今回のレビューは、ノンスケールモデルキット
“コジマプロダクション ルーデンス” です。
小島秀夫氏率いるゲーム開発スタジオ
“コジマプロダクション” と
コトブキヤのコラボアイテムとして、コジマプロダクションのシンボルキャラクター
“ルーデンス” が、
同スタジオ所属のアートディレクター、新川洋司氏によって美少女化された姿でキット化されました。
まず “コジマプロダクション” とは、もともとコナミに在籍していたゲームクリエイターの小島秀夫氏が、独立後に設立した会社だそうです。
氏のコナミ在籍中にも開発チームとしての “小島プロダクション” はあったそうですが、新たに立ち上げる際にすべてカタカナの “コジマプロダクション” に変更したのだとか。
小島さんって、メタルギアソリッドとか作った方なんですね。
メタルギアソリッドという作品はもちろん知っていますが、普段まったく触れないジャンルのゲームなので、作ってる人の名前までは知らなかった。けっこう有名な方なんですよね・・すみません。
個人的には、アートディレクターの新川さんのほうがまだ覚えがあるかな。すでにコトブキヤ関連だとFAの白虎、玄武シリーズのデザインもされてますし、その独特の絵柄はほかでも何度か見ていますし。
ルーデンスは、そんなコジマプロダクションの会社ロゴにも描かれているシンボルキャラクターで、オランダの歴史学者ホイジンガが提唱した “ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)” を基に、“最新のテクノロジーを使って未知なる場所に遊びを届けに行く” というコンセプトで、どこにでも行ける宇宙服にサムライ的なイメージも加えたデザインになったのだとか。
なお、そもそもは男性としてデザインされ、その素顔は小島秀夫氏自身の顔を3D処理したものだそうで、そのデザインのフィギュアなども発売されています。
今回はコトブキヤとのコラボでFAGべースでのキット化ということで、基本的なデザインはそのままに中のヒトが美少女に変更されることになりました。
どういう経緯でそうなったのかはしりませんが、まことに英断でありましょう(笑)。
なんてことを言っていますが、正直なところ、僕は最初さほど興味を引かれなかったんですね。
FAGベースとはいえ、完全に互換性があるわけでもないし・・
しかし、最近始めたTwitter上でたくさんの人が作られているのを見て、欲しくなっちゃいました。そういうことってありますよね。
で、わりと時間的にも余裕があったのでちょっと丁寧に作ってみようかという気にもなりまして。まぁ、結果的には合わせ目消して部分塗装で色を足して、艶消しトップコートを吹いただけなんですけどね。
それだけでも怖ろしく手が遅くなる・・我ながら歴が長いだけのポンコツです(笑)。
ではでは、レビューに移ります。
EVA(船外活動用)クリエイティブスーツ着用状態
こちらが元デザインに近い基本状態ですね。
なるほど、宇宙服にサムライ的要素が加わった独特のデザイン。
基本構造はFAGを踏襲しているので、安心安全のクオリティーです。
ただ、パッケージ等に描かれたイラストよりも現物は若干幼い感じがします。プロポーション、そして表情なんかは10代前半の少女という雰囲気。公式の設定でどうなっているのかは知りませんが・・
また、本来はヘルメットを被っているんですが、今回は付属せず。これだと船外活動はできないんだけども・・
とはいえ、背中にコンテナ状(生命維持装置?)のバックパックを背負い、そこから伸びた多数のチューブや各部のベルトなど、情報量が多くワクワクします。
今回は筆塗りで各部ディティールに色を足していますが、そんなことをしなくてもかなり細かい部分までパーツで色分けされており、素組だけでも設定のカラーリングをほぼ再現できます。
ちなみに後頭部から生えるトサカは塗装済みパーツなんですが、その上から色を塗ってます。
表情パーツは3種類。
通常顔
吊り目で凜々しい感じはありますが、やはり幼く感じます。
むしろ吊り目が幼く見せているのか・・
なお、表情パーツはFAGと互換性あり。そのまま頭部をそっくり交換することも可能です。
一方、メガミデバイスの頭部とも一応の互換性がありますが、首のジョイントから交換しなくてはいけないので、実質選択式になっています。
あと髪ですが、なんとなく絵画的な雰囲気にしてみたかったのでエッジや溝にオレンジを塗ったあと、ゴールドを擦りつけるように全体に乗せていきました。まぁ、成功したとは言いません(笑)。
スカルマスク
元デザインでヘルメットの中で被っていた骸骨っぽいデザインのラバーマスク(?)が付属。
表情パーツ交換と同じ要領(チンガードも外します)で装着状態を再現できます。
目に当たる部分は別パーツになっています。
今回はガンダムカラーEXの新色がよい色だったので、それを使ってオッドアイにしてみました。マスク自体も全面シルバーで塗装しています。
バックパック
コンテナタイプのバックパック。
開閉などのギミックはありませんが上部と側面m3角パネルパーツを外すことでハードポイントとなる3㎜穴が出現します。
FAGやメガミのように上腕や太腿に取り付けるハードポイント付きのリングパーツのようなものはないので、M.S.G.や各種武装パーツを使ったお手軽カスタマイズにはここを使うくらいしか手がなかったり・・
素体状態
これは完全新規デザインということになるんですかね?
