいサイズになっています。

 保持の際には手甲パーツを外す必要があるので少し面倒。

 やはりビ-ムブレイドとしての使用も可能で、専用のビーム刃が付属。

 ルブリスのときは上下のパーツを一旦開いて付ける必要がありましたが、こちらはそのまま取り付けられます。

 非使用時は専用パーツを介してバックパックにマウンドできます。


ビームサーベル

 バックパックの左右に1本ずつマウントされる、格闘用の武装。

 ビーム刃は専用のものになっていて、よく使われる汎用パーツよりわずかに短いです。

 ダボ接続なので向きは固定。


エスカッシャン

 通常ガンビットと呼ばれる次世代群体遠隔操作システムで構成される多目的攻防プラットフォーム。

 基本形は画像のシールド形態で左の前腕に装備されるのですが、11基のビットステイブに分離してそれぞれに内蔵されたビームキャノンでのオールレンジ攻撃や、エアリアル本体およびビームライフルに装着するビットオンフォーム形態での機体性能の底上げなど、ガンドフォーマットリンクを使用した様々な運用が可能な特殊装備です。

 シールド形態では裏面の3㎜軸を使って前腕側面にマウントとします。左右どちらでも可能です。


 というわけで、とりあえずライフルとシールド装備で全体像をあらためて。

 ふむ。パッと見はよくある感じのシンプルなガンダムタイプMSという感じです。

 まぁ、シールドが明らかになんかありそうなデザインではありますが(笑)。


 では、ビットステイブ分離。

 ルブリスのシールドが分離するビットの数が7基でしたから、当社比(と当社って言っちゃダメか・・)およそ1.5倍ですね。

 なお、ルブリスのものとは違ってシールド形態では基部となるパーツがあります。実際にはないものだと思うのですが・・

 それぞれの接続には3㎜軸が多用されているので、なにかと応用は利きそうです。

 先端の長いビットとグレーのビットの接続には、長いビットのほうに展開式のジョイントがあり、それにグレーのビットを取り付ける仕様になっています。

 例によって攻撃状態再現用のスタンドなどは付属せず。本領発揮はウエポンディスプレイベースが発売される1月までお預けという・・1期の放送終わっとるがな。

 でも、先の通り3㎜軸接続が多いので、ルブリスのビットよりは手段もあるかな?


ビットオンフォーム

 11基のビットステイブのうち9基を本体に、2基をビームライフルに装着した状態。

 劇中ではむしろこの形態がデフォルトという感じですね。

 ここから状況に応じてビットを分離させて、攻撃やシールド状態にしての防御、と使い分けていた印象。

 ルブリスでもそうだったか。

 装着箇所は、まず左右肩アーマー。

 追加スラスターという感じ。

 前腕には形状の違うビットをそれぞれ。

 小型のシールドとして機能するのかな?

 で、左右の太腿。

 これも追加のアーマーという感じ。

 そして腰裏に、3基を合体させた状態で装着。

 これはスラスターとしての役割が大きいでしょうね。燕尾服みたいなイメージになります。


 そしてライフルにも、銃口を延長するようなかたちで2基装着。

 そのまま前からスライドするかたちで取り付けられます。

 ビームの出力が向上するようです。


比較画像

 ルブリスと。まず本体のみで。

 雰囲気は似ていますが、一応軍用機ではないということなのか、エアリアルのほうがシンプルになっている印象です。

 まぁでも、どう見たって関連あるよねぇ。

 ただ、キットは完全新規でルブリスからの流用パーツは一切ありません。

 フレーム部分などは流用なんじゃないかと思っていたので、これは意外でした。


 武装状態で。

 機体の見ため以上に武装のコンセプトがまったく一緒だし・・


 ビットオンフォーム形態で。

 こちらも、パッと見の印象はルブリスのほうが攻撃的なんですよね。

 後ろに回ると、バックパックへのビットの装着が、エアリアルの場合はまったくないのが面白いです。

 3基がリアスカート状になって付いてはいるんですが。

 1話にて圧倒したグエル搭乗のディランザと。

 今回は各企業ごとに開発するMSに特徴があり、実際別々のデザイナーさんが手掛けていることもあって非常にキャラクター性が強いものが多いです。

 この2機を並べても、それぞれのMSに対する考え方、方向性の違いがよくわかりますね。

 というか、見ためかなり強そうで実際に強いと思うのに、今のところ完全にやられ役に甘んじているディランザに名誉回復のチャンスはあるのか?


