今回のレビューは、1/144スケール ハイグレードアフターコロニー より、
“HGAC ガンダムジェミナス01” と、
“HGAC ガンダムジェミナス01用 アサルトブースター & 高機動型ユニット 拡張セット” です。
“機動新世紀ガンダムW DUAL STORY G-UNIT” より、
前半の主人公機、
“OZX-GU01A(X-GU01A) ガンダムジェミナス01” 、
そしてその拡張オプションユニットとなる
“アサルトブースターユニット” と “高機動型ユニット” のセットが、
それぞれプレミアムバンダイ限定の完全新規金型キットとしてハイグレードシリーズに登場しました。
最終的にガンダムWの外伝というかたちで世に出たものですが、そもそもはプラモオリジナル企画として、とくにWとは関係なくスタートしたらしいG-UNIT。
当時発売された5種のキット(旧キット)は全部持っていましたが、とくにズゴックやジオングを思わせる形態に変形する敵方の機体(それもガンダム)が印象的でしたね。
このたび、そんなG-UNITシリーズが “Re.OPERATION” として23年の時を経て新生しました。
本体となるMSの仕様、そしてオプションユニットがほぼ共通規格になっており、換装することで様々な環境、用途に対応可能というコンセプトは同じガンダムシリーズではF90シリーズ、A.O.Zなどと似た雰囲気があります。
というか、今回のG-UNITのリメイクはMG F90のA to Z PROJECTの好調を受けたもののような気がします。
今のところ本体は01、拡張オプションも2種1セットの発売のみで今後の予定は未定ですが、すでに前例があるので期待だけはしています。
それでは、レビューしていきます。
キットは素組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。
ガンダムジェミナス01
G-UNITシリーズの1号機。
白、青、赤のガンダムらしいトリコロールカラーです。
なお、同型の2号機は紺を基調としたカラーリングで、まるでティターンズカラーのよう。案の定、鹵獲されて改造され、敵の機体になってしまいます・・
ジェミナスという名前は言うまでもなく双子座からとられたものですが、MSの名前を星座からとるのはOZのルールなので、開発元の資源衛星都市、MO-ⅤごとOZに接収されたあとで付けられたものなのかな?
オプションユニットの装備が前提ということもあり、素体となるMS本体は非常にシンプル。
固定武装もビームソードが2本のみです。
Wの外伝となることが決まってからデザインが修正されたのか、肩アーマーや脛の形状、そしてカラーパターンがなんとなくウイングガンダムに似ている気もしますが、気のせいかもしれません。
今回のHG化にあたってはオリジナルデザイナーである阿久津潤一氏の監修が入っているそうで、オリジナルの雰囲気はそのままに、現代ふうによりスタイリッシュな細マッチョ体型に仕上がっています。
ただ、そのせいかW系というよりSEED系のガンダムっぽくなってしまったような・・
後ろ姿もすっきりと引き締まっています。
バックパックの2基のメインスラスターは、ボールジョイント接続で可動します。
色分けはかなり細かい部分まで再現されており、肩のボルトディティールや膝裏下のスラスターなどはシールで補完されています。
上腕および足首周りにわずかに足りないグレーのみ、筆塗りで対処しています。
各部のロゴはマーキングシールです。
構造的な部分では、リニアロック・ボルトシステム(後述)の再現ということなのか、本体の関節部分での分解が容易になっています。
肘関節も定番の挟み込みではなく、FineBuildシリーズに近いパチッとはめ込む方式です。
一方で、胸部腹部間の接続が最新フォーマットに準じたボールジョイント接続になっているものの、クリアランスがほとんどなく、可動はごくわずか左右に捻れる程度。
その代替案ということなのか、腰が引き出せるようになっており、
けっこう深い前屈が可能です。
また、首のポリパーツの胴体側の据わりが悪く、けっこうな頻度で頭が落ちます・・
あと、リアアーマーの接続もなぜかボールジョイントになっており、しかもわりと緩いのでイマイチ位置が定まりません。気が付くと変な方向に向いてしまっている感じ。
武装類
アクセラレートライフル
基本装備となるビームライフル。
そこそこ大型ですが、電磁コンデンサー内蔵でハイパーショット(溜め撃ち)もできるそうです。
右のみ銃持ち手が付属しますが、保持は汎用持ち手でも可能です。なので左手でも持てます。
本体やシールド裏などにマウントできたりはしません。
ビームソード
サーベルではなくソードという名称ですが、ビーム刃はいつもの汎用パーツなのでとくに独自色はありません。
素体状態では唯一の固定装備となり、バックパックに2本をマウント。
ビーム発振部ではなく、その側面に開いている穴にホルダーのピンを差し込む・・横向けに取り付けるという珍しいスタイルです。
G-UNITシールド
Iフィールド発生器も内蔵されており、実弾、ビームの両方に防御効果のあるシールド。
専用ジョイントを介して前腕(肘の下辺り)に取り付けます。
