KD グリムロック & ミラージュ レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー キングダム より、

“KD EXー13 マクシマル グリムロック & ミラージュ” です。


 時空を超えてマクシマルとオートボットの戦士が共闘する、“バトルアクロスタイムコレクション” 。

 海外ではAmazon限定で発売されたセットアイテムが、日本ではタカラトミーモール限定での発売となりました。


 というわけで、前々回レビューしたスカイワープ & サイドスワイプに続くセットアイテムの2つめにして、モール限定の延期組三つめ。

 バトルアクロスタイムコレクションで先に発表されたのはこっちのセットだったはずですが、日本でのナンバリングは後ろになりましたね。

 同時発売になる場合、クラスの小さいものからナンバーを振る、という基本ルールがあったような気もするのですが・・最近はわりとごちゃごちゃしてます。

 それこそ、まさにKD EXでは10がスカイワープ & サイドスワイプ、11がちび音波、12を飛ばして、13に今回のグリムロック & ミラージュですし。

 まぁ、いろいろあるんでしょうね(笑)。

 さて、まずはグリムロック。

 スカイワープと違ってオリジナルも単体アイテムですし、ダイノボットのリカラー頭部変更という点も変わらないので順当なリメイクです。

 そしてミラージュ。

 こちらもシージ版をリデコしてのアースモード再現という、ファンの期待に応えた(というか既定路線?)ものになっています。

 まぁ、そんな2人がコンビを組むことには、やはり必然性はないのですが・・

 レビューしていきます。


 パッケージは前面にイラストが描かれた仕様。

 今回はボイジャークラスとデラックスクラスのセットなので、スカイワープ & サイドスワイプのものより横幅があります。

 中身はこんな感じ。

 白色段ボールにキングダムでは廃止されたはずのプラスチック紐で固定されています。なんで紙紐じゃないの?

 あと、前々回でも紹介しましたが、バトルアクロスタイムコレクションの2つのパッケージのイラストは繋がっています。

 ミラージュの主人公感・・(2回め)


ミラージュ

 今回も商品名に逆らってオートボットから先に紹介していきます。

 日本での名前は “諜報員 リジェ” 。

 由来はビークルモードのモチーフであるF1カー、リジェJS11から。

 シージではサイバトロンモードで発売されましたが、今回はアースモードということで、より初代アニメ、オリジナルトイのデザインに近いものにリデコされての再登板となります。


ロボットモード

 何度も言うようにシージ(SG)版のリデコですが、かなりの割合で新規パーツに置き換わっています。

 SG版との共通パーツを見つけるのが難しいくらい。

 実際流用されているのは頭部、上腕(シルバーの部分のみ)、拳、腰と脚の付け根、爪先。あとはタイヤと武器、ジョイントフレームの一部くらい。

 上半身は変形パターンの変更もあり、内部構造も若干変わっています。


 バストアップ。

 頭部はSG版の流用で、基本的なカラーリングも変わっていないのですが・・うちに来たヒトは左目の塗装がやたら分厚く、左目だけぐいっと見開いてるような表情になってしまっています。

 鼻から下のシルバーの塗装にも、ちょっと画像ではわかりにくいですが細かい傷がいくつか走っており、なんか超武闘派の歴戦の戦士みたいな雰囲気。

 まぁ、歴戦の戦士には違いないと思うのですが、どちらかというとクールでスマートなイメージにミラージュとはキャラが違う・・(困)

 また、胸部は本来ビークルモードのフロント部分が変形する設定ですが、SG版同様今回もダミーパーツで再現されています。

 なお、SG版で白色成型だった胸部パーツですが、今回は青色成型の上から白く塗装がされています。前腕や太腿同様です。

 艶消しになっているのと、塗装ムラもあったりでどうも微妙。

 白色で成型して青い部分を塗装というわけにはいかなかったのだろうか?

 胸部に話を戻して、中央のオートボットのインシグニアも微妙に歪んでますね。あと右側にほんのちょっとですが赤い塗料が跳ねてる。


背面。

 ちょうど広背筋の位置にタイヤが綺麗に収まるレイアウトはSG版と共通ですが、わずかに肩幅が狭まってすっきり。

 ミラージュらしいスマートさが感じられます。

 脚部の構造はSG版から踏襲されていますが、太腿および脛パーツは新規造形。脛はクリパーツではなくなっています。


付属武器

ハンティングライフル(またはJSレーザーガン)

