今回のレビューは、ノンスケール フレームアームズ・ガールより、
“FAG 影虎” です。
イラストレーター、新川洋司氏がデザインしたフレームアームズ、“FA 白虎” をガール化した “FAG 白虎” から3年と9ヶ月、本家白虎の強化バリエーションである “FA 影虎” をガール化した、
“FAG 影虎” が発売されました。
名前の読み、“エイコ” じゃなくて “カゲトラ” なんですね。パッケージのアルファベット表記は中国語読みになっています。“イェンフゥ” 、て読むのかな?
新川氏の独特のデザインを再現したFA 白虎は、FAでありながらフレームアーキテクトを部分的にしか使わないという、やはり独特の構造のキットになっていました。
そのガール化であるFAG 白虎も、同じく新川氏がデザインし、その再現のために完全新規造形になったわけですが・・
発売当時、僕はその少々クセのあるデザインにはあまり食指が動かず、スルーしてしまっていました。
しかしその後何度か現物を見る機会があり、あれ? 意外に可愛いんじゃないか(失礼)と思ったり、とある中古屋でもけっこう安値で見かけたりもしたのですが、同仕様かと悩んでいる間に売れてしまったり・・
まぁ、いいや、そのうち黒いのも出るだろう。
あのグライフェンですら(失礼)とくに本家と関係ないカラバリ出たんだし、と思ってたら本当に出ましたね、影虎。
ということで購入。
本家のほうも白虎は持ってないけど影虎は持ってたのでちょうどいい(?)。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みしたのみです。
素体モード
胴体部分は本家FA 影虎をベースデザインとした宇宙服っぽいメカ要素強めのスーツ姿。
基本的にはFAG 白虎の成型色違いとなります。
いわゆる生身状態に近い腕部や脚部は付属せず、別売のイノセンティア系の腕部、脚部を流用することで軽装状態が再現できるという態になっています。
本体構造は初期モデルからの過渡期という感じで、肩内部の可動はなし。
胸部と腹部の接続はダブルボールジョイントで少々・・いや、かなり外れやすいです。
股関節は左右別個にスライドでき、脚側には引き出し構造もありますが接続はボールではなく軸になっています。
同じ新川デザインのガールキット、ルーデンスとほぼ同じ構造ですね。
個人的には軸接続はありがたい。
背面。
正面はあまり肌を露出していませんでしたが、背中・・というかもう腰までぱっくり開いています。
マガツキ型ほどムッチリ感はありませんが、程よく引き締まったプロポーションはなかなかにセクシー。
素体モードでは前髪パーツと首許のリボンが新規造形。
ランナーの都合で白虎の前髪パーツと首許の装甲パーツもそのまま付属するので交換することも可能です。
前髪パッツンになるので、けっこう印象変わりますね。
あらためて頭部ですが・・
若干もっさりした印象ですね。おでこから先が長いのか?
ツインテールの塊感も野暮ったい感じ。
そのツインテールはボールジョイント接続で可動。
定番の球体ジョイントではないので可動性はそれなりで外れやすくもありますが、そのぶん破損の心配はないかと。
なお、このツインテールも含めて頭部のパーツ割りがものすごくシンプルなのは逆に新鮮でしたね。
後頭部なんて左右モナカの2パーツですよ。
まぁ、直近で組んだルミティアとかの最新作がもう異常なだけなんですが(笑)。
ちなみに、完成見本では髪にピンクでグラデーションが入っていますが、当然パーツ自体は水色一色。
いっそグラデは前髪だけで塗装済みくらにしてほしかったかも。
フェイスパーツは3種類
通常顔正面向き
パッケージイラストのイメージよりも随分お姉さんですね。普通に美人さんです。
驚き顔正面向き
なんか悪いこと企んでそうな顔。
口には八重歯が覗いています。
なお、FAGなのでフェイスパーツはほかのFAGと完全互換性があります。
アーマーと一体化した肩の構造は独特。
武装モードで追加装甲等を取り付ける3㎜穴パーツはスライドし、腕部の可動を妨げないようになっています。
武装モード
ヘルメットを被り、ボディ各部に追加装甲、背部にバックパックを装着した武装モード。
まず武装の配置はデフォルトで。
追加装甲はすべて1枚ものということもあり、ボディについては素体モードからさほどシルエットは変わりません。
背面。
腰裏の3㎜穴にバックパックと拡張フレームを装備したため、ぱっくり開いていた背中が隠れ、セクシーさは半減しました。
では、各部を見ていきましょう。
ヘルメット
デザインは本家FA 影虎の頭部デザインを踏襲。
素体頭部に被せるのではなく、完全に挿げ替える方式です。
フェイスパーツはもちろん共用ですが、基部と前髪パーツは専用パーツを組み込むかたち。