EVAクリエイティブスーツを脱いだ、いわゆるインナーのみの状態に換装が可能です。
腕部と脚部はそっくり交換するかたちで、さらに胸部および腹部の前面パーツとバックパックも交換します。
スーツ装着状態ではデザインの関係上一体になっていた胸部と腹部のパーツが分割され、本来備わっていた胸部可動が解禁されました。
厳ついアーマー類がなくなったことで、幼さにさらに拍車がかかった感じですね。
バックパック
これはバーニアではないんだなぁ。どういう機能があるのかよくわかりません。
宇宙に詳しい人ならわかるのかな。
とりあえず、一見バーニアっぽいパーツはボール可動でぐりぐり動きます。
付属品
スピアフラッグ
その名の通り、ポールの先端に槍の穂先が付いた旗。あるいは旗を着けられる槍。
手持ちの武装(?)としては、今回唯一の付属品です。
ポール部分はシルバーとブラックで全塗装済み。
フラッグパーツはブラックのほかにクリアグリーンのものが付属。
どちらにもコジマプロダクションの会社ロゴが印刷(ブラックは両面、クリアグリーンは片面)されています。
左右に2枚のフラッグを取り付けることもできます。
手持ち用のスカルマスクも付属。
こちらは目の部分が抜けています。
保持には通常の持ち手を使用。まぁ、普通に持てます。
比較画像
FAG白虎を持っていればよかったんですが・・ないので唯一持っていた新川デザインキットのFA影虎と。
なんとなく似た雰囲気がある・・かなぁ?
ちなみにFAG白虎は某中古ショップで何度か見かけ、少ーし気になってはいたんですが、もじもじしている間に売れてしまいました・・
でも、そのうちリカラーで影虎も出そうですね。グライフェンすら(酷い)リカラー出たしね。
で、そんなFAGグライフェンと素体同士で。
始めに言っておきますが、僕はグラ子好きですよ。
それはともかく、けっこう共通点あるなこの2人。
かたや深海、かたや宇宙。活動環境的にはよく似てるのか。
なかなか怖い・・(笑)
本体構造はFAGがベースになっていますが、可動性能は最新のFAG・・例えば轟雷改Ver.2やスティレットXF-3などと較べると劣ります。
とくにこのスーツ装着状態では、胸部腹部間の捻り可動が不可能になっているので、あまりアクティブなポージングはできません。まぁ、宇宙服を着ているわけですから、若干の動作のもっさり感はそれらしいのかなぁ・・という気はしますが。
股関節のスライド可動は取り入れられており、太腿は90度近くまで上げることは可能。
加えてスーツ状態では太腿下部に可動部が追加されており、装甲の干渉を逃がしつつの回転ができるようになっています。
一方で脛の回転軸はなく、足首はボール接続です。
影虎の武装を装備して。
腕部は肩アーマーがスライドすることで水平近くまで上げられます。
ただ、最新FAGのように肩内部に可動式のジョイントが仕込まれてはいるわけではないので、肩周りの柔軟性はイマイチ。
なお、スーツ状態ではコンテナ底部の3㎜穴がスタンド用に使えます。
胸部腹部間の可動が解禁されたほか、脚部の構造など、一昔前のFAGとほぼ同じ仕様です。
感覚的に一番近いのはフレ子かなぁ。
アーマー類が一切ないので、干渉を気にせず動かすことができます。
足首に加えて爪先も動かせるので、こんな低姿勢ポーズもばっちり。
バックショットも。
よいですね。
具体的になにが・・とは言いません(笑)。
そのままでももちろん格好可愛いんですが、せっかくなのでオリジナル設定でドレスアップしてみました。
ヘルメットが付かない時点で、少なくとも酸素のある場所で活動しているはずなので、宇宙船の航行トラブルで未知の惑星に不時着。そこはかつての戦争によってすっかり荒廃してしおり、乗組員で唯一生き残ったルーデンスはただ生きるために荒野に一歩を踏み出す・・というような感じで。
まず荒野といえばマント。それも片側だけ。
ということで、M.S.G.クラッシュマントとサイドマントを左半身のみを覆うように装着。