シールド側のジョイント取り付け位置は2箇所からの選択式ですが、微妙な差でしかないです。
さて、ここから別売りの拡張セットを加えた内容となります。
アサルトブースターユニット
宇宙用の高機動ユニット。
旧1/144キットでも本体に同梱で発売されたものになります。
まずは、MG F90のレビューに倣ってMS本体とオプションユニットを並べてみました。
素体状態のMS本体から外すパーツは肩アーマーのみ。
オプションユニットは大別して肩、背中(バックパック)脛に取り付ける3種類となります。
武装の追加はありません。
では、装着。
シンプルだった素体状態から一転、もうわかりやすく機動性の強化に特化した感じです。
各部オプションユニットの装備には、先にも言ったリニアロック・ボルトという電磁石的なシステムが採用されているという設定で(本体各部にあるボルト状のディティールがそれなんだと思います)、オプションだけでなく本体パーツ(腕や脚)の換装も容易なのだとか。
元ネタは鋼鉄ジーグだそうです。
ショルダースラスター
その名の通り、肩に装着する大型のスラスター。
上下に向いた2基のスラスターが合わさった状態のもので、カバーが開閉します。
バックスラスター
バックパックに追加されるバインダータイプのスラスター。
アーム(ウイング?)が上下に可動し、さらにバインダーがボールジョイント接続でフレキシブルに可動します。
バインダー内側の黄色はシールです。
なお、ランナーの関係でこのアサルトブースターユニットのバックスラスターのパーツを中心にけっこうな余剰が出ます。
レッグスラスター
組んでしまうとほとんど見えない黄色いパーツの裏面にもグレーのシールを貼る仕様になっています。妙に丁寧(笑)。
高機動型ユニット
大気圏内での飛行を可能にするオプションユニット。
今回が初ガンプラ化となります。
ユニット構成はアサルトブースターと同様。ゆえに素体状態から外すパーツも同じく肩アーマーのみと。
レッグスラスターの形状はアサルトブースターと共通で、成型色のみ違います。
なお、こちらには機動装備だけでなく武装も追加されており、バックスラスター左右のバインダーにビームランチャーが1丁ずつマウントされます。
では、装着。
肩のユニットがより大型になったくらいで、全体のシルエットはアサルトブースター装備時とあまり変わりません。
まぁ、基本的な用途は共通で、運用領域が宇宙か地上(空中)かの違いでしかないですからね。
ブースターポッド
樽のような形状の高出力タービンを備えた肩部ユニット。
タービンはスイング可能で、色分けも良好。上下のローター部には精密なディティールも入っています。
赤いパーツのボルトディティール(グレーの丸)と、その下の黄色いスラスターはシールです。
バックスラスター
本体部分が水平位置にまで上がるほか、左右のバインダーが可動。
アサルトブースターとは違い、アームと基部がボールジョイント接続になっており、バインダーとアームの接続部は回転軸になっています。
バインダーの縁の白い部分はシールです。
ビームランチャー
バックスラスターのバインダー裏面にマウントされる射撃武装。
ランチャーというには細身で、威力のほどはよくわかりませんが。
マウント位置を変えることで、バインダーにマウントした状態のまま射撃状態にできるほか、
取り外して手に持たせることも可能です。
グリップ上下の黄色い部分はシールです。
合体形態
今回のキットオリジナルとなる、2種のオプションユニットの同時装備形態。
共通ユニットとなるレッグスラスターのみどちらか一方の装備となりますが、バックスラスター2種を結合、さらに高機動型のブースターポッドを足に履くようなかたちで単装状態のおよそ2倍の推力を獲得・・ということなのかな。
たぶん、宇宙、大気圏内を選ばず高機動戦闘をこなせるものと思います。
なお、自立についてはできなくはないですが、計4枚のバインダーを後方に伸ばす基本スタイルゆえに、重心が偏るため、スタンド使用にて撮影しています。
ちなみにスタンド使用の際は股間に専用アタッチメントを取り付ける必要があります。
バックスラスター
アサルトブースターの下部に高機動型のスラスターを結合させる仕様。逆はできません。
バックスラスター2基の連結状態だけでなかなかのMA感があります。
ブースターポッド
足に移設されたことでホバークラフト的な雰囲気になりました。
ただ、足首のアーマー、そしてレックスラスターと干渉するため、タービンのスイング含め、あまり自由には動かせません。
取り付けにはまず赤いパーツを外し、そこにジョイントパーツを挟んで、あらためて赤いパーツを位置と向きを変えて取り付け。
そして本体の足、土踏まずの隙間にジョイントを差し込みます。
あまりかっちりと付くわけでもなく、なにかの拍子にポロッと落ちてしまうことも。
比較画像
アフターコロニー世界のガンダムの始祖、ウイングガンダムゼロと。
ウイングゼロがもうけっこう前のキットですし、そもそもデザイナーが違うこともあってプロポーションに差はありますが、先にも言ったようにカラーパターン、そして肩アーマーや脛の形状になんとなく似た雰囲気があります(ウイングガンダムのほうが、もう少し近いかも)。
でも、設定状の繋がりってとくにないんでしたっけ?