ツインテールはそのままヘルメットの上に取り付けます。
チンガードと前髪、ツインテールは外してもいい感じ。
ツインテールを付けない場合、その接続穴は3㎜穴として使用できます。
もちろんこの状態でも前髪パーツは白虎のものと交換可能です。
また、フェイスパーツと基部パーツを外せばヘルメットだけの状態にすることも可能です。
追加装甲
まず首許。
素体モードのリボン(あるいは白虎用装甲)と交換する仕様です。
ちなみに、首と襟、胸部パーツには素体モード用(下画像赤線より左)と武装モード用(同右)があり、
これらすべて交換する仕様となってはいるのですが、素体モード用のパーツのまま、頭部と首許のパーツを付け換えるだけでとくに問題ありません。
首パーツは素体用はボールジョイントで可動、武装用は斜めに角度の付いた軸接続と変化がありますが、その必要性もイマイチわかりませんね。
肩にはデフォルトの白虎と共通の曲線主体デザインの装甲と、
もう1種、角張ったデザインで小型の装甲が付属し、どちらかを選んで取り付けます。
肩用2種類めと前腕用、脛用の3種の追加装甲は本家FAでも影虎で追加されたもので、もちろん今回のFAG 影虎でも新規で追加。
当然、FAG用にリサイズされたものです。
バックパック + 拡張フレーム
バックパックは白虎と同じもの。
一見動きそうなバーニアは固定です。
構成はこの通り。
バックパック側面には武装用のマウントアーム等を取り付けられます。
バックパック下部の拡張フレームはFAGオリジナルで新規に追加されたオプション。
複数の3㎜ジョイントで構成されており、文字通りの拡張用フレームとして活用できます。
使用例として、前腕及び脛用の追加装甲を取り付けた状態が紹介されています。
高機動仕様っぽい雰囲気。
付属武器
武装類のデザイン、ギミックも基本的に本家のものがそのまま踏襲されています。
ハンドガン
名前のわりにFAGサイズではそこそこ大きな近距離用射撃武装になっています。
1丁が付属。
レーザーライフル
ハンドガンのバレルを交換し、さらにセンサー、マガジン、ストックを取り付けた中距離用射撃武装。
キャノン
マウントアームを介し、バックパックに装備する遠距離用のキャノン砲。
2門付属します。
バレルの接続部はハンドガン、レーザーライフルと共通です。
というわけで、3種の武装の互換性はこの通り。
本家ではキャノン本体もハンドガン、レーザーライフルと共用でしたが、FAG版では別パーツになりました。
ソード
実体剣タイプの格闘武装。
一振り付属。
本家では頭身がクリアーパーツ製でしたが、こちらはダークブルーの一体成型。
鞘などはなく、抜き身の状態で専用パーツを介してバックパックなどにマウントできます。
本家では左右対称のものが1つずつ付属(ランナー都合で基部は2つずつ組めましたが)していましたが、FAG版では左側に装着するものが1つだけ付属。
3㎜軸で各部に取り付けられます。
プロトキャノン
本家でも影虎で追加された武装。
正式採用タイプ(?)に較べてかなりシンプルなデザインで全長も短くなっています。
バレル分割もできません。
1門だけ付属。
軽装モード
先に言った、イノセンティア系のパーツを流用する軽装モード。
レティシアの素肌腕脚を使って再現してみました。
腕部はそのまま全取っ替え。
ちなみに、このためにレティシアの腕部を引き抜こうとして内部間接が破損しました・・(泣)
・・あとでちゃんと直してあげるからね。
脚部は専用パーツを挟んで膝上以下を交換します。
ただ、どうしても接続部で若干絞るような造形になっているので、肌色パーツ同士で併せると違和感も。
なので白いスペーサーパーツを噛ましてみたんですが、なんでそんな位置で2箇所も締めるの? みたいな・・
逆に、ほかのFAGに影虎の脚部を取り付けるパーツも付属。
こちらも専用の膝上パーツが付属し、交換する仕様です。
そもそも同じ仕様にしておけばよいのに・・
比較画像
本家FA 影虎と。FAGのほうは武装モードで。
なぜか持ってたお兄ちゃん(笑)。
本家がそもそも人体に近いプロポーションということもあり、ほかの兄妹たちよりも兄妹感がより強いです。
それにFA 影虎はかなり大型なので、兄の威厳もまた。
武装に関しては先にも言った通りFAからすべて踏襲。FAに付属するものはFAGサイズですべて付属します。
同じ新川デザインのルーデンスと。まず素体モードで。
なるほど、衣装(?)も似たような宇宙服っぽいデザインですし、雰囲気はかなり近いです。
武装モードでも。
並んでもとくに違和感はないですね。
なお、ルーデンスはFAG名義ではないこともあり、フェイスパーツ以外はとくに互換性はありません。
クセ強FAGとしてお馴染み(酷いww)のFAG グライフェンと。素体モードで。