以下、画像

 まず通常形態で。

 これはパッケージイラストイメージ。

 先にも言った通り太腿の可動が制限されるのが痛いです。

 足首も、これは水星のHGシリーズ基本仕様になる感じですが、基本前後スイングしかできず、爪先および踵がそれぞれ個別にロール可動するという構造になっているので、これまでの定番だったボールジョイント接続と較べて柔軟性に劣る気がします。

 ポーズによっては自立がけっこう厳しいんだよな。

 肩周りも、外装ごと前方への引き出しはできるのですが上方への跳ね上げはできないので、イマイチ気の抜けたポージングになりがち。

 まぁ、あんまり見得を切るような派手なポージングはパイロット的にも似合わない感じはあるんですけどね。

 あと手首が緩いです。個体差かなぁ?

 画角によっては十分迫力のある画にはなるけど。


 ビットオンフォームで。

 なんかこう、フワッと飛んでるポーズとかが似合うかな。

 スレッタもきっとただのんびりエアリアルに乗ってたいだけなんだよ。決闘なんかしたくないんだよ(そりゃそうだ)。


 でもやるとなれば容赦ない。

 そういうとこは、やっぱ対人スキルレベルの低さというとことなのかな?


 ビットステイブ展開!  標的をダルマにして!

 また適当なスタンドに両面テープでビットを貼ってますが。

 いや、スタンド同梱か、せめて同時発売だろうに。

 なんで3ヶ月も後なんだよ。そういうとこやぞ。


 VSグエルディランザ。

 グエル先輩も本当、気の毒だよな。

 実際パイロットとしての腕は学園一で間違いないはず。相手が悪いよ。チートばっかじゃん・・

 まぁ、そのあたり思うところはまたディランザのレビューのときに綴るとして。

 ダルマ五秒前。


 そして第1話のラストカット。

 スレッタとミオリネの1/144スケールフィギュアはさすがに無理だろうけど、なんで平手が付かないのか・・?

 安心してください! エアリアル用の平手は1月発売のフライトユニットに付属します!

 そういうとこやぞ(2回め)。


 以上、“HG ガンダムエアリアル” でした。

 いろんなガンダムの寄せ集め・・という印象は拭えないまでも、しかしそのプロポーションはいまだかつてないほど肉感的というか、過去にない新鮮なスタイルになっていると思うエアリアル。

 女性主人公だからといって見るからに女性的なデザインというわけではなく、見ようによっては女性的にも見える、という感じでしょうか。

 可愛らしさとマッチョ感が絶妙なバランスで同居しているというか。

 やはり目を惹くのは太腿のボリューム感。まるで競輪選手のようでもあります。

 まぁその太腿が、キット的には可動を阻害する要素にもなっているので、そこは一工夫欲しかったところです。

 造形に色分け、プロポーションと、令和初のガンダムとして非常にレベルの高いキットになっているとは思いますが、その太腿含め、可動に少し癖があるので慣れが必要ですね。

 あと、メインギミックであるビットスティブの分離も、攻撃状態でディスプレイしづらいとか、劇中の印象的なシーンを再現するのに平手が欲しいとか、いろいろと痒いところに手が届ききらない感じはバンダイらしいというところかなぁ。

 劇中再現がしたい方はオプションを買ってください・・は、まぁいいけども、3ヶ月後に発売です! はさすがにおい! となりますわよ。

 結局そういうとこなんだよなぁ・・(3回め)

 しかしまぁ、それでもこのクオリティで定価1300円は安いですよね。

 てっきりルブリスからパーツの流用があると思っていたら完全新規だし。

 ほかの企業製のMS・・とくにペイル社製のMSなんかは全部ベギルベウからのパーツ流用が明らかですが、ガンダムの名の付くMSについては、少なくとも今のところほかに流用が利かなそうなデザインになっているあたり、ガンダムの特別感の表現でもあるのかな。

  ただ、ガンダムとなるとたとえ劇中登場のバリエーションがなくともクリア成型だとか、なんかのコラボで色違いとか、いろいろ商品としては売りようがあるので、それも含めて若干低価格に設定されているのかもしれません。

 だとしても安いよねぇ。そこは素直にすごいと思う。

 あとはいつでも買えるくらい市場に溢れていればなぁ。

 再生産は頻繁に行われるようなので、クリスマスあたりはそうなっている可能性もある・・かな?


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

 

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