 手持ちのライフルですね。

 SG版からの流用で、シルバーの成型色のままなのも同様。


エレクトロディスラプター

 こちらもSG版からそのまま流用されているミサイルランチャー型の武器。

 弾頭とランチャー部分に分解可能です。

 SG版ではランチャー部分が黒く塗装されていましたが、今回は成型色のままです。

 なお、本来は右肩に装備している武器で、SG版でもそのように(左側でも)取り付けられたのですが・・なんと今回のKD版では肩に5㎜穴がないため、無加工ではオリジナルデザインの再現ができません。

 なんてこったい。

 変形パターンの変更に伴い、腕部基部が肩に移動したため、その位置に5㎜穴を開けるのは強度的な問題で難しかったのかもしれませんが・・

 いや、それ見越して設計して。

 一応、上腕の後ろ側に5㎜穴があるので、

そこに取り付けることはできるのですが・・

 腕の角度によってはいいんだけども、やっぱりちょっと無理がある。

 そんなわけで、ファンの間でもいろいろな解決策が模索されたわけですが、とりあえずうちではこうしました。

 ヘキサギアの余剰パーツを使ってジョイントパーツを作成。

 ランチャー本体がちょっと斜めになってますが、まぁ位置的にもまずまずなんじゃないかな。

 組み換えれば左肩に回すこともできます。

 

ビークルモード

 F1カー、リジェJS11っぽい車にトランスフォーム。

 バッと見はSG版とあまり変わっていないようにも見えますが、流用されているのはフロントノーズとタイヤくらいで、外装の多くが新規造形になっています。

 ただ実際、ランボルギーニ型やフェアレディ型に較べると、う~む・・という感じではあります。

しかし、とりあえずはアースモードと呼んでよいでしょう。ちゃんとオープンタイプの運転席も再現されましたしね。


 車体後部(ロボットモードの上半身)は変形パターンが変更。

 SG版では後ろから見るとダミーの胸部パーツが見え、車体の前後にフロント部があるようなデザインになっていましたが、今回胸部パーツは底面に収納され、代わってエンジンっぽいディティールが見える配置になっています。

 SG版でも腕部の収まりなどにあまりかっちり感はなかったですが、今回もイマイチ。

 バラけるようなことはありませんが

 このディティールもシルバーとかで塗装されてたらもっと雰囲気がよかったかな。

 武器は車体側面に取り付け可能です。

比較画像

 SG版と。ロボットモードで。まず正面から。

 細部は違うものの印象としてはほぼ同じ。

 ただ今回のものは、胸部パーツの新造でSG版よりもわずかに肩幅が狭まり、脇の辺りのボリュームも減ったことで随分とスマートになったように見えます。

 SG版は妙にマッチョでしたからねぇ・・


 背面も。

 タイヤが背中にすっぽり収まる構造は共通。

 しかしそれ以外は腕部の付き方、上半身と下半身の繋がり方などがまったく違う、面白いリデコになっています。


 ビークルモードでも。

 こちらも一見ほとんど変わりがないようで実際にはかなり変わっています。

 わかりやすい部分としては、SG版ではキャノピー風だった運転席がオープンタイプになっていること。


 後ろからも。

 変形パターンの違いがよくわかるかと思います。

 

 裏面も。

 こちらも変形パターンの違いがわかりやすい画かな。

 上半身と違って下半身はパーツの変更はあれど構造としてはまったく同じです。

 ヘケヘケ版と。ロボットモードで。

 全体を通してわりと特徴的なアレンジがされていることも多いヘケヘケ版ですが、とくにこのリジェ(ミラージュ)のロボットモードはクセが強い。

 いや、確かにスマートなイメージあるけど・・(笑)

 ただリアウイングが爪先になるとか、パーツ配置はオリジナルトイに近いんですよね。

 SGおよびKD版は、変形パターンはオリジナルトはまったくの別物だし。


 ビークルモードでも。

 ヘケヘケ版はロボットモード同様、かなりスタイリッシュなF1カーになります。

 運転席がキャノピー風になっている点はSG版に近いですね。

 ちなみに、そのキャノピーの奥にはロボットモードの頭部が見えるという配置になっています。


マクシマル グリムロック

 ビーストウォーズ版グリムロック。

 とはいえ、あくまで名前を借りただけで、G1グリムロックと直接の関係はない? のかな。

※ご指摘ありました。G1グリムロックと同一人物のようです。エージェント ラヴィッジと同じ感じですかね。

 オリジナルトイは日本では未発売。

 ダイノボットのリカラーで、頭部もそのままだったはず。

 今回もKD ダイノボットの流用で再現されましたが、リカラーだけに留まらず、頭部が新規造形になりました。

 なお、役職は格闘戦指揮官。


ロボットモード

 頭部以外はダイノボットとまったく同じなんですが、カラーリングがガラリと変わったことで基型からかなり印象が変わっています。

 というか、ビーストモードの生身感が強い上半身とほぼメカ要素しかない下半身との配色のバランスが変・・

 太腿から膝と爪先が真ん中からくっきり色が違うのはどうなのか?

