今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードアフターコロニー より、
“HGAC ヴァイエイト & メリクリウス” です。
“新機動戦機 ガンダムW” より、
攻撃と防御、それぞれの能力に特化したOZの試作型MS、
“OZ-13MSX1 ヴァイエイト” と、
“OZ-13X2メリクリウス”が
2体セットでプレミアムバンダイ限定のHGACで発売されました。
Wの5機のガンダム(ウイングを除く4機の前期版)の一般販売に前後して、ゆかりのある量産機も一般販売されたりする流れなのかな・・と思っていたのですが、今のところマグアナックとサンドロック以外にその状況は当てはまりませんね。
てっきりヘビーアームズのあとにでもビルゴが一般販売されて、バリエーションのビルゴⅡと前身であるヴァイエイト、メリクリスはのちのちプレバン・・という流れだと思っていたんですが、まさかこの2機のほうが先になるとは。
まぁ、試作機⇒量産機という順番は正しいですけどね。
あくまでビルゴが発売されるという前提での話ですが(笑)。
そんなこんなで青と赤の兄弟機。
2体セットは同じく兄弟機であるガズR、ガズLと同じパターンですね。
そういえば、ガンダム4号機と5号機も、ガンダムシリーズにおける兄弟機(双子機)は青と赤というのは定番なんですね。
今さらながらに気付きました。
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、付属シールと一部塗装での仕上げです。
ヴァイエイト
OZに拘束された5人のガンダム開発者が、対ガンダム用に開発させられた試作機。
単体で万能とするのではなく、機能を分割し、複数機による連携でガンダムに対抗しようという方向性で、こちちらは攻撃に特化したかたちで完成した機体です。
なんやかんやあってテストパイロットとしてトロワが乗り込み、同じくヒイロが乗るメリクリウスとのコンビでカトル搭乗のウイングガンダムゼロと対決するも大破、のちにモビルドール(MD))システムを搭載した2号機が登場。
それも同じくMD仕様のメリクリウスとともに実戦に投入されますが、ガンダムデスサイズヘルに乗ったデュオに撃破されて終了となりました。
ほぼ全身濃いブルーのボディに額の1本角、背部にマウントするビームキャノンと巨大な円形の外付けジェネレーターがインパクトのある姿。
モチーフは風神とかいう話も聞いたような。
なるほど、ジェネレーターが風神の持っている風の入った袋のようにも見えます。
ベース機は可変機のトーラストいうことらしいですが、その面影はほとんどなく、もちろん可変機構もオミットされています。
キットではリーオーなどと較べてムッチリしたプロポーションをしっかりと再現。
間接構造はFineBuildに準じたものになっており、肘や膝は挟み込みではなく、あとからパチンとはめ込む感じで組み立てられます。
しかし可動性は1段進化ており、首の可動や股関節のスライド可動が組み込まれています。
背負いもののボリュームがなかなかなので、しっかりバランスをとらないと自立は厳しいです。
頭部バイザーの開閉はパーツの選択で再現。
露出時の素顔、中央に四角いカメラというレイアウトはOZ系MS共通の仕様ですね。
ただ、リーオーではクリアパーツが使われていたカメラは今回シール再現になっています。
それ以外の本体の色分けは、そもそも単純な配色ということもあり、ほぼ成型色で再現されています。
開放状態のバイザーパーツの後頭部のラインのみシールです。
ハンドパーツは左右の汎用持ち手と、左手のみ平手が付属(手甲パーツは共用)します。
付属武装
ビームキャノン
ヴァイエイト唯一の武装。
砲身と外付けの大型ジェネレーターからなり、通常は分離した状態で砲身を左側、ジェネレーターを右側の背面に、それぞれジョイントアームを介してマウントしています。
使用時はジョイントアームを伸長、可動させて砲身を右脇に抱えるような位置に移動させ、
ジェネレーターもコネクタを取り外して砲身後部に連結させます。
ジェネレーターとコネクタを繋ぐケーブルは弾性のあるリード線で再現され、ジェネレータ側で多少引き出したり押し込んだりもできるので、若干の長さ調節も可能です。
グリップが可動。砲身自体もジョイントアームとはボール接続なのである程度可動しますが。
