ER クインテッサ星人と愉快な仲間たち レビュー

 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズより、

“ER EX-06 スリザーファング” 、

“ER EX-07 クインテッサン アリコン” 、

“ER EX-08 クインテッサン ジャッジ” です。


“戦え! 超ロボット生命体 トランスフォーマー 2010” に登場した、

かつての惑星サイバトロンの支配者にしてトランスフォーマーたちの創造主、

“クインテッサ星人” とその配下たちが、

アースライズEXとしてタカラトミーモール限定で発売されました。


 まさかのクインテッサ星人襲来・・

 もはや、アースライズとはなんぞや? という気がしないではないですが、とにかくびっくりですね。

 サイバーバースでも発売されているよう(日本では未発売なのかな?)ですし、開発内部で空前のクインテッサブームが来ているのかも。

 ある意味でアースライズ1番の目玉アイテムだと思うのですが、日本では一般販売とはなりませんでしたね。

 まぁ、妥当か・・

 でも、アリコン含めて同型(という表現は間違いかもしれませんが)が複数いるキャラクターですし、数を揃えたいマニアはいたんじゃないかなぁ?

 ともあれ、今回はEX-06から08の3種セットで購入するとポイント20倍と、実質20%オフなので、一般販売なのに転売屋に買い占められて高騰した挙げ句に買えない・・というような自体を想定すれば、モール限定という選択は正解だったのかも。

 いや、それでも速攻で転売されてるわけですが・・こればかりはもうどうしようもないなぁ。

 情けない世の中になったものです。


 それでは、まとめてレビューしていきます。

 紹介の順番はジャッジからの降順としました。


ジャッジ

 クインテッサ星人と聞いて、まず思い浮かべる姿といえばまさしくこちら。

 2010やザ・ムービー劇中ではほかにもいくつかの種族(?)が登場しましたが、やはり1番印象深いのがこの5つの顔を持つタコのような姿をした連中。

 全身に細かくディティールが追加されたほか、各部のバランスなど多少のアレンジはあるものの、アニメのデザインがほぼそのまま再現されています。

 浮遊状態を再現したクリア製のエネルギー地場パーツがスタンドも兼ねており、それでもって自立が可能。

 このスタンドは専用のジョイントでしっかりロックされるため、外す際はスタンド側のレバーを下ろしてロックを解除する必要があります。

 5本の触手は根元で上下に可動しますが、軟質製ということもあり、パッケージングのせいでそこそこクセがついてしまっています。

 画像は逆にかなり伸ばしてクセ付けした状態ですね。


 5つの顔はそれぞれ

 この顔が1番メジャーですね。口が開閉します。


渋面

 ごくわずかですが口が開閉します。


怒り

 こちらも口が開閉。


疑い

 こちらは口は動かず。


笑い

 彼も口は固定です。


 というように、5つの感情(?)を司っているそうですが、詳細はよくわかりません。

 どの顔もアニメデザインに忠実で程よくディティールアップもされており、塗装もばっちりです。

 なお、怒りと疑いの顔はパッケージ段階では外されており、開封後取り付ける仕様になっているのですが、疑いの顔がすんなりセットできるのに対し、怒りの顔が全然付けられない・・