そのまま無加工で取り付けられればよかったんですが、ちょっと無理だったので、一分加工したうえでメガミデバイス BULLET KNIGHTS などに付属のジョイントアームパーツの余剰を組み合わせて取り付けました。
若干ですがポージングに合わせて可動もするように。
マントに隠れる左側の腕部、脚部には素体状態のものを使用。
胴体部分も可動を考慮して・・というか、この状態でコンテナタイプのバックパックを背負うのは難しいと思ったので、素体状態のものを。
こだわりは両足にちゃんと靴を履かせたこと。接続方法が違うので、左側の軸にはマスキングテープを巻いて太らせてから靴をはめ込んでいます。
そして武器。
槍だけでは心許ないですし、やっぱり銃火器を持たせたかったので、同じコトブキヤキットのアーマドコア ウエポンセットからいくつか見繕いました。
アーマードコアのシリーズはけっこう昔のキットで、現行のコトブキヤ各種シリーズとはほぼ互換性がないんですが、手持ち武器として持たせるだけなら問題なし。
なによりデザインのよさがポイント高いです。
グリップが少々太いですが、PVC製のハンドパーツなら普通に持てます。ただ、ずっと持たせていると指が開いたまま閉じなくなりそうですが・・
使わなかったバックパック2種は、そのへんにあったパーツと組み合わせて物資運搬用のドローンということに。
理屈はわかりませんが、なんらかの方法で飛行します(笑)。
マウントしているライフルやショットガンは、隙間に通しているだけです。
ツーショットで。
・・うん。わりと成立していると思う。
以上、“コジマプロダクション ルーデンス” でした。
久し振りに少し時間をかけて作りましたよ。
いや、単に技術・・それ以上に根気がないのでただ長くかかったというだけなんですが、それでも一応完成となると、ただ素組みで終わらせたものより愛着が湧くものですね。
このルーデンスは、一応スーツ状態と素体状態、2パターンに組み換えが可能ではありますが、腕部と脚部の交換はともかかく、コンテナから伸びるチューブや固定用のベルト、それら細かいパーツがすべて集約される胸部腹部前面パーツの交換がけっこう面倒で、気軽に換装を楽しめるというタイプのキットではありません。
そして手持ちの武装もスピアフラッグ1本きりですし、プレイバリューという点では、本家FAGシリーズには及ばないと言わざるをえないでしょう。
僕が、最初このコにあまり惹かれなかったのもそのへんが理由でした。
しかし、目立つギミックがないぶん細かいところまで気配りされているというか、コラボアイテムということもあって丁寧に作られているな・・という感じがしました。
なかでも色分けはコトブキヤキットとしては異例・・とまでは言いませんが、かなり細かい部分までパーツ分割されており、素組みでもほぼ設定通りのカラーリングが再現できています。
ただ、この “ほぼ” というのが実は曲者。
もちろん完全再現まではされていない色分けでも、無視できる部分とできない部分とがありますが、ルーデンスの場合はその無視できない部分が1箇所(左右にあるので実質2箇所)あるんですよね。
それが、脇腹のベルト部分。ここだけが脇腹のインナーパーツと一体成型で、ほかのベルトパーツと違って色分けされてないんです。
ここも分割されて成型色で色分けされていれば、それこどバックルだけ塗れば十分だったのに・・
結果、もともとの設定色とは全然違う色でベルトを全部塗ることに。なんか、グラこのときも似たようなことしてたなぁ(笑)。
でも、なんかこういうのってわざと手を加える余地を残してるのかも・・って気もするんですが、考え過ぎかな?
ともかくも、己の手際の悪さ、技倆の拙さ含めてけっこう楽しく作ることができたキットでした。
イラストとはまるで別人だけど、可愛いよ、ルー子。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を
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