基本的に右脇に抱えて斜め左側を向けるという姿勢からわずかに斜角が変えられる程度で、取り回しはよくありません。
そもそも右手で扱うなら砲身とジェネレーターのマウント位置逆のほうがいいんじゃない? とか思ったり・・
砲身のイエローのラインはシール。センサーにもシールが付属しますが、形状的にあまり綺麗に貼れないのでメタリックレッドのマーカーで塗りました。
本来はピンクなんですけどね。
また、最大出力で撃つときには 廃熱のためにジェネレーターのカバーが開きますが、キットでも当然開閉可能。
内部ディティールのカラー再現はシールですが、これは最大出力時の発光状態を再現したもので、普段は外装と同じ色だったはず。
ちなみに最大出力時の威力はウイングガンダムのバスターライフルの最大出力を上回るそうです。
メリクリウス
出自、そして劇中における活躍は先のヴァイエイトで触れた通り、テストパイロットとしてヒイロが乗り、ウイングゼロ線では大破は免れたものののちに破壊され、MD仕様の2号機が建造されています。
MDのシステムにはテストパイロットを務めたヒイロとトロワのデータが反映されていたのですが、デュオ1人に敗北しており、紛い物は所詮紛い物という印象でした。
ヴァイエイトが攻撃特化ならこちらは防御特化。
特殊装備プラネイトディフェンサーによりビーム、そしてある程度の実弾攻撃も防ぐことが可能です。
近接武装も持っており直接戦闘もこなせるので、ヴァイエイトよりも汎用性は高め。
こちらのモチーフは雷神ですね。
プラネイトディフェンサーが正しく太鼓です。
デザイン的には武装、カラーリング以外はヴァイエイトとほぼ同じ。額の角が1本ではなく二股に分かれたものになっているくらいです。
キットの仕様ももちろん共通です。
なお、こちらは自立はとくに問題なし。
頭部バイザーも同様にパーツ交換で開閉を再現。
なお、左の平手はこちらにも付属しますが、正直使う機会がない・・
また、旧1/144キットでは武装以外完全に共通ランナーだったこともあり(今回もそうなんですが)、それぞれ相方の角パーツも余剰で付いてきたのですが、今回はしっかりスイッチで省かれています。
付属武装
プラネイトディフェンサー
小型円盤状のフィールドジェネレーターで、強力な磁場を発生させてビームを弾くことが可能な特殊装備。
基本的にビーム防御用の装備ですが、実弾にもある程度有効。
メリクリウスは左右の背部に5基ずつ、計10基を装備し、任意に分離させることで状況に応じた防御行動をとらせることができます。
というかこれ、分離後はそういう原理で動くんですかね。そうのへんの説明てあったのかな?
今回のキットでは、ディフェンサー単体にジョイントが内蔵され、そのまま10個すべての連結、分離が可能。
しかも2つあるジョイントは一方がクリック仕込みで可動するため、様々な角度、形状で連結させることができます。
中央のイエロー部分はシール。
裏面には3㎜穴があり、付属のスタンドなどで分離状態でのディスプレイが可能です。
付属のスタンドはクリパーツ製(画像だと見辛いですね・・)で、支柱が3箇所で可動。
台座も支柱の取り付け位置を変更でき、さらに複数のディフェンサーを取り付けられるフレームパーツで様々なシチュエーショが再現できます。
ビームガン
ピストルタイプの小型のビームガン。
モナカ構造でとくにギミックはありません。
センサーの形状はヴァイエイトのビームキャノンと一緒なんですね。
やはりシールがありますが、マーカーで塗っています(撮影後にその雑さに気付く・・)。
クラッシュシールド
円盤状の専用シールドで、防御はもちろん、中央部からビームサーベルを発生させることもできる攻防一体型の装備。
サーベルエフェクトはいつもの汎用パーツです。
旧キットに付属のエフェクトはクリアパーツでこそなかったですが、もっと派手な形状だった記憶が・・
比較画像
まずは兄弟で。
カラー、角飾り、武装以外の外見はまったく同じ・・なんですが、実は内部的には多少違いがあるようで、基本的に遠距離砲撃しか考えられていないヴァイエイトに対し、その護衛として近接戦闘も視野に入れられているメリクリウスの砲が機体そのものの性能は上(パワー重視でチューニングされている)という話もあります。
リーオーと。兄弟のほうはフェイスオープン状態で並べてみました。
やはりデザインには共通する要素が多く見られます。
そこはOZ側の発注なんでしょうね。