コクピットモジュールのベースにしたとされるリーオーと。
なんとなく宇宙用を選んで並べてみましたが・・まぁ、外見上の共通点はないですな。
このG-UNITシリーズが好調に続けば、いずれカスタムの3機も発売されるかな?
可動に関しては、腰の引き出し以外にとくに目を惹く要素はありませんが、ポリキャップ関節による肩の前方引き出しや、股関節のスイングなど、基本的な部分は当然押さえられています。
腰引き出し、股関節スイングの併用で立て膝も、まぁ不自然ではないレベル。
肘、膝はともに二重関節で深く曲げることが可能です。
アサルトブースターユニット装備で。
サーベルに二刀流で。
ショルダースラスターのスラスターポッドは可動しませんが、腕を振るたびに全然違う方向向くのはこれ、厄介じゃないんだろうか?
高機動型ユニット装備で。
バインダーにマウントしたままのビームランチャーを前に回してヴェスバーっぽく。
さらに外して直接手に持って。
見ためはランチャーというより細身の剣みたいですね。ビームランサー的な使い方はできないんだろうか?
合体形態で。
全部盛り・・ロマンがありますねぇ。
運用領域が違うだけで基本用途は一緒なので、純粋に性能をプラスされる感じですし、デザイン的にも破綻がなくまとまっているのがいいですね。
4枚羽根が格好いい。
ただ、装備がほぼ倍になった・・とくに背負いものの重量が増したぶん、姿勢の維持が難しい場合があります。
腰の引き出しパーツと股関節、どちらもほどほどに緩めなので、いつの間にかだらんと脚が下がってたりしますね。
以上、“HGAC ガンダムジェミナス01 & 拡張セット” でした。
首のポロリやすさや若干緩めの腰、股関節など、弄ってると少しストレスを感じる部分はありますが、本体は抜群のプロポーションにかなり精度の高い色分け、そして可動も十分。
拡張オプションも、今回印象こそ似通った2種でしたが、それを逆手に取ったようなオリジナルの合体ギミックを追加。各オプションの造形、色分けも十分なレベルで、最近ガンプラでも増えてきた組み換え重視キットのスタンダードとして確かな存在感を放つことができたと思います。
ただ、F90のA to Z PROJECTは、すべてを解き明かすという宣言でスタートし、どうやら本気で26種のミッションパックすべてのキット化をやり遂げようとしているようなのでもう心配はしていませんが、このG-UNITのRe.OPERATIONはそこまで大風呂敷を広げていないので、今後果たしてどうなるのか・・
今のところ第3弾キットの発表はありませんが、カラバリでいける2号機や本体のかなりの部分を流用できるL.O.ブースターなどはできるだけ早い段階で出して、その後の展開に繋げてほしいところです。
ジェミナス用の換装ユニットもまだいくつか種類があるようですが、また2種1セットでの発売になるんでしょうね。そしてまたオリジナルの合体ギミックが盛り込まれたり・・最終的にすべてのユニットの全盛りができたりしたら楽しいですね。
なんにしても、最低でも旧シリーズで発売された5機はリメイクしてほしい。
アスクレプオスやハイドラなどの異形系が待ち遠しいです。あ、グリープもある意味異形ですね、あれ。
まぁでも、外伝に行くより先にテレビ版の5機のガンダムを揃えてくれよ・・という思いも、正直少しはありますけどね。
といったところで、今回は終了。
またのご訪問を。
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