 なお、構造や可動に関しては基型からまったく変わりがないので、そのあたりについては基型(KD ダイノボット)のレビューを参照してもらうという前提で割愛します。

 もうちょっと後ろにリンク貼っておきますので。


 背面。

 もちろん基型から変わらず。


 新規造形の頭部。

 G1グリムロックと基本的に同じデザインなのかと思いきや、なんとなくの輪郭と口許がマスクタイプというところは共通ながら目はツインアイになっていたり、要は別人。

 シュッとした、正統派のヒーローロボットっぽい顔付きというか、まぁなかなかのイケメンではあります。

 でも正直、生々しい感じのボディとはアンバランス。

 なお、ツインアイは緑で塗装されているのですが、かなり奥まっているためほとんど見えませんね・・


 胸部。

 ダミーパーツで再現されているビーストモードの顔ですが、目は塗装されていません。

 ここは緑で塗ったほうがいいかな。


付属武器

サーベル

シールド

 どちらも基型から変更なし。

 変形にも組み込まれるものですしね。

 サーベルは成型色のまま。シールドの裏面は今回も塗装されませんでした。


ビーストモード

 ゼブラ柄(?)のヴェロキラプトルに変身。

 グリムロックなのにティラノサウルスじゃないやん! と言う人もいそうですが、ビースト版のグリムロックはそもそもそうだし。

 そういう意味では、スカイワープと違って完璧なリメイクということになります。

 オリジナルトイでは白地に頭から背中、尻尾に紺色の斑点という模様だったのですが、今回は同様の部分全体がグレー。そして手や足の先もグレーという配色に。

 突然縞々になる尻尾には若干違和感があります。

 変形パターンの変態ぶりについては以前基型のレビューで触れていますので、今回は割愛。

 しかし、本当に翼こんな構造考えられるもんだわ・・

 白目にあたる部分が緑色なのはオリジナルを踏襲。

 口は開閉します。


 後ろから。

 脚の付け根部部分のガワですが、基型ではイマイチぴったり合わなかったところがわりと綺麗に合うようになっていました。

 個体差かもしれませんが。


比較画像

 基型のKD ダイノボットと。ロボットモードで。

 頭部の変更以外、造形的な違いはありません。

 砂漠仕様から雪原仕様になった感じ。


 ビーストモードでも。

 こちらは完全な色違い。

 やはり同種で生息環境が違う亜種関係という感じですね。

 直接関係はないと思うのですが、G1版グリムロック(スタジオ86版)と。ロボットモードで。

 ボディがまったくの別物なのはわかっていたことですが、顔はまぁまぁ似てるんだろうな・・と思ってたら、そっちも対して似てなかった・・


 ビーストモードでも。

 色はさておきわりとリアルよりの造形のヴェロキラプトルと、いわゆる怪獣スタイルのメカティラノサウルス。も

 はや共通点はなし。

 強いていうならカラーリングの系統は似てる。

以下、画像

 まずミラージュ。

 可動はWFCトリロジーの標準基準を満たしています。

 ただ足首スイングが限定的かつ接地面が狭いので、自立が若干心許ないときがあります。

 立て膝は若干傾きますが、一応様にはなります。

 なお個体差なのか、膝関節概要に硬かったです。太腿の塗装は少し回ってしまっているのかもしれません。


 変形都合もあり、腕部基部のジョイントを外すことで腕部全体を上向きに跳ね上げ、さらに鎖骨の位置で前後に回すことが可能。

 狙撃イメージのポーズもばっちり。

 肩アーマーのように配置されるリアウイングパーツも回転できるので、好みの角度の調節できます。


 スタンド対応穴は腰裏に。

 ハンティングライフルの後端には5㎜穴があるので、エレクトロディスラプターのランチャー部分に接続もできます。

 生憎とその場合弾頭パーツは余剰になってしまいますが。


 続いてグリクロック。

 可動性は抜群。

 とくに肩周りがよく動き、サーベルとシールドを装備してのド派手なポージングが決まります。

 手の先も握り拳ではない、いわゆる平手タイプで指も可動もするので、それだけでもいろいろと表現できて楽しいです。

 一方で、手の平に5㎜穴があるだけなので、一般的な5㎜軸グリップの銃タイプの武器等は持たせくいですね。

 ただ、それなりのサイズの武器なら、もう一方の手で支えるようにすれば十分持てます。


 立て膝もスマートに。