 表面のパーツが干渉して、ジョイントに嵌まらないんですね・・

 幸い顔パーツは裏面のネジ1本で固定されているだけなので、それを抜いてバラしてやればあっさり取り付けられました。


 また、本体のレバーを押すことで、この5つの顔をくるんくるんと回転させることができます。

 こういうギミックも久しぶりな気がします。


付属品など

ビームガン

 ビームガンかレーザーガンか・・もしくは劇中で使っていた記憶がある修理用のトーチのようなものがモチーフかもしれません。

 他キャラが持つ場合に通常グリップとなる5㎜軸もありますが、ジャッジが持つ場合は側面の3㎜穴に触手先端の3㎜軸を差し込むことになります。

 ただ、触手が軟質パーツかつ軸も短く、ビームガン側の穴も浅いため非常に取り付けにくいです。

 さらに、触手にもう1つある3㎜軸を本体の3㎜穴に差し込むことで、ビームガンを正面(もしくは背面)に向けて構えるような位置に固定することができます。

 軟質パーツの触手が自由に曲げられることを活かした仕様ですが、やはりこれも長時間この状態で置いておくと、触手にしっかりクセが付いてしまいます。

 ガンの先端も3㎜軸になっているので、シリーズに付属の各種エフェクトパーツの取り付けが可能です。


台座

 台座というか玉座というか・・

 ほかのキャラを座らせるには少し小さいかなぁ・・

 スタンドを取り付けた状態のジャッジをそのまま乗せることができます。

 台座中央の5㎜軸をスタンド裏の5㎜穴にはめ込むのですが、ちょっと浅いのであまりしっかり固定はできません。


 クインテッサ星人といえば裁判(?)ということで、裁判時、被告を閉じ込めておくための檻が付属。

 もちろん開閉し、

 内部にはマイクロマスター程度のミニフィギュアなら収監できます。


 通常時はジャッジ本体に収納されています。

 天面にジャッジ本体の頭頂部のパーツを取り付け、胴体内部の空間に収納できます。

 もちろん、檻を抜いた状態でも頭頂部パーツで元の位置に蓋をすることは可能。ただし、その際はただ被せているだけなので簡単に外れてしまいます。


基地モード

 と呼ぶべきなのかどうか・・そもそもクインテッサ星人はトランスフォーマーではないので劇中で変形することもなかったわけで、取って付けた感が強いです。

 とりあえず5つある顔をすべて上方に展開し、さらにその内側にあったパネルを下方に展開。台座も展開して本体中央のパネルと連結。檻を正面に置いて・・本当にただ置くだけ。スタンドは檻の代わりに頭頂部のパーツに取り付け、本体の上に置きます。これもただ置くだけで固定はされません。

 まぁ、サイズもサイズですし、基地というよりはなにかの培養装置、あるいは転送装置のように見立てるのがいいのかなぁ。

 本体のスペースには、やはりマイクロマスター程度のミニトランスフォーマーを入れることができますし、勢力を無視してほかの基地モードと繋げれば一定の役割は果たせると思います。


アリコン

 クインテッサ星人の下僕といえば、シャークトロンのほうが有名ですが、あちらは数年前にレジェンズ(世界基準ではではタイタンズリターンかな?)でレジェンズクラスでリメイクされていることもあってか、今回はよりマイナーなこちらに白羽の矢が立つことに。


ロボットモード

 ガードとも呼ばれるロボット兵で、シャークトロンよりは知能もあるため、より重要な任務を任されているようです。

 公式ページの説明はあれ、シャークトロンと間違えてますね・・

 ずんぐりしたフォルムはもちろん完全新規で、背の高さこそそれほどではないものの、横幅があるためボリューム感があります。

 主人と同じく、ほぼアニメデザインに忠実な立体化ですね。

 トサカや肩アーマーのスパイクなど、一部に軟質パーツが使われています。

 胴体だけでなく腕も脚もどちらかというと太短いので、パッと見あまり動きそうにないですが、これが意外なほどよく動きます。そこについてはまたのちほど。

 背面は、ビーストモードの尻尾を甲羅のように背負ったかたちですっきりとまとまっています。

 側面に覗くキバがなんか可愛い。


ビーストモード

 直立したワニのようなモンスターロボにトランスフォーム。

 彼らの劇中での活躍はあまり覚えていないのですが、ワニ頭のディティールを見るに、ロボットモードの胸部が起き上がってこのビーストモードになる・・というのが本来の変形だったのかな?

 今回は上半身を180度回して背中にたたんでいたワニ頭を起こし、尻尾も180度回して後ろに下ろすという変形パターンに。

 下半身はロボットモードのままです。

 腕部は軟質パーツになっており、ちょっと緩めではありますが、手で5㎜軸を保持できます。

 劇的な変化はないものの絶妙なデフォルメ加減(ほぼオリジナルのデザインのまま)が可愛らしく、見ていて飽きません。


 口はワニらしく、上下にガバッと大きく開くことができます。

 下顎の内側もしっかり赤く塗装されているところは好印象。


 しかしこうなると、ぜひ同じサイズのシャークトロンもリメイクしてもらいたかった。

 ファン投票の時に名前が挙がってました(勝者はラナマックでした)し、その後子のありコンの発売が決定したので、パーシャルで来るんじゃないかと思ったんですが・・どうもなさそうですね。

 実際、全然違うデザインだしなぁ。


付属武器

 ロボット、ビースト両モードのメイン武器。

 柄の部分がまっすぐの5㎜軸になっており、アリコンの拳も回すことができるので両手持ちも可能なんですが、けっこうギリギリの長さですね・・

 もう少し長ければ余裕があったのに。

 なお、ほかの武器パーツとの連結などといった拡張製はありません。

 非使用時は背中にマウントできます。

 ジョイントは2つ並んでいるので2本マウントできますが、生憎と槍は1体につき1本しか付属しません。


 ビーストモードの尻尾先端から取り外すことのできる武器。

 これはトイオリジナルなのかな?