汎用量産機であるリーオーに対し、双子はぐんとボリュームが増し、わかりやすく強力になった特殊機という印象。
砲撃主体のMSに慣れている(武器を扱う腕が左右逆ですが)という意味で、トロワがヴァイエイトに乗ったのは、まぁわかるんですが・・
強力な遠距離ビーム兵器がメインということになると、むしろヒイロのウイングのほうがヴァイエイトに近い気もするなぁ。
もちろん、ウイングは格闘戦も普通にこなす万能機なので、戦闘スタイルとしては結局ヒイロ×メリクリウスということになるのか。
ウイングゼロを挟んで。
全体的なボリュームはさほど変わりません。
闇堕ちカトルくんとのガンダムパイロット同士の対決は印象的でした。
以下、画像
先にも言ったように首や股関節の可動が追加されていますが、まぁ全体の可動はそれなりです。
肘、膝ともに曲げられるのは120度ほど。
肩は前方向に引き出せるようになっているのですが、接続がボールジョイントということもあり、非常に外れやすいです。
立て膝はなんとか可能という感じ。
しかし股関節のパーツも軸が短いせいでけっこうすぐ外れる・・
やはりヴァイエイトはビームキャノン装備時のポージングの幅が狭いですね。
ジョイントアームにもう少し自由度があればなぁ・・
ポージングはやはりメリクリウスのほうが楽しいです。
10基すべて分離可能なプラネイトディフェンサーを多彩な角度でディスプレイできるスタンドの存在が非常に大きいです。
白バックだと本当に浮いてるみたいに見える。
旧パッケージイラストイメージで。
トールギスのHG化も待ち遠しいですね。
RGが出たから当分なさそうではあるけど・・
せっかくなので、キャンペーンで貰えたトリプルアクションベースも使ってみます。
こちらが基本状態。
思いのほか大きかったですね。しかもちゃんと箱に入ってました。
画像で使用しているもの以外にも複数のアタッチメントが付属します。
メインフレームの角度や位置を変えるのにイチイチ支柱をバラさなければならないのが少し面倒ですが、強度と安定感はさすがですし、いろいろなシチュエーションで重宝しそうです。
ただ、どうせクリア成型なら透明にしてほしかったかも。
モチーフと言われる風神雷神(図屏風)をイメージして。
ヴァイエイトがちょっと間抜けな感じになってしまったww
VSウイングゼロ。
でかいけど、標準的なHG3体を飾るとけっこうギリなんだなぁ。
基本一直線上に並べることになるので、見せ方もけっこう難しいです。
対決シーンよりは3機編隊飛行シーンとかを再現する方が向いてるかも。あとジェットストリームアタックとか。
さて、2対1の戦闘ということだと、最後の勇姿(?)となったデスサイズヘルとの対決を再現できるのはいつのことになるやら・・
後半の改修機、残りも全部プレバンですかね。
デスサイズヘルやアルトロンなら、ひょっとしたら一般という可能性もあるかもしませんが、最近はむしろ一般のほうが入手困難になる場合もあるからなぁ。
以上、“HGAC ヴァイエイト & メリクリウス” でした。
トールギスもまだなのに、プレバン限定とはいえこの2機が発売されるとは・・
アナザー系でガンダム以外の機体が、ゆっくりではあるものの着実に数を増やしていってくれるのはありがたい。
この2機に関しては旧1/144キットも比較的出来がよかった記憶があるのですが、HG化にあたり、プロポーション、ディティール、そして可動性は当然向上しており、一方でFineBuildろ踏襲した組み易さも非常に好印象なキットに進化していました。
それぞれの特徴的な武装ギミックもしっかり再現され、とくにメリクリウスのプラネイトディフェンサーの仕様は素晴らしいと思います。
ランナー構成、そして意味深なパーツ分割を見るに今後のバリエーションも視野に入っているようで楽しみです。
G-UNITの展開もあるので、ヴァイエイト・シュイヴァン、メリクリウス・シュイヴァンの発売は固そうですが、本音はやはりビルゴ、ビルゴⅡへと派生いさせていってほしいところ。
まぁ、ビルゴとヴァイエイト、メリクリウスは似ているようで微妙に違う部分が多いので難しいかもしれませんが、多少の違いはアレンジという解釈でもオーケーかな? とう寛大な心で待っています。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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