 サーベルを収納したシールドを持たせると、刀を収めた鞘を持って控えているサムライのようだ・・

 まぁ、自分の尻尾なんですけどね(笑)。


 ビーストモードでも。

 ロボットモードと違って、この形態での可動は限定的。

 それでも頭部の上下動に口の開閉、腕部と脚部もある程度可動するのでそれなりのアクションは可能です。

 しかし、後脚が付け根から・・横に広げることはできるのですが、前後に動かせないので、どうしても膝から下のみで動きを表現するしかありません。

 なので、疾走シーンを再現したくても、実際はスキップしてる感じになってしまう・・(笑)

 前脚の形状含めてなんか可愛い。


グ「もう戦闘は始まっている! 急げミラージュ! オレの背中に乗るんだ!

ミ「いや、オレが変形したほうが速・・


 最後にパッケージイラストイメージで、バトルアクロスザタイムコレクションチーム集結!

 3人が前方に集中するなか、1人後方を警戒するグリムロック、優秀。

 伊達に肩書きが指揮官なわけではない。


 以上、“KD グリムロック & ミラージュ” でした。


 キングダムを象徴するような、ビーストせんし(マクシマル)とG1戦士(オートボット)それぞれのリメイクをセットにしたコレクションシリーズ、バトルアクロスタイムコレクション。

 対になるプレダコンとディセプティコンのセットも来るかと思っていたんですが、なかったですねぇ。

 てっきりそこにテラザウラーとタランスくらい持ってくるのでは? と期待していたんですが・・

 結局テラザウラーは次のゴールデンディスクコレクションにラインナップ。タランス(あとインフェルノ)もレガシーで来るようですし、一安心。

 ・・いや、安心できないぞ。

 テラザウラー、いったいいつになったら日本発売のアナウンスされるんですか?

 まさかスルーなんてことはないと思うけど・・

 ぶっちゃけてらザウラーだけでいいんで、お願いしますよ。


 さて話を戻して、

 マクシマル側の選抜はオリジナルでの流用過程をそのまま踏襲したグリムロックということで、とくにひっかかることもなし。

 やはり基型の出来がよいので、変形アクショントイとして非常に遊び甲斐のあるものになっていました。

 ダイノボットとは対象的なクール系のお顔とカラーリングが格好よい。

 一方のオートボット側、ミラージュですが、SG版のリデコながら新規造形パーツが多用され、変形パターンも変えるという手の込んだ内容になっており、サイドスワイプなどよりも新鮮味を感じることができました。

 ただ、なんでそこまでしながら肩に武器が取り付けられないのか・・?

 サイドスワイプ、レッドアラートのビークルにリアウイングがないのと同じような、痒いところに手が届ききらない感じ。なんでだよ? と。

 まぁ、ランボルギーニ型のリアウイングと違ってわりと簡単に対処できるのでいいんですけどね。

 なにはともあれ、これで初代カーロボ部隊は全員アースモードで揃ったことに・・なってないやん。

 ハウンドは?

 確か、クラファンスターセイバーの紹介配信のときにサイズ比較でそれっぽいハウンドが登場してたような気もするんですが、あれは気のせいだったのかな?

※こちらもご指摘ありました。配信で出てきたのはWFC(ネトフリ)版だったそうです。気のせいでした(笑)

 レガシーでフォローされるの?

 まぁ、個人的にはハウンドはSG版のままでもいいかな・・とは思うのですが、ここまで来たら、ねぇ。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • 退屈と惰性と

    2022.03.24 14:37

    @あけち?ともあきコメントありがとうございます。 ダイノボットの数少ない不満点が、ビーストモードでの脚のガワのあわなさだったので、グリムロックで改善されていたのはよかったです。 ミラージュも、肩ミサイル問題がわりと簡単に解決できてめでたしめでたし。あと、意外と5㎜穴多いんですよね、彼w さてテラザウラー、来月モ限で来てくれるか・・
  • あけち?ともあき

    2022.03.24 13:27

    テラザウラー、出て欲しいですねえー。うちに来たグリムロックは、パーツの精度がとてもいいものだったので、ピチッと完璧な変身をしてくれました。ミラージュも名品ですねこれ。かっこよくていい感じです。腕の後ろの5mm穴はこのレビューで気づきましたw