 やはり拡張製はないです。


スリザーファング

 これは新キャラですかね?

 新たにクインテッサ陣営に加わったヘビ型のバトルマスターです。


ビーストモード

 つい最近同じようなフォルム、同じような配色の食玩キットに触れた記憶がありますが・・

 キングコブラがモチーフですね。

 尻尾のほうにはキャタピラのディティールが入っています。

 デザイン上、全体の半分以上が頭部に見えてしまうので、ヘビなのにまったく不気味さや怖さは感じられないなぁ・・


ウエポンモード

 便宜上そう呼びますが、アースライズのバトルマスターは全員シールドもしくは基地用のタラップ(通路)に変形します。

 もちろん、このスリザーファングも同様。ただし彼の場合は裏面にキャタピラのディティールが入ったパーツがあるので、サウンドバリアや1月発売のダブルクロッサーよりも使い途の幅が広そうです。


 エフェクトパーツは被弾イメージのものが1つ付属。

 サウンドバリア付属のものより爆炎が長く尾を引いた形状になっているので、射撃エフェクトへの流用もほとんど違和感がないと思います。


比較画像

 まず今回紹介の3体で並べて。

 スリザーファングはさておき、ジャッジとアリコン、そしてシャークロトンもですが、カラーリング含めてデザインにはなんとなくの共通性がありますね。

 というかジャッジがでかい・・アニメだとどうだったのかなぁ? あんまり覚えてないや。


 ジャッジとオプティマスのサイズ感はこの通り。

 さすがに背はオプティマスのほうが高いですが、実際このサイズ感で右側のバケモノに寄ってこられたら怖いよなぁ・・(笑)


 アリコンとレジェンズ版シャークトロンで。

 シャークトロンは今は亡きレジェンズクラスということもあり、再現度としてももの足りない部分があります。

 せっかくジャッジもアリコンもアニメから飛び出してきたような素晴らしい出来なので、シャークトロンもあらためてデラックスクラスでリメイクしてほしいですね。 


 ビーストモードでも。

 こっちはこのサイズでもいいかな、という気はしますが(笑)。

 ついでにジャッジも交えてオリジナルトイのシャークトロンとも並べて見ました。

 案外違和感ないです。


 同じデラックスクラスでも大柄なホイストと並ぶと、

 アリコン自体はかなり小柄だということがわかります。

 でも恰幅がいいので、あまり小さいという感じはしませんね。


 最後にスリザーファング。

 サウンドバリアと、各形態で。

 変形後の用途がほぼ同じなので、ロボットモードとビーストモードで差別化がされているのはよいですね。

 ただ表面のシールド(あるいはタラップ)のパーツがクリアパーツという共通仕様は、やはり強度面に不安があります。

 サウンドバリアのジョイント部分、だいぶん白化が目立ってきました・・


以下、画像

 ジャッジの実質的な可動部は触手の根元のみ。

 付属の専用スタンド以外の汎用スタンドの使用もほとんど考慮されていないため、派手なアクションポーズというのはほとんどとれません。

 まぁ、そもそもそういうタイプのキャラではないですが。

 一応胴体下部には3㎜穴(ガンを持たせているときの触手の固定に使用)や5㎜穴(ビス留め用の穴)があるのですが、位置的にもクリアランス的にも非常に使いにくいです。

 画像は3㎜穴に汎用スタンドを無理矢理差し込んで飛行イメージで撮ってみましたが、しっかりフィットしないのでかなり危なかったですね・・


 5㎜穴のほうは、

 とりあえずこれくらいかなぁ(笑)。

 ほかのアイテムの武器やウエポナイザー、モジュレーター使って簡単にカスタマイズ・・というわけにはなかなかいかないですなぁ。


 サ〇エさん的な(笑)。

 こういうお遊びはできるんですけどね。

 


 一方のアリコンは、見ためとは裏腹に非常に優秀な可動性を誇ります。

 肩の前方引き出しや上方跳ね上げこそできませんが、上腕と拳の回転の組み合わせで槍の両手持ちが可能。

 半ば胸部に埋まったような頭部はボールジョイン接続でで、左右には若干振れる程度ですがわりと大きく顔を上げることができます。

 さらに特筆すべきは足首の可動で、内側へのスイングはもちろんのこと、前方向にほぼ直角にまで曲げることができるので、画像のような前傾姿勢で槍を構えるポーズもかなり自然に決まります。