どちらも一見取っつきにくい感じですが、思い切って接してみれば、普通にいいコたちですよ。
以下、画像
まず素体モードで。
上半身の可動は最低限という感じです。
腕部も肩の構造が独特なこともあり、水平まで上げられませんしね。
なお、腕部は上腕だけでなく前腕もロール可動させることが可能。
一方で下半身・・股関節は、基部のスライドと内部関節の可動によってかなり柔軟に動きます。
このような大開脚状態でも自立できますし、
立て膝もご覧の通り綺麗に決まります。
腿上げ性能は最新のマガツキ型以上かと。
胸部の前後スイングはイマイチ・・
というか、すぐ上半身と下半身がお別れしちゃいます。
前屈はこの程度が限界。一応これ、前屈してるんですよ。
とくに意味にないバックショット。
マガツキ、ドゥルガーよりも健全です。
武装モードでも。
肩とヘルメットのチンガードが干渉しやすいですね。
というかチンガードも外れやすい。
何度も言いますが胸部、さらにバックパックもただ組んだだけではけっこうな頻度で外れるので、なかなかストレスが溜まります。
バックパックはフレームに接着してしまったほうがいいですね。
高機動仕様で。
拡張フレームの末端に3㎜穴があるので、そこがスタンドディスプレイに使えます。
そういえば、先っちょ丸い棒と円形ベースの簡易スタンドは付いてなかったですね。
キャノン2門装備で遠距離戦仕様。
装甲の位置も変えて防御主体イメージでも。
装備全盛りで。
本体、バックパック、そして拡張フレームと多数の3㎜穴に豊富なオプションで手軽にカスタマイズが楽しめます。
いろいろ装備仕様を変えたものを複数並べるのも面白いんじゃないかな。
白虎が安く手に入ったらやってみようか・・
ヘルメット頭にルーデンスのスカルマスクを取り付けて。
俺たちは、2人で、1つだからなぁ!
兄妹揃ってけっこうミーハーなようです。
武装、追加装甲はお兄ちゃんのものもすべて装着可能。
やはりかなりオーバーサイズですね。
ていうかお兄ちゃんッコだな(笑)。
世紀末少女旅行。
かなり殺伐とした旅行になりそうだ(笑)。
以上、“FAG 影虎” でした。
ベースとなっているFA 影虎(および白虎)がほかのFAと較べてかなり異質なデザインなので、当然ガール化しても同様というところで最初はあまり興味が持てず、ゆえに白虎はスルーしたのですが、いざ現物を目の当たりにすると、なかなか可愛いじゃないか(笑)。
同じ新川デザインのルーデンスも、当初予定になかったものの、Twitterに流れてきた画像を見て欲しくなり購入、珍しくけっこうな箇所を塗装したり、小改造もしたり、彼女のための武器まで調達したりと、わりとお気に入りになりました。
あの宇宙服っぽいボディスーツは新鮮でしたね。
その流れから白虎のこともちょっと気になったりしていたので、今回の影虎の発売はよいタイミングでした・・
って、ルーデンス組んだのもう2年近くも前なのか。
本家同様、基型のカラバリにパーツ追加という内容ですが、ランナーにして4枚も追加されているのに価格上昇はわずかに300円というお得感もあってよいですね。
ただまぁ、確かにクセが強めというか、ほかのFAGと並びと異物感が強いデザインかとは思います。
パッケージイラストのクセも強いからねぇ。
で、イラストと実際のキットの顔付きもけっこう違うし。
どっちも可愛いとは思うんだけども。
ともあれ、キットとしてのできは持ちろん保証できます。
構造は少し古めで、ポロリもありますが、股関節周りの動かしやすさはむしろ最新の型以上だと思います。
というか、FAGの股関節はこれでいいんだよ。
なんでわざわざボールジョイントを挟むのか?
一般的(?)なFAGとは少し毛色が違いますが、ゆえに新鮮な感覚で接することができると思います。
武装や追加装甲といったオプションも豊富で、単体でもいろいろとバリエーションが楽しめますし、今なお・・というか今はさらにお求めになりやすい感じになっているようなのでお薦めですね。
さて今後のFAG。
勢いのあるメガミデバイスの影に隠れて少し露出が減っていた時期もありましたが、マガツキ、ドゥルガーの登場で息を吹き返した感じです。
金剛、信玄、ウィルバーナインといった新作の発表もありましたね。
なおカグツチ・・なんといってもコトブキヤガールキットの礎を築いたシリーズ、本家FAともども、まだまだ現役で後方から若手を見守るような存在でい続ける、という感じでしょうかね。
ちょっとなに言ってるのかわかりませんが(笑)。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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