 横から見てもらえればよりわかりやすいかと。


 当然立て膝もばっちり。

 太腿を上げる際は、腰アーマーを跳ね上げる使用です。


 2体で連携して攻撃。

 スタンド対応穴は腰裏にあるため、使用の際は背面の尻尾固定用のジョイント外して少し開く必要があります。

 で、今さらですが、今回アリコンとスリザーファングは2つずつ購入しています。

 最初はジャッジも含めたセットを1つだけ予約していたのですが、それぞれ単品で追加予約しました。

 さすがにジャッジは1体で十分かな、と(笑)。


 スリザーファングのシールドを両肩に装備して。

 こうなると、ほぼモブのザコキャラとは思えないです。

 けっこう強そう・・


 ビーストモードでも。

 下半身はロボットモードのままなので、ほぼ同じ感覚で動かせます。

 腕部は根元で回転できるだけですが、基部(ロボットモードの腕)のジョイントを外してやれば外側に開くこともできます。


 こちらもスリザーファングを装備して。

 肩からビーストモードをそのまま生やしてみました。

 これまた強キャラ感が漂う結果に。


 ジャッジの基地モードにスリザーファングを連結して控えめに拡張。

 う~む。

 ジャッジ本体、正面以外の4つのパネルにもジョイントがあればターミナル的な使い方もできたのに・・ちょっともったいない気がします。


 最後にストーリー仕立てで。


 クインテッサ星人に捕まったスパイクを救出するため、奴等のアジトに潜入したブラーとウィーリー。

 ブラーが派手に動いて奴等の注意を惹きつけている間に、ウィーリーがそーっと後ろに回る作戦。

 一瞬の隙をついて檻を開け、スパイクを脱出させたものの、それを待っていたかのように襲いかかってくるスリザーファング。

 そりゃあそうだよ。クインテッサ星人は後ろにも顔があるので、始めからすべてお見通しなのである。

 それでもなんとかスパイクを抱きかかえ、逃げるウィーリー。

 しかし、その背中にクインテッサ星人が狙いをつける・・

 間一髪、駆けつけるリア充・・もとい、スプラング。

 やはり色男は自分が1番輝く瞬間を知ってますな(笑)。

 しかし、こんなふうに2010キャラで遊べるくらいリメイクアイテムが充実してくるなんて思わなかった。

 11月にはアーシーも新しい姿でやってくるし、ガルバトロンとサイクロナスのキングダムでの発売の噂もあるし、あとはロディマスか・・


 以上、“ER クインテッサン ジャッジ、アリコン、スリザーファング” でした。


 にわかに到来したクインテッサブーム。

 ジャッジことクインテッサ星人は、本来トランスフォーマーではないので変形ギミックにはかなり強引なところがあり、本体の拡張性もほとんどありません。

 しかし、アニメからそのまま飛び出してきたような存在感は素晴らしいですし、フェイズチェンジギミックや小型トランスフォーマーを閉じ込めておける檻、そして台座など独特の付属品も新鮮で、いろいろな意味でクセの強い、トランスフォーマー史上に確実に名を残すだろうアイテムになっていると思います。

 そしてまさかの登場となったアリコン。

 こちらも変形ギミックこそ単純ながら、ロボット、ビースト両モードで劇中のイメージを踏襲しつつも愛嬌たっぷりに立体化され、思いのほか優秀な可動性も手伝って非常に出来のよいアイテムになりました。

 スリザーファングに関しては・・あらためて言うことはないかな(笑)。


 いやはや意外なラインナップというか、アースライズは地球を舞台としたシリーズだと思っていたので、まさかそこでこれほど完成度の高いクインテッサ勢力が投入されるとは思いませんでした。

 というか、おおよそ1年でシリーズを仕切り直す必要ってあるんですかね?

  最初から三部作とはしてますけど、基本仕様は一緒で、エイプフェイスとスナップドラゴンみたくコンビがシリーズを跨いで揃うみたいなこともあるのなら、もういっそ3年で1つのシリーズにすりゃあいいのに。

 まぁ、このレベルでどんどんリメイクしてくれるのなら出自もシリーズ名もなんでもいいんですけどね。

 ともかくも、これまでほとんどリメイク機会のなかったクインテッサ陣営の登場で、今後のジェネレーションラインの展開の幅もぐんと広がった気がします。

 でもクインテッサ並のサプライズとなると、ほかになにがあるかなぁ・・?


 といったとことで、今回は終了。

 またのご訪問を。

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